あらやす日(本)誌 -117ページ目

原発事故:4歳児が35ミリシーベルトの被曝

8/11、NHKの朝のニュースで、
3月の小児甲状腺サーベイ(調査)で、
福島県のいわき市の4歳児が、甲状腺に受けた放射線量にして35ミリシーベルトの被曝したと言う。

しかし、
その情報を「個人を特定できる可能性がある」という理由から、
原子力安全委員会はホームページから削除したと言う。

●NHKニュース「子どもの被ばく検査結果 削除」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110811/k10014837761000.html


自由報道協会の有志サイトによると、
http://the-news.jp/archives/6356

この4歳児の子供は、
いわき市でも高濃度汚染されている北部地域ではない他の地域に住んでいると言う。

飯舘や川俣の子供たちは0.04マイクロシーベルト/時以下(かなり低めで正確なのか??)
だというから、
この子供だけ、がなぜここまで甚大な被ばくをしたのか?大きな疑問。
また、
いわき市北部でないこの4歳児が小児甲状腺サーベイになぜピックアップされたのか?
いわき市北部以外の高い値が出る可能性のあるホットスポットに住んでいたのか?
すでに甲状腺異常を発症して診察を受けていたからだろうか?

いずれにせよ、
原発から30km以上離れているいわき市で、
このような子供の高レベルな被ばくが発生したという事実の重みは大きい。

4歳児くらいの子供の放射能感受性は大人の5倍以上ある。

より広域で子供の被ばく調査をする必要性があるということだ。

原発事故:なぜ汚染の実態がいまだに公式調査されないのか?

首都圏でもチェルノブイリ級の汚染がまだら状に広がっているようだが、
その詳細と全容はいまだによくわからない。

【参考】放射NO!防御プロジェクト: 「首都圏150ヶ所 放射能土壌調査」
http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryupdateinput.do?id=10980844920

放射能汚染の実態がいまだにわからないのは、
いまだに政府、地方自治体等の行政が組織的に動かないからだ。

日本は、
議会制民主主義の国であり、
行政は国民の下僕として国民が求める各種のサービスを行う奉仕者だ。

その構図は、

国民→選挙で選ばれた代表者=議員議会で施策・条例等決定→[指示・命令]→行政

国民が求めるサービスの内容は、
議会と議会を構成する議員によって決定される。

それが議会制民主主義だ。

しかし、
これはあくまで理想の姿で、
今のような非常事態になると化けの皮がはがれる。

放射能の実態は隠蔽されるが、
統治体制の実態はよく見えてくる。

上記の構図が矢印が逆になり、
行政に癒着した人々と行政が議会を動かして国民を統治するという、
反議会制民主主義的な構図が見えてくる。

逆流の構図は、
議会制民主主義の未熟さによるものであり、
この未熟さは国民の国民主権概念の希薄さにあり、
結果的に議会(立法権)の弱体につながっている。

国民←[統治]←選挙で選ばれた代表者=議員議会で施策・条例等決定←[指示・命令]←行政←国家のためという名目?

国民と国家を同一に見られない、
この構図は、
明治維新以来の統治モデルで、
決して今に始まったことではない。

民主党政権は原則通り、
行政への[指示・命令]をしようとしたが、
うまくそれが機能しない(指示・命令が出せない)、
というのが目下の問題ではないだろうか。

カンタンに言えば、
巨大な行政権に丸め込まれたというのが、
現民主党政治の実態だろう。

総論的なことは、
さておき、

放射能の実態調査を行政が行わない最大の理由は、
法律や条例などによる具体的な指示・命令とこれに伴う予算がないだからだ。

政治家・議員には、
法律や条例などによる具体的な指示・命令を出す役割がある。

具体的な指示・命令を出すのは政治家・議員の責務であり、
それをしないので政治家・議員の怠慢であり、
政治機能不全だ。

原則として、
日本だけでなく行政は、
法律や条例などによる具体的な指示・命令(政府や議会の指示・命令)があって、
はじめて予算がついて動くものだ。

日本の行政のように指示・命令もないのに勝手に動くこともあるが、
国際標準的には非常に珍しいことだ。

さすがに、
指示・命令もないのに勝手なことを今まで相当やっていた行政も、
こうした問題については原則通り、指示・命令の待ちの姿勢に徹している。


たぶん、思うに、
汚染の実態を調査した後におきる問題を恐れているのだろう。


汚染実態調査→汚染地域発見→移住の支援、除染や農地改良等


地方自治体においては、
議員立法で放射線防護条例のような条例を作って、
予算を確保すれば調査自体はすぐにできることだ。

条例もすべて行政任せで、
政治家=議員にその作成ノウハウがないのかもしれない。

調査費用は大したことはないだろう。

しかし、
調査した後の問題、
すなわち、
汚染された土壌や移住地域が発見された場合に、
当然、莫大な補償=予算が必要になってくる。

こうした補償にあたって各自治体が必要とする予算を、
市町村に対しては都道府県が、
都道府に対しては国が支援措置を講じてゆく必要がある。

そのためにはまずは市町村レベルで汚染の実態を調査して、
都道府県→国への圧力をかけてゆく必要がある。

実態=現実がわからなければ、
処置ナシだ。

地方自治体は、
霞ヶ関の中央省庁のように省益重視や縦割り行政の弊害が少なく、
地方自治体の職員と議会の議員は地元と密接な関係を持っている。

また、
市町村長、都道府県・知事は直接選挙で選ばれて、
地域の大統領ともいえる大きな権限がある。

国民と政治がより直線的に近接しているという意味で、
また、
実験的な試みがいろいろできるという意味で、
地方自治は「民主主義の学校」だと言われている。

日本の美徳であるボトムアップと現場重視の思想で、
いまこそ、
地方自治体が主体性を持って、
国を動かして民主主義を実現していってほしいものだ。


国→地方自治体→国民の伝統的な構図ではなく、

国←地方自治体←国民の流れで、

日本の多くの歴史的な変革は地方から始まっている。

国のファンを作るための文化浸透戦略

アメリカなどの多くの国は、
映画、音楽、文学作品などの自国文化の輸出で、
個々の企業が大きな収益を上げているだけでなく、
自国のファン作りにも大きく貢献している。

自国の出版物(ペーパーバック等)の定価を、
海外では自国よりも安く設定したりしている。

インドはアフリカに多くの映画を輸出し、
アフリカで最も人気があるのはインドの女優だと言う。

企業が顧客満足度を上げるために日々苦労しているように、
多くの国はこうした文化浸透戦略で海外での自国のファン作りを行っている。

韓国がドラマを二束三文で日本に輸出するのも国家戦略だ。

儲けは直接的には「金」ではなく、
韓国のファンを日本で作ることで、
これにより韓国製品に対する偏見や韓国政府の施策への非難も抑制できる等の、
間接的な大きな貢献が生まれる。


日本も国家戦略として、
こうした文化浸透戦略を積極的に推進してゆく必要がある。

ゲーム、マンガ、映画・アニメ、日本料理など世界に愛される日本文化はたくさんある。

こうした文化的な所産物を積極的に政府は支援して、
日本のファンをつくってゆくべきだろう。

また、
企業等の産業界も、
消費者から集めた貴重な資金をくだらないコマーシャルや、
お笑いやバラエティTV番組制作に機械的に流さないで、
海外での文化浸透にもっと使って欲しいものだ。

これにより広告代理店の国内売上が減少したとしても、
海外での文化浸透戦略による収益増でさらに業容が拡大するだろう。

文化浸透戦略は平和にも大きく寄与するので、
軍事費の支出レベルくらいの規模で文化浸透戦略を行っても良いのではないか、
と個人的には思う。

韓国のような露骨なやり方は、
日本のファンを減らす可能性もあるので、
そのやり方も日本流で。


【参考】軍事費支出ベスト10(ドル換算、対GDP%)
1 アメリカ合衆国 687,105,000,000 4.7%
2 中華人民共和国 114,300,000,000 2.2%
3 フランス    61,285,000,000 2.5%
4 イギリス     57,424,000,000 2.7%
5 ロシア      52,586,000,000 4.3%
6 日本       51,420,000,000 1.0%
7 ドイツ      46,848,000,000 1.4%
8 サウジアラビア  42,917,000,000 11.2%
9 イタリア     38,198,000,000 1.8%
10 インド     34,816,000,000 2.8%







原発事故:政府の情報隠蔽は殺人的行為~浪江町・町長いわく

8/9、ニューヨークタイムズ誌東京支局のノリミツ・オオニシ、マーチン・ファクラー両記者による、
「日本政府の放射能情報の隠蔽は避難民を危険に曝す(Japan Held Nuclear Data, Leaving Evacuees in Peril)」という長文の記事を掲載した。

【参考】ニューヨークタイムズ~アジア太平洋版
http://www.nytimes.com/2011/08/09/world/asia/09japan.html?_r=1


この記事の中で、
浪江町の馬場町長はニューヨークタイムズ誌の取材に対して、

「私たちは内部被ばくを非常に恐れている」

原文:
“We are extremely worried about internal exposure to radiation.”

また、
「(原発事故にかかわる)情報の隠蔽は殺人に近い行為」だと語った。

原文:
”The withholding of information, he said, was akin to “murder.”

なお、
浪江町は飯舘村の隣に位置しており、
飯舘村と同様に原発からの放射性物質がもっとも大量に降り注いだ地域になっている。


ある調査で釜石の多くの学校の生徒が、
気象庁や行政が出す津波の避難警告よりも前に、
自主判断で避難を開始していたことがわかっている。

地震・津波と同様に原発事故がおきたら、
自主判断でできるだけ遠くに逃げるのが正しい判断だろう。

津波は海からしか来ないから逃げる方向は、
海から遠く、そして、高い場所であることは明らかだが、
放射能の飛散はあらゆる方向からやってくる。

だから、
約100億円以上(年間維持費約10億円)も税金を投入して、
放射能飛散予測システムを政府は開発し維持しているのだ。













放射NO!防御プロジェクト: 「首都圏150ヶ所 放射能土壌調査」

8/8(月)、
民間有志により結成された放射NO!防御プロジェクトによる、
「首都圏150ヶ所 放射能土壌調査」会見があった。

●放射NO!防御プロジェクト
http://www.radiationdefense.jp/topics/n110808

このプロジェクトは約5000人のメンバーを有するFacebookグループ「福島第一原発を考えます」
http://www.facebook.com/groups/fukushimadaiichi/ が母体となっている。


この「首都圏150ヶ所 放射能土壌調査」の会見の模様は下記の動画。

http://www.ustream.tv/recorded/16513922



個人的には、この会見でわかった汚染の実態は十分想定内のことだが、
いまだにこの種の詳細な調査が政治家・政府・行政によって組織的に行われていないことにただただ驚愕するばかりでなく、ホットスポットの地域に住む住人、親・大人は大きな声をあげてゆく使命がある。


首都圏土壌調査の結果(MAP)(PDF)
http://doc.radiationdefense.jp/dojyou_map.pdf

首都圏土壌調査の結果表(PDF)
http://doc.radiationdefense.jp/dojyou1.pdf



これだけ放射能の危険にさらされているのに、
地域住民を守る責任、役割を持つはずの地域に密着した政治家や、
行政の顔・存在がほとんど見えない。

いったい、
福島や関東周辺の政治家や行政組織、
彼らは毎日何をしているのだろうか?

国会だけでなく、
東日本の地方自治体の議会は機能しているのか?

南相馬市以外は、
民主主義の学校とも言われる地方自治の理想を放棄しているように見える。

今は警察国家状態であり、
警察・消防・救急以外は機能不全で、
無政府状態に近いのではないだろうか。



【放射NO!防御プロジェクト 本調査資料より抜粋】
首都圏の土壌調査結果
チェルノブイリ事故時の「特別放射線管理区域」「高汚染区域」に相当する地域

採取住所(採取場所) セシウム合計 Bq/㎡
三郷市早稲田(植え込み) 919,100
松戸市紙敷(庭)     455,845
江戸川区臨海町(植え込み)240,045
取手市藤代(庭)     219,700
松戸市松戸(庭)     206,635

「特別放射線管理区域」(55万5000ベクレル以上):住民に移住の義務及び農地利用禁止区域
「高汚染区域」(18万5000ベクレル以上):住民に移住の権利が認められる区域








NHK「原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報」の警鐘

終戦から66年。

今日8/9は長崎原爆投下の日。

この日、7万4千人以上がプルトニウム型原爆で被爆して亡くなった。


NHKスペシャル「原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報」(8/6放映)によると、
広島・長崎の原爆投下を事前に日本の軍部(参謀本部)は察知していたと言う。

参謀本部・井上中佐(梅津参謀総長の側近)の備忘録では、
1945/8/9、
長崎原爆投下5時間前に、
8/9に広島に原爆を投下した「特殊任務機」がアメリカ空軍基地のあるテニアン島を飛び立ったことをその機のコールサイン(V675等:部隊の暗号名)で察知していた。

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↑NHKスペシャル「原爆投下 活(い)かされなかった極秘情報」:井上中佐の備忘録の映像

当時の旧・日本陸軍の特種情報部は、
その「特殊任務機」の部隊がB29爆撃機10数機の編成で、100機以上で編成される通常の爆撃部隊とは異なる部隊だということをコールサインなどから察知していた。
そして、その情報は広島への原爆投下時前から参謀本部にも伝達され、広島、長崎の原爆投下時にこの「特殊任務機」の基地からの離陸などの情報をつかんでいた。

しかし、
空襲警報は広島でも長崎でも鳴らなかった。

ただ、
素朴な根本的な疑問として、
コールサインだけで原爆を搭載した爆撃機を特定して、
しかも、行き先まで特定して空襲警報を出せたか?
それは非常に大きな疑問だ。


出せたのに出せなかった警報…
フクシマでも同じことが繰り返されたのではないか?

ここまで因果関係を無理して作って制作した、
この番組の意図は…
福島原発の放射能飛散情報等の隠ぺい問題への警鐘だと思われる。


そして、
さらに、
内部被ばくの実態は…

NHKスペシャル「封印された原爆報告書」(2010/8、2011/8放映)によると、
アメリカ公文書図書館に日本政府(軍部)と東大・都築教授率いる医師グループが作成した厖大な原爆被爆調査報告書が眠っている。

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報告書は180冊、計約1万ページにのぼり、
その中には、被ばく者の経過観察だけでなく(治療経過は不明)、驚いたことにアドレナリン投与による血圧の変動実験のような、モルモット実験のようなものまでまとめている。
また、「入市(にゅうし)被ばく」(原爆投下後に被爆地に入った被爆者の内部被ばく)のレポートも残っている。「入市(にゅうし)被ばく」については、原爆症訴訟で裁判所・政府は半世紀以上認めていなかった。
1945年時点で「入市被ばく」等の報告書を、日本政府はわざわざ全文を英文翻訳までしてアメリカに差し出していながら、国内の原爆症の訴訟において日本の裁判所・政府が入市被ばくを認めたのは、つい最近、2007年(平成19年)のこと。

【参考】たね蒔きジャーナル:広島・長崎「内部被ばく」の実態~琉球大・矢ケ崎克馬氏
http://ameblo.jp/ararada/entry-10965313179.html


内部被ばくにおいても、
歴史は繰り返すのか…。


【蛇足】
NHKのこの2番組の放映は民放にはできない快挙だと思いたいが、営業(広告)せずに、高い聴取料を取って年間予算約6千7百億円という莫大な製作費(たぶん毎年予算を少しだけ残して不足状態(赤字)にして残り全部を使い切ることに相当苦労していると思うが)と、下請け・関連会社の内部留保構造のNHKグループ社員約2万人を使えるのだからこのレベルの番組が毎月1本できても当然だと思う。ちなみに、フジテレビは売上約3千億円、社員約1500人だから、NHKの予算の半分以下、社員規模は1/10以下。

児玉龍彦(東大教授)×津田大介(ジャーナリスト)~UStアーカイブ公開中

『現代ビジネス』は、
被災地での取材を重ねてきたジャーナリスト津田大介氏と、
児玉龍彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授・東京大学アイソトープ総合センター長)との対談の模様をUstreamでアーカイブ公開した(8月5日)。

原発事故問題には、
「原発事故の収束問題」と「放射線被ばく防護問題」があるが、
児玉教授の問題意識の中心は「放射線被ばく防護問題」だ。



http://www.ustream.tv/recorded/16442790

児玉教授は衆議院厚生労働委員会に参考人として出席し、
「国会は何をしているのか」という国会と政府への直言が話題になった。

児玉教授が国会に提出し、
ネット上の動画では見られなかった資料をこの対談で公開している。

【参考】
http://ameblo.jp/ararada/entry-10969416502.html
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo

国会で出した資料の中で早川教授の「半径約300kmの放射能汚染地図」も引用していた。

【参考】半径約300kmの放射能汚染地図(群馬大・早川由紀夫教授作成)
http://ameblo.jp/ararada/entry-10928767145.html


国会では16分間という短い時間しか与えられず、
時計を気にしながら必死の形相で国会議員に向かって話しをしていた児玉教授が印象的だったが、
今回の対談では終始笑顔で国会では語りきれなかったいろいろな話を聞くことができる。

児玉教授は、
非常に創造的で、前向きで、世の中が明るく見える素晴らしい話の連続で、
今後の展望が明確に見えてくる。


この難局にある今、
政治家、専門家、企業、個人が自分の得意分野で貢献すべきだと児玉教授は言う。

そして、
政府は、
英知を結集できる基盤(プラットフォーム)を整備すべきだと。


原発事故:2つの問題の同時解決~放射能封じ込めと放射能防護

原発事故対応には、
即時的・短期的には主に2つの大きな問題がある。

一つは、
原発内での放射能の封じ込め。

もう一つは、
国民を放射能から防護することだ。

いずれの問題についても、
現政権の対応には問題がある。

適切な問題解決ができない理由は、
問題解決に必要な人材が結集できていないからだろう。

なぜ、
英知が結集できないのか?

菅政権が仲の良いお友だちから都合の良い話だけ聞いて、
偏見に満ちた意思決定を悠長にしているからだろう。


国民を放射能から防護する対策が、
後手というか、
手薄というか、
見て見ぬ的な不作為の連鎖になっている理由はなぜなのか?

原発事故の収束=放射能の封じ込めと、
国民を放射能から防護すること、
両者の問題は、
それぞれ問題解決に必要される知識・経験などが異なるように思われる。

したがって、
これら2つの問題は同じチーム、同じ人材で解決するのではなく、
相互に情報共有しながら、
別個独立したチーム、人材で同時に実行してゆく必要があるだろう。

今の原発事故対応を見ていると、
原発事故が収束してから、
土壌の除汚をするという優先順位になっているように思われる。

放射能汚染の実態調査の遅れも、
国民の生命・安全軽視のこの優先順位があるからだろう。

この非人道的な優先順位は早々に捨てて、
原発内での放射能の封じ込め対策と、
国民を放射能から防護する施策を同時並行で実施してゆかなければならない。

原子力行政において、
国民の生命・安全が後手になっている点は、
原子力関係機関の名称にも見ることができる。

ドイツやフランスなどの国々では原子力行政の機関名に、
「放射能防護」の名称をよく使用している。

この「放射能防護」という名称は、
原子力発電の事故を想定しており、
国民の生命・安全を守るという決意が出ている。

しかし、
日本の関係機関は、
「原子力保安院」「原子力安全委員会」などの名称になっており、
安全神話を助長させて、
原発事故を想起させないような名称になっている。

原子力保安院解散後に創設される機関名も、
「原子力規制○●」の名称になる予定だ。


思えば、
アジアの小国日本が、
世界第三位の経済大国になっている最大の理由は?

それは、
国民に強いる忍耐と、
それを受容できる国民の忍耐性の強さにあることは間違いない。

今回の大震災と原発事故で、
世界各国の多くの人々が日本の強みが、
政府、行政、企業ではなく、
日本人自身にあることを知っただろう。

経済指標などの数字には出ない、
日本の競争的優位性が日本人自身にあり、
また、
国民の幸福度も、
経済大国の示す経済指標だけでは示せないことも間違いない事実だろう。

しかし、
そろそろ忍耐も限界になりつつある。

年内には明るい展望が開けないと…
堪忍袋の緒も切れる。

「明るい展望」とは、
解決策そのものではない。

それは、
プロセス、適正手続きだ。

それは、
国民の英知を結集できる土俵作りだ。

悩みと情報が共有されたこの土俵の中で、
日本は窮地を乗り越えて、
今の発展の素地をつくってきたのだろう。

そして、
日本の未来も、
車座になって囲んで、
同じ悩みと情報を共有できる、
この土俵の中にあるのだろう。

この土俵は「輪」であり、
「和」のための形でもある。

「和」は、
その漢字のつくりに「口」がついているように、
暴力ではなく話し合いで平和的に解決をすることだ。

異論反論をまじえての喧々諤々の話し合いが「和」だと思う。


原発内での放射能の封じ込めと、
国民を放射能から防護すること、
この2つの即時的な課題を解決するプロセスさえ正しく踏めない状況では、
脱原発や再生エネルギー転換の論議も正しく行うことは困難だろう。




文科相発表~福島周辺の「放射線量マップ」

8/2、文部科学省は「放射線量分布マップ」を公表した。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/08/02/1306855_0802.pdf

大学などの研究機関と協力して、
6/6から7/8にかけて福島第一原発から100キロ圏内2000カ所での土壌調査と、
車両走行しながら1メートルの高さで空間線量を測っている。

下記は公表された資料の一つ。

あらやす日(本)誌~内なるアメーバを探して


予想通りの地図で目新しい地図ではない。

対象地域をさらに拡大して、
また地域ごとにさらに詳細な「放射線量分布マップ」の作成が急務だ。



原発事故:「チェルノブイリの3分の1相当の放射能が出て、まだ進行中」

原発事故はまだ収束できず、
放射能の漏洩はいまだに進行中で、
放射能汚染の実態、その全容さえもいまだにわからない状況にある。

新宿周辺でも先週のガイガーカウンターの値(小生の個人的測定)は総じて2~4割高かった。
※ホットスポットは新宿区内にも多々ある。通常値が他よりも高い、いわゆるホットスポットは、放射線量が総じて高くなる日には他の場所以上の割合で高くなる傾向があるようで、先週もこうしたホットスポットの地域は他よりも高い線量になっていたと思われる。


7月28日、京都三条ラジオカフェ(FM797)に、
小出裕章氏(京大・助教)が出演し、
現在の福島原発の状況について説明している。

この番組はYouTubeに下記掲載されている。



番組で、
小出氏は、
「(1号機の場合は)…もうすでに炉心が融けてしまって圧力容器に穴があいてしまって、そこから炉心がもう下に落ちてしまってるなんてことであれば冷温停止なんていう言葉自身が、全く意味が無いものなのです」
下村(司会)「そうですよね。でも今でもまだその工程表のステップ2のところでは1月には冷温停止、っていうようなことを言ってるわけですよね。」
小出「本当に呆れた人たちで、まあ彼等、国と東京電力は最大の犯罪者なわけなのですけれども、今回の。その犯罪者が未だに自分たちの罪をですね、何とか取り繕おうとしているわけなのですから。そんなものをまともにこちら側が真に受けていてはいけないと思います。」



「1979年だったか80年だったかに米国の映画に「チャイナ・シンドローム」という映画がありました。えーそれは米国の原子力発電所で原子炉が事故になって炉心が融けてしまって、融けた炉心が地面にめり込んでいくと。どんどんどんどんめり込んでいって地球の中心を通り抜けて反対側の中国に飛び出してくるという、まあそういうブラックジョークの映画だったのですが。えーそんなことにはもちろんなりません。私は融けた炉心が地面を溶かしながら下に沈み込んでいったとしても、多分5メートルあるいは10m程度で達したところで固まるだろうと考えています。」



「チェルノブイリ原子力発電所の場合には520万テラベクレルという放射性物質が出た。で、今福島の場合には大気中に77万テラベクレル出ていますと政府がいいっているわけで。約6分の1くらいはすでに出ていると。で、一方現在汚染水というのが敷地中に約12万トンあるわけで。そこん中には80万テラベクレルあると言っていますので、それもまた6分の1に相当します。合わせればチェルノブイリ原子力発電所の事故の3分の1に相当するものがすでに出てしまっていて。現在事故がまだ進行中でこれからでるかもしれないという瀬戸際にあるわけです」と。


【参考】京都三条ラジオカフェ:小出裕章氏インタビューの書き起こし原文
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65754582.html