めまい診療  -5ページ目

めまいを伴う突発性難聴の予後予測因子としてのVHIT

 

 

めまいをともなう急性難聴の聴力予後に半規管機能が影響しているかという論文です。

以前はカロリックテストの反応低下は難聴の改善不良因子として報告されていましたが。今回は

VHITにて同側PCゲイン低下が予後不良しています。

解剖学的に蝸牛と後半規管は同じ血流支配なので納得です。

 

Otol Neurotol
. 2023 Jan 1;44(1):e26-e32. doi: 10.1097/MAO.0000000000003746. Epub 2022 Nov 17.
Significance of Baseline Inferior Vestibular Function on the Prognosis of Patients with Labyrinthitis
Ji-Woong Cho 1, Sung Il Cho 1, Wonyong Baek 1, Min Seok Kim 2, Gi-Sung Nam 1

慢性持続性知覚性性姿勢誘発めまいについて

慢性持続性知覚性性姿勢誘発めまいについて

明日取材ががあるのでまとめてみました。

 

 

本疾患は従来のPPV,CSD、VV(visual vertigo),motion space discomfortなどとよばれていたいくつかの疾患概念を統一する形で国際平衡学会であるバラニー学会で診断基準がまとめられたものです。

慢性めまいとは一般に三ヶ月以上つづくめまいのことである。

 

ドイツの統計では本疾患のもととなったPPV(恐怖性姿勢めまい症)は外来めまい患者のうちBPPVについておおいものとしてブラントらによって報告されている。

 

日本で外来における本疾患の割合を検討した新潟大学のデータでは、外来の慢性めまいに占める本疾患の割合は最も多く39%であり心因性めまい(18%)よりも多かったとされている。

 

本疾患と診断されることで本邦では従来めまい症と言われていた患者に対してPPPDに対する確立された治療法としての抗うつ薬、リハビリテーション、認知行動療法を提供できるという点で意義がある。

診断においては検査所見は重要では無く、症状を問診することで診断する。

慢性のめまいであることそして誘発因子があることが特徴である。

鑑別として前庭障害代償不全、両側前庭障害などがある。

本疾患には通常先行するめまい疾患、前庭疾患がある。

 

受診傾向については本疾患がNHKでとりあげられてから最近患者数が増加した。

数年に一回本疾患がテレビで取り上げられることがあり、そのたびに受診患者が増加する。

 

Factors implicated in response to treatment/prog

VM患者の治療予後の関係について検討した。
VMは非常に複雑な病態であるがEBMに基づいた治療で改善した。
女性とBPPVがあること、治療前のDHI高値であること
がDHIの改善が大きかった。動揺視と頸部痛があること
はDHIの改善が小さかった。・

 

European Archives of Oto-Rhino-Laryngology (2021) 278:57–66 
https://doi.org/10.1007/s00405-020-06061-0
OTOLOGY
Factors implicated in response to treatment/prognosis of vestibular migraine
James R. Dornhoffer 1    · Yuan F. Liu 1  · Lane Donaldson 1  · Habib G. Rizk 1
Received: 25 March 2020 / Accepted: 14 May 2020 / Published online: 24 May 2020 
© Springer-Verlag GmbH Germany, part of Springer Nature 2020

VHITとカロリックの会についての論文

 

 

Auris Nasus Larynx
. 2022 Nov 26;S0385-8146(22)00220-6. doi: 10.1016/j.anl.2022.11.001. Online ahead of print.
Effects of endolymphatic space volume on discrepancy of results between caloric test and video head impulse test
Keita Ueda 1, Taeko Ito 2, Hiroshi Inui 3, Hiroto Fujita 2, Tomoyuki Shiozaki 2, Toshiteru Miyasaka 4, Kimihiko Kichikawa 4, Tadashi Kitahara 2

VHITとカロリックテストの結果の解離についての論文です。
原因として内リンパ水腫の存在がおおきいとしています。
もともとメニエール病で顕著に認められることがしらていました。
カロリックテストが異常でVHIT正常というパターンがおおくみれます。

 

メニエールでは約40%

イタリアからのPPPDのリスクについての論文

Audiol Res
. 2022 Oct 27;12(6):589-595. doi: 10.3390/audiolres12060058.
Persistent Postural Perceptual Dizziness in Episodic Vestibular Disorders
Valeria Gambacorta 1, Alessandra D'Orazio 1, Vincenzo Pugliese 1, Alfredo Di Giovanni 1, Giampietro Ricci 1, Mario Faralli 1

イタリアからのPPPDのリスクについての論文

反復性めまい疾患として頻度高い物はBPPV,VM,MDとした上で診断確定した376例のこれらの患者のうちPPPDの診断基準に該当する症例をしらべると34例で該当した。その結果一つの疾患では3.9%2疾患では22.4%であり二疾患を持っていると発症率が高い
また疾患別ではそれぞれ2.34%,16,45%,3.92%とVMで最も高かった

これらのことから複数の前庭疾患の経過とVMがPPPD(持続性知覚性性姿勢誘発めまい)の発症に重要なリスクとしている。

このことからVMの診断はPPPDの早期診断という意味でも重要であることがわかる。
 

めまい学会 in 奈良

本日から奈良県でめまい学会が開催

VHITやリハビリ、CGRP薬が今年のトピックスでしょうか

めまいとポリファーマシーの問題です

めまいとポリファーマシーの問題です

 

Ear Hear
. 2022 Nov 15. doi: 10.1097/AUD.0000000000001292. Online ahead of print.
Prevalence of Polypharmacy in Patients With Vestibular and Balance Complaints
Seth S Jeong 1 2, Tiffany Chen 1, Tatianna A Timor 3, Adrienne L Busch 4, Ted A Meyer 1, Shaun A Nguyen 1, Habib G Rizk 1

メニエール病の診断マーカーとしてカロリックとVHITの解離を応用できる

Review J Neurol
. 2021 Feb;268(2):431-439. doi: 10.1007/s00415-019-09431-9. Epub 2019 Jun 20.
Dissociation of caloric and head impulse tests: a marker of Meniere's disease
I P Hannigan 1 2, M S Welgampola 2 3, Shaun R D Watson 4 5
Affiliations expand
メニエール病の診断マーカーとしてカロリックとVHITの解離を応用できるとした論文ですがメニエールではカロリック異常がだVHIT正常と言うパターンがおおくみとめらるということです。つまり両方の検査をするひつようがあるということです。

メニエール病の発作期の眼振が刺激性から麻痺性に変わる症例がおおいのですが

J Neurol
. 2022 Oct 1. doi: 10.1007/s00415-022-11367-6. Online ahead of print.
Factors associated with spontaneous nystagmus changes in acute Ménière's disease
Munehisa Fukushima 1, Sadanori Waki 2, Saho Makino 2, Shiro Akahani 2


メニエール病の発作期の眼振が刺激性から麻痺性に変わる症例がおおいのですが
一部は麻痺性ではじまりまひせいのままです。
CP%とEHの大きさが軽症だと方向がかわるということです。
20例の発赤の眼振をあつめたのはすごいとおもいます。

CGPRの会 イン立川 アイモビーク

昨日は立川でアイモビークの会がありました。

 

頭痛専門医の方とディスカションすることができました。

 

日本における片頭痛予防薬としてのCGRP薬は

エムガルディ、アイモビーク、アジョビとありますが

アイモビークは副作用が少ない

エムガルディはローディングdoesが2Aなので負担が高いが初月効果は実感しやすい。

 

一剤無効でべつのにすると有効なことがある。スイッチした、初月に効果がみられることもある(前薬の残約効果 、コンビネーション)

 

効果が出にくい人としてうつの人があがれれていました。

 

また唾液中のCGRP濃度と予防効果の間にそうかんがらみられたという論文が引用されていました。

 

肝心のCGRP薬の片頭痛に関連した。めまい症状に対する効果ですが

演者の柴田先生は、めまいのような症状はロメリジンが有効 中枢に作用する物がよいのではないかといっていました。

中枢に作用する片頭痛予防薬はキーワードとなりそうです。

 

前庭性片頭痛の機序がはっきりしないとなんとも言えないですね。

 

片頭痛に関してはたまにスーパーレスポンダーがいて投薬不要になる(注射¥も)

 

使用のポイントとしては職員のナースに初めにうつと口コミが、、

それから女性では髪をセットしている方は経済的余裕があるのでおすすめしてみる価値があるということでした。

 

他に本剤をすすめるべき人として

CM、MOH

HIT6が60以上の人

そして入室時くらい人

これが効果があると次回入室時に明るくなることで判定可能だそうです。このあたりはめまいの患者さんと一緒だと思いました。