しずかにその時間は始まった。

 

 

 

木の香りと光と影のコントラストに

心を鷲掴みにされると

 

食前茶の宮崎茶房の

有機ウーロン茶が振る舞われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁寧に丁寧に淹れられる

1煎目と2煎目の味の変化を確認すべく

嗅覚味覚に全神経が集中させる。

 

やかんから急須にお湯が注がれると

湯気のイリュージョンで

幻想的な空間が広がっていく。

 

 

 

自分の中にスッと入る感覚が心地いい。


瞼の中の視界が

緑から黄金色にほのかに変化した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉がそっと閉まると射しこんでいた光が遮られ

まるで洞窟の中にいるような一体感に包まれる。

 

一つ一つの所作に魂を込めて

盛り付けられていく指先を

 

息遣いまで聞こえてきそうなくらい凝視する。


 

 

 

 

はらぺこの私たちの期待を背負って

 

「お茶の余韻と共にお楽しみください」

と、おまちかねの1品目が登場した。

 

 

 

目も心も目の前の料理に奪われていた意識が

口の中に残る微かなウーロン茶の苦味へと呼び戻される。

 

 

 

 

スナップえんどうとマテ貝の前菜

 

 

廃材をプレートにして

庭から採ってきた葉っぱの上に

器が運ばれてきた。

  

この廃材プレートが絶妙だ。

 

お茶の苦味を思い出しながら

子どもの頃へと一気に意識が

タイムスリップする。

 

 

 

 

私はままごとが好きで

よく遊んでいた。

 

庭の草木や石を見立てて

無心になっていた時間を懐古させる。

 

 

時間の経過と暮らしを彷彿させ

あの頃の感覚が蘇る。

楽しい。ただただ楽しい。

 

これはただのランチコースではないぞ? 

 

 

 

 

 

 

 

次に運ばれてきたのは

ハガツオ。グリルしたズッキーニにすももを土台に

紫玉ねぎとピーナツと三つ葉でアクセント。 

 

 

 

 

口の中でふわふわとした

ハガツオが踊り狂う。

 

いくつものマリアージュが楽しめて

どの食材同士も相性がいい。


この辺はひろみさんの独創性が光るところ。

化学、宇宙、壮大で無限の奥深さを感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宇城市たから農園のマッシュした赤じゃがいもの上に筍と車海老をマスタードマヨネーズで

シンプルに和えたもの。

 

パクチーもいいアクセント。

 

下味がしっかりついたタケノコのグリルが

またとんでもなく美味しい♡

 

咀嚼のたびに小さくなっていくのを

最後のひとかけらまで

可能な限りとどめておきたい衝動に駆られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃーーん。

卵が並びました。

恐竜でも生まれてくるのかしら。

 





 

 

新玉ねぎのスープ。

味付けは塩のみ。

 想像以上の甘さと旨味に思わず声をあげる。

 

「あまっ!!」

 

提供する温度も旨味が一番感じられるように

少しぬるめ。

どこまでも食べる人のことを考えてある。

 



お隣の奥様のパン屋ROKの

カンパーニュに浸してもぐもぐいただく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そら豆の春巻き

山椒の効いたラー油をたっぷりつけて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魚のフリットのお粥がけ

お粥は牡蠣アスパラ、ほうれん草のピューレで炊いたもの。

ほんのり苦味が口の中で広がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玉名牧場の子牛のステーキ

同じく玉名牧場のルミエールチーズを添えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

締めは玉名牧場のチーズ、

フロマージュブランをメレンゲと一緒にしたものに

三角の江口農園のパール柑を乗せて。

 

パール柑橘はワタまで使ってあった。

ワタはフワフワした食感に相対して

甘苦味がクセになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心地の良い音楽と共に

 

 

 

 

 

 

こんにちは

いわながあきこです。

 

少し前に熊本市の南坪井から和水町に移転した

Pegに友人といってきました~

 

 

 

ひろみさんの料理は

素材の1つひとつが自分の役目を全うしていて

 

メインを引き立てる脇役も

最高の脇役に徹していて

その脇役によって最高に引き立てられています。

 

それでいて脇役のただならぬ存在感といったら!!

 

 

 

 

 

そんな絶品の料理と

おもてなしを通して

 

人生も同じだなぁ。

色んな命が支え合っていて

それぞれ役目が違う。

 

 

 

それは保育園の中でも同じで

 

子どもたちという主役を支える脇役に

保育士や調理スタッフ

事務や園長、主任がいる。

 

パクチーのように癖のあるキャラも

使い方によっては唯一無二の

まとまりを生み出すってことだな。

と、気付かされました。

 

 

 

そう思ったら

保育士をオールマイティな

素晴らしい集団にしようと思わなくていいんじゃない?

 

それぞれが持つ

多様な個性を活かしながら

まとめ上げればいいんじゃんって。

 

 

 

 

かといって、個性を尊重しすぎたら

保育園という

子どもの命を育む暮らしの場所は成り立たない。

 

 

 

というのも、以前勤めた園で

それぞれの個性や主張を尊重しすぎて

チームがバラバラになってしまった苦い経験があるんです。

 

 

 

 

 

そんな失敗を経て行き着いたのは

コンセプトを通して

園の柱をしっかり立てた上で

考え方に幅を持つこと。

 

今の園はパーソナルクレド舎

のむ子さんと浩志さんの力添えで立てたものを

 

絵に描いた餅にならないように

園のみんなに共有して対話しながら

形にしていきました。

 

 

 

ハプニングや課題が生まれる度に

一度コンセプトに立ち戻って対話しています。

 

 

 

このめんどくさくて

一見地味な時間が

 

振り返ってみると、

年々園が成長しているな~と思える

進化の立役者だと断言できちゃいます。

 

 

何より、この数年で働いているスタッフが

日々の中で葛藤しながらも

私らしさを大切にするようになってきたし、

 

仲間の私らしさや

子どもたちの私らしさも

大切にできるようになってきました。

 

 

 

保育が面白くなったという声多数で涙がちょちょぎれます。

 

 

 

 

 

そのおかげで

保育士一人ひとりの命が輝く園を作ることで

子どもたちの命の輝きにつながる。

それが私のミッションだって確信できました。

 

 

 

 

そうやって切磋琢磨しながら

 

ひろみさんの料理のように

素材の魅力を最大限に引き出して

 

いらないって思い込んでいたところにさえ

日の目が当たるような

 

子どもや保育士の

唯一無二のマリアージュを生み出す

保育の現場にするぞ!!と

インスパイアされまくりです。

 

 

 

 

ほんと、食べる瞑想という言葉がぴったりな

Pegの料理と空間。

勉強になりましたーー!!

 

 

 

 

 

同敷地内に奥様のかなこさんが営む

ROKは自然の酵母のパンと焼き菓子のお店です。

ムチムチ天然酵母のドーナツや

ベーグルがお気に入り。

 

Pegは予約制で

ホームページから予約できますよん。

行ってみてくださいね〜

 

 

< shop info >

Peg &ROK

https://peg-rok.com/

玉名郡和水町藤田560

 

 

 

 

 

 

ココロネ保育園ホームページ

http://cocoronehoikuen.com/

 

保育園のインスタも最近盛り上がっています。

良かったらご覧くださいね。

https://www.instagram.com/9610_cocorone/

 

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