創業時の自己資金の重要性
今日、相談に見えたOさん、会社設立の相談に来られたというより、
融資の相談に見えたのです。
Oさんは、日本政策金融公庫に融資の相談に行ったらしい。
その時、自己資金がないから融資を受けたいといって、
融資を断られたということです。
「創業融資」の場合、自己資金は大変重要です。
これから起業される方、起業されて数年以内で、
「創業融資」を借りようという事業者の方は、
この自己資金がとても重要なポイントになります。
自己資金ですが、いうまでもなく
「自分がコツコツ貯めてきたものであること」であることが重要で、
それらは時に通帳で確認されますこともあります。
他人から「見せ金的に」資金提供を受けても、
日本政策金融公庫や保証協会が自己資金と認めてくれる保証はありません。
特に近年、公庫や保証協会の対応は、かなり厳しくなっています!
自己資金なしでは、正に他人のふんどしで相撲を取るようなもの。
公庫や保証協会もやすやすと融資に応じるわけには行かないのです。
人は自分の資金を投入してこそ、事業の行く末を真剣に考えるものです。
そういう考え方が公庫や保証協会の考え方の根底にあるのでしょう。
しかし、開業後になると、またニュアンスが多少違います。
例えば、ある自治体の制度融資の創業枠が、「3年以内」だとします。
創業して6ヶ月後と創業して2年6ヶ月が経過している事業者では、
やはり、その判断が異なるでしょう。
開業して6ヶ月たっても、創業当時の自己資金の
状況を詳しく質問されることは多々あります。
2年6ヶ月経過して、実績を出している事業者であれば、
決算が2期分あるわけですし、同じ、創業枠だとしても、
起業後6ヶ月の事業者とは、やはり違いますよね・・・。
2年6ヶ月事業を行ってきたという重みがあるのです。
会社設立後、役員報酬をどう決めればいい
会社設立後、遅くとも3ヶ月以内に役員報酬の支払いをしなければならない、
というのが税法のルールです。
先日、株式会社を設立されたLさんから、こんなメールが来ました。
>今年度の役員報酬を決めなければならない件
>私の報酬〇〇万/月・妻の報酬〇万/月とするつもりですが
>決定した金額はどこかに届けを出すのでしょうか?
>税務署から源泉徴収税の書類が届いていますが
>どうすればよいでしょうか。
以上がメールに内容です。
会社が役員や従業員にいくらの給料を支払うかは、会社が自由に決まられます。
また、決定した給料の金額を、税務上はどこにも報告する義務はありません。
ただし、社会保険に加入されるのであれば、
加入の際に標準報酬月額を届け出る必要があります。
次に、税務署から源泉所得税の納付書は、
「給与支払事務所の開設届」を出せば直ぐに税務署から送られてきます。
さらに、「源泉所得税納付の納期の特例」申請を出せば、
年2回(1-6月分を7月、7-12月分を1月に納付)の納付でよいことになります。
Lさんが「源泉徴収税の書類」といっているのは、源泉所得税の納付書のことです。
これは、源泉所得税を納付する時に使いますので、
それまで会社に保管しておく必要があります。
それでは、本題の役員報酬をどう決めるかですが、
これは、先ほどの「納期の特例」を利用すれば、
最初の納付の時期まで、決定を先延ばしできます。
例えば、5月に会社を設立するとします。
この場合、役員報酬は遅くとも3ヶ月内の7月には支払わなければなりません。
7月に支払った役員報酬に対する源泉所得税の納付は来年1月です。
つまり、来年1月に源泉所得税を支払いときに役員報酬を遡って決めれば問題ありません。
会社設立直後から、会社の業績予想がつくとのは中々ないことです。
ところが、このようにすれば、12月までの実績から役員報酬を決めることができるのです。
役員報酬の決定を間違えば、会社に多額の利益が発生してしまいます。
それを回避するためにも、役員報酬の決定が遅ければ遅いほど精度は上がります。
ただし、3・4月に会社を設立すると、
7月には最初の源泉所得税の納付がやってきますので、
役員報酬はそれまで決定しなければならなくなり、
数ヶ月の実績で役員報酬を決めなければならなくなります。
会社の設立月を、何月にするかを決める一つのポイントと言えるかもしれません。
ただし、注意することが2点あります。
1.役員報酬は銀行振り込みとせず、現金支給とすること。
銀行振込みでは、役員報酬がいくらか、通帳に明示されてしまうため、
変更ができません。
2.社会保険に加入する場合には、加入時に役員報酬を決める必要があります。
したがって、役員報酬の変更もできなくなります。
合同会社を株式会社に組織変更する
1年前に合同会社を設立した人から株式会社への組織変更を依頼されました。
やはり、合同会社では肩身が狭かったようです。
「合同会社」から「株式会社」への組織変更は、最初から「株式会社」を設立するのと、
トータルのコストではあまり変わりません。
株式会社設立の費用が、定款認証・登録免許税で20万円2千円位です。
合同会社は設立に6万円の登録免許税が掛かります。
これを、株式会社に組織変更する場合、
合同会社の解散登記に3万円、株式会社の設立登記に3万円、合計6万円掛かります。
これだと、いきなり株式会社を作るよりも、
いったん合同会社を設立して、それから株式会社を設立する方が安いことになりますが、
それ以外に、合同会社を株式会社に変更するについて「官報」に公告を掲載する
必要があります。その費用が3万円強位ですので、
トータルではあまり変わりません。
もちろん、公証人による定款の認証はありませんから、認証費用は要りません。
しかし、官報に公告を掲載するのは結構日にちが掛かります。
実は、それ以外に知れたる債権者には個別に通知を出さないといけないことになっていますが、
実際はそんなことしなくても、登記上したことに書類を整えればOKです。
ただし、株式会社設立登記よりも、多くの書類を作成する必要があります。
外国会社の日本営業所の閉鎖登記
株式会社の設立と、今ある外国会社の支店の閉鎖登記をしています。
株式会社や有限会社の資本金規制があるころ、外国会社を設立し、
日本に支店登記をするのが流行りました。
今では、株式会社の資本金規制(株式会社1千万円、有限会社3百万円)もなくなり、
会社設立が簡単便利になったのは皆さんご存知のとおりです。
では、その当時、外国会社の日本支店を設立し営業を開始した方がは、
現在も日本支店で営業されているのかは、私もよく知りません。
私どもの関与先で、現在唯一あった日本支店も、
新たに株式会社を設立し、日本支店の業務を株式会社に引き継ぎ、
清算することになりました。
やはり、日本法人でないことによる営業上のハンデがあったようです。
特に、大企業ほどそのような偏見(?)は強いようです。
このままでは、将来発展の妨げになると判断して、
今回の決断に至ったようです。
こういう場合、まず受け皿トンなる株式会社を設立しなければなりません。
それから、日本支店の閉鎖登記と進めていくことになります。
皆さんは自分の会社を清算する前提で、会社設立されることはないですよね。
そのため、解散・清算登記の手続きについては、あまりご存じないと思いますけれども、
それなりに大変であります。
現在、外国会社の日本支店の閉鎖手続を行なっていますが、
外国法人の日本支店の閉鎖登記の手続きですと、
外国法人だけにもっと大変なのです。
この会社はアメリカに本社を置く会社ですから、基本的な書類は当然「英語」です。
閉鎖の登記をするには、アメリカ大使館でサインしてもらった宣誓供述書
を添付しなければならないからです。
当然宣誓供述書の文面はこちらで作成しなければなりません。
それと、かつては総領事館でもサインしてもらえたのですが、
今は東京の大使館でしかサインしてもらえません。
昨日今日と2日間、税務調査に立会ました。
今日は会社設立の話ではなく、税務調査の話です。
会社を設立すると、税務調査のことを考えておく必要があります。
まずは、個人事業主が会社を設立すると、最終の個人の確定申告について、
税務調査が入ることがよくあります。
それは、会社を設立するのは一般的に節税目的であることが多いからです。
税務署からすれば、「儲かっているのかな」ということなのでしょう。
その際、税務調査でよく指摘されるが、
個人から法人への事業資産の引継ぎの問題です。
個人から法人への事業資産を引継ぐということは、税務上「資産の譲渡」になります。
ということは、このお取引には消費税が掛かるのです。
個人事業主が消費税の納税義務者であれば、事業資産の譲渡にも消費税が掛かり、
消費税を納めなければならないのです。
これを、忘れる人が結構います。
そのため、私の方でも忘れないように、顧問先には注意を喚起しています。
それから、これは特殊なケースですが、設立したばかりの会社に税務調査があった
ケースもあります。
その会社は、輸出企業です。輸出のみの企業の場合、必ず消費税の還付が発生します。
したがって、通常、輸出企業は3ヶ月ごとに消費税の還付申告書を提出します。
仕入等に掛かる消費税をできるだけ早く返してもらうためです。
この会社が、初めて消費税還付申告書を提出したら、すぐに税務調査に来たのです。
もちろん、会社は一度も決算していません。
消費税が還付される企業に、定期的に税務調査があるのは当たり前ですが、
初めての消費税申告で調査があったのは、さすがに驚きました。
会社の事業目的はかなり記載要件が緩和されたといっても
今日、会社設立の相談に来られた方は、自分で事業目的もしっかりまとめていらっしゃいました。
その中に「経営資源の可視化に関するコンサルティング」という表現がありました。
新会社法施行以前は、会社の目的の記載はかなり厳格性を要求されました。
そのため、私は、従来から「商都大阪の会社の目的適格事例集検索システム」と
いうソフトと使っていました。今も使っています。
できるだけ、ここに記載されたものをそのまま、又はアレンジして使うようにしていました。
そうしないと、登記できないことになる恐れがあったからです。
法務局は、先例主義といって、先例のない事業目的の記載については慎重だったのです。
それでも、はっきりしないケースは法務局に相談の上、確認していました。
新会社法施行以後は、会社の事業目的の記載要件はかなり緩和されました。
それでも、「経営資源の可視化」という表現が使用可能とは思えませんでした。
そういう時は法務局に必ず確認するのが無難です。
法務局の担当者によると、登記可能かどうかの基本的な判断基準は、
その言葉の意味するところが誰でも同じかどうかということです。
つまり、その言葉から連想するところが、皆さん同じかどうかということです。
その基準からすると、「経営の可視化」という表現は、使わない方がよいというものでした。
結局、「経営管理システム及び情報システムに関するコンサルティング」という
表現に変更しました。
みんなが分かることが大切で、
例えば「オープンシステム」という表現は同じく不可ということになります。
借入金の返済原資は利益ですよ
借入金を借りれば返済しなければなりません。返済原資は利益ということになります。
でも会社設立当初から利益が順調に上がるとは限りません。
借入金の返済原資は、売上から仕入、経費などを差し引いた利益から生じるお金
であるのは言うまでもありません。
金融融機関は、融資申込人が融資を遅延なく返済できるかどうかを
融資申込書に添付される事業計画書などを分析して検討します。
創業融資の場合、まだ会社設立間もないですから、まったく実績がありません。
創業融資の場合は、決算書や試算表はまだないですから、
売上予定表や資金繰り予定表などの事業計画書予想を提出します。
当然申込人本人の人間性なども判断材料になります。
借入金の返済は、最終的な利益として残ったお金から返済に充てますので、
最終の利益が出せないようですと、返済する為のお金が作れないということになり、
返済できる見込みが無いとして、金融機関はその会社に融資をすることを危険と判断します。
そうならないためにも、
実際と大きく違う計画書を作成することはできませんが、創業融資申込みの際は、
しっかりと、事業として利益を出すことができ、その利益からきちんと返済が
出来ることをアピールできる書類に仕上げることが大事です。
とは言っても、創業してすぐに返済にまわすほど十分な利益が上げられないことも、
多いもの現実です。返済どころか自分の給料も出ないこともあるでしょう。
日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)もその辺は、ちゃんと分かってくれています。
創業資金には、返済の「据置期間」と言うものがあり、
当初6ヶ月までは、利息の支払のみで、その間、元金の返済はしないでもよいと
いう制度があります。
この「据置期間」を活用すれば、最初の6ヶ月間は利息だけ払い、
事業を軌道に乗せ、資金繰りを安定させ、7ヶ月目からしっかりと返済が出来る
ようにと計画を立てるもできます。
ただし、「据置期間」を利用すれば、当初の支払いは少なくなりますが、
「据置期間」経過後の支払額は、「据置期間」がない場合より多くなりますので、
注意が必要です。
これは、キャッシュフローを考えると、とてもうれしい措置です。
自分の計画を確認し、据置期間の活用も考えてみるといいですよ。
サラリーマンで副業で起業する人は意外と多い
サラリーマンが会社を設立して、副業で起業したという相談がありました。
サラリーマンが副業で企業するときの留意点は・・・・
サラリーマンが会社を興して起業したいという相談は結構あります。
もちろん、実際に起業して、私どもの事務所のお客様になった方も多いです。
今回の相談者は「化粧品の製造販売」を始めたいということで相談に来られました。
サラリーマンが会社を興す際に、留意しなければならないことは次のようなことです。
会社(本業)の業務と抵触する事業を内容とする場合は細心の注意が必要です。
これは、明らかに就業規則違反です。
中には、会社(本業)の会社から仕入れてネットで売っているツワモノもいらっしゃいます。
反対に、会社に副業がばれて、査問委員会にかけられた方もいらっしゃいました。
その時は、幸いなことに、会社を清算することで、注意処分で終りましたが。
それを考えると、会社の「代表取締役」を誰にするかということは重要です。
会社の登記簿には、代表取締役の住所氏名が記載されます。
本人が代表取締役で問題ない場合は別にして、
「奥さん」「お父さん」などの関係者を代表取締役にして、
自分は取締役になるか、あるいは、
取締役に就任しないを選択するしかありません。
大半の方は、自分の関係者を代表取締役にされますが、
中には自分が堂々と代表取締役に就任する方もいます。
次に、会社が儲かってくると誰かが給料を取らなければ、会社に利益が発生しますので、
法人税が掛かってきます。
誰が給料を取るかが問題になります。
私は本人が給料を取ることは決して勧めません。
住民税の通知が会社(本業)に行くとバレル恐れがあるからです。
通常は「奥さん」などを代表取締役にして、奥さんに役員報酬を支払うのが一般的です。
もちろん、ちゃんと給料を取って、会社(本業)の給料と合算して
確定申告している方もいらっしゃいます。
給料を取る人が誰もいなければ、どうしょうもないので、
その時は会社で法人税を支払うしかありません。
それでも、7割は税引き後利益として残りますから。
「中小企業倒産防止共済制度」は節税商品にいつからなったの
会社設立後、経営が軌道に乗ると、皆さん節税と老後の蓄えを意識し始められます。
今日届いた中小企業基盤整備機構のマルマガを見ていると、「中小企業倒産防止共済」は、
まるで「節税中心の商品」になったようです。
「中小企業倒産防止共済制度」とは、
1年以上事業を行っている中小企業が、
5,000円から80,000円までの範囲で毎月掛金を賭け(総額320万円まで)、
掛金は、税法上損金(法人)または必要経費(個人)に算入できるというものです。
制度の本来の目的は、
加入後6か月以上経過して、取引先事業者が倒産し、
売掛金債権等について回収が困難となった場合、
掛金総額の10倍に相当する額か、
回収が困難となった売掛金債権等の額のいずれか少ない額まで貸付を受けられる。
(一共済契約者当たりの貸付残高が3,200万円を超えない範囲)
というものです。
なお、貸付期間は5年(据置期間6か月を含む)の毎月均等償還です。
さらに、貸付は無担保・無保証人・無利子です。
(但し、貸付けを受けた共済金額の1/10に相当する額は、掛金総額から控除されます)。
また、加入者は取引先事業者に倒産の事態が生じない場合でも、
解約手当金の範囲内で臨時に必要な事業資金の貸付けが受けられるという
まさに、融資制度であったはずです。少なくとも私はそのように理解していました。
ところが、今日届いたメルマガを見てびっくり。
まるで、節税商品であるかのようなPRの仕方なのです。
いわく、【解約した場合】
貸付けを受けなければ、納付金額について掛金納付月数が12ヶ月以上であれば80%、
40ヶ月以上であれば100%返還されるので、経営の幅が広がります。
⇒解約手当金は、
◎ 会社等の法人の場合:益金に
◎ 個人事業の場合:事業所得の雑収入に
それぞれ算入します。
節税しながら強固な経営基盤の確保!!ときた。
昨今の税制改正で、逓増定期保険の全額損金をできなくして
(つまり、1/2は資産計上しなければならなくなった)
節税を封じておいて、一方、国の機関には「節税商品」を標榜させる。
これって、俗に言う「官の焼け太り」というやつじゃないでしょうか。
電子定款作成とオンライン申請の流れ
会社設立の際必要になる電子定款の作成方法とオンライン申請の流れについて解説します。
電子定款の作成手順
1.Word等での文章作成ソフトで、定款のDraftを作成する。
ただし、電子定款の場合、定款の作成者は「行政書士」となります。
2.公証人に定款の内容が問題ないかチェックしてもらう。
3.AdobeAcrobat(Professional)で、定款のPDFファイルを作成する。
私は、現在もAdobeAcrobat6.0(Professional)を使用しています。
4.PDFファイルに電子署名をする。
私は、日本認証サービス株式会社の電子証明書ファイルを今も使っています。
5.電子定款が作成できるとオンライン申請を行います。
法務省オンラインシステムにログインします。
ログイン後は、まず、定款認証を受ける公証人を指名します。
当然定款のチェックをしてもらった公証人となります。
PDFファイル化された電子定款を添付ファイルとして添付してます。
オンライン送信します。
6.公証人のところへ出向き、認証済みの電子定款(フロッピーディスクでもらう)をもらいます。
この際、謄本を2通もらいます。1通は会社保存用、もう1通は登記申請に使います。
そう言えば、定款の提出を要求されて、謄本原本を提出してしまい、会社に謄本がなくなってしまった
お客さんがいました。謄本は必ずコピーを取ってもらい、謄本原本は必ず返してもらってください。