『バットマン vs スーパーマン』キケンなニオイのする映画(5) | アディクトリポート

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『バットマン vs スーパーマン
ジャスティスの誕生』



見ません。

以上。

というのも乱暴なので、
私なりの理由をば。


公開前から、
キケンなニオイのする映画」っぽい雰囲気がプンプン。

公開後も酷評が多く、


公開2週目末の観客動員は、実に8割以上も落ち込む有様。

つまり第1週に1000人も、ギュウ詰め状態に客が押し寄せていた映画館に、
2週目は200人以下しかおらず、
スカスカ状態にまで落ち込んだというわけ。

アイ・アム・レジェンド』(2007)で、荒廃した都市に、
バットマンとスーパーマンの合体ロゴがむなしく残っていたのが、
かんばん
今回の『バットマン vs スーパーマン』の凋落を暗示していたようで、おそろしい。


映画の出来の悪さを示す一つの指標が、
最近なら、
上にも挙げた、
YouTubeのレビュー動画。

『GODZILLA』(3014)


『フォースの覚醒』(2015)同様に、


タイトル(英語原題)+
“Sucks”(サイテー)
“RANT”(チョー駄作=酷評・メッタ斬り)で動画検索して、
複数の投稿で論調が同傾向なら、
その意見は言いがかりではなく、
妥当な批判と見通しがつく。

たとえば『GODZILLA』なら、
「主役のはずの怪獣描写が添え物」
とか、
「かといって、人間ドラマがそれに成り代われるわけでもない」
げんにん
等々、
あるいは『フォースの覚醒』なら、
「単なる旧三部作、中でも『エピソードⅣ 新たなる希望』(1977)の焼き直し」
「主人公レイが完全無欠すぎて、スリルがない」


等々、
大方の意見は一致している。

それでも私は、
『GODZILLA』と『フォースの覚醒』は、映画を見てから、
“SUCKS”“RANT”を探したが、
『ジャスティスの誕生』 に関しては、
見なくても駄作に違いないという確信があった。

それは、
ザック・スナイダー監督作がことごとく駄作
という、逆の意味での
安心(不安)と信頼(不信)のブランド
だから。

フィルモグラフィで、
『ドーン・オブ・ザ・デッド』 (2004) 監督
『ガフールの伝説』 (2010) 監督
『300 〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~』 (2014) 製作・脚本

————の3本は未見。

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『300 〈スリーハンドレッド〉』 (2007) 監督・脚本


『ウォッチメン』 (2009) 監督


エンジェル ウォーズ』 (2011) 監督・製作・原案・脚本
ぱんち
このかお

マン・オブ・スティール』 (2013) 監督
おい
dede

——と、これだけ判断材料がそろえば、もう充分。

実際、すでに3年前の『マン・オブ・スティール』で、
観る前から、どうせダメだと予想はついてた
し。

結局は観たけど、
1978年の、クリストファー・リーヴ主演作以来、

(この動画は、2016/03/22 に公開)

↓『Ⅱ・冒険篇』(1981)は、
り0く
まだかなり、ましな方。

スチュアート・フリボーン参加で、
↓これは1作目。
ぱーまん
↑これは3作目、

『スーパーマンⅢ/電子の要塞』(1983)や、
でんし

『Ⅳ・最強の敵』(1987)みたいな、

(この動画は、2013/06/11 に公開)

ほんと、しょーもないのまで映画館で観たことは悔いておらず、
↓1作目78年版(左)の路線を現代に継承した(右)、
ssss
『リターンズ』(2006)は、
成功作だという評価はゆるがない。

なので、
断末魔のフィルム上映IMAX(部分3D)版も、
何度も観た

りたーん
——ぐらいの「スーパーマン映画」好き、
もしくは、クリストファー・リーヴ好きを自認する私でも、
『マン・オブ・スティール』は、
史上初の、
別に観なくてもよかった、
スーパーマン映画

になってしまった。

その理由は、「中身がない」(no substances)から。

なので、劇中で起きたあれこれを、
そのキャラにまつわる事実と感じられず、
どうでもいいとしか受けとれない。

とにかく毎回のスナイダー作品の鑑賞で決まっているのは、
途中で寝てしまうこと。

どのジャンルであろうと、
映画の中身に、必ず興味が持てなくなってしまう。

理由は明白で、
スナイダー自身が、ストーリーを語ることに興味がないから。

もっぱら完成度の高い絵(画)づくりに徹するあまり、
それは他の誰にもマネのできない域にまで仕上がるものの、
だから予告編を見る限りは、
傑作に違いないと誰もがだまされるが、

結局語るべき中身がないのが、
見抜ける人にはバレバレで、
特に今回で、その事態が決定的になってしまった。


この動画は、2016/04/03 に公開

いったんこうなると、
過去の作品まで、のきなみ評価が下がる。

つまりこれまでの、
『ウォッチメン』は良かったが、『サッカーパンチ(エンジェル ウォーズの原題)』はダメ。
(あるいは、その逆)
といった作品ごとの評価の差がなくなり、
全作がダメ出しされる。

さらに前は通用した言い訳、
「原作がそうなっている」
「新しいことに挑戦したら、失敗のリスクはつきまとう」
「スナイダー自身ではなく、共同制作者(例:クリストファー・ノーラン)の指図のせい」
——云々もきかなくなる。

ノーランがまるで手綱が握れていない証拠は、以下のとおり。

スーパーマンのリブートは、
リーヴ/リチャード・ドナー版および、その延長との比較になるが、
バットマンの場合は、
マイケル・キートン/ティム・バートン監督の1989年作と、

(この動画は、2016/03/22 に公開)

その延長との比較ではなく、
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ついこの前の、
クリスチャン・ベイル/ノーラン監督の、
『ダークナイト三部作』、すなわち、
バットマン ビギンズ』(2005)
ビギンズ
くわい
koumori
ダークナイト』(2008)
小画面
小画面2
ポッド
ダークナイト ライジング』(2012)
ふりーまん
pod2
ひかり
usiri
あっぴ
がや
battle
ぽっど
うぃど

つまり身内との比較にさらされたわけだが、
今回のベン・アフレック版は、
最高のブルース・ウェイン/バットマン像と評価されるも、
作品はその功績を無に帰してしまうような出来だった。

つまりノーランの意向なんて、
スナイダー監督作には、まるで反映されないわけ。

ベン・アフレックと言えば、史上初、マーベル(『デアデビル』2003)と、

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DC(バットマン)
両方のヒーローキャラを演じた俳優になったが、
『ハリウッドランド』(2006)では、スーパーマンも演じている。


といっても、スーパーマン俳優のジョージ・リーヴスを演じただけだが。


ジョージ・リーヴス(George Reeves
げおrげ

クリストファー・リーヴ(Christopher Reeve)というのも不思議な符合。
なが
スパイダーマンの単独展開に少しでも陰りが生じると、
アベンジャーズの一員に組み込む、

マーベルの堅調ぶりに比べ、
このままジャスティスリーグをやっても、
り0ぐ
一度失った信頼は回復せず、
酷評にさらされるのが目に見えている現状では、
およそ成功が見込めないと、
ついにスナイダーの解任が決定!



だけど、スナイダー本人としては、
頭の中が疑問符だらけで、混乱していることだろう。

いつもどおりにやっただけなのに、
前はそれで通用したのが、
どうして急に、ダメなんてことに?

スナイダーの映画がダメな理由は、
彼の経歴から判断できる。

母親が画家であったことから、
子供の頃から大人向けコミック雑誌等を見るなど、
コミックやアニメに造詣が深い。

カリフォルニア州パサデナの名門、
アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン
において大胆な映画制作スタイルを確立する。

またまた出ました!
パサデナのアートセンター

ラルフ・マクォーリーも、
kuako
シド・ミードも、

ジョー・ジョンストンも、
ston
jones

アンドルー・プロバートも、
きっs
pppp
あれ
みさきめぐり
とり

そして、かなり格は下がるが、
ライアン・チャーチと、
チャーチ
チャーチ
sese

エリック・ティーメンズも、
エリック

↓ティーメンズのコンセプトアートと、
ジオノ1
ジオノ2
↑最終画面との印象には、ほとんど差がない。
だが、絵が達者なのと、デザイン能力はまったく別の才能。
↓こんなメカを納品されちゃ、
SPHA
玩具業界はたまったもんじゃないだろう。
そのため、玩具も模型も出ず終い
ぶん
いや、でたかも知れないが、誰が買うのか?


——この名門美術学校に在籍していた。

しかしアートセンター出身者で、
映画界で活躍する人多しと言えども、
ほとんどが美術・デザイン部門で、
監督として大成したのはジョンストンだけ。

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彼だって、監督デビュー前に、
ルーカスに学費を出してもらって、
フィルムスクール(映画学校)に入り直している。

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スナイダーは、おそらくアートセンター純正の映画監督としては、
最も出世したが、
なにせ生来の画家、絵描きなだけに、
映画は動く絵画、モーションピクチャーとしか捉えられず、
文芸の素養がゼロ。

そのため、物語構築の方法も思いつかなければ、
脚本のストーリーテリングの善し悪しの判断もつかない。

私が『ジャスティスの誕生』を「観ません」でなく、「見ません」としたのは、
これをきちんと区別したため。

ザック・スナイダー作品はつまり、画面をながめる「見る」もので、
ストーリーを楽しむ「観る」ものではないから。

しかし、そんなのそもそも映画じゃなくて、
単なるPV(プロモ映像)だよ。
10分以内なら、もつだろうけど、
2時間以上のデタラメの羅列を、
まともな観客が耐えられるわけがない。

“ドーン(夜明け/誕生)・オブ・ジャスティス”
じゃなくて、
“ヨーン(あくび)・オブ・ジャスティス”
だと言う声にもうなずける。


世間の厳しい評価はつまり、
映画をなめてかかんなよ、
という抗議や反発の声なんである。

今後、株式の特設注意市場銘柄に相当する存在になってしまったスナイダー。

復権には文芸の才の手助けが欠かせず、
本人にそれを受け入れる度量があるかが問われるだろう。

そういや、『ジャスティスの誕生』の最後に、
唐突に登場するワンダーウーマン(ガル・ガドット)に、
いks
観客はみんな口がポカンだったそうだが、
huhu
2011年のテレビ、
エイドリアン・パリッキのワンダーウーマンって、
えいど
どうだったの?


……。

ば…番組自体はアレでも、


やっぱ、ワンダーウーマンは、
さいしょ
リンダ・カーターだべさ。
あか

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