PR会社のビルコムが、4月から

WEB PR College」なるサイトを立ち上げ、

WEB PRの事例や戦略について説明している。

http://webpr.bil.jp/

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このビルコムという会社、

ニュースリリースの発信の数が半端ないのか、

広告代理店絡みでニュースを調べると

いつも何らかの形で彼らのニュースに当たる。

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昔は、嘘かまことかわからないが、

ビルコムは美人なおねえちゃんをたくさん雇い、

各エリア(お台場etc.)ごとにメディア担当として

毎日その美人おねえちゃんをメディアに徘徊させていて、

だから、たいしたニュースじゃない時でも、

ビルコムに頼むと記者会見にメディアが集まる

なんていう噂を耳にしたことがあった。

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本当かどうかは定かではないが、

ある種、この「美人おねぇちゃん作戦」は

頭のいいビジネスモデルだなぁと思う。

(確かここの社長、ソースネクスト出身とかって話をソースの役員にきいた

ことあるから、ヒルズジェネレーションなんだろうな)

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それから時を経て、最近のビルコムは

WEB PRに力を入れているようで、

「おねえちゃんで露出させます」のスタイルでは既になく、

「戦略ありき」のスタイルのようだ。

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僕自身のこのBlogもよくみると

Google Adsでビルコムの宣伝が入ってるではないか。

PR業界1位の成長率」だって。

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PR会社なんてものは、そもそも電話一本で起業できると

言われている業界だけあって、

小規模な会社が山のようにあるので

(しかもカテゴリーNo.1を主張するのはPRのお約束なので)

成長率が本当に1位かどうかなんて多少怪しい気もしないではないが、

いずれにせよ、今成長しているちょっと目立った企業の一つとして

今後も注目したい。


追伸:今調べてみると、若いな!ここの社長。

http://cobs.jp/careerup/hkl/bn/050603.html



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414日付のニュースリリースによると、

博報堂が、オンエアされている全てのCMに対する

視聴者の注目度など表現効果を測定し、WEBサービス

として提供する即時レポートサービス「Best HIT」の

提供を4月より開始したとのこと。

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なお本調査を活用し、企業のHPアクセス数や検索連動広告数、

電話コール数や資料請求数、商品販売量などとの関係を分析し、

CMをベースとしたクロスメディア効果や販売促進効果の検証を

行うことも可能とのこと。

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サイトアクセスや購買行動との相関分析はオプションのようだが、

やはり尺度としては、CMと注目度の相関のみだけでなく、

サイトアクセスや購買行動との相関も意識しなければ

ならない時代なのだろう。

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このサービスは、クライアント側自身に

広告の効果検証を行わせることができるという点で、

先日書いたGoogle TV Ads と似ている。

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クライアントそのものに作業させてしまうというのは、

これまでの広告代理店の奉公チックな仕事っぷりから考えると、

これまでの価値観とは異なる、ある種、画期的なものかもしれない。

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今後、日本における広告市場が伸び悩む中で、

各広告代理店が小規模なクライアントを

いかに効率良く刈り取れるのかというのも、

大きなポイントとなってくるであろう。

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大手クライアントには、AE体制で、

効果検証含め手厚い対応を行う一方で、

小規模クライアントには、

このように自分達で効果検証を行わせたり、

広告枠を検討させることで、

効率よく収益を上げる時代がくるのかもしれない。


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416日付のニュースリリースによると、

脳波調査を含む無意識マーケティング調査やコンサルを行う

米国NYBuyology.Incと業務提携したとのこと。

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先日 も書きましたが、日本でもニューロマーケが徐々に

活発化してますね。

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とはいえ、Buyology.Inc自体も設立は2008年らしく、

HP もシンプルなので、まだまだこの種の事業で

成功する企業・代理店がどこになるかは、

これからでしょうか。

誰が日本のnonconscious dataを征するのかといった

ところでしょうか。

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今後の動きに注目したいです。



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本文献の参考になったポイントは以下のとおり

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・ROIは、分子(純利益)、分母(投資、純資産、あるいは使用資本)であるが、サービス産業においては、分母=従業員数が適切

⇒これに基づき、今後、主要代理店の数字を分析したい

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・分母縮小のリストラクチャリングは未来を展望しない。分母を大幅に削減するのみでは、「収穫戦略」と呼ばれ、無策と同等である。市場シェアと会社の未来を売り渡すだけである

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・リエンジニアリングでは追いつけても、先頭に立てない

⇒今日のアメリカと日本の自動車産業はいい例か。その反省をうけ、オバマアメリカは新規ビジネス領域創造のためのグリーンニューディールを掲げたのか。

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・「ビジョン」は、その意味に、一種の夢想や意外性の意味も内包しており、産業の「将来展望」に比べて、洞察力や明敏性を軽視しがち。

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・「将来展望」を描けるかとは、以下のことが描けるかということ。

現在どんな顧客を対象としているか?⇒将来どんな顧客を対象とするのか?

現在顧客にどんな流通経路で到達しているか?⇒将来顧客にどんな流通経路で到達するつもりか?

現在の競合企業は?⇒将来の競合企業は?

現在の競争優位の基盤は何か?⇒将来の競争優位の基盤は何になるか?

現在のマージンの源泉は?⇒将来のマージンの源泉は?

現在の特色はどのような技術や能力によっているか?⇒将来の特色はどのような技術や能力によると思われるか?

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最近は、外資系をはじめ、広告代理店でも、リストラや人員削減が話題となっている。現在の厳しい環境の中において、なんとか生き残るために、当然リストラについての議論はなされるだろう。

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しかしながらこの問題で難しいのは、そもそも広告代理店は自社で製品を製造するわけではなく、あくまで代理業であり、人員削減はシェア減少につながると同時に、仕入れにおけるスケールメリットの減少(フィービジネスの場合は当てはまらないが)にも繋がってしまうということであり、そのことは、淘汰の激しい業界において、結局は、長期的に生き残れなくなってしまうということに行き着いてしまう可能性もあるということである。



広告とか広告会社とかメディアとか経営とか-不確実性

今回は「その1」で挙げたフレームをもとに、広告代理店においてで考えてみる。

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ネットが普及する前(10年以上前)の広告代理店市場は、マスメディアが支配する環境であり、その環境は確固たるもので、レベル1の「未来は十分に明らかな状態」であったといえる。

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しかしながら、ここ近年の環境は、マスメディアの衰退、デジタル化の影響などなど、先行きの見えない、不確実な時代に突入し、レベル3の「一定の幅に収まるはずの未来」の状況にあるのではないか。

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そこで本文献を参考に、「中堅広告代理店は、マスメディア環境の不確実性にどのように対応するか」という仮テーマを設定し、大雑把に検討をして、以下にまとめてみたが・・・

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1.残存不確実性として何がどの程度あるかを特定する

・ネットの普及によるマスメディアの衰退

・先行きの見えにくいデジタル化の影響

・新手のコミュニケーション企業(ネット系代理店、リクルートのような独自戦略企業、Google系ネット通信企業etc.)

・M&A等による業界の再編など

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2.戦略方針を選択する

<全体的な方針>「未来に適応する」

・現行のクライアントを、新手コミュニケーション企業をはじめとする競合から守り、かつ、新分野(デジタル・コンテンツ)のソリューションを、現ソリューションと併せて提案する

・成長の速い新分野のビジネスチャンスを狙う

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3.行動ポートフォリオを築く

・現行のマス広告・イベント・OOHソリューションを、デジタルソリューションとともに、クリエイティブを核にプランニングし、提案する力(コミュニケーションデザイン力)を向上させることは、「悔いのない手」である

・デジタル分野に強い企業とのアライアンス関係構築は「悔いのない手」である

・新ソリューションの動向を研究したり、開発する部署をつくることは「オプション」である

・ハイリスクハイリターン性の高い、デジタルネットワーク企業やデジタルコンテンツ企業を子会社化したり、新設することは「大きな賭け」である

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4.積極的な戦略マネジメントを行う

・マスメディアの衰退状況の注視、新手のソリューション出現の監視、広告代理店のM&A状況の監視

・監視結果に基づき、「オプション」「大きな賭け」の実施タイミングを検討

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といったところだろうか。思ったよりベタなものしかできなかったので、また機会あれば再考したい。



広告とか広告会社とかメディアとか経営とか-不確実性

日経ビジネスか東洋経済だったか忘れたが、何かのビジネス誌の読んでおきたい名著セレクションにあった「不確実性の経営戦略」という本。



広告とか広告会社とかメディアとか経営とか-不確実性

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2000年初版の本なので、なかなか手に入らなかったのだが、ようやく手に入ったので、この本をベースに、不確実な時代に突入した、広告ビジネス市場における戦略の在り方について、何度か検討できればと思う。

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今回はその第1章「不確実時代の戦略と行動」より。

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要点は以下のとおり。

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残存不確実性はレベル1~4にわけられる

レベル1「未来は十分に明らかな状態」

未来への予測は容易で、不確実な部分のズレは多少あるとしても、ここでの予測は、戦略の方向性を一つに絞ることができる状態

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レベル2「選択的に予見できる未来」

将来おこりうるいくつかの選択肢に分離していく

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レベル3「一定の幅に収まるはずの未来」

一定の範囲内の可能性のある結末は予測できるが、自然に分離できるシナリオはない

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レベル4「不透明な未来」

未来を予測する要素はまったくない

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□戦略の姿勢を高める三つの戦略姿勢

「未来を形成する」

業界の運営の仕方を確立するうえで、リーダーシップの役割を演じる。例えば、標準モデルをつくったり、重要を開拓する。

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「未来に適応する」

スピード、機敏性、柔軟性により、既存市場におけるチャンスを察知し、とらえる。

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「プレー権を留保する」

ゲームにとどまるだけの投資をするが、早い段階でのコミットメントは避ける

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上記のフレームをもとに、「その2」では広告ビジネス市場についてはどうなるかを検討する。⇒「その2」につづく




411日付「広告と経済」によると、

上位9代理店(電通・博報堂・ADK・大広・東急AG

・J企・読広・デルフィス・朝広)の2月の売上合計額は、

前年対比の80.7%であり、大手企業の広告宣伝費削減の

影響を受け、非常に市場が厳しい状況であることが

うかがえる。

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なかでも特に9代理店における「新聞」の2月の売上は、

前年対比の66.1%という異常な数値となってしまっている。

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ちなみに2月の新聞広告の出稿量は対前年で85.8%とのこと。

金額(あくまで上位9社のみからの算出だが)は66.1%で、

量は85.8%ということだから、広告の単価そのものが

かなり下落していることが考えられる。

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そりゃ確かに、

人員削減や派遣切りを発表している大手企業が、

15段全面広告を打つなんてことは、

道義的にできないわけで、

新聞広告の売上が落ちるのは当然といえば当然である。

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しかしながら、今回の不況により、

新聞広告の価値そのものが下がり、

「実は新聞広告って、やらなくてもなんとかなるんじゃない」的

風潮になってしまうと、そのまま新聞広告が衰退していく

ことにも繋がってしまいかねない。


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4月7日、USENは無料動画配信子会社GyaOの過半の株式を

ヤフーに売却すると発表した。

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積極的に、コンテンツやネットワーク事業に出資・買収してきた

USENであり、GyaOはその代表格でもあったが、

コスト削減や財務体質改善に伴い、本件も発表があった。

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個人的に思うのは、USENは、GyaOやギャガコミュニケーションズ等

コンテンツ事業に投資をしすぎたのではなかろうか。

コンテンツ事業は、そもそも何がヒットするのかわかりにくい

リスクが高い事業である。

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一方、日本におけるヤフーは、

ソフトバンクがネット及びモバイルにおける

ネットワークそのものの拡大を行ってきたために、

ヤフーはいまだ日本のネット・モバイルにおける最大の「ハブ」である。

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ネットワーク理論によれば、

ネットワークの大きい「ハブ」であればあるほど、

そこに情報・お金・人が極端に集まるようになるとのことだが、

今回のヤフーとGyaOの件についてもふまえると、

コンテンツビジネスというものも、

ネットワークのハブに集まるということではないか。

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だから、コンテンツビジネスで成功したいので

あれば、一つ一つのコンテンツの成否に汗を欠くよりも

まずはネットワークのハブとなることこそが

重要なのではなかろうか。

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初めにコンテンツありきではなく、初めにネットワークありきで

ないと、コンテンツビジネスも成功できない。



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はじめに参考記事↓

サイバーエージェント、著名人メディアに特化したマーケティング会社設立

http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20090415/192030/

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インターネットの普及により、

<A>マス広告でのアテンション⇒ネットへの誘導⇒自社サイトでの理解

というのが、プロモーションの王道になりつつある昨今。

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さらなるインターネットの日常化により、

<B>インフルエンサーとしての芸能人のBlogでのレコメンド⇒自社サイトでの理解

というプロモーションが今後、一つの方法として確立してくる

ということをこの記事は書いている。

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で、<A>のパターン、<B>のパターンの特徴は

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<A>

・より多くのターゲット層にリーチできる

Blog等をみていない人にもリーチ)

・広告枠が限られているので共感・理解させにくい

・結構なコストがかかる

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<B>

特定のBlogの読者であるため、限られたターゲットにしかリーチできない

既に読者として共感をしているため、説得・共感・理解させやすい

マス広告を使わないため値ごろ感あり?

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といったところか。

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ちなみに、Blogに限らず、インフルエンサーそのものを抱えてしまい、

PRに活用しているPR会社「サニーサイドアップ」みたいな会社も

近頃は成長し、昨年9月に大証に上場している。

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サニーサイドアップはサッカーの中田や水泳の北島などを

マネジメントし、中田は、東ハトのPR(CBO最高ブランド責任者という

執行役員の位置づけにした)にも活用されている。

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マスメディアの訴求パワーがどんどん弱まっていく中で、

こういったインフルエンサー戦略は今後も重要になってくるであろう。

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代理店のあり方においても、メディアをプランニング・仲介するだけでなく、

芸能人・専門家・研究者などのインフルエンサーを抱え、

仲介するといったあり方が、今後増えてくる可能性は高いのではないか。


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オグルヴィのサイトで、

“オグルヴィの提案 不況に立ち向かうために”というタイトルの

小冊子7冊シリーズがダウンロードできる。

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http://www.ogilvyonrecession.com/jp/

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不況時こそ、企業のブランドの存在感を

際立たせるチャンスであるという主旨のものである。

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(そりゃそうだけど、先立つものがなければ広告も

マーケティングもできないよぉと、つい言ってしまいたく

なるのはグッと我慢)

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この中に、2001年に行った調査をもとに、

不況時の消費者の志向性は4タイプに分かれると

記載されている。

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(1) 不況に強い人

購買行動は不況時にも変わらず、人生を大いに楽しむ

ことこそが重要なので、最高級品や最高級ブランドを

購入しつづける。

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(2)不況に弱い人

平常時に購入していたものを

不況時には買い控えるようになり、

より手頃な価格の商品やブランドを

購入するようになる。

しかし極端に安価な商品には

手を出さない。

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(3)安全性を求める人

平常時にも負債や支出を削減することに

つとめる。不況時にはさらに負債を減らし、

日常の支出を制約し、必要な商品の購入を

延期する。一方安心感を与えてくれる有名で

信頼できるブランドには惹かれる。

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(4)ソリューションを求める人

不況が深刻でも楽観的。

人生の目標は、経済的利益ではなく、

彼らが考える豊かな生活を

手に入れること。

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だそうだ。

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さて、ちょっと視点を変えて、

これを不況時における消費者ではなく

不況時における代理店市場のクライアントで

考えると、(1)なんてほとんどいないよなぁ。

少しでもそんなクライアントが自分のクライアントで

あればラッキーというレベル。

(3)はいるけど、そもそも売上を上げにくい

クライアントだから日常深く付き合っていない

可能性が強いクライアント。

(4)はオーナー社長系のビジョン志向の

強いクライアントか。

結局、株主の手前、ほとんどの企業が(2)だよな。

日常よりも不況時は値ごろ感やお得感を

求めるようになるよと。

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ということは、不況時は、マス広告よりも、

より費用対効果がよさそうに思えるコミュニケーション

ex.PR,SP系ネット系‥)を

クライアントは選ぶようになると

いう風潮になるではなかろうか。


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