全てが下回る『音タコ!』【臨時】ブログ上位ランキングの秘訣 | アディクトリポート

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本日も絶賛?臨時更新です。

 

音量を上げろタコ!

なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 

2018/10/17 TOHOシネマズ西新井 スクリーン7 D-10

 

あらゆる観点から、

期待や予想を下回る作品

(以下ネタバレ分析)

 

長いタイトル作品として

 

作品のプロモーション手法は、

『少年メリケンサック』(2009)を想起させた。

実際に予告編から、

クドカン作品と勘違いした人もいるらしい。

 

この題名と予告編から、

およその筋立ては予想がつくが、

その予想をことごとく下回る出来で、

せっかく面白くなるはずが、見事に根こそぎ台無し。

 

阿部サダヲの歌唱シーンは、

思ったほど破壊的でも衝撃的でもなく、

反対に吉岡里帆の声の小ささも、

思ったほどでもない。

 

後半に吉岡の声は大きくなるが、

このシーンもそれほど大音声でもなければ、

なにしろ歌唱が短く、

観客はちっとも満たされない。

 

声が小さすぎるという

シチュエーションギャグもちっとも効果的には生かされないのは、

なぜだろうと考えた時、

TVバラエティで、もっと面白い現実例を見続けているからだと気がついた。

 

それ以外にも、

じっくり観たいシーンが短く、

キスシーンなど短く刈り込んだ方がいいシーンが、

やたらダラダラと長い。

 

このように、対称、比較の面白さで見せるはずが、

ことごとく不発やしくじり。

 

せっかく面白くなりそうな場面も総崩れに不発。

 

同日に観た

『日々是好日』(にちにちこれこうじつ)

『コーヒーが冷めないうちに』

の、吟味、推敲の徹底ぶりに比べて、

あまりにもスカスカぶりの乱雑作。

 

ほんとにつくづく、ガッカリしました。

 

三木聡監督作として

 

三木作品に初めて接したのは、

上野樹里主演の『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)

これは異色作で面白かった。

ただし上野樹里主演で、点はずいぶんと甘くなった

 

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その後、三木作品の『転々』を試写で観た。

『亀は』の三木聡監督作として期待したが、

イマイチ“はじけず”終わってしまい、

非常に残念、ガッカリ。

 

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それ以降も三木ワールドにハマることはなかった。

 

テレビは見ないので、「時効警察」も未見。

 

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とにかく私は、

三木作品にいつもの顔ぶれ、

ふせえり

岩松了(右下)も出演している、

『音タコ!』を観ても、

一箇所もクスリとも笑えず、

「この映画は寝てもいいかな」

と見かぎって、途中で少し寝た。

 

案の定、「私はわかってますよ」の裸の王様、

最初から最後まで爆笑。この諧謔と風刺の面白さが分からない人は、センスないんだから、映画なんか観ない方がいい。

——という擁護派の意見にはまったく同意できない。

 

観客の支持共感を得られず、

監督の感性の方が優先される自己チュー作は、

お金を払って観てもらうのは失礼である。

 

自己研鑽や内省がないから、

ただ年数と本数を重ねても、

ちっとも作品の質が向上しない。

 

 

阿部サダヲ主演作として

 

本作は題名『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 』

でも狙っているが、

主演の阿部サダヲでも、しっかり狙っている。

 

私は同氏の初主演作『舞妓Haaaan!!!』が初見。

 

感想を当時のSNS、ミクシィで述べると、

大の阿部サダヲファンにウォッチされ、

「この人、人気があるんだな」

と初認識。

 

以来、

『パコと魔法の絵本』(2008)等の、

阿部サダヲなら許される性格俳優/サイコ系風潮の作品が続き、

食傷気味のところに、

なくもんか』(2009)があり、少しばかり見直した。

も

しかし彼の役者としてのせっかくの再評価も、

『音量タコ!』の一般人をイラつかせるクセの強い演技で、

また評価が元どおりしてしまった。

 

このように俳優の人気で誘うというのは、

いかにも映画の常套手段とは言え、

ひたすらそれ一辺倒の場合は、

作品の真価で勝負せず、

俳優人気というエサで釣るやり方だから、

観客をだますことになり感心できない。

 

 

吉岡里帆主演作として

 

阿部サダヲ単独では集客力が弱いため、

対極の存在として吉岡里帆を据えた。

このキャスティングは成功で、

この題名と、

阿部サダヲ主演だけではつられなかったであろう、

男性の私もまんまと観てしまった。

 

ではあるんだが、

いざ本編を観ると不満が募る。

 

アップの正面顔はカメラアングルがほぼ一定で、

彼女の多面的な魅力が捉え切れていない。

 

私は不勉強かつ、テレビドラマは見ないため、

吉岡里帆をほとんど知らず、

吉岡美穂の名前そっくりさんぐらいにしか認識していなかった。

吉岡美穂 : コスモ石油 (200701)

 

 

とにかく、色々と多面的に分析したが、

見終わった時に思わず、

「あ〜あ」と嘆息したのが、

「ルパン三世」OVA『GREEN vs RED』(2008)をみて、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-gyrure

なんでこんなもん作っちゃったんだよー

と叫んで以来だったのが、

全てを物語っているだろう。

 

とまあ、『音タコ!』についてはこんなところ。

 

次に、

ブログ上位ランキングの秘訣

について。

 

先日、この記事(本日放送開始!『INGRESS(イングレス) THE ANIMATION』)で、

 

(ランキング)上位のブログは、

安定出力、いつもの調子で読めるという、

サザエさんみたいな新聞連載形式を目指してるらしく、

見事なまでのパターン化をひたすら繰り返してるが、

 

——と書いたが、

常時ランキング上位独占の秘訣は、

パターン化(だけ)ではないんだろうと気がついた。

 

そのきっかけは、

平手友梨奈主演の『響ーHIBIKIー』と

齋藤飛鳥主演の『あの頃、君を追いかけた』の両作を

公開初日に早速見て、

なるべく早くレビューをしたのに、

あまり注目されなかったから。

 

それで気づいたのは、

アイドルファンは、コンサートや握手会で直接本人に接するのが最優先で、

そちらにはためらわずに大枚をはたくが、

スクリーン越しの間接的存在にほとんど興味がなく、

たとえ推しメンが主演だろうと、映画はほとんど見ないということ。

 

だからアメブロのテーマ:映画レビューでランキング上位を目指すには、

アイドル映画を公開たちまちレビューしてもしかたないわけ。

 

こちらは映画中心の生活や思考パターンに長年はまっているため、

読者もみんなそうだと勝手に思い込んでいたが、

そもそも日本の一般人は、そんなに映画を観ない。

 

シネコン全盛の昨今なら、

さすがに10年前の平均、

年に1本、観るか観ないか、

ってのはなさそうだけど、実際はどうなんだろうか。

 

というところまで立ち帰ると、

大半の読者は、

どういうつもりで映画レビューのブログを読むのかにも思い至った。

 

私は、

若おかみは小学生!』や、

累ーかさねー』、

はたまた『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のような、

映画以外のメディアでは同様の体験が不可能で、

ぜひとも映画館で観て欲しい作品を、

できるだけ公開中に紹介し、

たまたま今回の

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 』のように、

遠慮しておいた方が無難な作品も、ごくたまには

つまり、「名作を中心に、駄作は思い出した時にポツポツ」紹介しているが、

映画をほとんど観ないブログ読者は、

映画レビューでこの手の記事に出くわすのはゴメンで、

だからアクセスが増えるはずないんである。

 

どうしてかというと、

映画なんか観なくて済むように心がけている一般読者は、

私のブログで映画評を読めば、

見に出かけることを強要されてしまうからめんどくさいんである。

 

つまり彼ら、彼女らが求めているのは、

読むだけで済み、映画を観に出かけなくて済むレビューなわけ。

 

だから、

誰が作った映画なのか

スタッフ表・紹介

誰が出演してるのか

キャスト表・紹介

どういう話なのか

ストーリー紹介・しかもネタバレ

出来はいかほどか

採点

——が常備され、

読むだけで観た気になれる、

映画の代用/代償行為こそが絶好。

 

三角絞めでつかまえて氏は、

これら全ての要件を(パターン化まで含め)見事に満たしているではないか!

 

こうした条件を全て踏まえて、

意図的にそうしているとすれば、

この人はタイヘンな策士であり、

ネットメディア界の天才、寵児(ちょうじ)である。

 

と言うことは、

あくまでもテーマ:映画レビューで上位ランキングを目指すなら、

私もこれまでのブログスタイルをかなぐりすてて、

最上位のやり方に倣(なら)えばいいだけのこと。

 

映画本編を観るのが初体験になるように、

先入観を与えかねない事前情報を一切遮断するなんてもってのほか。

レビューを読みさえすれば、

映画本編を観なくても気が済む内容に書き換えないと!

 

もちろん、やりませんけどね。

だって、映画人(監督や脚本家、俳優やスタッフ)は、映画館でわざわざお金を払ってみてもらえる作品作りを目指してるわけで、

たかだかブログごときに代用されちゃたまらないと感じているはずだから。

 

「そんなこと言ってもさあ、読者の実態は変わらないんだから、現状に合わせるべきだろ」

という悪魔のささやきと、

「正反対の方針だからこそブログを続けて来たんで、従来路線が継続できなくなるくらいならブログやめます」

という葛藤は、

皮肉にも、

「こういう独善的な映画はウケないんだから、Yahoo!映画レビューも見据えて、一般受けする映画を作って下さいよ」

という悪魔のささやきと、

「観客に媚びへつらうような映画がみたけりゃ他の映画を観ればいい。そんな映画を作るためにオレは映画を撮ってない」

という三木聡監督の心の叫びのしのぎあい(私の頭の中の完全妄想)が、

皮肉にも重なり合うのであった。