今日は三井記念美術館の特別展「国宝 雪松図と能面×能の意匠」を観に行ってきました!
能や能面について何も知らないのに行って大丈夫だろうかと不安でしたが、能面初心者でも十分に楽しむことができました!
雪松図屏風は毎年の恒例展示だそうです。
能装束についても解説が詳しく、じっくりと鑑賞できました。
表情が豊か!能面の魅力
この展覧会を訪れるまで能面なんてせいぜい数種類で少し違いがあるくらいだろう…
なんて思っていましたが大間違いでした!
能面は、何の役に用いられるかによって翁、老人、鬼神、女面、怨霊の面、男面など種類が異なります。
しかし、同じ種類の面であっても劇中の境遇や心情、性格、年齢を反映して大きく作りが異なるのです!
具体的に言うと目の開きや、目尻と眉の向き、眼窩の窪み、口角、顎(のしゃくれ)、頬骨の出方などなど
(ぜひ上に貼ってあるURLから作品を見てみてください)
二つとして同じものはありません!
あるものは憤怒の顔であったり、あるものは死相があらわれ不気味であったり。
哀愁漂うもの、複雑な表情のものなど様々。
なぜそんな顔をしているの?と気になり、 どのような話で用いられる面なのかついつい解説ばかりに目が行ってしまいます。
また、能面は口角や眉が左右でわずかに非対称なのですが、そのためか 表情が自然なものに感じられ角度を変えて鑑賞するのが楽しいです。
展示されている能面のうち一番の見ものは国宝である孫次郎(ヲモカゲ)。
作者の孫次郎が若くして亡くなった妻を偲び、 面影を写したとの伝承からヲモカゲの呼び名がつきました。
表情が儚げですね。
間近で見る機会はなかなかないかと思われます。
美しい!雪松図屏風
本展覧会のもう一つの目玉は雪松図屏風かと思います。
三井家の依頼により制作されたものだそうです。
こちらから画像をアップして閲覧できます↓
墨と金泥、白紙のみで描かれたシンプルな作品ですが、写実的で立体感があります。
背景の余白と金泥や屏風下方に用いられている金砂子が、冬の冷たい空気感を醸し出していますね!
注目すべきは松の枝や幹が輪郭線を使わずに表現されているところ!
根元から幹、さらに枝先へと目で追っていくと墨の濃淡が変化し、全体的な立体感が出ています。
雪は紙の塗り残しを用いて表現され、金泥が陽にあたっているところと見ると、だんだん雪が解けていきそうです。
こうしてみると金泥の背景が、春になりあたたかな陽が差し込んでいる様子にも感じられます。
さいごに
東京駅を中心に位置する、出光美術館、三井記念美術館、東京ステーションギャラリー、静嘉堂@丸の内、アーティゾン美術館の5館の展覧会を1年間で一回入館できる、お得な「東京駅周辺美術館共通券」(2024年版)が今月より販売されています。(三菱一号館美術館の割引クーポン付き 税込4500円)
東京で美術館巡りをされる方にはとてもお勧めします!
各美術館の特別展の年間スケジュールが載っている点もいいところ。
在庫に限りがあり、先着順であるそうなのでお早めに!