博研・27:20世紀初期の探検ハンター
アメリカで活躍した世界的な魚類学権威だったカール・アイゲンマンは、ドイツ生まれ。ルイス・アガシの採集品でブラジル・カラシン類を研究した。またステインダックナー・コレクションの魚類も再記載し、シリーズ論文で発表している。彼自身、机上の博物学者でなく、フィールド採集ハンターとしても活躍している。
1892年に大英博物館ギュンターの調査隊に参加し、南アメリカ中央地域の魚類コレクションを作った。1908年にはカーネギー博物館から資金を得て、ポタロ川などの英領ギアナ(現在のガイアナ)調査を行っている。この時アイゲンマンは、2万5千もの標本をアメリカに持ち帰ったが、そこには28属の新属と、128種の新種が含まれていた。
1912年にはコロンビア遠征を行い、標本はカーネギー博物館に収められた。1918年から翌年にはアンデス高山地帯の魚類調査を行っている。時は20世紀、一般アマゾン流域では、採集したものの多くが新種だったという時代は、もう終わっている。それゆえアイゲンマンは、まだ手がつけられていないギアナ高地斜面やアンデス山中の魚類を狙った。ブラジル南部の魚類にも手をつけている。
写真は、サンパウロのパウリスタ博物館の創始者イェーリングに献じた命名のドジョウ型ナマズ(クーリー・キャット)だね。アイゲンマンが記載したときは、ピギディウムの属名を使っていた。アイゲンマン個人や共著で記載した南米魚類は、1888年にコリドラス類ほかナマズ類が多数。1907年に、グリーンファイアーテトラ。1912年にプレコ類多数。1913年にカリクティス類。1915年と翌年には、たいへん多くのプレコ類。1917年にはウッドキャット類。1928年にトリコミクテルス類を多数など。その他にシクリッド記載も少なくない。
彼の名を種小名にした魚には、セラサルムス・アイゲンマニー(ピラニア類)などがあり、属名を冠した魚に、アイゲンマニア(グリーンナイフフィッシュ類)がある。カールくんのカーちゃんローザさんも魚類学者だった(笑)。それで Eigenmann & Eigenmann で記載された魚類も多い。
オモシロ博物ネタをいつも探しているナショナル・ジオグラフィックスは、モノになりそうな博物研究家や調査旅行などに、しばしば投資している。アイゲンマンのガイアナ調査を今風に踏襲した魚類調査の記事なんかも出してるね。
20世紀の博物ハンターの魚類探査は、そろそろ死を賭けた奥地探検という言葉に相応しくなくなりだす。アイゲンマンの業績は確かに素晴らしいが、バックに大金持ちのカーネギー博物館がいたことを考えれば、先人博物ハンターほどの苦行はしていないと思われる。
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