[睡眠時呼吸障害があると、認知機能が低下しやすく、治療すれば改善]
(Medエッジ 2015年4月27日)
<米国の55歳から90歳の男女を対象に検証>
睡眠時呼吸障害があると、ない人より軽度認知障害やアルツハイマー病の
発症が早くなるようだ。
治療すれば改善するので早めに知っておきたい。
米国ニューヨーク大学医科大学院を含むアドニ(アルツハイマー病脳画像
先導的研究、ADNI)研究グループが、米国神経学会(AAN)の機関誌
ニューロロジーのオンライン版で2015年4月15日に報告した。
<男性の半数で障害>
研究グループによると、年齢を増すと激しいいびきや睡眠時無呼吸症候群
などの呼吸障害が多くなる傾向がある。
男性の約半数、女性の約4分の1で見られている。
研究グループは、アルツハイマー病の発症の背景を調べる研究の参加者である
2500人近くを対象として、未治療の睡眠時呼吸障害を持つ人と持たない人、
睡眠時呼吸障害を治療した人としなかった人で、軽度認知障害とアルツ
ハイマー病の発症を比較した。
<「CPAP治療」が効果>
その結果、睡眠時呼吸障害のある人は、ない人より平均して10年近く早く
軽度認知障害と診断されていた。
この研究期間中に軽度認知障害またはアルツハイマー病と診断された人の中
では、睡眠時呼吸障害のある人は平均77歳で軽度認知障害を発症したが、
ない人は平均90歳だった。
アルツハイマー病の発症も、睡眠時呼吸障害のある人は平均83歳、ない人は
平均88歳と、5年早かった。
CPAP(持続気道陽圧;鼻に装着したマスクから空気を送りこんで、気道に
圧力をかける方法)により睡眠時呼吸障害を治療した人は、しなかった人より
軽度認知障害と診断されるのがおよそ10年遅くなり、改善が確認できた。
睡眠時呼吸障害を治療した人は、軽度認知障害と診断された時期が睡眠時
呼吸障害のない人とほぼ同様だったことを考えると、治療をすると、記憶や
思考障害を予防、遅延できそうだ。
いびきを指摘されるような人は注意しておくと良さそうだ。
http://www.mededge.jp/a/psyc/12221