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[嗅覚の障害、5年後までの死亡予測可能と判明、
                     死亡率は正常者の3~4倍に]

(Medエッジ  2014年10月23日)


<背景には、細胞の再生能力や環境の悪化を反映している可能性>
香りをにおう能力である「嗅覚」に障害があると、死亡する確率が高まると、
あらかじめ予測できると分かった。

米国イリノイ州シカゴ大学を中心として研究グループは、国際的なオンライン
科学誌であるプロスワン(PLos ONE)誌で2014年10月1日に報告した。



<5年以内の死亡率高く>
死亡率の予測では、まずは病気や体力の低下が注目されるが、実は先行的に
感覚や機能の低下が予兆になっている場合があると見られていた。


このたび研究グループは、感覚や機能から死亡を予測できるような指標「
バイオマーカー」の候補として嗅覚に着目し、その機能不全が5年間の
死亡率と関係があるかを検証した。

米国の典型的な在宅で過ごしている高齢者およそ3000人を対象として、
2005年から2006年ににおいの能力について調査し、2010年から2011年に
死亡率について判定した。

その結果、においの能力がなくなっていると判断できた高齢者の5年死亡率は
正常の嗅覚を持つ人と比べると、概ね3~4倍高いと分かった。
他の既知の要因で見るよりも正しく死亡率を予測できると分かった。


研究グループによると、においを感じる能力は、細胞の再生が遅れていたり、
累積的に毒性のある物質に囲まれていることの指標になっている可能性がある
ようだ。



加齢プロセスの基礎的メカニズムを正確に把握するための手がかりになり
そうだ。

 



http://www.mededge.jp/b/heal/3545

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[虫歯の原因菌を破壊、鉛筆しんの原料から作る「酸化グラフェン」
                       歯の治療に有効な可能性]

(Medエッジ  2015年4月27日)


鉛筆しんの原料になるグラファイトから作られる「酸化グラフェン」に虫歯の
原因菌を破壊する力があるという。
虫歯の治療に応用できるかもしれない。



<薬物耐性の発生>
中国の上海交通大学医学院を含む研究グループが、米国化学会(ACS)が
発行する先進材料分野の専門誌ACSアプライド・マテリアルズ&インター
フェーシズ2015年3月号で報告した。


口中の特定の細菌が過剰に増殖して起こる歯の病気は大きな問題。
虫歯や歯茎の病気をもたらす細菌を除去するために抗菌薬は有効になり得る
ものの、薬が効かない細菌が問題になる。


新たなアプローチとして、以前の諸研究で、グラファイトを酸化して水に
溶かすと、ほ乳動物の細胞を傷つけずに一部の細菌の増殖を抑制できると
判明している。

研究グループは、虫歯や歯茎の病気をもたらす3種類の細菌にこの物質を
用いて効果を調べた。



<細胞壁と膜を破壊した>
その結果、細菌のコロニー数計測やレーザー走査顕微鏡などにより、酸化
グラフェンが細菌の増殖を抑制すると確認された。

電子顕微鏡で観察すると、酸化グラフェンが細菌の細胞壁と細胞膜を破壊して
いた。

「酸化グラフェンは歯の細菌に対して有効で、治療への利用が期待できる」と
研究グループは指摘する。



グラフェンにはがんを抑える効果も報告されている。
虫歯予防の新しい方法に登場してくるかもしれない。






http://www.mededge.jp/a/eeee/12214
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[睡眠時呼吸障害があると、認知機能が低下しやすく、治療すれば改善]

(Medエッジ  2015年4月27日)


<米国の55歳から90歳の男女を対象に検証>
睡眠時呼吸障害があると、ない人より軽度認知障害やアルツハイマー病の
発症が早くなるようだ。

治療すれば改善するので早めに知っておきたい。

米国ニューヨーク大学医科大学院を含むアドニ(アルツハイマー病脳画像
先導的研究、ADNI)研究グループが、米国神経学会(AAN)の機関誌
ニューロロジーのオンライン版で2015年4月15日に報告した。



<男性の半数で障害>
研究グループによると、年齢を増すと激しいいびきや睡眠時無呼吸症候群
などの呼吸障害が多くなる傾向がある。
男性の約半数、女性の約4分の1で見られている。


研究グループは、アルツハイマー病の発症の背景を調べる研究の参加者である
2500人近くを対象として、未治療の睡眠時呼吸障害を持つ人と持たない人、
睡眠時呼吸障害を治療した人としなかった人で、軽度認知障害とアルツ
ハイマー病の発症を比較した。



<「CPAP治療」が効果>
その結果、睡眠時呼吸障害のある人は、ない人より平均して10年近く早く
軽度認知障害と診断されていた。

この研究期間中に軽度認知障害またはアルツハイマー病と診断された人の中
では、睡眠時呼吸障害のある人は平均77歳で軽度認知障害を発症したが、
ない人は平均90歳だった。
アルツハイマー病の発症も、睡眠時呼吸障害のある人は平均83歳、ない人は
平均88歳と、5年早かった。

CPAP(持続気道陽圧;鼻に装着したマスクから空気を送りこんで、気道に
圧力をかける方法)により睡眠時呼吸障害を治療した人は、しなかった人より
軽度認知障害と診断されるのがおよそ10年遅くなり、改善が確認できた。




睡眠時呼吸障害を治療した人は、軽度認知障害と診断された時期が睡眠時
呼吸障害のない人とほぼ同様だったことを考えると、治療をすると、記憶や
思考障害を予防、遅延できそうだ。

いびきを指摘されるような人は注意しておくと良さそうだ。





http://www.mededge.jp/a/psyc/12221



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[コレステロール薬「スタチン」飲むと、糖尿病1.5倍に増加、
                       フィンランドの研究報告]

(Medエッジ  2015年5月2日)


<年齢、BMI、運動、喫煙などの条件で調整して関連を確認>
コレステロールの薬として幅広く飲まれている薬「スタチン」を飲むと、
糖尿病になるリスクが1.5倍近くに高まるという結果が出ている。

フィンランドの研究グループが、糖尿病の専門誌であるダイアベトロジア誌
2015年5月号で報告した。



<もともと関係には指摘あり>
スタチンは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールを下げるために
使われる薬。

研究グループによると、これまでも糖尿病発症リスクの上昇はスタチン服用と
関係があるという指摘があった。
指摘の内容としては、心臓や血管の病気のリスクの高い人を対象として調べて
糖尿病が増えたというもの、あるいは自己報告による糖尿病が増えた、空腹の
ときの血糖値が高まったといったものだった。

「糖尿病になった人を確実にとらえきれていない可能性があり、過小評価が
生じているかもしれない」と説明している。


今回の研究は、8749人の糖尿病でない45~73歳の男性を対象として、
メタボリックシンドロームの発症について6年間追跡調査したもの。

2型糖尿病のリスクと血糖値コントロールの低下とスタチンと関係についても
検証している。



<血糖値の下がりやすさに影響>
結果として、対象者のうち新たに糖尿病と診断されたのは625人だった。

スタチン服用者は服用していない人に比べ、糖尿病発症の可能性が46%高く
なっていた。

スタチンを服用すると、食後2時間の血糖値、空腹時の血糖値の実測値の
平均が上昇していた。
統計学的に分析したところ、意味のある差であると判定できた。

血糖値の下がりやすさ「インスリン感受性」は24%低下し、インスリン分泌に
ついては12%低下していた。


研究グループは、スタチンを飲むと糖尿病のリスクが高まる結果について、
インスリン感受性とインスリン分泌が低下するためと指摘している。



脂質異常症でスタチンを飲む人は日本にも多く、気をつけると良いかも
しれない。





http://www.mededge.jp/a/hcgo/12461




 

 

 

 

 

 

 

 

 

[脳の萎縮速度を4割も落とす2条件、
          魚の油に豊富な「オメガ3脂肪酸」と「ビタミンB」]

(Medエッジ  2015年5月14日)


<オメガ3血中濃度が低いと効果出ない>
脳委縮の速度を4割も落とす2つの条件が分かった。

英オックスフォード大学のフレドリク・ジェルネレン氏らの研究グループが、
栄養学の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリ
ション誌で2015年4月15日に報告している。



<70歳以上168人を対象に検証>
研究グループによると、認知機能障害があり、特に後にアルツハイマー病を
発症する人は脳萎縮率が高い。

オメガ3脂肪酸とホモシステインは、脳萎縮と認知症に関連している。


研究グループは、オメガ3脂肪酸の水準が変わると、ビタミンBが脳萎縮率に
及ぼす効果が変わるかを検証した。

軽度認知機能障害のある70歳以上の168人を対象として、高用量ビタミンBの
サプリメント(1日当たりの葉酸が0.8mg、ビタミンB6が20mg、ビタミン
B12が0.5mg)を毎日飲むグループとニセ薬を飲むグループに分けた。
試験開始時と2年後に、MRIで脳萎縮を評価した。

調査開始時のオメガ3脂肪酸の血中濃度によって分析された。



<オメガ3脂肪酸も重要>
脳萎縮率では、ビタミンBと血中オメガ脂肪酸値に関連が認められた。

調査開始時に血中オメガ脂肪酸値が高かった場合、ビタミンBを投与した
グループではニセ薬のグループと比べて、脳萎縮の速度が40%抑えられて
いた。

血中オメガ脂肪酸値が低かった場合、ビタミンBによる影響は見られ
なかった。



脳萎縮を抑えるには両者が必要。防ぐ方法として有望で、すぐにでも
取り入れると良さそうだ。





http://www.mededge.jp/a/psyc/12963

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[尋常性白斑]

(Wikipedia)


尋常性白斑は、皮膚色素をつくる部位の損失を不規則に引き起こす、慢性的な
皮膚疾患である。
後天性疾患であるが、環境的要因で稀に生じる可能性がある。


マイケル・ジャクソンもこの病気を患っており、長らく偏見報道に悩まされて
いた。
皮肉にも彼の病が公的に証明されたのは死後の司法解剖であった。



<原因>
原因は不明な部分が多い。
研究の結果、遺伝、自己免疫疾患、環境要因の組み合わせにより引き起こ
されると示唆されている。
皮膚の色を構成するメラニンを生成するメラノサイトが消失、あるいは
機能停止しているとも示唆されている。


2010年の調査の結果、日本国の疾患発生率は1.68%であった。
アメリカ合衆国の疾患発生率は1%〜2%と考えられており、全世界では
0.5〜1%が罹患しているといわれている。

20〜30%の尋常性白斑患者で家系内発症がみられる。






 

 

 

 

 

[「白斑」では円形脱毛症が30倍、ギラン・バレー症候群が137倍、
                      皮膚だけの問題ではない]

(Medエッジ  2015年4月20日)


<自己免疫疾患と関連も>
肌の色が抜ける「白斑」は単に皮膚だけの問題ではなく、背景に別の問題が
隠れていることもあるようだ。

米国デトロイトの皮膚科専門医がサンフランシスコで開催された第73回
米国皮膚病学会で発表。
米国皮膚病学会が2015年3月20日に紹介した。



<白斑の症状と影響>
研究グループによると、白斑は、組織の色が失われる病気という。
皮膚に限らず起こることもあるが、皮膚に生じることが多い。
皮膚のほかには、髪や目、口の中に現れる場合もある。

色が薄くなり、白い斑点が生じるのが特徴的だ。
色が失われる程度については、人によってさまざまとなっている。

白斑は男女によらず起こるもので、肌の色を問わずに等しく生じてくる。
多くの場合、21歳よりも前に起きることが多く、基本的に生涯にわたって
付き合うのが一般的という。

研究グループは、このたびこの白斑の人の中で、ごく一部ではあるものの、
皮膚のかゆみや痛みを感じる人がいる点に注意したいと指摘。
心理的な問題にも目を向けたいという。
自尊心の低下や抑うつなど、問題になり得るからだ。

もっとも、多くの場合、皮膚の色が薄くなるだけでほかの症状はないと説明
する。



<別の病気が著しく多い>
研究グループは、白斑の他の身体的症状との関連を調査している。

10年間の白斑についてのデータを分析した結果、1098人の白斑の人の
ほぼ20%が少なくとも1つの自己免疫疾患を抱えていると分かった。

これまでにも白斑と甲状腺疾患や円形脱毛との関連が指摘されていた。

さらに、今回の調査では、白斑でない人と比較して、白斑の人では甲状腺
疾患が15倍、円形脱毛は30倍多いと分かった。

これまで少数の人にのみ生じると考えられていた、線状限局性強皮症
(182倍)やギラン・バレー症候群(137倍)、重症筋無力症(36倍)などの
疾患が、実際には白斑の人では一般的であるとも明らかになった。

そのほか、紅斑性狼瘡、炎症性大腸炎、シェーグレン症候群なども、白斑の
人では発症率が高いことが明らかになった。



あまり目がいかないところかもしれない。
注意したい。




http://www.mededge.jp/a/drge/11851

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[コンタクトレンズを着ける人、目の表面の細菌が肌に近い]

(Medエッジ  2015年6月11日)


<角膜がえぐれる原因に?>
コンタクトレンズを着けている人では目の細菌が肌に近くなると分かった。

米ニューヨーク大学ランゴン・メディカルセンターのドミンゲス・ベロ氏らの
研究グループが、米国微生物学会の年次集会において2015年5月31日に報告
している。



<着けていない人と差>
研究グループは、コンタクトレンズを着けている9人、コンタクトレンズを
着けていない11人を対象として、目のさまざまな部分から何百ものサンプルを
取って遺伝子を分析している。

コンタクトレンズを着けている人の結膜では5245の細菌の仲間が特定され、
コンタクトレンズを着けていない人の結膜では5592だった。

コンタクトレンズを着けている人の細菌のうち2133は目のそばの肌の細菌と
同じだった。
一方、3849はコンタクトレンズを着けていない人と同じだった。

コンタクトレンズを着けている人の目の微生物の集まりは、目以外の皮膚と
似ているという結果になった。

コンタクトレンズを付けている人はいくつかの細菌の比率が3倍高くなって
いた。
「メチロバクテリウム」「乳酸桿菌」「アシネトバクター」「シュウドモナス
菌類」という細菌だ。

一方で、目の感染症につながるブドウ球菌は、意外にコンタクトレンズを
着けていない人で多くなっていた。



<手をきれいに>
1970年代にソフトコンタクトレンズが採用されて以来、目の表面「角膜」が
えぐれる潰瘍になる人が増えている。

研究グループによると、一般的な病原体として関与しているのはシュウド
モナス菌類という。

研究グループは「コンタクトレンズを着けている人ではまぶたや手の衛生
管理にもっと注目するとよいだろう」と指摘している。


手をきれいに。
気をつけると良いのだろう。




http://www.mededge.jp/a/drge/14277

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[殺虫剤2種、脳発達を阻害する可能性 EU報告]

(AFP=時事  2013年12月18日)

【AFP=時事】
欧州連合(EU)は17日、広く使用されている2種類の殺虫剤が脳の発達を
阻害し、人間の健康に危険を及ぼす恐れがあるとの警告を発した。

うち1種については、壊滅的なミツバチの個体数減少に関連していると
みられている。


EUの専門機関「欧州食品安全機関(EFSA)」によると、ネオニコチノイド系
殺虫剤の「アセタミプリド」と「イミダクロプリド」は「人間の発達中の
神経系統に影響を及ぼす可能性がある」という。
ネオニコチノイド系殺虫剤をめぐるこのような関連性が指摘されるのは今回が
初めて。

EUは今年初め、ミツバチ個体数の劇的な減少の原因となっており、食用
作物の受粉を脅かしているという懸念から同系殺虫剤3種の使用を禁止した。

EFSAの専門家らは「許容されるばく露について指針水準の一部を引き下げる
と共に、発達神経毒性(DNT)に関する信頼性の高いデータを提供するために
さらに研究を重ねたい」とている。


今回の研究結果は「アセタミプリドとイミダクロプリドが人間の発達中の
神経系統、特に脳に損傷を与える可能性」に関する最近の研究と既存の
データに基づくものだ。

EFSAは声明で、この2種の殺虫剤が「学習や記憶などの機能に関連する
ニューロン(神経細胞)と脳の構造の発達に悪影響を及ぼす恐れがある」
ことを今回の研究は示唆していると指摘している。

EFSAはまた、「許容されるばく露に関する現在の指針の一部は、発達神経
毒性を防ぐための十分な保護策にはならない可能性があるため、引き下げる
べきとの結論に達した」とも述べた。


EUの行政執行機関の欧州委員会は今回のEFSAの研究結果に注目しており、
イミダクロプリド製造元のドイツ製薬大手バイエルとアセタミプリドの日本
曹達株式会社に伝えてコメントを求める意向を示している。
同委員会の広報担当者は「原則として、次の段階は基準値の修正になる
だろう」とコメントした。


欧州と米国では、蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれる正体不明の疫病が
原因で、ハチの個体数が近年激減している。
これにより作物の受粉、ひいては食糧生産が危機的状況に陥る恐れがあるとの
懸念が高まっている。






http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131218-00000004-jij_afp-int

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[妊娠時の殺虫剤暴露量と子どものIQに関連性、米研究]

(2011年4月22日)

発信地:ワシントンD.C./米国

【4月22日 AFP】
妊婦の殺虫剤暴露量の多さと生まれてくる子どもの知能指数(IQ)の低さの
関連性を示した3本の論文が、21日の米医学誌「Environmental Health
Perspectives」に掲載された。


3本の研究はいずれも、果物や野菜の栽培で一般的に使用される有機リン系
殺虫剤に的を絞り、妊婦の暴露量とその子ども約1,000人のIQを最大9歳
まで、ほぼ10年にわたり追跡調査した。


まず、米カリフォルニア州北部の農場地帯サリナスで392人の子どもを対象に
行われた調査では、妊婦から検出された有機リン系殺虫剤の量が10倍増える
ごとに、7歳児のIQが5.5ずつ下がっていた。
この結果は、教育、世帯収入、その他の環境汚染物質の暴露量などを加味した
場合も変わらなかった。


次に、ニューヨークのマウントシナイ病院が妊婦400人とその子どもを対象に
1998年から行った調査では、有機リン系殺虫剤への暴露が、6~9歳時の
知覚・思考能力と非言語的な問題解決能力にマイナスの影響を与えることが
分かった。
なお、妊婦の約3人に1人が有機リン系殺虫剤の代謝を鈍らせる遺伝子変異を
持っており、マイナスの影響が認められたのはこうした母親の子どもに
限られていた。


最後に、ニューヨークのコロンビア大は特に、ゴキブリやシロアリの駆除に
広く使われていたクロルピリホスに着目し、子ども265人で調査を行った。
なお家庭用のクロルピリホスは米国では2001年に使用が禁止されている
ため、それ以前に生まれた子どもを対象にした。
その結果、妊婦の暴露量が多いほど、その子どものIQおよび記憶力が
低かった。
暴露量が上位25%内に入っている妊婦の子どもでは、それ以下の妊婦の子ども
よりも作業記憶が5.5%、IQが2.7ポイントそれぞれ低かった。


カリフォルニアでの研究を主導したマーリス・ブシャール氏は、「3つの
調査は別々に実施されたものではあるが、似たような結果が出たことは
(有機リン系殺虫剤の使用に関して)いっそうの注意を喚起することになる」
と話している。
 





http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2796623/7119938