アナスタシア7巻を振り返っています。

残り3章です。
 
 
*****
 
 
前章の孤児院の女の子が
1ヘクタールの土地をもらって、
そこで成長していく未来に続き

 

今日の章もメグレさんが

テレポーテーション能力で

見てきた未来の話のようです。

 

場所は具体的に書かれていませんが

ロシアのある刑務所の所長と法律顧問、

それから囚人の一人が

前半の主な登場人物です。

 

 

その囚人が中心となって、

刑務所の多くの囚人たちが

アナスタシアシリーズを読んだうえで

次のようなアイデアを企画し

所長と法律顧問に提案します。

 

 

広い土地を鉄条網で囲って

四隅には監視塔を建てる。

 

1ヘクタールずつに区切って

囚人1人ずつに担当させる。

各区画には独房を建てる。

それぞれの囚人は野菜を栽培し

販売した収益の半分は刑務所に

残りの半分は囚人の賃金とする。

 

刑期終了後も本人が希望するなら

その土地に居続けることを認める。

区画内のすべての囚人の刑期が

終了したら周囲の鉄条網と

監視塔を取り払い、別な場所に

新たな施設を移す。

 

 

*****

 

わたしは刑務所について

あまり詳しくありませんが

農業をすることには問題なく

また囚人が賃金を得ることも

独房を建てることも問題はないそうです。

 

章の中盤では

この奇想天外なアイデアを

囚人たちが本気で望んでいるのか

所長と法律顧問はある試験をします。

 

そこで、ほとんどすべての囚人が

このアイデアを真剣に考え

農業に必要な知識を各自で

しっかりと学び、

頭に入っていることが分かったので、

囚人たちのアイデアは実行に移されます。

 

 

数年後、美しく緑で覆われた

刑務所の広大な土地を

上官の局長、司法省の委員たちが

視察に訪れ驚きます。

 

そして、国の刑務所全体を

このような施設にしたり

 

国民一人一人に土地の

終身利用を認める法案を

提出しようとするところで

メグレさんは物語るのをやめます。

 

 

 

 

この章の中で

特に心に残った部分を

以下に抜粋します。

 

*****

 

はい、僕たちは「アナスタシア」

という本を読んだのです。

それからその続編も。概して、

その本に書かれている内容は、

人間の使命についてです。

そして、もしも

地球に暮らす人間全員が

一ヘクタールずつの土地を得て、

そこに楽園の一角を創造するのなら、

地球全体が楽園に変わるということ

について言及されています。

 

 

囚人たちは、冷たい秋雨の中でさえ、

ビニール袋を繋ぎ合わせた

自作の雨合羽を引っかけ、

五十人の縦隊で

毎日分与地へと突き進んだ。

希望者はもっと多くいたのだが

刑務官の数が十分ではなかったため、

毎日五十人ずつ

連れて行くことにしたのだった。

未来の農場主たちは

すべてを投げ打って働いた。

 

真冬になる前に、

鉄条網がはりめぐらされた

すべての柱と監視塔が完成した。

 

春の陽気の日、監視塔に立った所長は

異様ともいえる光景を目にしていた。

鉄条網で囲まれた二百ヘクタールの敷地に、

百八十の区画がくっきりと現れていたのだが、

大半の区画が棒杭や木の枝で仕切られており、

ワイヤーだけで仕切られた区画は

ほんのわずかしか見えなかったのだ。

 

低地にはところどころ雪が残っていたが、

小さい丘は、すでに芽を出した草で

緑色に染まっていた。

 

次の秋になると、囚人たちも

「新しい刑務所」と呼ぶすべての区画が、

まだ大きくないリンゴや梨、

ナナカマドや白樺、その他の

ありとあらゆる木々の苗木で縁どられ、

それぞれの木が秋の彩りとなって、

目に心地よい景色をつくり出していた。

 

新しい刑務所になって

はじめての秋ではあるものの、

監視塔から目にする

二百ヘクタールの眺めは、

荒野が黒い大地だった頃の

春の景色と比べ、

見違えるほど様変わりしていた。

素晴らしい緑のオアシスが、

鉄条網を境に姿を現しているのが、

はっきりと見えていた。

 

 

 

 

 

新しい刑務所は、

上空のヘリコプターの丸窓からも

美しい緑のオアシスに見えてはいたが、

実際に足を踏み入れた委員たちに

衝撃を与えたのは、

単に草が刈られた美しい小径や、

色とりどりの緑の生垣だけに

とどまらなかった。

 

夏の花々や植物たちの微かな芳香が、

オフィスや首都の街路の臭いに

慣れきった人たちを、

その豊かな恩恵で包み込んでいた。

 

静寂を破っていたのは、

鳥の歌声と虫の羽音だけだった。

 

 

 

*****

 

いいですね~

地上の楽園って、本当に

こういうことですよね。

今でもあるじゃないですか

 

時々、突然

こんな場所にたどり着いて

うわ~素敵だな~

ずっとここにいたいな~

ってなるじゃないですか。

 

 

 

それを一人一人が

自分の手で、自分の土地で

つくることが人間の使命だと

 

 

囚人だって刑務所だって

そこに人間がいるなら

そして土地の取得や分配について

計画を立てて実行に移せる人がいるなら

 

一人一人の力で楽園に出来るのだと

 

 

それは、この地球上で

人間にしか、出来ないのだと

 

こんな説得力ある話が

他にありますかっての。

 

 

 

あ~素敵だわ~

 

 

 

 

 

 

*****

 

7巻の購入はこちらから

 

 

前回の記事

 

 

 

 

1巻1章

 

2巻1章

 

3巻1章

 

4巻1章

 

 5巻1章

 

 

6巻1章

 

 

 

*****