ロトと娘たち
二人の若い女が半分ヌードで、年寄りにもたれかかっている絵を、西洋の美術館や、画集で目にすることがあります。タイトルは、英語なら Lot and his daughters となっている。なんだかアヤシイ主題だなあ、とずっと思って来ました。
旧約聖書の創世記第19章の記述にもとづく絵画なのですね。
退廃の街ソドムから逃げろと、天使に言われたロト一家ですが、妻は、「振り返るな」と命じられたのに、うっかり振り返って、「塩の柱」にされてしまう。
ロトと二人の娘は山の洞窟にこもることになります。このままでは、子孫が絶えることになるので、父にワインを飲ませて酔ったすきに「子種をもらう」。先に姉が、次の日に妹が、という、きわどい話が書いてあります。
デューラーにもこの話を主題にした絵があります。ルーブル美術館。衣服を着けて洞窟にいる様子が描かれたおとなしい作品でした。
なまめかしいヌードが出てくるのは、デューラーよりずっと後の時代ですね。
ウィーンの美術史美術館(?)にも、誰だったかの『ロトと娘たち』の絵がありました。日本語のイヤホン・ガイドを聞いていたら「絵描きはヌードを描きたいもので、聖書に出てくる主題なら大っぴらに描けるので、このタイトルの絵が多いのです」と解説していました。ようやく納得しました。