で予告した本編で、
プロバートが改装型エンプラ、
![pppp](https://stat.ameba.jp/user_images/20131113/07/addicto/5c/95/j/o0500089412747708739.jpg?caw=800)
俗に言う映画版エンプラのデザイナーに起用されるまでの経緯を追う、
連載企画の、本編第1回。
今回は、プロバートの映画業界入りのきっかけについて。
なので、テーマは、まだ行き着かない「スタートレック」でなく、
きっかけとなった、「スター・ウォーズ」です。
1977年のこと、
プロバートはパサデナ(Pasadena)にある、
アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン
(Art Center College of Design)という、
日本なら総合美術大学(美大)にあたる学校に通っていた。
ほどなく映画『スター・ウォーズ』が公開され(5月25日)、空前の大ヒット。
雑誌には特集記事があふれ、
映画のスチルと共に、
ラルフ・マクォーリーのプロダクションペインティング(設定画)も、
多数紹介されていた。
![みっつ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/02/addicto/9a/8e/j/o0600102213362445205.jpg?caw=800)
プロバートは幼少期に、
母親が辞書の前後に製版の都合で差し挟まれる、
白紙のページを切り取って渡してくれたのをノートやスケッチブック代わりに、
覚えている限り最初に描いたのが、
イナズマ模様のフラッシュゴードンの宇宙船だったという、
筋金入りの宇宙船マニア、SFマニアだっただけに、
マクォーリーのイラストにすっかり心酔。
この人に会ってみたいと考えた。
するとマクォーリーは、“ロスを拠点とするアーティスト”と記されている。
![とろん](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/09/addicto/d4/0f/j/o0600131613362556124.jpg?caw=800)
オタク心を抑えきれないプロバートが地元の電話帳で探してみると、
あっさりとマクォーリーの電話番号が見つかった。
臆せずにさっそくかけてみるのが、オタクの度胸とでも言おうか…。
プロバート「もしもし」
「はい」
プロバート「あの…ラルフ・マクォーリーさんのお宅ですか?」
「そうだよ、私だが」
プロバート「えっと…アンドルー・プロバートと申します。うちの大学の新聞でインタビューしたいんですけど」
マクォーリー「どこの大学だい?」
プロバート「アートセンターです。パサデナの」
マクォーリー「ほう、私も昔、あそこの学生だったんだよ。だったらうちにいらっしゃい」
若きマクォーリーは朝鮮戦争に出兵。
彼を見下ろす朝鮮兵に銃口を向けられるも、
なぜかその兵士は引き金を引かずに立ち去って命拾いした。
生き延びたことをムダにしないように、
絵がうまいという自分の才能を生かすべく、
パサデナのアートセンターに入学。
↓さかのぼれる、最も若いラルフ・マクォーリーの近影。
![kuako](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/16/addicto/36/4d/j/o0590086313362847792.jpg?caw=800)
↑若き日のシド・ミード。どちらもアートセンター時代のものではない。
同じ時期に4歳年下のシド・ミードも在籍していて、
当時からバツグンの才能を発揮していたと、
作品集DVDのインタビューで、マクォーリー本人が語っていた。
![さら](https://stat.ameba.jp/user_images/20150715/22/addicto/0e/f5/j/o0600044013367059344.jpg?caw=800)
↑新国立競技場の案ではなく、シド・ミードの宇宙船案です。
こうしてプロバートはマクォーリーと知りあい、
自己紹介を兼ねて自分の作品を見せ、
きちんとインタビューして、
それは学校新聞の記事にまとまった。
1977年末から78年の年明けの頃。
プロバート「冬休みに働きたいんですけど、デザインの仕事、ありませんか」
マクォーリー「ちょうど今、『スターワールド』っていう企画が進んでて、ヘルメットのデザイナーを探してるよ」
プロバートはマクォーリーの推薦で、
当時のILMの主任、ジョン・ダイクストラの面接を経て、
![ダイクストラ+ギャラ](https://stat.ameba.jp/user_images/20090808/23/addicto/c6/e4/j/o0400060010229193218.jpg?caw=800)
ヘルメットのデザインを提出。
ジョー・ジョンストンの案とのコンペになった。
↓フィルム缶を3つ並べて芯にした宇宙船、リヴァリー(Livery)の原型を手にするジョンストン。
![jones](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/11/addicto/5a/7e/j/o0600090013362654489.jpg?caw=800)
↑この宇宙船は、鉱石運搬船、ミネラルシップと設定された。
脚本では、主役と敵側は宇宙の各地を転々とし、
様々な星と交流するので、
すでに確定していた
↓主役側のヘルメットデザインが、
![けぶと](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/14/addicto/c0/70/j/o0600127813362763034.jpg?caw=800)
↑地球のエジプト文明に影響を与え、
↓敵側のデザインは、
![じじ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/16/addicto/1f/56/j/o0449130413362841613.jpg?caw=800)
↑ギリシャ文明に影響を与えたと仮定して、
トサカのあるデザインを描いた。
スリット状のバイザーが、ヘルメットの端から端まで広がっているのは、
![teppa](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/19/addicto/78/ba/j/o0600094313362993442.jpg?caw=800)
劇中に登場する、ロンパリの爬虫類風エイリアンが、かぶるんだろうと想定していたため。
とにかくプロバートは、
↓メットのデザインを完成させ、
![みっつ](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/19/addicto/61/3b/j/o0600200013363000507.jpg?caw=800)
一方、
↓ジョンストンのデザインは、
![っっっkl](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/19/addicto/54/11/j/o0600121213363004461.jpg?caw=800)
↑日本の足軽鉄砲兵や、忍者みたいなものだった。
『スターワールド』のプロデューサー、
グレン・ラーソンの息子(まだ子供)が選んだのは、
プロバートの案だった。
こうしてアンドルー・プロバートは、
ILMに在籍することになり、
![きっs](https://stat.ameba.jp/user_images/20150711/20/addicto/c6/22/j/o0600086813363069217.jpg?caw=800)
「スターワールド」から「バトルスター・ギャラクティカ」に改題された企画に、本格的に関わることになる。
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スターワールドという仮題は、
「ギャラクティカ」のパイロットエピソード、
“Saga of a Star World”(星の世界の伝説)に、痕跡をとどめている。
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また当初は、
「バック・ロジャーズ」と並行して企画が進んでいた。
続きはまた今度。