2023年1月にスタートして
ようやく8巻上まで来ました。
現時点で出版済みは残り2冊!
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この巻は冒頭から
アナスタシアが登場します。
正確には、メグレさんが
アナスタシアとタイガの森で
一緒に眠った時の夜明けの
描写で始まる章です。
アナスタシアが起きる前に
メグレさんが目を覚まして
そんなことは珍しいので
じっと彼女の顔を見ていたそうです。
その夜は温かだったらしく
メグレさんが以前持ってきた寝袋を
アナスタシアがほら穴の入り口に敷いて
その周りに干し草と花を使って
見事な寝床を作ってくれたそうです。
これまで
彼女がタイガで眠っている姿を
見たことがなかったメグレさんは
(いつも彼女が先に起きていたので)
美しい姿で眠る彼女に
見とれていたそうです。
そのうち、
心の中で独り言を始めた、
とあります。
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僕たちが出会って
もうすぐ十年が経つ。
(1994年に出会っているので
2003~2004年頃のようです)
俺はこの十年で老けてしまったが
きみはほとんど変わらない。
きみにはこんな白髪の束が
現れただけだ。
それにきみをかすめた
銃弾の傷もほとんど癒えた・・・
人々が一族の土地を創造し
大地を実り豊かなものに
変えはじめているんだ。
彼らはきみが語ったことを理解し、
自らその美しい未来を築き上げているんだ。
きみは俺に本を書くことを教え
息子を生んでくれた。
俺を有名にし、
娘からの尊敬を取り戻させてくれた。
(ここでの娘はアナスタシアと会う前に
メグレさんと奥さんの間に生まれていた娘)
アナスタシア
俺は自分がきみのことを
どう思っているのか
君に伝えたことはなかったし
自分でも口にしたことはなかった。
そもそも俺は、人生で一度も
「愛している」なんて言葉を
女性に言ったことはなかったんだ。
誰かを愛しているのなら
愛する人にたいする行動
そのものにその愛が
表現されるべきじゃないか。
言葉よりも行動の方が
重要だと思うんだ。
アナスタシア
きみに愛を告げたことは
なかったね。
でもきみが空から
星を取ってほしいと言うのなら
俺は一番高い木に登ってでも
てっぺんの枝からその星に向かって
ジャンプするだろう。
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メグレさんって、現実主義者であり
ロマンチストでもあるんだなあ、と
この章を読むとうっとりします。
アナスタシアの美しさを感じ取る心が
包み隠さずシンプルな言葉で
表現されていて、温かいんですよ。
そして、この
「お星さま取って」のくだりを
眠っているアナスタシアの顔を
見ながら心の中で
というより意識の中で
イメージしていた時
アナスタシアも同じシーンを
夢で見ていたそうです。
目を覚ましたアナスタシアが
「明け方の夢が心地よかった」
と話すのです。
メグレさんはその夢の内容を聞いて
びっくりしたはずですが
そのことをすぐには彼女に言いません。
なぜならアナスタシアが
「素晴らしい一日を抱きしめてくる」
といって朝の体操を始めたからです。
両腕を左右に伸ばし
数秒間空を見上げ
その場でくるくる回る
その後、駆け出して
宙返りしたのち
再びくるくる回る
その体操を見ながら
メグレさんがアナスタシアに
夢について説明しようと
彼女を呼ぶのですが
時を同じくして、
アナスタシア祖父の
彼女を呼ぶ叫び声が聞こえて
この章は終わります。
メグレさんとアナスタシアは
出会ったその翌日に息子を
授かっているので
出会って間もなく10年なら
息子は間もなく9歳の頃でしょう。
5歳で初めて息子と会話をした
メグレさんは、その後毎年
1回は会いに行っているよう
ですので、この章はそれから
5回目くらいの滞在のときの
話になるのでしょうか?
愛する人の寝顔を見ながら
心の中で話しかけていると
眠っている相手もそのイメージを
共有しているかもしれないなんて
ほんと、素敵なお話です。
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