本文献の参考になったポイントは以下のとおり
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・ROIは、分子(純利益)、分母(投資、純資産、あるいは使用資本)であるが、サービス産業においては、分母=従業員数が適切
⇒これに基づき、今後、主要代理店の数字を分析したい
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・分母縮小のリストラクチャリングは未来を展望しない。分母を大幅に削減するのみでは、「収穫戦略」と呼ばれ、無策と同等である。市場シェアと会社の未来を売り渡すだけである
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・リエンジニアリングでは追いつけても、先頭に立てない
⇒今日のアメリカと日本の自動車産業はいい例か。その反省をうけ、オバマアメリカは新規ビジネス領域創造のためのグリーンニューディールを掲げたのか。
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・「ビジョン」は、その意味に、一種の夢想や意外性の意味も内包しており、産業の「将来展望」に比べて、洞察力や明敏性を軽視しがち。
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・「将来展望」を描けるかとは、以下のことが描けるかということ。
現在どんな顧客を対象としているか?⇒将来どんな顧客を対象とするのか?
現在顧客にどんな流通経路で到達しているか?⇒将来顧客にどんな流通経路で到達するつもりか?
現在の競合企業は?⇒将来の競合企業は?
現在の競争優位の基盤は何か?⇒将来の競争優位の基盤は何になるか?
現在のマージンの源泉は?⇒将来のマージンの源泉は?
現在の特色はどのような技術や能力によっているか?⇒将来の特色はどのような技術や能力によると思われるか?
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最近は、外資系をはじめ、広告代理店でも、リストラや人員削減が話題となっている。現在の厳しい環境の中において、なんとか生き残るために、当然リストラについての議論はなされるだろう。
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しかしながらこの問題で難しいのは、そもそも広告代理店は自社で製品を製造するわけではなく、あくまで代理業であり、人員削減はシェア減少につながると同時に、仕入れにおけるスケールメリットの減少(フィービジネスの場合は当てはまらないが)にも繋がってしまうということであり、そのことは、淘汰の激しい業界において、結局は、長期的に生き残れなくなってしまうということに行き着いてしまう可能性もあるということである。