東京建築祭・カトリック築地教会編です。

 

築地本願寺からもそれほど離れていない場所に、カトリック築地教会はあります。

建設は1874年11月22日というから150年目!

東京で一番古い教会だそう。

 

私は初見です。ギリシャ神殿かイタリアのパンテオンみたい。

柱はさっぱりしたドリス式。

それだけにペディメントが引き立って、美しいなぁ。

こちらのペディメントの浮彫は人物像ではなく植物でした。

 

 

清楚で素敵!

中央は教会につきものの白百合でしょうかね。

その両側には薔薇の花。

 

 

 

お目当ては、14時からのハルモニウム演奏です。

結構早めに着いたので、まだ席はガラガラ。

入り口わきの聖具室のような小部屋に展示があり、それもほとんど並ぶことなく入れました。

 

展示を見た後もまだまだ時間があるのでなにか発見求めて探検します。

外に一旦出たところ、あれ?東京カテドラル聖マリア大聖堂にうり二つの鐘が! 

 

説明書を読むと、

明治9年、フランスで鋳造された「江戸のジャンヌ・ルイーズ」という鐘がこちらに移送され、

翌年、今度は「アドレード・ジョセフィーヌ」という鐘が寄進されたとのこと。

寄進者は、本ブログでも何度か話題にした例の法学者ボアソナードです。

後者のほうは、大正10年に姉妹教会のカトリック関口教会に移されたそう。

へぇ、関口教会の鐘にはそんな経緯があったのか。

戦時下での金属供出令に際しては、強い申し入れが受け入れられて、

難を逃れたとのこと。

 

 

 

以前記したジョセフィーヌの鐘(関口教会)の記事↓

 

 

Boissonade=ボワソナードの文字が見えます。

サイズはこちらのほうが大きいです。

 

 


14時からの演奏前には簡単な建物説明もありました。
木造モルタル製というのがポイントだそう。
屋根の十字架は新しいものに取り替えられ、古いものは展示室にて保管、などなど。

古い十字架がこちら。今ついているものは真っ白。かなりのイメチェンです。

 




ハルモニウムは新旧2つあり、本日演奏するものは比較的最近のものでフランス製。
脚で空気送る仕組みです。

 

最初の曲は、「G線上のアリア」。

でも、その後演奏した「ふるさと」が、音質に一番マッチしたように感じました。

音がとてもノスタルジックなので。

 

演奏の跡、ハルモニウムの引き方説明も。

 

 

 

ボタンをチェック。

左から2番目の "Sourdine”は、ミュートのような意味かと。

あとはフルートFlûteの文字が見えました。(写真には写ってないけど)。

Cor anglaisとかBourdon、Portéとか専門用語の意味はわかりません。

 

 

以下、教会内の様子。

格天井にランプにステンドグラス。

ユリと何か別の花の組み合わせのように見えます。

 

 

 


展示室にはいろいろありましたが、手短に2つをピックアップ。

カトリック教徒狩りのための、賞金制度を告知するもの。

その下は踏み絵。絵柄は聖母子像。(イエスがどう見ても子供なので、ピエタではないな。)

 

 

 

それからクーデンホーフ光子さんと、法制度制定の父ボアソナードの写真と掲示も。

どちらも以前ブログに記した人たちです。

おふたりと、この教会との関わりは以下:

 

クーデンホーフ光子:

築地神学校教師のもとで1893年洗礼、堅信式を行った。
続いてハインヒリと築地教会で結婚した、と。
東京府に届け出された初の正式な国際結婚と言われている。

ボアソナード:
妻と共にパリ外国宣教会の神父に協力して、築地教会の創立に貢献。
フランス製の鐘2つを新しい青銅の為に注文し、現在関口カテドラルと
当築地教会に残る。
フランス帰国後1910年6月27日亡くなったボアソナードの為に
築地教会で追悼祈祷会が行われた。

(*鐘の脇にあった説明には、最初の鐘がボアソナードの寄進だったとは

書いていませんでした。)

 

 

ずんぐりした右の門柱はイオニア式。

左の碑には、「聖ヨゼフ幼稚園」の文字。

 

 

 

 

 

この教会に来る前に、江戸屋と井筒屋の内部見学の列に並びかけました。

前者はかなり長い列であるだけでなく、5分並んでも1㎝たりとも動かず。

理由はきっと、店内が狭く、人を避けて写真を撮ろうと粘る人が多いせい、

はたまた、長時間並んで入ったのにすぐ出たのはもったいないという思って粘る人が多いせい。

井筒屋の方は13時から15時までの限定公開で、ギリギリ足切り前に滑り込みました。

が、ということは順番がまわってくるのは15時頃。

2時間待ちは辛すぎる。

ならば築地教会に移動しようと、その場で仲良くなった人と共に、井筒屋の列から離脱しました。

 

結果的にこの2か所の断念のおかげでその後の予定がこなせました。

日証館は同じ長蛇の列でも、スイスイ流れていました。

やはり中のキャパシティの大小次第で、同じ列の長さでも、待ち時間にかなりの差が出ます。

 

 

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