めまい診療  -3ページ目

VMのレビュー

J Laryngol Otol
. 2023 Sep;137(9):953-961. doi: 10.1017/S0022215122001979. Epub 2022 Oct 6.
A systematic review and meta-analysis of prophylactic medication of vestibular migraine

最近VMのレビューがだいぶ出版されています。

 

この論文では

薬物治療として

プロプラノールを第一選択として

ベンラファキシン アミトリプチリン シンナリジンとしています。

VMにたいするCGRP抗体薬の治療効果

VMにたいするCGRP抗体薬の治療効果

 

 

Observational Study Cephalalgia
. 2023 Apr;43(4):3331024231161809. doi: 10.1177/03331024231161809.
Anti-calcitonin gene-related peptide monoclonal antibodies for the treatment of vestibular migraine: A prospective observational cohort study
Cinzia Valeria Russo 1, Francesco Saccà 1, Simone Braca 1, Mattia Sansone 1, Angelo Miele 1, Antonio Stornaiuolo 1, Roberto De Simone 1



50例のVMに対して三種類の抗体製剤を用いた観察研究
erenumab, fremanezumab or galcanezumab 

アジョビ25例
エムガルディ18例
アイモビーク7例の合計50例

かなりの治療成績
だったようです。

 

メニエール病と前庭性片頭痛の違いについての論文

Brazilian Journal of Otorhinolaryngology
Volume 89, Issue 4, July–August 2023, 101274
Brazilian Journal of Otorhinolaryngology
Original article
Comparison of clinical characteristics and vestibular function test results in patients with vestibular migraine and Menière’s disease
Author links open overlay panelYuexia Wu a b, Xia Ling c, Ning Song b, Shuangmei Yan a, Wenting Wang a, Xu Yang b, Ping Gu a d



MDとVMの違いについての論文
重複症候群がしられているがこの2疾患の鑑別は困難である。

VMは内的回転性めまい(64%程度)
MDは外的回転性めまい(65%程度)

カロリック眼振がVMで大きく
発作中はより強い前庭症状、自律神経症状がMDで認められる。
VMではカロリック不耐性が強く中枢性頭位眼振が(central positional nysgagmus)がみられる。
MDではCT(カロリックテスト)は陽性でVHITサッケードが見られる
VMと比較してcVEMP無反応とOVEMP振幅の小ささがMDの特徴

めまい発作の際のより強い前庭症状と前庭機能検査の結果はMdとVMを鑑別すすために有用かもしれない。
前庭症状の特徴として内的回転性めまいや動揺病の既往やカロリックテストにたいすうる不耐性がVMOSを診断するのに有用である
また自発性外的めまい、カロリック異常でVHITが正常でサッケードが認められることがMDの診断のポイントである

 

前庭性片頭痛患者の不安についての論文

 

 

前庭性片頭痛患者の不安について検討した論文ですが予想通りの結果ですね。

やはり不安が高いのが特徴ということです。

そして前庭機能障害がある患者の方が不安が高いということでこれも予想通りですね。

 

 

 

Ear Nose Throat J
. 2023 Jun 17;1455613231181219. doi: 10.1177/01455613231181219. Online ahead of print.
Prevalence and Contributing Factors of Anxiety and Depression in Patients with Vestibular Migraine
Tae Su Kim 1, Woo Hyun Lee 1, Yoon Heo 2

SVVの偏位が骨導oVEMPのアシンメトリと相関した

Clin Neurophysiol
. 2023 May 12;152:1-10. doi: 10.1016/j.clinph.2023.04.011. Online ahead of print.
Subjective visual horizontal correlates better with ocular than with cervical vestibular evoked myogenic potentials


SVVの偏位が骨導oVEMPのアシンメトリと相関したという論文で卵形嚢の機能検査と言うことで一致していると言うことで興味深い論文です
一方で球形嚢機能検査であるcVEMPとは弱い相関があったのみと言うことです。
骨導刺激はミニシェイカーをもちいています。
VEMP記録はMedelec Synergy EMG syste

韓国からの論文ですが


Cerebellum
. 2023 May 25. doi: 10.1007/s12311-023-01571-z. Online ahead of print.
Opsoclonus Induced by Head-Shaking in Vestibular Migraine
Min-Ku Kim 1, Won-Hyeong Lee 1, Xu Yang 2, Hyo-Jung Kim 3, Jeong-Yoon Choi 1 4, Ji-Soo Kim 5 6


韓国からの論文ですがVM患者にヘッドシェイキングでオプソクローヌスが観察された症例を呈示しています。
これは臨床で時々遭遇します。
さすがです。

第124回日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会サマリ

元大学教授の先生方の演題がさすがでした。

 

東北大元教授小林俊光先生の耳閉塞感の原因としての扁桃の膿栓

高齢者の平衡障害に隠れたSAS(元順天堂の池田勝久先生)

室伏先生のVMOS症例のMLRの馴化についての検討で綺麗にメニエール病とVMの間の特徴を示していました。

その中で引用していた論文

Vass 1998

Balaban koo 5HTについての論文

VBIについての乾ポスター 中枢神経症状があるVBIと無いVBIでエクリプスVEMPで差が出ていました。

 

名大の演題は造影MRIを用いた内リンパ水腫関係

内リンパ水腫とOAEの関係、内リンパ嚢水腫とAPDや LIDの関係

低周波数音刺激によるメニエール病前庭機能改善 VEMP振幅増大が示されていました。

 

石井正則先生の単純MRIによる内リンパ水腫の描出についての演題

フィリップ社でした。

 

メニエール病におけるカロリックとVHITの解離については内リンパ水腫による半規管内のクプラでの間隙が関係しているのでは無いかと言うことをフロセミドテストとフロセミドVEMPにて示していました(瀬尾)

 

小児めまいにおいてはRVCからVMCへの以降は3-4年 割合は割といるという印象というものもありましたが、そんなにいる印象がない

 

CGRPのVMへの効果 Ruimin Tian 

Tian Journal of hedache and pain

の論文が引用されていました。J Headache Pain
. 2022 Mar 8;23(1):35. doi: 10.1186/s10194-022-01403-1.
Calcitonin gene-related peptide receptor antagonist BIBN4096BS regulates synaptic transmission in the vestibular nucleus and improves vestibular function via PKC/ERK/CREB pathway in an experimental chronic migraine rat model
Ruimin Tian 1, Yun Zhang 1, Qi Pan 1, Yunfeng Wang 1 2, Qianwen Wen 3, Xiaoping Fan 1, Guangcheng Qin 3, Dunke Zhang 3, Lixue Chen 3, Yixin Zhang 4, Jiying Zhou 1
Affiliations expand

 

第124回日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会 福岡

第124回日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会 福岡にて

 

JR九州社長さんと

ジャパネットたかたの元社長高田明さんの講演がアリマした。

 

JR九州のほうは話題は七つ星、九州新幹線によるJR九州が夢を追いながら再検した話

 

ジャパネットさんはさすがにラジオショッピングできたえられた話術

伝わっていると思っていることが伝わっていない 伝え方の技術

パフォーマンス学の話

であり大変興味がありました。

拍手、笑いのなか一時間の講演がおわりましたが

講演に熟練しておりすぐにはまねできない感じでしたが

著書を買って復習してみたいと思います。

 

 

トルコの論文です

トルコの論文です

BPPVに対してリハビリ群とコントロール群としてベタヒスチン単独とベタヒスチンとジフェインヒドラミン併用群を比較しています。
めまいの改善は当然リハビリ群
コントロールの二群間の差は特になかったようです。
インディアンジャーナルという微妙な雑誌ですが
大事な情報です


Indian J Otolaryngol Head Neck Surg
. 2023 Apr;75(Suppl 1):483-490. doi: 10.1007/s12070-023-03598-4. Epub 2023 Feb 27.
Comparison of the Efficacy of Vestibular Rehabilitation and Pharmacological Treatment in Benign Paroxysmal Positional Vertigo

メニエール病の認知機能

 

 

メニエール病で認知機能低下が見られることは経験しますがこれらは治療によって改善することが示されました。

重症のメニエール病ほど認知機能低下が顕著

認知機能は可逆的障害であるということです。

また細かく見ていませんが

納得のいく結果です。

Front Neurosci
. 2023 Apr 4;17:1137734. doi: 10.3389/fnins.2023.1137734. eCollection 2023.
Analysis of cognitive function and its related factors after treatment in Meniere's disease