EPISODE Ⅳ+総括/ルパン三世PART5〈その10〉 | アディクトリポート

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いよいよ本日と明日(9/22・23)は、

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お忘れなく!
 
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ここから今日の本題。

 

ルパン三世PART5〈その10〉

EPISODE Ⅳ 21〜24話鑑賞記

 

ついに今回の【その10】で完結!

【その1・予告】なぜか今頃(8)『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(1978)

【その2】ネタバレビュー鑑賞記・ルパン三世PART5/火垂るの墓

【その3】実写版・峰不二子2018・ルパン三世PART5

【その4】4〜6話鑑賞記/ルパン三世PART5

【その5】7〜9話鑑賞記/ルパン三世PART5

【その6】【臨時】10話〜12話鑑賞記/ルパン三世PART5

【その7】鑑賞記EPISODE Ⅲ/ルパン三世PART5

【その8】17・18話鑑賞記/ルパン三世PART5

【その9】19・20話鑑賞記/ルパン三世PART5

 

 

第21話 『時代遅れの大泥棒』 2018/8/29

 

新ネット用アプリ「ヒトログ」の発表と普及で、

ルパンたちの動向も完全に把握され、

「ルパン・ゲーム」よりも、はるかにキビシイ状況に追いつめられる。

 

エゴサで自分が世間にどう定義されているかをチェックする仲間もいて、

不二子は「ルパン三世の恋人」と言う位置づけに納得するが、

五エ門は「ルパン三世の手下」と言う記述に大いにショックを受ける。

「手下」には思わず笑った!

 

第22話 『答えよ斬鉄剣』 2018/9/5

 

前回を引きずり、ルパンと距離を置きながら、

自分の存在価値を探る五エ門の姿を追う。

 

ヒトログに追いつめられたルパンをおびきよせるため、

不二子はヒトログ創始者のエンゾ・ブロン(声:上川隆也)に幽閉される。

 

最後にアミ・エナンが、

エンゾが自分の父だと言い放ってビックリ!

 

第23話 『その時、古くからの相棒が言った』 2018/9/12

 

これはPART5全話にまたがることだが、

深夜の放送枠でもあるため、

オトナのルパンを示す意味で、

喫煙シーンが多数。

 

タイトル「その時、古くからの相棒が言った」に準ずる、

次元の長いセリフで、ドラマが終結に向かう予感。

次回こそは静と動のコントラストで、アクションに期待が高まる。

 

ルパンはヒトログの目撃情報を避けるため、

カリオストロ公国の湖から姿を現した遺跡に潜伏。

 

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これはよかったが、

21話の「手下」

22話の「父娘(おやこ)」

には思わず声を出して反応したが、

どうやら23話には、

そこまでインパクトのあるものはないようで…

 

ところが予告編で

ルパンが「チャンネルは決まったぜ」に、ようやくニンマリ。

 

TVファーストの予告編をしっかり再現している。

 

最終第24話 『ルパン三世は永遠に』 2018/9/19

 

ルパン三世50年(原作1969年/アニメ1971年)の歴史中、

もっとも綿密に計画され、

着実に実行された奇跡のシリーズ。

 

ヒトログこそが真実だと認定されると、

一番都合が悪いのは政治の世界。

 

開発元のSHAKEHANZ(シェイクハンズ)社は、

(実質上のテロ)国家から反対にテロ組織と(誤)認定され、

ヒトログは無効化される。

原子力発電所まで攻撃対象なのがイヤミ。

 

エドワード・スノーデン

の正直な告発が無視され、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-sno

故国から追放された史実が下敷きだろう。

 

国民を国家がだます大国のカラクリが、

ネット時代には全て暴かれるという幻想があったが、

これまで国民を平気でだましていた支配側は、

従来の情報操作/工作を、ネットにまで応用しようとしている。

フサフサの前髪を黒く着色してごまかしてるが、誰を投影しているかは明らか。

 

そうさせないためのヒトログだったのに…。

 

最終24話には、

PART4の新ヒロイン

レベッカ・ロッセリーニが出し抜けに登場。

イタリア人だと示すために、わかりやすくピザを持つ。

 

PART5の各話のゲストキャラでも、存命ならば、

6話のばか兄弟だとか、

この元ネタは、ほとんど誰も知らない

長介・工事 ばか兄弟

 

19話のミラージュ母娘までこぞって出演。

次元の銃さばきをタブレットで見守るミラージュ母娘。

 

PART4とPART5だけでなく、

黄金の潜水艦と

ネコ目の女性(ダイアナ)は、

TVスペシャル第7作、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-はりまお

ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!」(1995)から。

 

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——くらいまではわかったんだが、

ルパンが不二子に見せた素顔

のくだりが、さっぱりわからない。

 

本当は50年ほど歳を重ねた、

80歳くらいで白髪の老人なのかと想像したが、

それだと不二子も老婆のはずでシラケるし、

彼女がルパンの顔を見た途端、メロメロになびいたりするはずもない。

 

再登場キャラもレベッカ以外は、

顕著に歳は取っていないし、

ダイアナの場合など驚くなかれ、

20年以上前の初登場時と、

風貌も身辺状況も変わりなしだから、

「アニメキャラは歳を取らない」という「サザエさん原則」は生きている…らしい。

 

(いちおう、時間の経過は暗示されてるが)

次にルパンの顔がアップになっても、

いつもと変わらないふだん通りの表情だし。

 

そこで

翌日の22:30からのニコ生

で再鑑賞。

 

ルパンが素顔をさらす場面で、

「フェイスフラッシュ」

「キン肉マン」

の文字が走る。

 

視聴後に調べて「なるほど」

 

しかしなぜ、

ルパン三世の旧作からでなく、

出し抜けにキン肉マン

 

6話のばか兄弟も同様だが、

ルパン三世以外からも元ネタを探るつもりなのは、

最終話で、このばか兄弟の兄(ヒラメキ)がネズミ一族のネズミ吉三と、

飲み屋で口論になり、

ケンカでの殴り合いで、「あしたのジョー」のクロスカウンターを再現しているところに、

PART5は、ルパン三世だけでなく、

アニメ文化の全体もふり返っていることが示されている。

 

志(こころざし)は崇高だが、

19話で次元のライフル入手経路が不明だったのと同様、

最終話のルパンの素顔晒(さら)しは、

ドラマの根幹をなす重要パートをボカし気味に描く方針が不可解で、

私にはどうにも理解に苦しむ。

 

ここを「わかる人だけわかる」状態で放置したまま、

別に回収を期待もしていない各話の要素をくまなく結びつけてもしかたなく、

物事の優先順位がおかしい(狂ってる)のでは?

 

いや、別に、

ルパンの素顔を絵で具体的に見せる必要はないですよ。

 

見せてもどうせ、コイツ誰やねん?なはずだし。

 

だけどこの場面では不二子の独白で、

2人が同居していた頃の、ルパンの素顔だと特定すれば、

それこそ語り続けていた話を、

きっちり語り尽くせるじゃないか。

 

同居が原因で2人は別れ、

それ以降、男女の営(いとな)みがないんだから、

同棲当時の顔を見せたら興ざめ=逆効果なんでは、

と思うでしょ。

 

ところがそうじゃないんだな。

 

ルパンと不二子は、命がけの冒険、

スリルとサスペンスの渦中で、

吊り橋効果で互いが輝いて見え、

惚れあって同居に至りながら、

いざ平穏な日常生活を送ると、

相手がつまらなく思えて、

恋愛関係が続かずに破局した。

 

別れた理由は、

自分が相手を嫌ったからだが、同時に相手にも嫌われた。

 

それ(嫌われたこと)を認めたくないので、

2人とも、この一件をふり返りたくない。

 

恋愛関係が終わったら、

誰でも自分が相手をフッたと考えたいし、

相手にフラれたなんて、考えたくはない。

 

だがここでルパンが、

破局した頃をあえてふり返ることで、

不二子を嫌ってはいないのだと示すから、

不二子の心は大きく揺れ、赦(ゆる)されたという感慨に至るわけ。

 

ああ、それなのに、それなのに。

 

せっかくの絶妙なドラマの結びのチャンスを、みすみす逃すなんて…。

 

他にも気になる点を挙げれば、

エンゾの改心の早さと、

娘アミ(=網/ネットの意味)との和解も性急すぎる。

 

というわけで、

ルパン三世PART5全24話は、

これ以上はやりようがないところまで考え抜かれた、

史上希(まれ)なルパン三世なのは間違いなく、

何も考えず、ノリや気分、パターンだけで3年間を乗り切った

テレビPART2
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ぱんぱん
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-たいる

私にはとにかく良いところが見つけられない残念作のPARTⅢ

ですよね

 

作画体制こそ確立されても、根幹のドラマがおろそかになり、典型的な竜頭蛇尾だったPART4
54321

等々では足下にも及ばない至高の到達点に達したわけで、

さすがにこれ以上を要求するのは酷な反面、

だからといって、非の打ち所のない完全無欠作とまでは褒(ほ)めちぎれない。

 

 

とにかくPART5は、

理詰めで分析され尽くすと、

ルパン三世というキャラと、

ネット社会は共存がしにくいこと、

つまり現代にアニメ「ルパン三世」は成立がきわめて困難で、

もはや引退しか取る道はなさそうだと示して終わる。

50年に一度の名作が誕生して、

PART6(仮称・未定)の可能性はますます厳しかろうが、

次にルパン三世と再会できるのはいつだろう。