ケンカして説明会に行く
専門学校説明会当日。12時には出ようと前日には言っていたのに起きない息子。自分でアラームをセットはしていたようで9時と10時に鳴ってはいたが起きるはずもなく、仕方なく、私が11時に声をかける。が、起きない。11時半に怒鳴ってようやく起きる。しかし、5分で身支度を整えると、すぐにゲーム。説明会でお腹空くやろと思って、おにぎりを作ったから食べやと声掛けしたが、10分前になっても部屋から出てこないので、催促するとドアをドーンと蹴っ飛ばして、出て来た。え?おかしない?今日の説明会は私についてきて欲しいんでしょ?なんであんたが怒るん?もう10分前やから声掛けしたんやん。私の主張間違ってる?その問いには答えず、黙っておにぎりをやけくそにほうばる息子。行く気なし、やる気なし。だからなんで嫌々なん??はらわた煮えくりかえってたけど、予約してるし、ここはグッと歯を食いしばって出掛ける。道中二人とも黙っていた。いつもなら、私が先導していたが、今回はせずあえて息子の後ろについていく。学校の最寄り駅に着いたものの、息子がそこからマップを見ながらまったく逆方向に行こうとしていたのでさすがに「こっちみたいやで」と声を掛ける。猛暑の中、なんとか10分前に到着した。その学校は雑居ビルの中にあった。先週、大学のオーキャンだったので、かなり雰囲気が違う。中に入ると、スキンヘッドで細身のやさしそうな男性が一人だけいて、笑顔で出迎えてくれた。学校というよりは、事務所みたいな感じで、奥にある休憩所のような打ち合わせ室のような場所にある四人掛けのテーブルに案内してくれた。説明会の前に、アンケートを書くよう用紙を渡された。他の参加者はまだ到着していないようだった。しかし開始時刻になっても誰も来ない。すると、先ほどのスキン先生がやってきて「じゃあ、始めましょうか」と言ったのであー、この説明会は我々だけだったのかと気づく。先週のオーキャンとは真逆の環境に親子で戸惑っていた。しかし、この戸惑いが希望に変わることとなる。話を聞くと、ここは専門学校ではなく、あくまでも就職するためのスキルを学ぶ”1年制の教育機関”であった。いわゆる映像業界では、アシスタントからスタートする。そのアシスタントができるようになるまでのスキルや知識を教えるのがこの学校の役割のようだった。最初の3,4か月でそれらを一通り学ぶ。その後はインターンとして現場で働きながら学んでいく。現場は時期によって「今だけちょっと人がほしい」ということがあるそうでそんなときに、この即戦力になるインターンが重宝されるらしい。学校と現場がウィンウィンになるというわけだ。話を聞いて、最初は「あー専門学校じゃあないのかぁ。どちらかというと社会人向けっぽいなぁ。ちょっと違ったかなぁ」と思いながら聞いていた。しかし、話が進むにつれて「ここの方が息子には合ってるかもしれん」と思うようになった。というのは、前日心配になった「学校の仲良しのフリ慣習」が嫌だと言った息子にとって専門学校にしろ、大学にしろ、同世代が集まって過ごすのが苦痛であるならば学生でありながらインターンとしてどんどん現場に行って大人たちと働く方が楽しいのではないか。いきなり就職はハードルが高いけど、ここなら、アシスタントとしてのスキルは教えてくれるわけだし、現場でやりながら教えてもらえるのなら、机上で学ぶより息子はわかりやすいはず。生徒さんらも高卒は珍しいようで、一度社会に出た人が夢を実現するために入ってくることが多いようだった。それは息子にとって、同級生が大人である方が気楽かもしれない。話の中で「動画は作ったりしたことある?」と言われたので、息子がおもむろにスマホを取り出して、作った動画をスキン先生に見てもらった。そのときに、スキン先生がすごく褒めてくれたのが私はとてもうれしかったし、息子もうれしそうだった。そして、説明会が終わり、学校を出る頃には、今朝ケンカをしていたことをすっかり忘れて親子であーでもないこーでもない、あれがよかったねこれもよかったねと笑顔で話していた。そして、その晩には、その学校で来月にある1日体験授業を予約していた。息子も手ごたえを感じたのだろう。これまでは「動画編集」という漠然としたことをなんとなく好きかも~くらいに思っていたけど、今回の説明会で、「映像業界とはなんぞや」から始まって、一つの作品ができるまにはとても多くの専門職の人達が携わっていること、動画編集以外にも様々な職種があること、そしてどれも魅力的な仕事であること、そして働くということを現実的にイメージできるようになったと思う。やはり、現場の生の声は説得力がある。世界は広い。これって決めつけるのではなく、一通りやってみれば自分でも思いもよらないこれってものが見つかるかもしれない。あれだけ苦しんだ”学校”以外の場所で、自分らしくいられる居場所を見つけてほしい。(最終決断は来月の体験が終了してからだそうです)