アナスタシア8巻上を

振り返り始めています。

 

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前章で、放射能小石問題が解決し

さらに核廃棄物問題の解決策も

見出したヴォロージャくんと

その話を興味深く聞いたメグレさん。

 

今度はメグレさんが質問しました。

おまえはいつも

あらゆる問題について

考えているんだね。

それ以外に何か

やることはないのかい?

何か仕事を任されているとか?

 

 

それに対する

ヴォロージャくんの

答えはこうです。

 

 

仕事・・・?

任される・・・?

ぼくはいつもしたいと

思ったことをしているよ

 

 

これにも驚きますね。

 

え、仕事って何?ってこと?

仕事だと思ってやることは

彼らの世界には何一つないの?

 

お父さんが自分の子に

自分のタイミングで

抱っこしたり

頬ずりしたりするのも

暴力的、と初めて読んだ時と

同じくらいびっくりしましたね。

 

 

で、メグレさんが

仕事って言うのは例えば

わたしが子どものときは

うさぎの世話を任されていたけど

そういうのはないのかい?

 

と説明して、

ああ!それならあるよ

ぼくが自分に与えた

とっても楽しい任務が!

とヴォロージャくんは

興奮気味に答え、

 

見せたい場所がある

と案内しはじめ、

その道中に説明します。

 

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・ひいおじいちゃんに頼んで

雁と野鴨の卵をそれぞれ

4つと5つ見つけて

持ってきてもらったこと

 

・小さな穴を掘って

底に鹿のふんと草を敷いて

それを干し草で覆って

その上に卵を全部置いたこと

 

・時々自分も

その穴の上に寝そべって

上からも温めたこと

 

・寒い日や雨の日には

熊を穴の上に寝させたこと

 

・そのうち

雁が2羽と野鴨が3羽

卵からかえったこと

 

・自分で草の種や砕いたクルミ、

水をひなに与えたこと

 

・その時は自分が

世話をしているのを

見せるために、

領域のいろんな動物を

呼んだこと

 

・ひなたちは育ってくると

穴から這い出て、

走って付いてくるように

なったこと

 

・順調に育って、

飛び方も覚え

好きなところに

飛んでいくようになっても

巣穴に帰ってきていたこと

 

・秋になると、

他の渡り鳥たちの群れに加わって、

暖かいところへ飛んでいったこと

 

・でも春になったら

戻ってくると確信していたこと

 

 

 

 

*****

 

 

そして、実際に春になって

鴨たちが「ガーガー」と

嬉しそうに鳴きながら

帰ってくる声が聞こえたとき

どんなに素晴らしかったか、と

話すヴォロージャくん。

 

 

そして、メグレさんに

「見てよ、パパ」と

巣穴に産み落とされた

6つの卵を見せました。

 

 

メグレさんは

「なんと、帰ってきただけじゃなく

卵も産んでいたのか」と驚きますが

 

 

ヴォロージャくんが

なぜこの一連の野鳥の飼育を

自分の任務としたのかを聞いて、

 

それも割と高度な議論をしたうえに

数学的な回答まで9歳の息子から得て、

 

 

これ以上彼と議論するのは

愚かに思えた

 

私は、自分が息子にアドバイスしたり、

教えてやれることが何もないのを、

少しいまいましく思った

 

という感想を持つに至ります。

 

 

いつだって、メグレさんは

息子にとって

尊敬される父親でいたいし

威厳を保ちたいと願っているのに

 

毎回そうならなくてがっかりしていて

そこは本当に同情してしまいます。

 

 

 

そして

私がコンピュータを駆使し

一年かけて導きだす答えよりも

(一瞬で答えを出してしまう)

彼の計算の方が正確なのだ。

 

と認めています。

 

 

 

 

 

この二つの相反する感情

「息子の役に立ちたい」

「息子に何も教えてやれることはない」

これらをメグレさんはこの9年間で

ちゃんと真正面から見つめて受入れ

どちらも自分の本心だと

認めることが出来たんですよね、多分。

 

 

 

そして、その素直な気持ちから

口にした言葉が、この後、

メグレさん、アナスタシア、

ヴォロージャくんの3人家族に

大きな変化をもたらします。

 

 

 

そうだ息子よ、教えてくれ。

おまえはここでいろんな問題を

解決したり遊んだりしているね。

 

今、何か抱えている問題は

ないのかい?

 

 

 

これを聞いたヴォロージャくんは

深く、とても悲し気なため息をつき

少し沈黙したのちに答えます。

 

 

うん、パパ、ぼくにはとても

大きな問題があるんだ。

そして、それを解決できるのは

パパだけなんだ。

 

これを聞いたメグレさん。

 

ヴォロージャは悲しげだったが

助けが必要だと聞いた私は、反対に

嬉しさで舞い上がってしまった

 

と素直に書いています。

 

も~かわいいですよね、ほんとに。

キュンです。

 

 

 

 

この3章には小章が2つ

入っているので、続きは

分けて書きますね。

 

 

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前回の記事

 

 

 

 

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2巻1章

 

3巻1章

 

4巻1章

 

 5巻1章

 

 

6巻1章

 

 

7巻1章

 

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