オグルヴィのサイトで、

“オグルヴィの提案 不況に立ち向かうために”というタイトルの

小冊子7冊シリーズがダウンロードできる。

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http://www.ogilvyonrecession.com/jp/

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不況時こそ、企業のブランドの存在感を

際立たせるチャンスであるという主旨のものである。

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(そりゃそうだけど、先立つものがなければ広告も

マーケティングもできないよぉと、つい言ってしまいたく

なるのはグッと我慢)

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この中に、2001年に行った調査をもとに、

不況時の消費者の志向性は4タイプに分かれると

記載されている。

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(1) 不況に強い人

購買行動は不況時にも変わらず、人生を大いに楽しむ

ことこそが重要なので、最高級品や最高級ブランドを

購入しつづける。

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(2)不況に弱い人

平常時に購入していたものを

不況時には買い控えるようになり、

より手頃な価格の商品やブランドを

購入するようになる。

しかし極端に安価な商品には

手を出さない。

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(3)安全性を求める人

平常時にも負債や支出を削減することに

つとめる。不況時にはさらに負債を減らし、

日常の支出を制約し、必要な商品の購入を

延期する。一方安心感を与えてくれる有名で

信頼できるブランドには惹かれる。

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(4)ソリューションを求める人

不況が深刻でも楽観的。

人生の目標は、経済的利益ではなく、

彼らが考える豊かな生活を

手に入れること。

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だそうだ。

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さて、ちょっと視点を変えて、

これを不況時における消費者ではなく

不況時における代理店市場のクライアントで

考えると、(1)なんてほとんどいないよなぁ。

少しでもそんなクライアントが自分のクライアントで

あればラッキーというレベル。

(3)はいるけど、そもそも売上を上げにくい

クライアントだから日常深く付き合っていない

可能性が強いクライアント。

(4)はオーナー社長系のビジョン志向の

強いクライアントか。

結局、株主の手前、ほとんどの企業が(2)だよな。

日常よりも不況時は値ごろ感やお得感を

求めるようになるよと。

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ということは、不況時は、マス広告よりも、

より費用対効果がよさそうに思えるコミュニケーション

ex.PR,SP系ネット系‥)を

クライアントは選ぶようになると

いう風潮になるではなかろうか。


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