南米・鳥獣虫魚・探遊 -92ページ目

博研・29:軍人たちの探検

ルーズベルトとロンドン


アメリカ大統領だったセオドア・ルーズベルトは1902年ミシシッピー州で熊狩りをしていた。


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ハンターのセオドア


しかし、その日の狩猟では、一頭の獲物も得られなかった。そこで太鼓持ちの側近、捕獲しておい生きた老さんを用意して大統領に撃つように勧めた。しかし、大統領は格好つけて、「そんなことは、絶対にできない」と断った。この逸話が風刺画になって、それをヒントにぬいぐるみテディベアが生まれたとされている。「世界テディベアの日」は、セオドア誕生日の10月27日だね(笑)。



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テディベア


大統領戦に敗れたルーズベルトは1913年、憂さ晴らしにブラジル・アマゾン探検と博物ハンティングに出かけた。この行軍は「ルーズベルト・ロンドン探検隊」と呼ばれている。当時のブラジルでアマゾン奥地のエキスパートだった陸軍将軍カンジド・ロンドンが同行した


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若いころの
ロンドン


カンジド・ロンドンは、マット・グロッソ州にあるパンタナル湿原の小村ミモゾで生まれた。彼は、インディオの血を母親から継いでいる。クイアバで学び、後にリオ・デ・ジャネイロで勉学の徒につく。1881年に軍に入隊。士官学校へ進むが、ここで数学、物理、自然科学などに天才的な頭のキレを見せている。1889年からアマゾン奥地などで軍務工事などに赴任した。このときに多くの未開インディオたちと接触を持った。1919年に陸軍将軍となり、インディオ保護機関を設立し、「ブラジルのインディオ解放の父」と呼ばれている。ブラジル・アマゾン地域のロンドニア州は、彼の名前をメモリアムにした。


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晩年のロンドン将軍


ロンドンが推薦したアドベンチャーは、マット・グロッソ地方のドゥーヴィダ川下りだった。ドゥーヴィダってのは、「疑問」って意味だね。英語のダウトだね。当時、この川は、どこに流れていくのか未知だった。ジモピー意見でも、シングーの支流だ、いやタパジョースに流れ込むのさ、と混沌だった。


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左がルーズベルト、右がロンドン


探検は、マラリアが猛威をふるい、激流で溺死人も出したけど、なんとか下り終えることに成功した。そして、その川がマデイラ河水系アリプアナン川支流だと判明した。ルーズベルトは、猛魚ピラニアに驚愕の悲鳴をあげている。ブラジル政府はこの冒険を記念して、ドゥーヴィダの河川名をルーズベルト川に改名した。


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ルーズベルト川
のピライーバ釣り


最近(2011年)、ルーズベルト川で新種らしいテトラがいくつか発見された。ここは、まだまだ奥地なんだ。


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新種らしいテトラ類


ルーズベルト一家は、アマゾン好きである。セオドアのひ孫娘アンナ・ルーズベルトは、アマゾン考古学の世界的権威である。


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シングー河に潜って古代遺物を採集するアンナさん


ルーズベルト・ロンドン探検隊は、アメリカ自然史博物館がスポンサーだったから、動物植物&昆虫などの博物採集もやっている。


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ベイト研・04:ブリコノップス類

ピアーバ


カラシン科の細めの小型魚は、アマゾン地方では総じて、「ピアーバ」と呼ばれる。もちろん、色々な種類がひっくるめられてるけど、よく眼につくのは、ブリコノップス属の魚だ。シルバー・ドラド、すなわちブリコン属に近縁だけど、大型にはならない。普通は、10センチくらい。オレが観た最大の個体は、タパジョース河下流、風光明媚な砂浜のあるアルテール・ド・ションで、同属では度肝を抜く25センチ級だった。有名なFISHBASEでも、最大種を12センチにしているから、もしかしたら、知られざる新種かも知れない。


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近縁のシルバー・ドラド類の一種(シングー河)


ブリコノップス属は、カラシン目カラシン科で、約20種が知られている。ウグイ型の体型で、特徴は、尾ビレに黒い模様が入ること。


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ブリコノップス属の一種


尾ビレ上側に三角形の黄色~オレンジ色のアクセントが入る種類が多い。背ビレが赤い種類も多い。


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ブリコノップス属の一種


ブリコノップス属は、一般に流水を好む。流水部は弱った魚がフラフラ流れ下る環境だから、ベイト・フィッシュ条件②の「捕獲しやすい」の条件に当てはまる。


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ブリコノップス属の一種


ブリコノップスを積極的にイミテートしたルアーは、まだ見たことがない。一般にルアーには、背&尾ビレがないから特徴を生かし難いもんね。


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博研・28:パウリスタ博物館

ヘルマン・イェーリング


ヘルマン・イェーリングは、ドイツの高名な法学者ルドルフ・イェーリングの長男として生まれた。親父のルドルフは、近代法学の父で、権利のためには闘争が必要と説いた大学者である。ヘルマンは、医学と自然史を学び、エアランゲン大学で動物学の教鞭をとっていたが、1880年にブラジル王室の援助資金を得て当地に招かれた。到着早々に若いブラジル未亡人の色香にイカれてしまい(笑)、結婚し帰化した。


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ヘルマン・イェーリングさん


1892年にサン・パウロでパウリスタ博物館を創立した。そして、20数年に渡ってその館長を務めている。


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パウリスタ博物館


同博物館は、イピランガ博物館とも呼ばれている。管理は、サンパウロ大学がやっている。ここは、ブラジル独立の舞台になった由緒ある場所である。写真の建物は、主に独立や芸術に関連した施設になってるけど、裏に庭があって、その奥に動植物などの展示館がある。図書館もあって、そこでグランデ教授もネオ・サイソシオロジー研究をやっている。


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博物館内の自宅での記念写真(左端が
ヘルマン


博物ハンターでもあったイェーリングは、鳥類、魚類、軟体動物を採集し研究した。そして、同国の博物本では古典となる『ブラジル動物辞書』を著している。


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『ブラジル動物辞書』


しかし、1914年に第一次世界大戦が始まるとドイツは、ブラジルの敵対国となった。生誕地だけでなく、父親が高名な闘争論者だったことが問題となってしまう。彼と家族の身柄は、サンタ・カタリーナ州のブルメナウに移され、傷心の日々を送ることになった。博物学の研究は、政府によって禁止された。ブラジルで職を干されたイェーリングけど、実力を認めていた各国の研究機関は彼に招待状を送った。そしてアルゼンチンのラ・プラタ博物館の依頼に応じ、コルドバ大学で動物学の講座を持った。彼はここで考古学や古生物学の研究を行っている。その後、ドイツに戻って没した。


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サンパウロ近郊が濃密なジャングルだった時代のヘルマンと奥さま


イェーリング南米魚族記載には、1907年のアスピドラス類。1911年のガーベイを含むコリドラス類。1928年にはオトシンクルス類やウッドキャット類などに学名をつけている。功績のメモリアムとして、属名にはイェーリンギクティス(ピメロドゥス類)、種小名イェーリンギーがミクログラニス(ピメロドゥス類)につけられている。


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珍ナマズの
イェーリンギクティス(イミテーター・ピラー)のスケルトン写真


イェーリングは、化石の採集も精力的に行っ。サン・パウロ州タウバテ地方で彼が発掘したナマズ化石は、始めアリウス・イェーリンギーとして記載され、1973年にステインダクネリディオン・イェーリンギーに改名されている。


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ステインダクネリディオン・
イェーリンギーの化石


イェーリンギクティスの一種をミナス州内のサン・フランシスコ河で釣ったことがある。ボート・パイロット(漁師さんは、「こりゃ、絶滅危惧種だ!」、と言って、丁寧にリリースしてた。


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ベイト研・03:アスティアナックス類

雑魚ランバリ


ブラジル・ポルトガル語で雑魚、すなわち英語のミノーみたいに訳せる名詞は、アマゾン地方なら、「ピアーバ」、パンタナル地方なら、「ランバリ」だろう。後者は、雑魚一般ではなく、アスティアナックス属の小魚を指すけどね。同属の魚は、中南米に140種もいる大家族。メキシコ洞窟の眼のないブラインドケーブカラシン(アスティアナックス・メキシカヌス)も含まれる。


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ブラインドケーブカラシン


パンタナル地方の5月~6月。ランバリが大挙して集結し遡上する現象がある(あった)。「あった」、としたのは、年々規模が小さくなっていて、近々に消滅の可能性もあるからだ。この現象を、ルファーダと呼ぶ。現象が始まると、フィッシュ・イーターたちが狂い始める。ドラド・カショーロ、ドラードたちが暴れ、ピンタードなどの大型ナマズも水面に浮いてくる。エサ食いに夢中になるんで、普段はやらない暴挙もしたりする。ピンタードが水鳥の脚に食いて引っ張ったり、餌追いに勢い余ったドラードが岸辺に飛び出し、バタバタのたうっている光景もある(あった)。ドラードの活性のハイなルファーダの釣りを数回、楽しんだことがある。オオカワウソもギャーギャー叫びながら、魚群と一緒に遡っていた。


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ランバリの遡上


その昔の電気のない時代。サピー漁師もルファーダに嬉々した。ランバリを大量捕獲してカヌーに山積みにして、炎天下に置いておくと、ギトギト脂がカヌー底に溜まった。これを行灯(?)の灯油として使ったのである。化けネコが舐めにきたかもね。電気が普及した今は、もちろん廃れた。


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アスティアナックスの一種


アスティアナックス類は、カラシン目カラシン科に含まれる。体型は、タナゴ型でやや平たい。色彩は地味で特徴に欠けるけど、エラ蓋後ろの暗斑、尾柄の黒斑。背ビレ、尻ビレ、尾ビレが黄色~オレンジに染まる種もいる。大きな種類で10センチがいいとこだろう。フィッシュ・イーターに美味しいのか聞いたことないけど、サピーさまも食べられる。高熱カラアゲ(フリッタ)がブラ風なビール肴になっているけど、これを甘酢に漬けて南蛮漬けにすると、なかなかイケた和風になる。


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ランバリ・フリッタ


アスティアナックス類は、アマゾン水系、ラ・プラタ水系のベイト・フィッシュ条件①「数が多い」に相当している。


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パッパ・ブラッキ


ブラジル・オカンベー社製ルアーで、パッパ・ブラッキ(Bバスをチャチャっと捕まえるの意味)ってのがある。明らかにランバリのイミテートだ。ブラジル南部パラナ州チバジー川のタバラーナ(ドラードの一種)に絶大な威力を発揮したのを覚えている。無名だけど、よくデキたヤツだった。


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博研・27:20世紀初期の探検ハンター

カール・アイゲンマン


アメリカで活躍した世界的な魚類学権威だったカール・アイゲンマンは、ドイツ生まれルイス・アガシの採集品でブラジルカラシン類を研究した。またステインダックナー・コレクションの魚類も再記載し、シリーズ論文で発表している。彼自身、机上の博物学者でなく、フィールド採集ハンターとしても活躍している。


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ちょっとスケベそうな微笑のアイゲンマンさん


1892年に大英博物館ギュンター調査隊に参加し、南アメリカ中央地域の魚類コレクションを作った。1908年にはカーネギー博物館から資金を得て、ポタロ川などの英領ギアナ(現在のガイアナ)調査を行っている。この時アイゲンマンは、2万5千もの標本をアメリカに持ち帰ったが、そこには28属の新属と、128種の新種が含まれていた。


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ポタロ川上流部の素晴らしい滝


1912年にはコロンビア遠征を行い、標本はカーネギー博物館に収められた。1918年から翌年にはアンデス高山地帯の魚類調査を行っている。時は20世紀、一般アマゾン流域では、採集したものの多くが新種だったという時代は、もう終わっている。それゆえアイゲンマンは、まだ手がつけられていないギアナ高地斜面やアンデス山中の魚類を狙った。ブラジル南部の魚類にも手をつけている。


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トリコミクテルス・イェーリンギー


写真は、サンパウロのパウリスタ博物館の創始者イェーリングに献じた命名のドジョウ型ナマズ(クーリー・キャット)だね。アイゲンマンが記載したときは、ピギディウムの属名を使っていた。アイゲンマン個人や共著で記載した南米魚類は、1888年にコリドラス類ほかナマズ類が多数。1907年に、グリーンファイアーテトラ。1912年にプレコ類多数。1913年にカリクティス類。1915年と翌年には、たいへん多くのプレコ類。1917年にはウッドキャット類。1928年にトリコミクテルス類を多数など。その他にシクリッド記載も少なくない。


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セラサルムス・アイゲンマニー


彼の名を種小名にした魚には、セラサルムス・アイゲンマニー(ピラニア類)などがあり、属名を冠した魚に、アイゲンマニア(グリーンナイフフィッシュ類)がある。カールくんのカーちゃんローザさんも魚類学者だった(笑)。それで Eigenmann & Eigenmann で記載された魚類も多い。


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アイゲンマニアの一種


オモシロ博物ネタをいつも探しているナショナル・ジオグラフィックスは、モノになりそうな博物研究家や調査旅行などに、しばしば投資している。アイゲンマンのガイアナ調査を今風に踏襲した魚類調査の記事なんかも出してるね。


20世紀の博物ハンターの魚類探査は、そろそろ死を賭けた奥地探検という言葉に相応しくなくなりだす。アイゲンマンの業績は確かに素晴らしいが、バックに大金持ちのカーネギー博物館がいたことを考えれば、先人博物ハンターほどの苦行はしていないと思われる。


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ベイト研・02:レポリヌス類

アマゾンのアラクー


ブラジル・ポルトガル語の低級卑語、「クー」は、ケツのアナのことである。和製ポルトガル語、「あらっ? それって肛門?」は、アラ・クーになる(笑)。まったく関係ないけど、トゥッピ語幹インディオたちがアラクーって呼んだ魚種は、カラシン目(もく)アノストムス科のレポリヌス属であ~る。この魚種は、アマゾン流域では、あらっクー、だけど、ラプラタ流域では、ピアウと呼ばれる。


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レポリヌス・マクロセファルス(ピアブスー)


レポリヌス属には、100種弱ほどが知られている。特徴は、まずウグイ型のやや細長い体型。口は小さいけど顎に歯がある。基色は色々だけど、ほとんどの種類で体側に明瞭な暗色の斑点、あるいはバンドが入る。最大種は、おそらくパラナ水系(ラ・プラタ水系)にいるレポリヌス・マクロセファルスだろう。最大で60センチ以上、3キロに達する。現地では、ピアブスーって呼ばれるけど、ピアウ+ブスじゃなくって、ピアウ+アスー(大きなピアウ)の短縮形だね。ピアウスーとも言う。


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パンタナルのピアブスー(水中)


パンタナル地方の乾期。岸辺には、モロコシ釣法の釣り師が並ぶ。狙いは、ピアウ、ピラプタンガ、パクー・ペーバ、パクーなどのカラシン類である。岸辺の土手のえぐれを探ると、ピアブスーの大型がモゾモゾとモロコシを食う。オレも50センチ級を結構釣ったことがある。なかなか良く引く。


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レポリヌス・フレデリシィ


同属でもっとも知られた種類にレポリヌス・フレデリシィとレポリヌス・ファシアートゥスがいる。前者は斑点型、後者はバンド型だ。


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レポリヌス・ファシアートゥス


レポ類は、けっこうキレいな模様をしているんで、以前は熱帯魚として需要があった。しかし、水草をバクバク食うわ、清純そうなツラと裏腹に他魚をドツくわ、などなどの悪癖が判明(?)し、現在ではほとんど人気がない。


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シングー河のレポリヌスの一種(水中)


レポ類は、アマゾン水系、オリノコ水系、ラ・プラタ水系など南アメリカ大陸の淡水系、どこへ行っても普遍的に生息している。前回「ベイト研」のベイト・フィッシュ条件①、すなわち「数が多い」の項目に相当する。生息場所は、一般に浅場なので、②の「捕獲しやすい」の条件にも含まれる。


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アラクー模様ミノー


対ブラジル用ルアーで、アラクー模様のミノーも作られている。模様がはっきりしてるんで、ルアーやフライのカラー・イメージに使いやすい。貴兄&貴女もアマゾンのピーコックバス、パンタナルのドラード釣りに来ることあったら、1~2個のミノーにレポリヌス模様をマジックで描いておくといい。


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博研・26:アマゾン博物学のメッカ

エミリオ・ゴエルディ


1865年に本格的な自然史学の講演をブラジルで披露したルイス・アガシは、アマゾン博物学にも大きな影響を与え。アガシ魚類探検隊の基地となったパラ(ベレン)の町には、1866年に「科学友好会」が発足した。


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講演を行うアガシさん


友好会の初代会長、ブラジル人の歴史&考古学者フェヘイラ・ペーナが中心になり、自然科学研究施設の必要性を論議した。時の皇帝ドン・ペドロ二世もそれに賛同し、パラ州知事に博物館創設の命を与えた。スピックスとマルティウスが宿とし、ベイツとウォレスが昆虫採集を楽しんだパラのナザレ地区の一角に、パラエンセ博物館が建設されたのは1871年である。初代館長になったフェヘイラ・ペーナは、ヨーロッパ先端知識をアマゾン博物館に導入することを欲した。当時はゴム景気で資金ゼニも潤沢だった。


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フェヘイラ・ペーナ
さんの胸像

 

エミリオ・ゴエルディは、スイス生まれ。ダーウィン進化論の擁護者エルンスト・ヘッケルの元で博物学を学んだ。1880年にブラジルで最も由緒ある自然史研究機関であるリオ・デ・ジャネイロ国立博物館に勤務するためブラジルに渡った。パラエンセ博物館は、1884年に動物学者ゴエルディを館長として当地に招いた。


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ゴエルディさん


彼は博物館に多大の貢献を残している。その名誉を称え、1902年にパラエンセ博物館はエミリオ・ゴエルディ博物館と改名されている。


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ゴエルディ博物館(1917年撮影)


エミリオ・ゴエルディ博物館は、現在でもアマゾン自然科学のメッカ的な研究機関である。ベレン市内の施設は動物園にもなっていて、土日はジャガーやアマゾンマナティなどを見学する家族連れでにぎわっている。園内の池には、古代魚ピラルクや大型のタンバキー(ブラック・コロソマ)などが悠々と泳いでいる。


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現在のゴエルディ博物館


ゴエルディは、哺乳類や鳥類、両生類などに名が多く冠されている。魚類では、ゴエルディエラ属(ピメロドゥス類)の属名、ケイロセルス(ピメロドゥス類)種小名などに彼の名がメモリアムされている。


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ゴエルディエラ・エクエス


展示本館の他に、研究分館が市の外れにある。この分館にはアマゾン博物文献を多く集めた図書館が付随している。グランデ教授図書館の博物学書籍で多くのアマゾン知識を得た。偉大なネオ・サイソシオロジー発祥の由緒ある施設である(笑)。


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ベイト研・01:新シリーズ開始!

アマゾンのベイト・フィッシュ


ブラジル・ポルトガル語の最低級・卑フレーズに、「トマ・ノ・クー」というのがある。もちろん、良い子は使っちゃいけない(笑)。まあだいたい、「Bite my アナル」(こんな英語はないかな?)みたいなもんだ。biteってのを英和辞典で引くと、『噛む、刺す、エサに食らいつく、うまそうな話に引っかかる』とある。ルアー・アングラーがよく使う単語だね。「バイトは3発、でもノー・フィッシュ」とか。似た単語に、bait があるね。こっちはずばり、『エサ』のこと。ライブ・ベイトったら「生き餌」。


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ベイトに似たフライにバイトしたピーコ


他の魚を食って生きているのが、いわゆるフィッシュ・イーター、ルアーの対象魚だ。もちろん、アマゾンにはたくさんの種類がいる。そいつらが食っている魚、すなわちベイト・フィッシュも種類が多い。フィッシュ・イーターが好むベイト・フィッシュ条件を考えると……、①数が多い、②捕獲しやすい、③栄養価が高い、④美味しい(?)、辺りだろう。ブログ研究講座、今日から「アマゾンのベイト」シリーズを始めることにした。


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炸裂するピーコ


ジャパニーズ・スタイルのルアー屋さんたちが良く使う単語に、「ミノー」ってのがあるよね。Minnow は、もともとはコイ科のアブラッパヤみたいな種類を指す言葉だった。それが転じて、いわゆる雑魚、小さな魚を意味するようになったんだね。


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コイ科のミノー


ブログなんかでも何回か書いてるけど、南アメリカの淡水魚の三本柱ったら、1.カラシン類、2.ナマズ類、3.シクリッド類だ。この中で最も普遍的に悲しい星の下に生まれた食われ屋は、カラシン類の中小型種だね。


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XC-32・もうもう・06

レバー


世界三大珍味のヒトツとされるフォアグラは、おふら語のフォア(foie)⇒肝臓+グラ(gras)⇒肥大した。すなわちズバリ、脂肪肝のことだ。ガチョウや鴨に専用の機械(給餌機)を使って、グイグイと高栄養のエサを押しこみ、肝臓に脂肪をメタボさせる。


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強制給餌


この強引な内臓のエックス・メン化は、グリーン系の愛護家には虐待行為とされている(笑)。


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フォアグラ


アンキモも美味しいよね。だれかアンコウ用強制給餌機を作って、肝臓を肥大化させてみない?


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アンキモ


無脊椎だけど、蟹のミソも機能的に肝臓に当たる部位だね。これも珍味だ。


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かにみそ


「肝腎要」(かんじんかなめ)って語があるね。肝臓、あるいは腎臓が無くなると、亡くなる、って意味だ。文字通り、レバーは、たいへん大事なキモ。代謝、排出、解毒を受け持つけど、他にもたくさんの機能がある。サピー・レバー疾患って言えば、まずウィルス肝炎、それに肝硬変、肝癌。専門の寄生虫もいるね。生の肝を食うと移る可能性のある肝蛭(かんてつ)ってヤツもいる。蛭状の

吸虫だけど、グランデ的には、「かんびる」って読みたくなる。アマゾンにはカンジルって有名な小型ナマズがいるけど、関係ない(笑)。


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関係ないカンジルの一種


さてアジトのレバー料理。牛肝だ。ちょっと独特の匂いがあるけど、それも風味だね。オレは好き。薄く切って、始めフライパンで焼く。コゲめがついたら、焼酎とニンニク、ピーマンを入れて煮込む。醤油で味つけして、卵を落として、できあがり。


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牛レバーの一品


女性の濡れたゲニタに入ることもある、で知られるカンジル。candiruって綴るんで、モノの本では、カンディルって英語式で記述されることが多いね。でも、本場ブラジル(?)のアマゾン・ポルトガル語では、発音は限りな~く、「感じる~!」に近い(笑)。


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博研・25:バイオ・パイレーツ


アマゾンのゴム景気


新大陸の天然ゴムのお話しは前にもしたけど、今日はちょっと詳しく。天然ゴム・ラテックスは、トウダイグサ科の高木パラゴムノキの樹皮に傷をつけて原液を採取する。ゴム樹液をだす植物はいろいろあるけど、パラゴムノキ液は、弾力と強靭さが最良とされる。


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原液の採取


天然ゴムはアマゾン流域の密林に点々と自生する野生樹から採取されていた。1880年に最初の自動車を組み立てたてられ、1887年に空気入りタイヤが考案されたことが、先進国のゴム需要を一気に高めた。集荷と搬出に地の利がよかったブラジルでは、マナオス(マナウス)が集積地、パラ(ベレン)が輸出港となった。ゴム・ラテックスは、いくらでも高価で売れた。アマゾン地方に未曾有のゴム景気がやってきた。マナオスには南米最初の市内電車が敷かれ、豪華なオペラ・ハウスのアマゾナス劇場が造られ、ゴム成金たちは汚れたパンツをヨーロッパに送ってクリーニングさせたほどだった(笑)。札束が舞い飛びマナオスは、当時のロンドンやニューヨークの4倍の物価高になった。


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マナオスの市内電車


豪華絢爛に建てられたマナウスのアマゾナス劇場は有名だけど、ベレン市内にもパス(平和)劇場というオペラ・ハウスが造られている。


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テアトロ・デ・パス


ボリビアのゴムをブラジル側から出荷させるため、当時の純金で32トン分の資金が投入され、アマゾン奥地のグァジャラ・ミリンからポルト・ベーリョまで鉄道が施設された。マデイラ・マモレ鉄道である。たいへんな工事で、熱帯などによって1万人の犠牲を出した。


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多数
の死者がでたマデイラ・マモレ鉄道工事


ところが、ゴム景気以前、すでにUKバイオ・パイレーツ(生態系の産物を不法に扱う泥棒)がアマゾン流域で暗躍していたのである。当時の生態海賊の大御所は、ロンドンのキュー王立植物園であるダーウィンの友人だった園長のジョセフ・フッカーにアマゾンのサンタレン付近に農園を持っていたイギリス人ヘンリー・ウィッカムが天然ゴム種子の密売を持ちかけた。ブラジルでは、この植物の種子の輸出は固く禁じられていた。



南米・鳥獣虫魚・探遊
必殺バイオ人の元締めフッカー


ウィッカムは1876年、蒸気船アマゾナス号をチャーターし、7万粒をサンタレンで密かに積み込んだ。通関はパラである。積荷は大英帝国女王に献上する大事な品物と偽り、通関役人には賄賂をつかませた。官憲の眼を逃れた密輸種子は、キュー植物園に運び込まれ、2千数百本が発芽した。苗は当時の大英植民地だったインドや東南アジアの熱帯地方に植えられた。1910年代になり、東南アジア産の天然ゴムが安価で市場に流れ始めた。そして、栄華を誇ったアマゾンのゴム景気は一気に終息した。


南米・鳥獣虫魚・探遊
バイオ運び人ウィッカム


ブラジルの賢者さんたちは、ウィッカムのことを「バイオ・パイレーツの父」と呼んでいる(笑)。


アマゾンのゴム景気は、ご当地の博物研究に変化を与えた。懐中が潤沢になると、自然科学に不得意だったポルトガル系でも、ちょっと博物でも調べてみようかな~、って気になるんだね(笑)。


アマゾン猛魚・頭骨博物館

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