【その3】『シン・ウルトラマン』+ゼットン最終回 | アディクトリポート

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前回までにいただいたコメント

 

340 

ゾーフィの顔と体色のご指摘はごもっともです。

物凄く肯定的に捉えるなら、顔の変化は地球の環境下でむくんでしまった為で、体色の変化こそが融合の証。
体色については個人差があり、金に黒がゾーフィのオリジナル色という事でしょうか。
本件についてまとめ直しますと、
3タイプの変遷を経た初代マンをモデルに出来上がったシン・リピアー像の論法は、
モデルとなった浦野光ゾフィが、変遷なき1タイプしか存在しない山寺宏一ゾーフィの場合、
同じ論法があてはまらなくて当然で、
なのに強引にそれをやろうとすれば、
「あちらを立てればこちらが立たず」と、
どうしても辻褄が合わなくなってしまう。
 
ゾーフィのボディカラーの「ゴールド地に黒ライン」が、
成田亨デザインからの継承なのは、
リピアーのデフォ(原初形態)がAタイプマスクにシルバー濃淡のボディカラーだからと、
設定から突き詰めて、
同じ光の星出身で同族のゾーフィだって、デフォはAタイプマスクにゴールド濃淡のボディカラーじゃないのか、
なのになんでCタイプ顔に黒ラインなんだと改めて疑問が沸いて、
それに理由付けすると、
初代Cマスクの系譜として変遷を経ずに初登場だった浦野光ゾフィとの整合性が取れなくなってしまうため、
その説明ははぐらかされ、ごまかされたんだろうなぐらいのことは、重々承知しておりますです、はい。
 
つまりはその点に気づいてしまったこちらの方が、意地悪く強引にこじつけただけでして、
おあそび、おふざけレベルですから、あまり真正面から受け取らないでいただけますと。
 
最後に神永と分離する際に、銀色に戻るのに気付いてからは同時に顔もAタイプになるのか確認しようとしましたが、残念ながらこれは判別出来ませんでした。
Blu-rayへの宿題です。
あのシーンで色の変化を見つけただけでも340さんの大殊勲だし、
それを仕掛けた映画制作陣も「大した、でかした」功績だと思いますよ。
ですが縮み行くマスクをBC折衷からAに戻すには、色の変化の2D処理=お手軽作業と異なり、
CGモデルを3D処理変形させなきゃいけないんで、アングルからも作業が無駄になりそうな、たったあのシーンのためだけに、そこまで完遂したかどうかは…。
 
ところでリピアーが正式なんですね。
劇中の台詞からは語尾を伸ばすなんて、微塵も感じませんでした。
「ゾーフィ」「ゾフィー」の高橋一生発音/表記揺れを是正するため、
山寺宏一氏の「リピア」「リピアー」発音/表記揺れが利用?されたのではないかと。
 
とにかくこれに準じまして、
340さんからいただいたコメントも、
この再掲/転載からリピアー記述に改めておりますので御了承ください。
 

↓こいつ(泉修一 /演:松尾諭=まつお さとる)の“やっつけ演技”もひどかったなあ…。

今回調べるまで、ずっと田口浩正だと思ってた。
 
——らの地獄演技大会を延々と見せつけられる拷問とは異なり、
『シン・ウルトラマン』大半キャストの芝居が成立していたからと、

 

↓船縁(ふなべり)由美役の早見あかりが、

元ももクロのメンバーだったとは全く知らず、
アイドル出身とは思えぬ演技力に魅了された。
↓男性現役アイドルのこいつとは、
エライ違いである(指摘したの四度目?)。
 
劇伴音楽が宮内國男のオリジナルスコアを、
新演奏/新アレンジ/新録音で聴かせてくれたことも心地良かった。

2022/07/03
 
まあ総じて言えば、
340さんは庵野作品愛があるけど、
私にはそれがないんで、
一般映画観客に向けた劇場映画が、
「クリエイターへの理解がないとわからないんじゃいかんだろ」と言う観点で語っております。
 
ということで、ようやく、前回の続きで最後のまとめ。
 
【その3】『シン・ウルトラマン』+ゼットン最終回
 
今回は、
  1. 「Q」禍威獣の倒し方
  2. リピアー(※後述)初登場時とそれ以降の姿の変化
  3. 浅見弘子の前歴
  4. 融合後の神永の変化ぶり
  5. パゴスとガボラ
  6. 外星人ザラブの秘密
  7. 神永のウルトラマン適性
  8. メフィラスの状況把握
  9. ゾーフィとの邂逅
——の、⑥外星人ザラブの秘密から。
 
2022/06/10
 
外星人ザラブとメフィラスには、もちろん異なる部分もあるが、
  • ザラブは凶悪宇宙人(外星人)で、人類知的生命体の殲滅が目的で、人間やウルトラマン同士を争わす(内紛・仲間割れ)のが目的
  • メフィラスは悪質宇宙人(外星人)で、人類に無力感を与え、外星人を上位概念に置かせ、人間を隷属化させる
地球制圧戦略に共通する部分が多々ある。
思いつくままに挙げていくと、
  • 禍特対の電子機器に手のひら操作で入り込み、データの消去、復元、改竄は自由自在
  • 禍特対施設内にたやすく侵入でき、どうやって入って来たかはしらばっくれる
  • 日本の支配の頂点、政治家で最も実権を握る総理に接見する
  • 現法を変えずに、自分を上位概念に据えることで、事実上の不平等条約で相手を縛る
  • 作戦の障害となる神永新二+リピアー融合体と独自交渉し、動きを封じようとする
そこで当然、人間から似たような疑問をぶつけられるわけだが、
映画観客に「そこはあっちに持っていくから、今は気づいて欲しくない」部分に関しては、
前回よりの「あちらを立てればこちらが立たず」=「その矛盾に観客が気づかないように気を逸らさせる」作戦、
すなわち、
  1. ガボラのヤバさに気を向けさせようと、過去に同種の禍威獣パゴスをどう倒したかが誤魔化されている
  2. リピアーマスクと体色の変遷を明確に理由づけると、同族のゾーフィにはそれがあてはまらなくなるため、あえて説明や明文化が避けられている
——と同種の、巧妙な「省略」と「誤魔化し」、「気逸らし」工作が行われていることにお気づきだろうか?
 
外星人ザラブで誤魔化され続けたのは、ザラブのにせウルトラマンへの擬態の仕組と——別にそれはメフィラスが山本耕史の人間態にどうやって擬態したのかと同じで本旨ではないのでいいとして——巨大化の仕組である。
 
ザラブより高度な文明を有するメフィラスでさえ、光の星のベーターカプセルほどにはベーターボックスは小型化できず、しかもいったんは禍特対に強奪されたただ1台を(地球人に転用されちゃたまらんという理由もあったにせよ)、大切に持ち帰ったわけですが、ザラブのベーターシステムと装置の相応の大きさについては、全くふれず終(じま)いなのはいかがなものか????
 
本作は無駄なセリフは一切ないのは評価できるけど、難解な言い回しが連続するため、観客は集中力を持続させるなんてほぼ不可能。ザラブ巨大化やにせマンへの擬態については、色々と鋭く見抜く浅見弘子(演:長澤まさみ)が、「ザラブなら朝飯前ね」と言ったようなかすかな記憶が…。
 
でもって、ここで行き掛かり上、
⑦神永のウルトラマン適性についてだが、
ザラブの暗躍を訝(いぶか)しむ、
リピアー融合後の神永新二(演:斎藤工)の、車内での相談相手だが、
2022/06/29
 
和田聰宏(わだそうこう)氏が演ずる、
警察庁警備局公安課の加賀美(かがみ/パンフレットの記述による)が、
ミラーマンの鏡京太郎に由来して、
神永新二を助けるために、
浅見弘子との仲も取り持ち、
重要な役どころだったのは、別にかまわないですし、
なかなか面白く、凝った着想だとは思いましたね。
 
ですけど時系列的に?だったのは、
リピアーと融合後の神永は、
本人が単独で事件解決能力を持つ自己完結型のヒーローだったため、
禍特対という5人組グループだとか、
バディという最小構成単位の意味を理解できなくなった後では、
神永と加賀美のつきあいを築くはずがないことである。
 
「こいつ、何言ってんの? 神永と加賀美のつきあいは、だから古巣の警察庁公安課の同僚時代からで、ちゃんと辻褄が合ってんじゃん」と思ったそこのあなた!
 
加賀美が神永にアプローチしたのは、「たまたま偶然」であろうはずはなく、
後に神永がウルトラマンと融合することを事前に察知していたからこそである、
ってことに気づいて欲しいよ。
 
ミラーマンは鏡の世界、すなわち平面の二次元世界の住人で、
異次元人であり、外星人を含めた、別次元からの侵略者全般から地球を防衛している。
 
三次元の要素は空間だが、四次元の要素にはそれに時間が加わるため、
異次元を自由に移動できるミラーマン=かがみ姓は時間移動の末に、
神永が未来にリピアーと融合することを見越して、
事前の公安課時代に彼と親密な関係を築き、
またザラブの罠から囚われの神永を救うのが、バディの間柄にある浅見弘子しかいないとあらかじめ知っていたからこそ、
禍特対チームの中で、彼女だけにアプローチを図ったわけである。
 
——ってことを詳細に語るほどの上映時間はとてもないため、
さりげなくほのめかす程度に抑えられているのだろう。
 
とにかくなにしろ私の言いたいのは、
庵野秀明だって万能の神じゃないんだから、
やることなすこと全て正解、
ミスをあげつらう方が未熟なだけって言う神格化はやめた方がいいってこと。
 
本作のウルトラマンは、目の覗き穴、背中のジッパーとそれ隠しのゴムヒレ、手袋やブーツの接ぎ目を徹底排除しているが、だったらどうして、右耳の中に眼球点灯スイッチの横棒を残しているのかは、かのヤマダマサミ氏にしても理解不能で、一貫性がないんではと指摘されている。
 
 
⑧メフィラスの状況把握とは、酒場での対話中に「君が地球人と融合したことは、もう光の星にもバレてるよ」と告げているため、山本耕史は自分の計画は、光の星の使者が到着するまでの時間制限があると覚悟しており、だからこそ対決中にゾーフィの姿を見て早々と引き上げたということ。
 
⑨ゾーフィとの邂逅は、
「君がこの男の生命を奪ったのか、リピアー。いや、この星に合わせ"ウルトラマン"と呼ぼう」のセリフを成立させるため(だけ)に用意された情景がいきなり登場しても観客は面食らうため、
巨大長澤まさみとからめて、同じシーンのチラ見/先出しが行われていた。
 
と言うところでようやく語り尽くしましたので、
このへんにしておきたいと思います。
 
「さらばシン・ウルトラマン」