めまい診療  -4ページ目

神奈川めまいフォーラム

神奈川めまいフォーラムがおこなわれました。

特別講演は二個

 

目白大学の伏木先生のリハビリテーションについて

医師とPTの連携が重要性

 

後半は埼玉医大の池園先生からのCTPとVHITについて

耳科学会でCTP講習会が行われるということ

VHITについては動画でわかりやすい内容でした。

リボトリールと頭痛 クロナゼパムの扱いについて頭痛治療

 

以前からベンゾジアゼピン系抗不安薬の処方についてはいろいろ考えるところです。

 

ブラジルの頭痛学会の頭痛予防薬についての論文では
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36252594/

クロナゼパムの扱いは以下のようでした。
古いランダム化テストで有用性が報告されているもののやはりベンゾジアゼピン系抗不安薬の中毒性があるため推奨されないと言うことでした。
そのためクロナゼパムは
頭痛の予防に対してエビデンスが無いからすすめられないというよりは
中毒性の面からということになるのでしょうか
と言っても十分なエビデンスとは言えないのは確かです。

Clonazepam
General aspects
Clonazepam belongs to the benzodiazepine group and
increases the effect of the GABA neurotransmitter on
GABA-A receptors in a highly potent and prolonged manner,
besides having a serotoninergic agonist effect.82
Studies
A double-blinded, placebo-controlled study83 with clonazepam at doses of 1 mg/day to 2 mg/day revealed that its use led
to a reduction in the number of headache days compared
with placebo.83 However, due to the risk of addiction,84 this is
not a drug recommended for the prophylactic treatment of
migraine.

Stensrud P, Sjaastad O. Clonazepam (rivotril) in migraine prophylaxis. Headache 1979;19(06):333–334

天気病の講演 佐藤先生

気象病 天気病の第一人者の佐藤先生の講演がツムラ後援でありました。

 

前庭が気圧のセンサー

微妙な小さい気圧変動が症状を誘発する。

前庭器がセンサーである

前庭神経核の上核にCFOS陽性ニューロンあり。

低気圧に反応する三叉神経核がある。

気圧の変化を鼓膜が完治しているのではないかという子で気象病耳栓を開発

左右の鼓膜温の差が自律神経の機能を反映している。

 

対処法としては気圧センサーを鈍感にする 耳栓

自律神経を鍛える

天気病アプリで備える

 

と列挙しましたが

10年以上前に鼓膜表面の血管怒張(ツチ骨柄動脈)が自律神経失調と関係してるのではないかと報告したのですが

まんざらうそではないのかもしれません。

 

鼓膜温の測定など地道な努力が必要ですね。

 

荒川区医師会講演会

2023年2月17日は荒川区医師会館で参加者20名ほどの医師講演会

最新のめまいの診断と治療と言うことで前庭性片頭痛とPPPDについて話しました。

1時間で二疾患は少し多すぎでしたがこれからの疾患と言うことで広く浅く話をしました。

特に後者については疾患概念を話すだけでかなりの時間をさかれます。

 

いただいた質問はめまいのリハビリテーションの実際について これはYouTube動画リンクを案内しました。

もう一つは座った状態でめまいがない方はPPPDですか?ということでしたが

ふらふらして入ってきて座った瞬間何も症状がない

と言う場合には身体症状症の可能性があります。

大鵬アレルギーフォーラム前座

2023年2月16日は大鵬アレルギーフォーラムで前座講演

前庭性片頭痛の診断と治療 アップデートと言うことで

短めのお時間をいただきました

 

いつも同じようなネタなので今回は少しだけ新しい内容を入れましたが

レビュー的な内容で自分の新しいデータとしては

前庭機能検査が前庭性片頭痛の予後推定に有効な感じのデータでした。

 

その後イタリアンで会食 ワインで酔ってタクシー帰宅でした。

健常者における海馬の容積と前庭機能(平衡障害)の関係

日本の筑波からの報告ですが

海馬の容積と平衡機能の関係です。

両側前庭機能低下においては海馬の容積が減少することがブラントらによってだいぶ前にほうこくされており

気になっていたのですが本研究では海馬ボリュームを測定し

平衡機能のインデックスとしてindex of postural stability (IPS)との相関を示しています。

ろんぶんをよんでいないので

index of postural stability (IPS)がどういう者かわかりませんが

大変興味深い結果と思いました。


Relationship between hippocampal subfields volume and balance function in healthy older adults.
Ide R, Ota M, Hada Y, Takahashi T, Tamura M, Nemoto K, Arai T.
Gait Posture. 2023 Feb 4;101:90-94. doi: 10.1016/j.gaitpost.2023.02.003. Online ahead of print.
PMID: 36764212

本日の会話 

外来の感想を時々つぶやきをあっぷすることにしました。

 

1例目

めまいの患者さん(メニエール病の後のPPPd疑いの方)

耳からめまいがするのになんで「めまい」というのですか?

という質問があり

右目でみるとめまいをかんじるようです。

目からめまいがしているきがするのです

 

PPPdだと姿勢誘発めまいなのだとおもいますが

耳に前庭というバランスの神経があることを説明して納得してもらいました。

 

2例目

 

前庭性片頭痛のかた 男性

めまいと頭痛のどちらがつらいかと質問したところ

頭痛は薬を飲んで耐えるがめまいは動けなくなってしまうのでめまいの方がつらい!

めまいの方が生活障害が大きいようです。

めまいのときには頭痛もセットでおきると行っていました(つまり二重苦)

頭痛の時には頭痛単独があるということでもあります。

 

めまいを伴う突発性難聴の予後予測因子としてのVHIT

 

 

めまいをともなう急性難聴の聴力予後に半規管機能が影響しているかという論文です。

以前はカロリックテストの反応低下は難聴の改善不良因子として報告されていましたが。今回は

VHITにて同側PCゲイン低下が予後不良しています。

解剖学的に蝸牛と後半規管は同じ血流支配なので納得です。

 

Otol Neurotol
. 2023 Jan 1;44(1):e26-e32. doi: 10.1097/MAO.0000000000003746. Epub 2022 Nov 17.
Significance of Baseline Inferior Vestibular Function on the Prognosis of Patients with Labyrinthitis
Ji-Woong Cho 1, Sung Il Cho 1, Wonyong Baek 1, Min Seok Kim 2, Gi-Sung Nam 1

慢性持続性知覚性性姿勢誘発めまいについて

慢性持続性知覚性性姿勢誘発めまいについて

明日取材ががあるのでまとめてみました。

 

 

本疾患は従来のPPV,CSD、VV(visual vertigo),motion space discomfortなどとよばれていたいくつかの疾患概念を統一する形で国際平衡学会であるバラニー学会で診断基準がまとめられたものです。

慢性めまいとは一般に三ヶ月以上つづくめまいのことである。

 

ドイツの統計では本疾患のもととなったPPV(恐怖性姿勢めまい症)は外来めまい患者のうちBPPVについておおいものとしてブラントらによって報告されている。

 

日本で外来における本疾患の割合を検討した新潟大学のデータでは、外来の慢性めまいに占める本疾患の割合は最も多く39%であり心因性めまい(18%)よりも多かったとされている。

 

本疾患と診断されることで本邦では従来めまい症と言われていた患者に対してPPPDに対する確立された治療法としての抗うつ薬、リハビリテーション、認知行動療法を提供できるという点で意義がある。

診断においては検査所見は重要では無く、症状を問診することで診断する。

慢性のめまいであることそして誘発因子があることが特徴である。

鑑別として前庭障害代償不全、両側前庭障害などがある。

本疾患には通常先行するめまい疾患、前庭疾患がある。

 

受診傾向については本疾患がNHKでとりあげられてから最近患者数が増加した。

数年に一回本疾患がテレビで取り上げられることがあり、そのたびに受診患者が増加する。

 

Factors implicated in response to treatment/prog

VM患者の治療予後の関係について検討した。
VMは非常に複雑な病態であるがEBMに基づいた治療で改善した。
女性とBPPVがあること、治療前のDHI高値であること
がDHIの改善が大きかった。動揺視と頸部痛があること
はDHIの改善が小さかった。・

 

European Archives of Oto-Rhino-Laryngology (2021) 278:57–66 
https://doi.org/10.1007/s00405-020-06061-0
OTOLOGY
Factors implicated in response to treatment/prognosis of vestibular migraine
James R. Dornhoffer 1    · Yuan F. Liu 1  · Lane Donaldson 1  · Habib G. Rizk 1
Received: 25 March 2020 / Accepted: 14 May 2020 / Published online: 24 May 2020 
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