南米・鳥獣虫魚・探遊 -91ページ目

ベイト研・08:尾黒模様

カラシン模様パターン典型


尾付近に黒い模様がある中小型カラシン類は、たいへんに種類が多い。普遍パターンと呼んでもいい。もちろん進化上の理由がある筈なんだけど、これが意味するところは、グランデには今のところ判らない。だれか明快な答えを持っているなら、教えてちょうだい。代表という意味合いで、ブリコン類(シルバー・ドラド類)画像を載せる。本属の小型個体もフィッシュ・イーターのベイトになっている。


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シルバー・ドラド類の一種


ブリコン類については、FCブログのほうに「シルバー・ドラドの研究」という長編論文を載せてるんで、そちらを参照してちょうだい。


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シルバー・ドラド類の一種


ブリコン類の尾部の黒模様にも、いろいろなタイプがある。上写真のは、尻ビレ基部にライン状に入って、それが尾ビレまで継続している感じ。「銀色魚体に尾黒」ってのは、アマゾン・ベイトの究極パターンになるかも?


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ブリコン化石


ベイトと関係ないけど、サンパウロ州タウバテから新生代第三紀のブリコン類化石が報告されている。尾部分に黒い模様があっただろうけど、定かではない。


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博研・33:外伝・02:現代の孤高蝶ハンター

ピエール・ジャウフレット


今回は、博物時代じゃなくって、20~21世紀の蝶ハンターさん。外伝だから、いいんだ(笑)。出演は、2009年12月に72歳で亡くなったフランス人のピエールさん。前回、幻(だった)のハーネルジャコウアゲハを載せたんで、珍アゲハのお話しも兼ねて。


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ピエールじいさん


ピエールは、仏領ギアナから流れてきて、1976年にアマゾン河口ベレン近郊のサント・アントニオ・デ・タウアという所に25ヘクタールの土地を購入、「生物保護地区」を個人的(笑)に設定し、昆虫三昧に明け暮れた、愉快なジイサンだった。


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ピエール標本の一部


オレは、じいさんの保護区に何度も足を運んでいる。昔むかし、ベレン近郊ベネヴィージスにあった熱帯魚デポから遠くなかったし、じいさんは、金魚や色鯉のブリーディングもエキスパートだったし、昆虫話しが面白かったからである。保護区の家屋に泊めてもらったこともある。日本の某TV番組なんとか奇想天外のロケ用のカエルを探しに入ったこともある。美しいテヅカミネコメガエル類などを観察したけど、夜のジャングルが不気~味だった。区内の林床で生まれて始めて、超珍・古代生物、カギムシ(ペリパトゥス)生体を見つけて、超大喜びしたのも記憶に生々しい。


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ペリパトゥスの一種


じいさんは、自分の土地を、Reserva Klagesi 、すなわちクラゲシ保護地区と呼んでいた。刺胞動物クラゲ氏ではないよ(笑)。クラゲシってのは、ヴェネズエラのオリノコ水系で発見されて、1904年に記載された Parides klagesi ってマエモンジャコウアゲハの一種からもらったものである。これもレッド・データ級の珍蝶だった。


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クラゲシマエモンジャコウアゲハ(オリノコ産)


じいさんから聞いたんだけど、彼はしばしば遠征採集もやっていた。ベレンのあるパラ州とマラニョン州境は面白いヨ、って語ってた。彼はそのマラニョン地方で、幻のクラゲシジャコウを再記録するという偉業を成しとげている。この快挙は、2007年に報告されている。


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マラニョン産のクラゲシマエモンジャコウアゲハ(ピエール採集)


残念なことにピエールの死因は、殺人だった。昔のじいさんは、アフリカ戦線の外人部隊でドンパチもやってた超硬派。自分の愛する保護区に不法侵入するブラジル人に、しばしば短銃を発砲して戦争をやっていた。遺族は、不法者の仕業に違いないと語っている。合掌。


最近のオレ。マエモンジャコウアゲハ(パリーデス)属の研究をやっちゃおうかな、なんて夢想している。まずいよなぁ、これもドロ沼がミエミエだもんね(笑)。


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XC-34・アマゾン魚のお味大全・02

カラシン類のお味


カラシン類は、旧大陸に分布勢力を持つコイ目(もく)に近縁のオーダーである。しかるに、肉質にも似た傾向がある。日本の釣師が遊ぶコイ類に、コイ、フナ、ウグイ、オイカワなどがいるね。一昔前、ジャパンに自然が残っていたころ、内陸地方では釣ったコイやフナをよく食べていた。現在の極東の内水面、とくに低地の湖沼は水質が悪くなった。魚味ってのは、水質にたいへん影響されるモンだから、今はヘドロが調味料(笑)。


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鯉のアライ


清流で釣ったウグイやオイカワを食べるヒトは多い。調理して賞味したことあるヒトは知っているけど、ちょっと気になる小骨があるよね。この小骨が多いという特徴は、コイ類&カラシン類の共通の特徴であ~るね。背骨から側面の肉に、二股、三叉、あるいはもっと分岐した細い骨が入っている。コイのアライを薄切りにするのは、口当たりを少しでも滑らかにしようってのが理由だ。


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オイカワのカラアゲ


さてカラシン類は、小骨はあるけど、総じて美味しい魚である。お味は、ファミリーや食性によって違いがある。クリマタ系のようなコケ食いは、独特の風味がある。肉によく脂が乗るのは、果物食いの系統だ。その代表はパクー類、すなわちセラサルムス科の魚たちである。同科は、ブログで研究を載せているんで、そっちを参照のこと。肉食のピラニアのお味にも特徴がある。


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巨大なタンバキー(1.15m、44キロらしい)


南アメリカ大陸カラシンで最大に成長するヤツは、何だろう? モノの本には、セラサルムス類のタンバキー(ブラック・コロソマ)って書いてある。30キロを超える野生モノをロンドニア州マデイラ河で観たことがある。ドラードの♀もデカくなる。30キロ以上に成長する。タライロンも20キロは超える。


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巨大なドラード


カラシン類は、大型個体になればなるほど美味しくなるね。カラシンおばさんは、年増になると、肉にトロンと脂が乗ってくるからね。カラシンに限らず、魚は産卵前がイチバン美味しい。いわゆる旬だ。次回からカラシン類のお味を各種解析していこう。


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博研・32:外伝・01:幻だったアゲハチョウ

孤高の蝶ハンター、パウル・ハーネル


アマゾン博物の研究史は、その31で終わりにした。本編は、主に南アメリカ大陸の淡水魚の探索&研究にたずさわった能力者を主役にして進めた。しかし、本編で触れなかったけど、オレにとって興味深い博物ハンターが他に何人かいる。だから、いつものようにカムイ式(笑)外伝を加筆する。


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アゲハの特徴は尾状突起(パピリオ・トアス)


アゲハチョウってたら、後翅の尾っぽをイメージするよね。英語でもアゲハ類をスワローテールって呼ぶ。しかし、アゲハ仲間だけど、突起のない種類も少なくない。アマゾン地方では、尾のないほうが明らかに優先的だ。熱帯雨林でよく見かける一般有尾は、パピリオ・トアス(タスキアゲハ)くらいなもんである。


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アマゾンのアゲハは、一般に尾がない(ペルーのピックーロ)


オレは一時期、ブラジル南部のパラナ州に潜伏してたことがあって、しばしば昆虫で遊んだ。この地方はアマゾンじゃないから、尾のあるアゲハ類が多かった。やっぱアゲハは、スワローテールのほうが格好いい。


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ブラジル南部にいるパリーデス・アガブス(オナガナンベイジャコウアゲハ)


昔むかし、マナウスで昆虫と遊んでいたころ、珍種じゃないけど、まあまあ少ないパリーデス・トリオパスを採集したことがある。こいつも尾がない。


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パリーデス・トリオパス(ヒメトンボジャコウアゲハ)


「ヒメ」って語には、ちょっと小さいって意味あいがある。当然が無論、「ヒメ」のついてないヤツと比べてだ。ヒメなしは、30年ちょっと前まで超ド珍種だった。アマゾンで活躍したバタフライ・ハンターにパウル・ハーネルという男がいた。19世紀の末ころ彼は、アマゾンの巨大な川中島であるトゥピナンバラーナ島の南側水路をたどる採集旅行で、トリオパスに似てるけど、少し大型で尾状突起のあるアゲハを採集した。これがハーネルジャコウアゲハ、すなわちトンボジャコウアゲハである。ハーネルが採ってから約100年。再発見がなく、幻と化していた。


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トゥピナンバラーナ島にあるパリンチンス市


今から30数年前、アマゾン河畔のジュルチーという町にアブラハンというオトコが住んでいた。彼は巡回牧師である。僻地の村を回って説教をして歩いていた。このころオビドスにたくさんいた昆虫採集人たちと親交があって、田舎で採った虫を売って小遣いを稼いでもいた。ある日のこと、アブラハンは、タパジョース河口の西岸のアラピウンスという村でミサをおこなった。説法の後、採り子として仕込んでおいたガキが、尾のあるアゲハ標本を彼に見せに来た。こ、こ、これはぁ~! 100年の時空を経て、トンボジャコウアゲハが蘇った瞬間だった!


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ハーネルズ・アマゾニアン・スワローテール


パウル・ハーネルは1887年に熱帯病で倒れ、マデイラ河畔マニコレの墓地に寂しく眠っている。


実はオレ、アブラハンのだんなと、知り合いである。昔のアマゾン・アジトに泊めてやったこともある。夕食にカレー・ライスを出したら、辛すぎるゾって食わなかった(笑)。トンボジャコウアゲハは、ある一本の樹木の周辺にしかいないそうだ。長い間、幻だった理由は、食樹がたいへん少ないのだろうね。この樹をぶっ倒せば、この蝶は、また幻になるだろう…… ひひひ、って笑っていた。おいおい、それは神さまが許してくんないよ、地獄に落ちるぜ(笑)。


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XC-33・アマゾン魚のお味大全・01

C-33・お味大全の展開

さぁ~て、シングー・クッキングも野菜、ブタ、トリ、ギュウと来て、いよいよ大御所の登場、おちゃかなの役が回ってきた。この部分は、アマゾン美味しいモノ銀幕のスーパー・スター。演技は多彩、ときに泣かせる味を披露してくれる。てな訳で、アマゾン淡水魚のお味・研究形式で行ってみよう!



ブログで何度も書いてるけど、南アメリカ大陸の淡水魚族は、三本柱がカラシン、ナマズ、シクリッド。プラス付随する古代魚&海水起源魚である。肉質は、グループによって、大まかな分類が可能である。次回から分類群の各説を論じ、以下細分していって、個体群のお味を解説していく予定であ~る。今日はイントロだから、アマゾン・ジモピーのもっとも一般的なレシピ紹介をやってみよう。アマゾン魚料理の基本三本柱は、焼く、煮る、煮る。東洋系の蒸すという技巧は、ここでは発達していないし、ナマ(サシミ)は、一部のブラジル人しか食わない。


焼く…… アッサード。塩味をつけて、炭火の遠赤外線で焼くのがベスト。肉質の脂っぽい魚がいい。


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タンバキー・アッサード


煮る…… ヨーロッパ文化から来伯したのは、おスペ伝承ブイアベース風。すなわち具たくさんの濃厚スープ。一般に魚のスープ類は、カルデラーダと呼ばれる。カルド(おつゆ)仕立てだね。


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カルデラーダ・デ・フィリョッチ(ピライーバの煮込みスープ)


揚げる…… いわゆるフリッタ。塩味をつけて高温の食用油で揚げる。小麦粉などの衣をつけない手法も盛んである。


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ツクナレ・フリッタ(ピーコックバスの揚げ物)


X・クッキングは魚族編に突入した。この分野は、グランデの得意なパート。だから、おそらく長編になるでしょう。


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ベイト研・07:パクー類

平たいカラシン


パクー類については、ブログに「セラサルムスの研究」という長編論文を載せてるんで、そちらを参照してちょうだい。


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パクー類の一種


アマゾンでは、パクーの仲間は重要なベイト・フィッシュである。大群を作る、浅場にいる、などベイト条件が豊富。脂の乗った魚だから、栄養化も高い。


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パクー類の一種


しか~し、このパクー類を積極的イメージしたルアーってのも見かけない。理由は明瞭だ。体高があって薄べったい形のルアーはクラフト難易度が高い。リーリング抵抗も大きい。ボックスに収める際に、邪魔くさい。ちょっと似てるってば、バイブレーションかな?


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バイブレーション・ルアー


パクー類は、フィッシュ・イーターにたいへん好まれる。上手く似せたルアーを造れば、かなりのバイトが期待できると推定できるけどね。


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博研・31:コンクルージョン

もっと広く、もっと深く


シリーズアマゾン博物の研究史」は、ブラジル人学者ミランダ・リベイロで閉じることにした。20世紀も中頃になると博物学は、動物学、植物学、鉱物学、地質学などに細分され研究されるようになった。そして隠秘学や神秘学は、主に社会科に移された。博物学はその使命を終えた、ということになっている。博物学を支える両輪は、自然物の「採集」と「記述」だね。アマゾン流域には、未だ人垢が分け入っていない領域がたくさん残されているから、毎年数多くの新種生物が発見されている。本シリーズのイントロで書いたように、グランデ教授の提唱するネオ・サイソシオロジーでは、『博物学』というカテゴリーは、今でもビンビンに生きている(笑)。


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アマゾンのナチュラリスト


現代のアマゾン魚類ハンター前線。それは学者さんではなく、熱帯魚の現場の末端である。マナウスで活躍したシュワルツ氏、ベレンで名を馳せた高瀬氏は、その先駆者であろう。


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在りし日の高瀬さん


オレのブラジル人の友人たち、クイアバで没したD、アルタミラ在住Dなども敏腕ハンターである。日本が世界に誇る熱帯魚ハンターには、旧友の魔人Mがいる。彼らについての逸話もかなりあって面白いんんだけど、生きてる人物描写は書きにくい。オレがそう感じても、彼らはそう思っていないかも知んないからだ(笑)。


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ネオ・サイソシオロジー派の旧訳バイブル


話は飛んでしまうけどちょっと頭がヘン(笑)だったカナダ小説家ヴォーグトに、『宇宙船ビーグル号の冒険』という傑作がある。ダーウィンがモデルの主人公のグローヴナーは、宇宙探検船ではたった一人のネクシャリスト(総合科学者)。人を超える科学者と軍人を載せた探索船ビーグル号は、しばしば未知の宇宙生命体に襲われる。細分化された人類科学では理解できない異様攻撃に、隊員たちが次々と犠牲になっていくグローヴナーは大局的な対処で、それらを撃破していく。ネクシャリーという分野はヴォーグトが創立したんだけど、ネオ・サイソシオロジー派の源泉になった(笑)。


「もっと広く、もっと深く」…… これこそが博物学そのものであり、ネオ・サイソシオロジーの真髄である。


(研究史・完)


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ベイト研・06:イグアノデクテス類

細身のカラシン


イグアナってトカゲがいるよね。シングー河畔にも多い。トゥッピ系インディオ語幹で、イグーってのは、「水」だ。有名な大滝イグアスーは、「膨大な水」って意味だね。おそらく、イグアナは、「水のトカゲ」って意味だろう。イグアナと似た歯を持っている恐竜が、イグアノドンね。


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イグアナ


イグアノデクテスって小型魚がいる。カラシン科で、10種弱が知られている。恐竜博士コープが記載した属だ。属名の構成は、イグアノ⇒トカゲのイグアナ+デクテス⇒受容体みたいだけど、記載論文を読んでないから、はっきりした意味は判らない。体型はワカサギ型。すなわち細長い。


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イグアノデクテスの一種


グランデの偉大な知見(?)では、前に登場したブリコノップス属と同じ環境に多い魚である。すなわち流水を好む。往々にして一緒に泳いでいる。


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イグアノデクテスの一種


この属の特徴は、体側の側線に沿った蛍光色のオレンジ・ライン、尾のつけ根の明るいスポットだね。


カラシン科のベイト・サイズ小魚って、尾のつけ根に明色のスポットがある種類が多いんだ。でも、このイグアノデクテスに似せたルアーもないなぁ。そのうちオレが作ろう。


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博研・30:ブラジル魚類学の父

リベイロと怪魚


アリピオ・デ・ミランダ・リベイロは、ブラジル、ミナス・ジェライス州生まれの魚類学者である。彼は、「ブラジル魚類学の父」と呼ばれている。1894年からリオ・デ・ジャネイの国立博物館に勤務し、後に動物学の責任者となり、ブラジルの哺乳類、鳥類、魚類標本を収集し精力的に記載した。1908年と翌年には、ロンドン将軍のアマゾン調査に同行している。「ルーズベルト・ロンドン探検隊」の一部にも参加した。彼らが採集した動植物、3600個の標本を目録として記した。


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ミランダ・リベイロさん


彼は生涯に、ブラジル産の3属4種の昆虫、32属151種の魚類、20属66種の両生類、1属1種の爬虫類、8属26種の鳥類、2属30種の哺乳類を記載している。南米魚族の記載には、1908年にオトシン類多数。1912年にトリコミクテルス類多数とドラス類。1918年にウッドキャット類、プレコ類。1920年にナイフフィッシュ類などがある。


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リベイロが記載した巨大ホプリアスのラセルダエ


リベイロの記載魚の中で光るのは、1907年に報告した洞窟棲のナマズ、現地名バーグレ・セーゴ(眼なしナマズ)、すなわちピメデラ・クローネイだね。


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ピメデラ・クローネイ


ハーグレ・セーゴ種小名の由来の人物、リカルド・クローネは、1861年にドイツからブラジルに移民し、サン・パウロ州のイグアッペに薬局を開いた。イグアッペ川の上流には、石灰岩洞窟がたくさんある。クローネは、探検に興味を持ち、41穴もの石灰洞を調査した。1906年に、『リベイラ・デ・イグアッペ谷の石灰洞窟群』を著している。ある日のこと。クローネは、カヴェルナス・ダス・アレイアス(砂の洞窟)内の清流で、不思議なナマズを発見した。カーバイト灯の光に浮かび上がった肌白い魚には、眼がなかった。彼は、その怪魚を採集し、リオ・デ・ジャネイロのミランダ・リベイロに送った。グランデ教授も、この洞窟魚に会いに行ったお話しは、このブログでもした。


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クローネさんと美人娘のアンナちゃん


コリドラスのバルバータス・サンダー(コリドラス・クローネイあるいはスクレオミスタックス・クローネイ)も、クローネが採集したリベイロ記載魚である。オレは、この魚もずいぶんと採集した。


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バルバータス・サンダーの水中写真(サンパウロ州ベルチオーガ)


アリピオ(ミランダ・リベイロ)さんの名前を冠したカエルは数が多いね。


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ブラキセファルス・アリピオイ


ミランダ・リベイロは、尿道やゲニタリウムに侵入することで知られた助平ナマズのカンディル系の研究も得意だった。


ヴァンデリア・カンディル(トリコミクテルス科)


ミランダ・リベイロ時代の南アメリカ魚類の大家には、アメリカのカール・アイゲンマンがいた。彼は、いくつかの点でアイゲンマンと意見を異にしている。例えば、小型カンディル系を、アイゲンマンはピギディウム科に分類していたけど、リベイロはトリコミクテルス科としていた。アイゲンマンは、ブラジルの田舎学者を甘く見てたみたいだけど、軍配は、ミランダにあがった(笑)。


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ベイト研・05:トリポーテウス類

サルジーニャ


ポルトガル語のサルジーニャは、「小さなサルダ」って意味だね。もちろん、「猿だ!」ではない(笑)。サルダってのは、ヘリング系族、すなわちニシン類のことだ。小さなニシン? これは、イワシの仲間を意味している。英語だと、サーディンだね。


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大西洋沿岸のサーディン


サルジーニャって語は、本国ポルトガル・サピーに使い慣れた名詞だった。ブラジルに移民してきた蛮族サピーたちは、淡水に棲んでいるイワシに似ていた色々な小魚に、この単語を充てた。もっとも一般的に、ブラジル淡水魚で、そのように呼ばれるようになったのが、トリポーテウス属の魚である。カラシン目カラシン科トリポーテウス属には、20種ほどが知られている。同属魚は、一般にエロンガータ・ハチェットと呼ばれる。すなわち体型は、長細いハチェット型。英語のハチェットってのは、小型の手斧のことだけど、熱帯魚界では、ガステロペレックス類などに使われている。


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ガステロペレックス類の一種(ハチェットフィッシュ)


アマゾン本流沿い低地、すなわちバイショ・アマゾナスと呼ばれる湿地池には、このトリポーテウス類が多い。水面近くに大群でたむろしているので、彼らが作る小波で存在が判る。


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トリポーテウス属の一種


8月ころのバイショ・アマゾナスでは、同属の軍団が大挙して接岸する現象がある。これが始まると、普段は深場の底にいる各種の肉食ナマズ類たちも浮上して接岸する。するとジモピー・サピーたちも大挙して接岸する。普段は余り釣れない美味しいタイガーシャベルなどが確立よく狙えるからだ。オレが観た、この時期のナマズ類を列挙すると、ドラド・キャット、ピラムターバ、タイガーシャベル類、プラニセプス、ゼブラ・バヴォンなどが水揚げされていた。


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美しいゼブラ・バヴォン軍団


フィッシュ・イーターたちが好んで食うからトリポーテウス類は美味しいんだろう。調理がちょっと面倒だけど、サピーが食ってもなかなか旨い。カラアゲなんかがイイね。


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トリポーテウスのカラアゲ


トリポーテウスを積極的にイミテートしたルアーは、まだ見たことがない。あまり特徴がはっきりしてないことが難点みたい。しかし、三角っぽい体型は、真似できるだろう。一応、SARDINHAを商標にしたモンはあるけど、本家のイワシ・タイプ。


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インテルグリーン社のミノー
SARDINHA


以前のこと。日本の某NHKが放映したアマゾン特番で、トリポーテウス類を、「淡水のイワシでぇ~す!」というナレーションで紹介した。無知な現地コーディネーター⇒無知なディレクターのチョンボだ。もちろん、ダウト! 熱帯魚好きのクレーマーは、大喜び! 某NHKは、謝罪を余儀なくされた(笑)。


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