南米・鳥獣虫魚・探遊 -28ページ目

ヨシ☆くん&ヨシ★くん+ケンちゃんのバコバコ日記:その1

ようやっと、2015年11月に催行したシングー・チームの報告を始める。参加した隊員の皆しゃま、請うご期待でっす。いつものようにイントロは、どんな感じでチームが決まったのか? 2015年初頭、怪人の元にこんなメールが入った。


『初めまして、吉☆と申します。ブログ毎回楽しみに拝見しております。シングー川フィッシングツアーについて、ご相談があって連絡させていただきました……』


文末に在籍紹介があった。「東京海洋大学、海洋科学部、海洋生物資源学科4年、水族病理学研究室」 おぉ学生さん。しかも専門系。予算の許す限り、できるだけ長期で、できるだけ色々な魚種に出会いたいとのご希望。



採集したファロウェラでシザーハンズする吉☆くん


学生のこととて予算に限りがあるということで、追加隊員を捜すのがベストであるという返事をしておいた。専門系の学校だから、もちろん釣り好きが大勢いるだろう。まず学校内で当たって見ることになった。暫時して、同じ大学から吉★クンが名乗りをあげた。彼はモンスター・フィッシングに憧れて、同じ年の2月ころにネグロに単独で入ってピーコを攻めた経験者とのことで、ボンバダ・テルちゃんとも知遇があるらしい。とりあえず2名になって、予算的に機動力をアップさせることができそうになった。



吉★クンのネグロ・ピーコ


そういうことで、隠れた鬼才マスター怪人がタクトを振るための交響曲の構成と演出を組み立てることになった。


続く


2016年度の隊員募集スケジュール

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カショーロ・オン・ザ・フライ:その3

もちろん広大なブラジル・アマゾンにもアルマータス・カショーロのポイントが多々ある。もちろん・もちろん、シングーはその有力な一角である。



これがワームフック


最近、数本のカショーロ・フライをタイイングした。フックには、ワーム用のものを使った。理由は、フックポイントを上向き、いわゆるキール型にするためである。ソルトと違って、シングーのカショーロ・ポイントは岩場が多い。高番手フライで根がかりすると、激しくイラっとさせられる。岩に掛かったフライは、まずなかなか外れない。ルアーに使うPEラインと違って、フライラインは、びよぉ~んびよぉ~んと伸びる。



新作のカショーロ・フライ


とりあえずデシーバー・タイプで巻いた。頭部にワェイトをかまして、フライでありながら3グラム以上ある。これを投げるには、10番級のラインが欲しい。フライラインって決してお安くないもんである。根がかりで切れる不安もあるんで、ちょっと工夫した。



カショーロ用のタックル


ロッドは、10番。ライン・システムは、先端6メートルがレッド・コア・ライン18ポンド。いわゆるトローリング用のナマリが入ったライン。実によく沈む。レッド・コア・ラインの後ろには、古いリールに巻いてあったフローティング・ライン(おそらく#8)20メートルくらいをループ・トゥ・ループで接続し、バッキングにPE100mくらいが下巻き。リーダーは、浜強力7号(約30ポンド)を1メートルくらい。先端にワイヤー・リーダーがつく



カショーロ・オン・ザ・フライ


最近、シングーのカショーロFFに大きく自信をつけた。フライ・アングラーの隊員募集をかけても大丈夫というポイント確信も得た。時期は絶対に増水期。すなわち12月から5月だ。大型ビックーダもでる。熱意と革新を望むフライ屋さん。一度いかがですか? 15キロ級もいますよ。連絡待ってます。



新作フライでカショーロ


次のタイイングは、ホロー・タイプにしようかな?


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カショーロ・オン・ザ・フライ:その2

時代は移って、現在ホットなフィッシングは、淡水のモンスター・フィッシュ狙いという流れがでてきた。極東の島国でもモンスター・ハンター風の雑誌や書籍なんかも出版されているらしい(怪人は、この手の本を実は一回も読んだことがない・笑)。しかし、まだまだルアーでの狙いが主流であるようだ。極東では、FFがやや盛んにはなってきているものの、まだ敷居が高い感がある。すなわち難しいそうだ、お金がかかりそうだ、この2つだね。そうでもないんだけどね。



アマゾンのFF


釣り先進国のUSAやユーロでは、アマゾンのモンスターをFFで狙う趣味人が増えてきた。もちろん大型の魚型フライを使う。ソルトに使っていたものが流用できた。それから進化して、アマゾンにいるベイト・フィッシュを模した感じが出現した。



シングー河のレポリヌスの一種


たとえば、流域の多産するカラシン類のレポ(レポリヌス属)の特徴をだすカラーなんかだ。レポの目だった特長は、もちろん明瞭なブラック・バンドであるね。



アマゾン対応フライ


アマゾンのフィッシュ・イーターもソルト同様にボリューム感があるものが、たしかに効果的である。理由1.は、ビッグなフィッシュはビッグなベイトを好むこと。自分の体力を維持するために必要だからだ。理由2.よく目立つこと。大河の中では、小さいほどインパクトが少なくなって存在感とアピール度が低い。だもんで、ボブのホロー・タイプなんか好まれている。



ウライマのパヤラのFF


アマゾンでも、もっとも格好がいいFFビッグ・ファイターってば、スペイン語圏ではパヤラ、ポルトガル語圏ではカショーハとかペッシ・カショーロって呼ばれるアルマータス・カショーロに決まっている。USAやユーロのサピーに有名なポイントは、ヴェネズエラのウライマの急流、コロンビアのメタ水系、ペルーのタンボバタ川なんかがある。



パヤラ・キャンディ


レポの縞々模様じゃないけど、パヤラ用のその名もパヤラ・キャンディってホロー・タイプも作出されている。


続く


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カショーロ・オン・ザ・フライ:その1

今日は、ちょっとシングー・フライ・フィッシングについての考察といくか。極東の島国には、フライフィッシャーってのとフライロッダーって雑誌がある。パラパラめくるに、サルモニダエ、すなわちサケ科、トラウト&サーモン系がデカいツラをきかせている。フライ・フィッシングは、もともと西欧貴族のトラウト周辺から発祥しているから、古臭くて頭が玄武岩のように硬い保守派が少なくなかった。その昔は、ネクタイして釣りをする気取り屋もいたくらい。



今でもこういうスタイルが好きなサピーもいる


フライ・フィッシング(以下FF)がアメリカに入ってから、ネイティブだったレインボートラウトなんかいたから、やっぱりトラウト愛好家が主流だった。



ブラピ(ブラック・ピラニアではない)のレインボー(養殖モノかな)


しかし、FFはUSAで新しモノ好きな風潮に乗った。フロリダとかキーズとか熱帯のサンゴ礁もあるからして、ソルト界にも進出するようになった。トラウトの主食は昆虫だったから、フライも大きくなかったけど、海のターゲットは魚食い魚族。当然のことだけど、ベイトを模したフライは、魚型、いわゆるストリーマーみたいなタイプで大きい。新進のソルト・フライで有名なアングラー&タイヤーにニュージャージーのボブ・ポポヴィクスさんなんかがいる。



サーフ・キャンディ


ボブが考案した有名ソルト・フライは多いけど、もっとも有名なのがサーフ・キャンディかな。このxxxx・キャンディって語呂が可愛いんで、その後多くのフライ・タイヤーがパクってモジッている。ボブ考案でもう一丁、ホローフライってのがある



ボブとホロー・フライ


ホローフライってのは、少な目のマテリアルでボリュウム感を出そうというコンセプトで、ファイバーをそのままフック・ポイント向きに巻かないで、アイ向きに止めてから逆さに押し上げて、ホワっとさせるのがミソになっている。


続く


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新属新種のカラシン化石のお話し

前回、「四脚蛇」化石を紹介した。ついでにもう一丁、ブラジル古生物のお話し。



タウバテ層のナマズ、ステインダックネリディオン・イェーリンギー化石


始めに老婆心。古生物学(パレオントロジー)と考古学(アーケオロジー)は、まったく別物である。前者は、いわゆる化石を研究するスタディ。後者は、人類が残した痕跡を探る学びである。ところが全世界的に、この2つは混同される傾向にある。たしかに両方とも泥の中から出土したってイメージがあるけど、2つの学問は理科と社会科の違いがあるのよ。それはさておき……



タウバテ層のカラシン、メガケイロドン・ウニックス化石


ブラジルでもっとも有名な新生代淡水魚化石が産するトコは、サンパウロ州にあるタウバテ盆のトレメンベ層である。古くから非常にたくさんの化石が掘られている。。時代は、約3千8百万年前~5百万年前の新生代・第三紀・漸新世(ぜんしんせい)~中新世(ちゅうしんせい)。南米の淡水魚のほとんどは、メソゾイック(中生代)に派生して、新生代になってから一気に進化放散した。トレメンベ層化石には、カラシンやナマズ、シクリッドというような現世種と似たような種類が多い。



ミナス州アイウルオカの化石産地マップ


タウバテのトレメンベ層よりちょっとだけ古い時代(始新世~漸新世)のアイウルオカ層ってのがミナス州の南部にあって、ここからも魚化石が報告されている。最近ここから産した3種のカラシン類が記載された。



パレオテトラ・アイウルオカ化石


まず、古代テトラって粋な学名(パレオテトラ属)をもらったものが2種。アイウルオカ種とエントレコーヘゴス種である。前者の種小名は、もちろん産地名。後者の種小名は、「2つの小さな川の流れの間」って意味だから、そんなポイントから掘られたのだろう。イエローコロソマの種小名である、メソポタミクス(2つの大河の間という意味)をモジったような気(笑)もする。



パレオテトラ・エントレコーヘゴス化石


もう一種類が、ブリコネーテス・エニグマティクスである。エニグマってのは、「謎」、「なぞなぞ」、「パズル」などの意味。これもなかなか洒落た命名だ。



ブリコネーテス・エニグマティクス化石


学名の命名権は、記載論文オーサーの勝手(規約に則って)なんだけど、品性のないものも少なくない(笑)。怪人が最低級と思うのには、前回の四脚蛇を記載してブラジル学会からブーをくらった David M. Martill 記載の恐竜イリタトル。「イライラさせられるトカゲ」って意味なんだけど、化石のクリーニングに手間取って(ブラジル人密売人が標本をゴマかすために硬いモルタルをゴテゴテと塗ったため・笑)イラついたからというのが理由。ま~るっきし感性も夢もない。ばっかじゃないの? パタゴニア産アエオロサウルス(ティタノ系四足草食恐竜)も超ダサい。化石を掘っているとき名物の強風が吹いて寒かったからという、「強風竜」というくだらない意味。

反対に格好いいと思うのは、ニューヨーク自然史博の館長だったコルバートのスタウリコサウルスだね。「南十字星のトカゲ」ってな意味だ。それはさておき……



ウォーリー・マツノ画伯のブリコネーテス・エニグマティクスのイラスト


最近、アクアライフ誌にイラストを描いてるウォーリー・マツノ氏から、ブリコネーテスの原画を頂戴した。彼とは、アロワナライブ2014年「古代魚の轟」で共演したことがある。


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白亜紀の四脚蛇・後編

瞳の澄んだ世捨て人、シングーの怪人が、最初に四脚蛇化石の論文と画像、そしてファースト・オーサー名 David M. Martill を見たとき、緋色の脳細胞に、あれれと浮かんだことがある。



四脚蛇の想像イラスト


前編で恐竜化石も出てるって書いたけど、その1つにアンガトラマ・リマイ(Angaturama limai )ってのがいる。怪人が大好きなスピノサウルス類である。この種の記載周辺には、1つの事件があった。1996年にポーツマス大学の、くだんの David M. Martill たちが、イリタトル・チャレンジェリ(Irritator challengeri)という新種スピノサウルス類を記載した。記載の模式標本は、セアラ州で化石の密掘屋が採集し、密輸して先進国に売っぱらった頭骨の一部だった。ところが、同じ産地から別個に掘られた、やはり頭骨の一部からやはり1996年にブラジル派の Kellner & Campos が記載したアンガトラマ・リマイと、まったく同じ個体じゃねぇの? という疑惑がおきた。



アンガトラマ・リマイの骨格


ブラジルの法律に、法令4146というのがあって、1942年に制定されている。すなわち、「国内に堆積されている化石類は、国の財産であり、所有はしかるべき管轄の認可が必要とされるよ……」、「採集やコレクション、輸送や販売は犯罪とみなすぜ……」、ってヤツだ。ブラジルでは、エラい学者さんしか自国の化石をイジくれないんだぞ、ってトーテムポール的な法であるね。怪人は、これは正しい自然科学感を子供が自由に熟成できないねぇ、って思う。



昔はお土産屋でたくさん売っていた古生代の中竜類の化石


20年くらい前まで、ブラジル化石はサンパウロなんかの土産屋に並んでいた。取り締まりも甘かった。この時代に外国に流れたブツは無数にあった。熱帯魚界で超有名人のアクセルロッドさんも、「サンタナ・フォシル」ってぶ厚い化石図鑑を出版しているけど、もちろんブラジルの無許可で持ち出したブツたちがウジャウジャと載っている。



David M. Martill
著のブラジルのクラット化石ベッド


イリタトル事件でブラジルからブーをたれられた David M. Martill さん。実はものスゴい量のブラジル化石を保管しているんだという想像は当たっているだろう。もしかしたら、今でも密輸品を買っているかも知れない。怪人の知り合いのブラジル人のPなんか怪しい(笑)。


新種記載したいけど、慎重にやらないとね、とも思っているだろう。しかし、名誉の四脚蛇には我慢ができなかった(笑)。彼は、「四脚蛇の化石は古くからコレクターがヨーロッパで所蔵していたブツで、ドイツの博物館に寄付されたもので……」、というコメントでゴマかしている。しかし、やっぱり愛国主義のブラジルから再びブーたれられた。某学者は、Martill の証言がウソとは言わないけど、怪しい…… 別の教授は、もしブラジル国内で記載された快挙だったと思うと涙がでる……


これに対して、 Martillは、「ブラジルの法律は最低だぁ!」、と反論した(ホントのお話し・笑)。


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白亜紀の四脚蛇:前編

学術雑誌として世界的に権威あるのが、アメリカ科学振興協会 (AAAS)が発行しているサイエンス誌だ。2015年の349号に、「A four-legged snake from the Early Cretaceous of Gondwana」、すなわち、「ゴンドワナの白亜紀前期から産した四脚蛇」という論文が載った。オーサー(記述者)は、英国、USA、ドイツの学者が各1名の三人だった。



素晴らしい保存の四脚蛇化石


産地は、ブラジルのセアラ州アラリッペ地方に分布するサンタナ層群のクラット層で、白亜紀の魚類化石が超多産することで有名なところ。シーラカンス化石なんかもゴロゴロと産出している。



サンタナ層群のシーラカンス化石(アクセルロディクティス)


恐竜の化石も3種類が記載されているけど、ここの有名ブツは、空飛ぶ爬虫類、プテロサウルス類、すなわち翼竜類だ。



プテロサウルス類の化石


さて、本題の白亜紀の四脚蛇、ギリシャ語で四つの足のあるスネークを意味する、テトラポドフィスを属名として、Tetrapodophis amplectus と新属新種で記載された。



四脚蛇の後脚


こりゃ、たしかに素晴らしい保存状態であるね。各足には、各5本の指がある。基本的な体型は、ウネウネのヘビではあるけど、この小さな脚を獲物固定に使ったんじゃないかと学者さんは考えている。尾の形が平たくないんで、陸生のヘビだったと思われるとのこと。



四脚蛇の前脚


まあ、ここまでは画期的な発見と興味深い論文であるよね、……というニュースが極東の島国に伝えられている。しかし、産地のブラジルでは……? で、お話しは後編に続く。


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タパジョース河・その12(シリーズ最終回)

2014年9月、サンタレンの魚市場で、普段はお目にかかれないようなブツを見っけた。まず第一ブツが、ゼブラ・バボンあるいは、バンデッド・ピラムターバなどと通称されるブラキプラティストマ・ジュルエンセである。こいつは、ブラジルではグリーン・ディスカスで有名なテッフェあたりからペルー・アマゾンなどに多いけど、マナウス辺りから下流には少ない。サンタレン近郊産と思われる個体は、ホントに始めて観た。



市場にあったブラキプラティストマ・ジュルエンセ


もう一丁、サンタレン近郊産と思われる個体に始めて出会ったブツはゼブラキャットだぁ! こいつも、ほとんどがアマゾン上流域にしかいない筈だったのにぃ……



市場にあったゼブラキャット(縞々の細いヤツ)


この異例な出現をした2種類のビッグ・キャットたち。何らかの特別な理由があって、普段はいない下流のほうまで回遊していたとしか考えられない。それは、いったい何だろう。地球温暖化? テラ(地球)に衝突する巨大隕石の前兆? いつものようにトーちゃんが浮気した? グランデ・オガワは、以上の仮説以外に、考えすら及ばない。



トゲグモの一種


2015年9月、お久しぶりの対面だったのは、色彩豊かなトゲグモだった。この仲間は、昔むかしベレンなどの密林で何回か観察したし、トックリバチの泥の巣をブチ壊して採集なんかもしたことがあったけど、しばらく会っていなかった。



ヒメヨコクビガメの幼亀


もう一丁、お久しぶりの対面だったのは、ヒメヨコクビガメの子供。昔むかし、マナウス近郊で採集したのを水槽で飼っていたことがあったけど、一緒にしてた大食漢ジェフロアカエルカメやモンキヨコクビなど、がさつを絵に描いた種とは違って、食の細い美少女のような種だったっけ。



自称アマゾンの博物学者、グランデさん


さてと、そろそろこの短編シリーズに終了の時がきてしまった。博物学ってのは、現代の細分化した自然科学では絶滅しちゃったカテゴリーであるのだけれども、「もっと広く・もっと深く」を常に探求している怪人の緋色の脳内細胞の中では、まだまだ生きている。何かをめっけたとき、それについて知っていたほうが、ずっと楽しいじゃん!


シリーズ終了


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タパジョース河・その11

サンタレン市は、「アマゾンの真珠」というキャッチで観光宣伝をやっている。ここの博物の目玉は、古いインディオ遺跡から出土する芸術品である。



タパジョースからサンタレン市を望む


アルテール・ド・ションの町が昔むかし、タパジョ族と呼ばれるインディオが住んでいたことは記したね。17世紀には、白人が持ち込んだ風邪などの病魔でオール絶滅しちゃっていたんだけど、サンタレンの町にもタパジョ族の超大きな集落があった。始めて調査に入ったポルトガルの探検隊の隊長は、「もし空から針が降ってきたら、それはインディオに刺さるだろう……」、という余り面白くもない(笑)、メタフォラ(メタファーのこと、すなわち比喩)を記述している。



サンタレン文化圏で使われたムイラキタン


タパジョ族は、すぐれたアーチストだったことで知られていて、奇妙な造形の焼きもの壷なんか造っていたけど、特に有名なアミュレット(魔除け)に、ムイラキタンがある。石を削って磨いたもので、主にカエルをモチーフにしている。このアマゾン奥地で細工されたと思われるムイラキタンが、遠くカリブ海にある遺跡から発見されているんであるね。だもんで、サンタレンにいたタパジョ族の先祖たちは、たいへん広い交易を行っていたと考古学者さんに考えられている。



ドリーム・キャッチャーは、もう古い


お話しは飛躍しちゃうんだけど、今年(2016年)の4月に、東京の某お店の一角にグランデ・オガワのアマゾン・アートを販売するコーナーを設けるという企画が進んでいる(詳細は、ブログで報告する予定です)。


ついにシングー・アートが東京に殴りこみだぁ!


怪人がハンドメイドするアマゾンの牙魚スカル&トロフィー、博物画、オリジナルTシャツなどを置くんだけど、アクセサリーも並べる。そこに、ムイラキタン・アミュレットも入れたいなぁ、って考えている。一世風靡したドリーム・キャッチャーよりも強力な魔除けパワーを発散させて、世界に羽ばたこう!



グランデ・オガワのアマゾン・アート・Tシャツのイメージ


ついでだから、ここでTシャツの宣伝もしちゃおう(笑)。現在13種類のデザインを造作している。多くがシングー魚族のモチーフだ。11月と12月のフィッシング・チーム隊員たちに少数をプレゼントして反応を見たんだけど、格好いいと言われて、ちょっちばっかお鼻がピクピクっと(笑)自信をつけている。


続く


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タパジョース河の博物と熱帯魚・その10

ラーゴ・ヴァルデってのは、アルテール・ド・ションの町の前に広がっている入り江の止水である。ときどきピーコックバス(おそらくピニーマ種)がボイルして水面に波紋をつくる以外、湖面は悠久の静寂を保っている。この湖には何本かのイガラッペが流入している。透明な水が流れ、なんとなく桃源郷のイメージを醸しだしている美しいシチュエーション。



美しいイガラッペで小魚採りに興じる


隊員さんが水中撮影に夢中で、どっかに潜って、おそらく1時間は戻ってこないような状況の中。怪人は、岸辺の木陰にもやったボートの上で瞑想の時を過ごしていた。その思いは、悠久の宇宙の時空を越え、遥か人類の真理に到達する…… 、んじゃなくて、女の子のオッパイ・フォルムなどを妄想していたら……(笑)。



ディクロサス・マクラータスの完熟♂


ふと我に帰ると、ボートの間際に美しいビビット・カラーの魚がいる! ディクロサス・マクラータスの♂成魚だ。ボートの足元には、ハウジングに入ったコンデジがある。しかし、オレ自身が水中に潜ったら、一瞬で消えるだろう。そこで、ボートの側面から身体を乗りだし、ゆっくりと魚を驚かさないように、腕を水中に入れて機材を沈める。それから観察だ。焦りは禁物。悠久の宇宙の真理で、仏陀のように心を穏やかにする。妄想は、一時休止!

ちょっと離れたとこに♀成魚がいた。やっぱりペアなんだ! ♂の個体のヒレが広がって赤紫の色彩がひときわ鮮明になった。こりゃ、フィン・スプレディングだぞ。♀に近づいてきた間男の♂成魚が眼に入った。三角関係(笑)に基づく素晴らしいシャッター・チャ~ンス。



野生ディクロサス完熟♂たちがケンカを始めた


2匹の♂たちが近づいて威嚇姿勢をとった。怪人もシャッターをバシバシと押した。2匹はいろいろなポーズで相手よりも、オレのほうがイケメンだぜという演技を見せている。ドワーフ系は、大型のオスカーや中米グァポートみたいに相手を殺すまでのケンカはしない。彼らの演舞は、おそらく1分くらい。どっちかが負けを認めたのか、飽きたのかは判らない。両者は、どっかに離れていった。



息を呑むフィン・スプレディング


2匹の画像は、10数枚もシャッターを押した。怪人の脳裏には、再び邪念が甦る。これは前々からアクアライフ誌の編集部から頼まれていた「世界の水辺から」というカラー見開きに使えるかも? 、という妄想がむらむらと沸いた。


しかしながら…… アジトに戻ってPCでディクロサス画像を見ると、悪くはない。けど、イマイチにピンが甘い。それとピン奥行きが僅かにボケてる。その理由は明快である。怪人は未だ、ハウジング入りコンデジの使い方が未熟であるってことさ。思えば、このセットを入手したのは、1年ほど前。机上&イメージ・トレーニングはやったけど、実戦は2~3回程度。ドワーフ・シクリッドに対しては、始めてでもあ~る。もっともっと、いろいろと工夫して実地トレーニングしなっきゃダメじゃん。


続く


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