クロヤギ頭の読まず買い -20ページ目

クロヤギ頭の読まず買い

ちまちまと進まない読書をしつつ、本を買うのは止められない。

こんなに買っていつ読むん?と自分に一人ツッコミを入れつつ日々を暮らす不良主婦の読書(購入)記録ブログ

改造版 少年アリス/長野 まゆみ
(2008)
¥1,260
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相変わらず雪はほとんど積もらない大阪ですが、みなさんのところはいかがですか?

今日はさすがに手が冷たくて、家の中で洗濯物をハンガーにかけてから外に干して出かけました。


実は私、この方の作品を読むのは初めて。


1988年に「少年アリス」で文藝賞を受賞した著者が、デビュー20周年にあたって書いた"改造版"なんだとか。


私は元の作品を知らないので、どこがどう改造されたのだかわからないんですけれども…


ブックオフで私が脚立を使わないと届かないような場所に並べてあったものを、よっこいしょっと連れて帰ってきました。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


<夏と秋とがすれちがう玄関…"十月さま"の噴水のある場所>


いつの時代と特定はされませんが、主な舞台は木造平屋だての校舎に正面玄関があり、噴水のある中庭をはさんで二階だての校舎とわたりろうかでむすばれた夜の学校。


"蜜蜂"少年は兄にいわれて、教室に忘れた『鳥類生態図解図説』を取りに行こうとして、友だちのアリスを誘います。


アリスはつくりあげたばかりの石膏の細工たまごをポケットに入れ、おともは犬の耳丸。


強がってひとりで行こうとした蜜蜂の後から、蜜蜂のにいさんが放したようです。


学校に着いて誰かの話し声に引かれて理科室をのぞいた二人は不思議な光景を目にします。


逃げ遅れたアリスはその不思議な授業を受けることになり、教室にもどった蜜蜂が本を開いてみると…


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


挿画と内容の醸し出す雰囲気に、どこかでこんな空気の話を読んだなあ、と考えて「ああ、宮沢賢治!」と。


あくまで個人的な感想ですので的外れだったらごめんなさい。


このさまざまな植物の挿画も著者の手になるものだそうで、クライヴ・バーカー じゃないけど、多才な人なんですね。


物語の中にもたくさんの植物が登場し、それぞれに注釈がついて巻末に「少年少女のための『少年アリス』辞典」としてまとめられてあります。


美しい情景の中に、どこかしこりの残る結末。


あの後、あの子は…心にそんな想像の芽を植える物語です。

少年アリス (河出文庫)/長野 まゆみ
¥399
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うごかし屋 1 (ビッグコミックス)/芳崎 せいむ
(2008.12)
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うごかし屋 2 (ビッグコミックス)/芳崎 せいむ
(2009.5)
¥550
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これもまたnanikaさんの記事 (『鞄図書館』)をきっかけに読んでみた本。

この前仕事帰りに京橋花月ビルに入っているブックオフまで足を延ばしたら同じ著者の『金魚屋古書店』が売っていて…

やはり本好きなら古本屋をや図書館をネタにした作品って読む前から惹かれるものがありますもんね?

買おうか迷ったのですが、①の次が③しかなかったもので、目先を変えてコチラをチョイス。

ガテンなニイチャンが箪笥や仏像を抱えている表紙やタイトルから想像する通り、「うごかし屋」とはいわゆる引越屋兼便利屋みたいなものなんですが、このニイチャン、家具に限らず、あるいは家具や家財といっしょに、目には見えない"いろんなモノ"をうごかしてしまったりもします。


主人公はうごかし屋の二代目で元銀行員、蘇芳 鉄。


高速で馴染みのデコトラのニイチャンに"マヌケ面の若僧"と評され、両腕の社員(元白バイ警官の東雲・元レーサーの花田)がいないと仕事は休みという一見おっとり型の若社長。


本とは関係ない話かと思いきや、この社長の腹に巻いた帯の中にはいつも本が。


一巻に登場する作品だけ挙げてみると、


『草枕』

『山椒魚』

タゴール詩集『ギーターンジャリ』

『人にはどれほどの土地がいるか』(トルストイ民話集『イワンのばか他八編』に収録)

『風呂敷』(『古典落語 志ん生集』収録)

『O・ヘンリ短編集(一)』

『善蔵を思う』(『太宰治全集3』に収録)


直接話に織り込まれている作品だけでもこんな感じなんで、この若社長が何気に寝転んで読書している1カットでもついそのタイトルに目を凝らしてしまう(笑)


この男臭い職場に花を添えるのが、うごかし屋の番頭の孫・真朱(まそほ)。


実はセーラー服姿で箪笥ひと棹を平気で抱え上げる"戦力"だったりしますが、若いのに骨董趣味があったり風呂敷を器用に使いこなす大和撫子で、人からいろいろな貴重な物を贈られるちゃっかり娘というギャップの魅力的なヒロインです。


「依頼その8 胡粉色の嘘」なんて久しぶりにマンガで泣きましたよ。


それぞれの依頼人の人生にその本の何か、どこか、がうまく絡まってきて、どれもしみじみするいい話になっています。


そうそう、ひとつ書き忘れましたが、このコミックのもうひとつのキーワードは色。


登場人物の名前や各話のタイトルでお気づきかもしれませんね。


山吹、浅葱、鳥の子、珊瑚…七色の箱のお引越は楽しそうです♪

コフィン・ダンサー/ジェフリー ディーヴァー
(2000 池田 真紀子 訳)
¥1,950
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どうも飽き性なんでしょうか、一人の作家の著作を網羅するなんてことがなかなかできず、今日に至ってます。


ディーヴァーは『静寂の叫び』『悪魔の涙』『ボーン・コレクター』をその昔(多分発刊当初くらい)にかつての上司の蔵書で読んだきり、手をつけずに…


そんなところにjettさんの記事 (『12番目のカード』)に惹かれて久しぶりに読んだご存じ『ボーン・コレクター』に続くリンカーン・ライムシリーズ2作目。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


元ニューヨーク市警科学捜査部長、リンカーン・ライムは、建設現場での鑑識中の事故で脊椎を損傷し四肢麻痺になるが、今は介護士のトムや、ハイテク機器、市警やFBIのメンバーからなり、彼の手足となる捜査チームに支えられ、民間人としてその頭脳をフルに活用し、捜査に協力する日々。


彼の部下の二人を過去に爆弾で殺害した因縁のある殺し屋がニューヨークに姿を現す。


武器密売人であるフィリップ・ハンセンという男の検察側の証人である三人のパイロットのうち、一人の男がコ・パイロット(副操縦士)とともに爆弾で殺害される。


ハドソン・エア・チャーターズという飛行機を使った輸送会社の社長であるその妻と親友の命を守るため、リンカーン・ライムは彼のチームと協力して犯人の正体と狙撃場所の割り出しに全力を尽くすが…。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


前作はほぼ内容忘れてるんですが、最初の頃のリンカーン・ライムが身にまとう世をすねたようなどんよりした空気の印象だけは忘れ難いものが。


本作ではFBIや市警の科学捜査に協力する民間人として、証拠を収集・分析するためのチームや、自身の音声や吐息でハイテク機器を操作するための環境も整い、前作より格段に生き生きと捜査にあたる魅力的なリンカーンに会えてよかった。


何より大きいのが、リンカーン呼ぶところの"口うるさい母親"で"私のネメシス(人間の思い上がりを罰する女神)"である、介護士兼助手のハンサムな好青年・トムの献身と、彼の科学捜査上のパートナーである市警の科学捜査官、メル・クーパーほかの捜査チームの充実。


そしてそして、元モデルの美貌ながら射撃の名手で、現在はライムの現場の科学捜査を代行する魅力的な赤毛の女性、アメリア・サックスの活躍はキャラは違えどグレッグ・ルッカ書くところのブリジット(『耽溺者 』ほか)を彷彿とするような準主役級の魅力。


本作で命を狙われる女性パイロット、パーシー・クレイもいいな。


個人的には、今回証人の保護に活躍する高所恐怖症の南部出身の刑事、ローランド・ベルを押します。


…って、まあ脇役のいい本につまらない本はないってことですよね。


科学ネタをおかずに飯を食えない人間でも、十分おもしろかった。


また久しぶりに美味しいモノ食べさせてもらった~、しばらく白メシだけでもOKって感じ?(笑)


読むのが遅い分、これから読む楽しみもあるってことにしてまたボチボチ読みますわ、このシリーズは。

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)/ジェフリー ディーヴァー
¥690
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コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)/ジェフリー ディーヴァー
¥690
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せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)/梶山 季之
(2000)
¥819
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サラリーマンがせどりで副収入5万円…そんなメルマガのタイトルを見かけたりもする昨今。
「せどり」(=糴取、背取、競取)とは何ぞや?
『古本屋仲間で、厭がられる商売の仕方に、新規開拓の店へ行って必要な古本だけを買うのを、俗に「抜く」とか「せどり」と云うんですよね…』(第一話 色模様一気通貫)

「同業者の中間に立ち、注文品などを尋ね出し、売買の取り次ぎをして口銭をとること。また、その人」(解説より・『広辞苑・第四版』)

新古本屋の100円均一にお宝を見つけて読んでらっしゃる方なら、売りこそすれジョーシキかもしれませんが…

第一話 色模様一気通貫

第二話 半狂乱三色同順

第三話 春朧夜嶺上開花

第四話 桜満開十三不塔

第五話 五月晴九連宝燈

第六話 水無月十三ヤオ九(シーサンヤオチュー・ヤオは公の右側の部首がない漢字)



「古書ミステリーの傑作!」との帯ながら、いわゆるミステリーとはちょっと違う、主に古書を巡るマニアックな話で、タイトルの"数奇譚"が相応しい連作短編6話。

セドリー・カクテルなる酒を愛するせどり男爵こと笠井菊哉という古書店主が出会った愛書家、書痴、書狂、ビブリオマニア…異常なほど本に取りつかれた人々の話を、かつてはアルバイトのバーテンダーとして彼と知り合い、今は文士として身を立てている私に語って聞かせるという趣向。

中にはワジルシの話やら、希少本欲しさに盗みに入る婦人、人の皮で装丁をするという男まで出てきて妖しいこと極まりないですが、何かをとことん愛する、追い求めるというのはこういうことなのかも。

著者は1930年ソウルに生まれて後に週刊文春の創刊時にトップ屋といわれ、取材先の香港で客死した人物らしいですが、各話のタイトルに麻雀用語が使われていたりして、相当に遊んだ方なのかもしれませんね。

ラストラン (ポプラ文庫)/佐々木 譲

¥609

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解説の池上冬樹によると、(みなさんはきっとご存じなように)佐々木譲は「警察小説を書くベテラン作家のイメージが出来上がっているけれど、言うまでもなく、八十年代から九十年代半ばまでは、サスペンスや冒険スパイ小説の旗手といわれた。」そうですが、私がこの作家を意識したのは、数年前に鎌倉幕府開設頃の時代に生きた少女を描いた時代小説『駿女』を書店で見かけ表紙に惹かれたのがはじめて。


2005年に発売された単行本で文庫も出ているのに中古でも安くないのは、やはり今井美樹似?の美少女・由衣の表紙のせいでしょうか?(笑)


そんな感じでまた読む機会をなくし「いつか読もう、いつか読もう」と思っていたところ、近所の古本屋にあったのがコレ。


バイク乗りを主人公にした小説の中編5つです。



いつか風が見ていた

エリの伝説

レース・クイーン

ラスト・ラン

遠い風の音


「いつか風が見ていた」

過去に旅先で知り合ったライダーの男女が愛し合ったもののある理由から別離を経験し、五年の月日を経て広い北海道の中わずかの時間差ですれ違うが…


「エリの伝説」

学生だったぼくと周囲の憧れだったカワサキ乗り「ZⅡのエリ」。

一人のくだらない男を一途に愛した彼女は伝説となった。そしてぼくしか知らないもうひとつの伝説。


「レース・クイーン」

由美のライダーの素質を見抜き、レーシングチームの監督から専属コーチになった藤井。

国際レースのチャンピオンからのプロポーズを夢見てこの世界に足を踏み入れた由美だったが…。


「ラスト・ラン」

昭和発動機=ショーハツの宣伝・広告の要として引き抜かれ、働いてきた滝谷。

他部署への異動の決断を迫られた彼は、同時期に契約した天才ライダー・ペリーの進退に自分を重ねるが…。

「遠い風の音」

何かに追い詰められた商社勤務の男がバイクを飛ばした軽井沢。

訪れた愛人のヴァイオリニストと過ごしたわずかな時間。


最近は私の周囲にも女性ライダーが増えましたが、これはやっぱり"男"の小説って感じがします。


登場人物の心の葛藤の描写はリアルで共感できるものの、女性でしかも関西人の私の個人的な好みとしてはキザに過ぎるかなあ。


次は1990年に山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞各賞受賞という王道のコレを。


エトロフ発緊急電 (新潮文庫)/佐々木 譲

¥820
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駿女/佐々木 譲
¥1,995
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