東京建築祭#4は、今回の建築祭にも協力していた安井建築設計事務所の

オープンハウスについて。

 

安井建築設計事務所今年1月、平河町からこちらの神田美土代町のビルに移転。

理由はー

 

 

創業100周年を記念して、ということらしいです。

 

 

 

リノベをしたといっても、天井は御覧の通りスケルトン。

コストの問題などではなく、まずは社員教育の一環なのだとか。

常にむき出しにすることで、若手社員にとって躯体への固定法を学ぶいい機会、ということで。

さらに、脱酸素化への協力でもある由。

天井仕上げをしないのがどう脱炭素なの?という疑問への答えは館内のパネルで

解説されていました。

削減理由は主に、輸送量削減に起因するものと、設置に起因するもの。

なるほど建材量軽減=物流軽減=炭素削減か。

 

 

 

この階段がオフィスの素敵なアクセントになっているのですが、

床に穴をあけて作ったものらしいです。

 

 

解説はこれ。なんだか昨日アップしたあの減築された建物を思い起こします。

うーむ、既視感。

 

 

このワイルドなシーンにこの階段の素材がうまくマッチしているなぁと感心。

サイドの網目状のしつらえも、デザイン的にしっくりきているし。

 

 

古い梁はそのまま生かして、植物をはめ込んだり。

 

 

こちら、共有会議スペース。

わかりづらいけど、廊下が一直線ではなく、上から見ると凹凸になっています。

廊下に沿って作られている会議室の形大きさが、個々に違うためです。

確か、会議室ごとに変化をもたせることで創造力向上を狙う、、みたいな説明だったかな。

 

 

 

創業者の安井武雄氏の写真と、手掛けたビルのパネル。↓

安井氏は大学で内藤多仲と同期だったとか。

 

 

これらのパネルは建築祭用にしつらえたのではなく、常設なのだろうな。

出社するたびに手掛けた立派なビルの図が掲げられていたら、自負心をあおるよね。

上野の黒田記念館も、こちらの事務所が手掛けたものらしい。

 

 

そしてサントリーホールも。

これはサントリーホールのメインエントランス上部の館銘板。
2007年の20周年改修工事の際に取り替えられ、

その際に取り外した1986年創建当時のものだそう。

 

 

大阪が発祥。

東京事務所は当初麹町にあったのか。

 

 

柱のえんじ色部分について、マニアックな説明。

20年前に行った改修時につけられた、耐震のための銅板巻立て補強である由。

(20年前の改修を行ったのは日建設計っぽい。このビル全体は住商不動産が管理していて、

日建設計は住友系だから。)
今回の改修でもそのまま生かされたとのこと。
執務エリアにも複数存在して、マグネットがくっつくので重宝してる!という話。

 

 

 

安井設計建築事務所(WORK VILLA MITOSHIROビルのテナント情報)

場所 ●●●●●   東京都千代田区神田美土代町1番地

完成         2024年

リノベーション設計  安井建築設計事務所

リノベーション建築  安井建築設計事務所/大林組/コクヨ

ビル全体=WORK VILLA MITOSHIROビル(旧住友商事美土代ビル)

場所 ●●●●● 東京都千代田区神田美土代町1番地

竣工 ●●●●● 1966年

規模 ●●●●● 地上9階地下3階

延床面積 ●●  20,132m²

設計       日建設計

施工 ●●●●● 大林組

 

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