根がスタイリストにできてるからさ。 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

土曜の昼、日本列島に激震が走った。

 

 

スマホに速報が届き、思わず

 

「えっ!?」

 

と声が出てしまった。

 

だって、私の読書人生においてあまりの衝撃にひっくり返った作品、それが西村賢太の作品だったからだ。

そして数日前、石原慎太郎閣下の死を悼み書かれた西村賢太の追悼文を読んだばかりだったからだ。

 

 

久々西村賢太の文章に触れたが、その文体は相変わらずでもあり、一方で以前よりシンプルになっている気がした。

西村賢太と言ったら、1文における長さが尋常じゃないのだが、それでいてちっとも読者を混乱させない、という不思議な魅力のある文章であった。

ま、追悼文に過度な修飾は不要で、西村賢太の賢さがよく出ている。

 

というかこの追悼記事に閣下と谷崎潤一郎のツーショット写真が載っていて、そんな写真、初めてみたんですけど!!!とお宝写真に心を奪われたのはここだけの話。

(私が心から敬愛する作家ナンバーワン、それがフット谷崎こと谷崎潤一郎御大です!

 谷崎潤一郎は私の読書人生において私が腰を抜かした作家さんである。)

 

 

スマホを握りしめて立ちすくむ私に声をかける汗かき夫。

 

汗「どうしたの?」

私「西村賢太が死んだんだって。ショック・・・」

 

と在りし日の西村賢太の思い出(※ほぼロクでもない思い出)を汗かき夫に聞かせていると、西村賢太の訃報に触れ、私が悲しみにくれているであろうと心配したのか、友人知人からゾクゾクとメッセージが寄せられた。

 

妹「西村賢太って人、亡くなったのね」

 

元同僚K「えー(西村賢太の訃報ニュース添付)!」

 

リアル友兼ブログ友sarya「西村賢太、死んじゃったね(泣)」

 

私が以前あの西村賢太の作品にハマっていたことが強い印象を残したのか、皆が西村賢太の訃報を教えてくれる〜(作品も西村賢太自身も過激で個性強いからなあ。)。

以前ハマっていた、と書いたが、もちろん今も昔も西村賢太の作品は好きで、ご本人が亡くなってからもその作品は長く後世に残るであろう。

 

ブログ友の風香さんが以前、

「西村賢太ってファンレター書くと女性には返事くれるらしいですよ。ぜひ書いてみたらいかがでしょう」

と教えてくれたのだが、

「いやいやいやいや、あの西村賢太から返事もらうとか逆に怖いじゃん!」

と結局ファンレターを書くことはなかったのだが、書いて返事もらっていればよかったかなあ。

高く売れたかも。←こらっ笑

 

とかなんとかワイワイ書いてあげるのが、根がスタイリストにできてる西村賢太に送る最高の別れの言葉だと思うのです。

みんなもワイワイメッセージをくれてありがとう!

 ※根がスタイリストにできてる=西村さんは小説内で自身をこう書くことがあり、大爆笑ポイントである。

 

 

ところで妹とのメッセージにも書いたのだが、西村賢太の訃報が流れてから私のブログのアクセス数が急激に増えていて、きっと西村賢太の仕業(言い方!!)に違いないと思っている。

 

読んだ作品全部を記事にしていないかもしれないが、ざっと西村賢太の作品についての記事をあげておきます〜。

いずれも秀作です!

どれもおすすめなのだが、「小銭をかぞえる」「どうで死ぬ身の一踊り」なんかは衝撃度MAXであります。

(ちなみに以前『小銭をかぞえる』がAmebaの検閲?に引っかかり非表示になっていたのだが、記事を手直しして再度アップしてみた。大したこと書いてないはずなのだが、多少暴力的でエロい表現がいけなかったのかも・・ってそこ、西村賢太の作品の引用部なんですけどね!

また非表示になるかもしれないので、早めに記事を読んだ方がいいですよ〜笑)

 

 

作品も人物も無茶苦茶だったが、小説を読んでわかるのは書くことに関してだけは本当に真摯であったことである。閣下追悼原稿も真摯に原稿を書いていた模様。

 

穏やかな読書人生に送ってきた私にとって、毒薬とも言える衝撃を与えてくれた作家、それが西村賢太であった。

ありがとう、西村賢太。

本当にありがとう。

すごく好きだった。作品が。

大変な人生を送ってきた西村賢太であったが、あちらの世界では穏やかに・・・無理か笑

 

また読み直してひっくり返りたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑書評にはしてないが、『歪んだ忌日』も面白かった。

 

↑書評にはしてないが、『棺に跨がる』も面白かった。