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[関節痛、しびれから発見されたアクロメガリー]


41歳で月経が止まり、更年期障害と診断。
咬合不整のため歯科治療も受ける。
58歳で関節痛、手足のしびれを感じ整形外科を受診。
リウマチと診断され、1年間治療薬を服用するが症状が改善しないため、
他の整形外科を受診。
先端巨大症様顔貌、他の症状から、すぐに脳神経外科に紹介された。
血液検査・MRIの結果本症と診断。


<臨床所見>
関節痛、手足のしびれ、手足の肥大、先端巨大症様顔貌、無月経、咬合不整





[出典]アクロメガリー広報センターのパンフレット
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[もしかしたら病気? 睡眠中に表れる危険信号]

(東洋経済  2015年02月13日)


<朝起きたらよだれで枕がびしょびしょ>
電車でうたた寝してよだれが出ている人もこのタイプです。
唾液が多すぎて口から溢れてしまっている状態で、原因はこちらも胃腸の
虚弱。
水分を吸収する胃腸の働きが弱っているため、胃や腸に水分が溜まり、唾液も
溜まってしまいます。

体の中に水分が停滞しているので、下痢気味の傾向があり、胃がチャプチャプ
したり、体が冷えている人が多いです。
体を冷やさないように温めて内臓の働きを高めること、冷たいものを避ける
ことをお薦めします。



<症状がひどい場合は専門医に相談を>

<いびきをかいている>
気道が狭いといびきが出るため、肥満傾向にある人、鼻が詰まっている人
などがいびきをかきやすいといえます。

気をつけたいのは“睡眠時無呼吸症症候群(SAS)”。
いびきをかいていたと思ったら、ピタッと止まった、という場合は病気の
おそれがあります。

指摘してくれるパートナーがいない場合、“いくら寝てもすっきりしない”、
“日中強烈な睡魔が襲う”、などの症状があったら睡眠中に問題があるかも
しれませんので、一度専門医に相談しましょう。


<寝言をムニャムニャ>
大人になってからの寝言は子供のころに比べて減っていくようですが、
なかにはおもしろい寝言を言う人もいますよね。
夢を見ながらの寝言、無意識の寝言など問題がない寝言もある一方で、
インフルエンザなどで高熱が出た時、抗うつ剤などの副作用の場合、強い
ストレスを感じている影響での寝言もあります。

もしも寝言だけでなく暴れたりしてしまう行動があるようでしたら、周りの
人にも迷惑がかかりますし、寝ている間にケガをしてしまう可能性もあります
ので、一度専門医に相談しましょう。


いかがでしたか?
もしかしたらあなたも寝ている間にやっているものがあるかもしれません。
パートナーやご家族の方に、寝ている間の様子を一度聞いてみてはいかがで
しょうか。
また、逆にこういった症状を隣で寝ている大切な人がしていたら教えてあげて
くださいね。



http://toyokeizai.net/articles/-/60534

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[外科手術がギランバレー症候群の誘因になる可能性]

(HealthDay News 2016年11月23日)


外科手術を受けた患者は、その後しばらくの間、ギランバレー症候群を発症
するリスクがやや高いことが、新たな研究で示唆された。

米国立衛生研究所(NIH)によると、ギランバレー症候群は約10万人に1人が
罹患するまれな筋疾患で、筋力が次第に低下し、完全な麻痺や死に至ることも
あるという。

しかし、「外科手術5万件に対して発症患者は31人であり、ごくまれで
あった」と、研究著者で米メイヨー・クリニック(ロチェスター)助教授の
Sara Hocker氏は述べている。

この疾患は免疫系から発症すると考えられており、誰でも罹る可能性が
あるが、これまでの研究では呼吸器系や消化器系のウイルス感染や特定の
ワクチン接種、ジカウイルス感染との関連も認められている。


今回の研究では、1995~2014年にメイヨー・クリニックで外科手術を受けて
から2カ月以内のギランバレー症候群の発症率をレビューし、発症前に手術を
受けていない患者と比較した。

ギランバレーを発症した208人(平均年齢55歳)のうち、31人が最近手術を
受けていた。
手術から発症までの平均期間は19日であった。

特筆すべきは、この31人のうち61%はがん、29%は自己免疫疾患(潰瘍性
大腸炎、1型糖尿病、関節リウマチなど)であったことである。
これは、手術後のギランバレー症候群リスクが、6カ月以内にがんの診断を
受けた患者では7倍、自己免疫疾患の患者では5倍であることを意味する。

「(ギランバレー症候群が)自己免疫性の原因によるものであることを
裏づけるエビデンスはすでに十分にある。手術そのものや麻酔のストレスが、
自己免疫反応の引き金となるのではないか」とHocker氏は指摘している。


米クリスティアナ・ケア・ヘルスシステム(ウィルミントン)のThomas
Mueller氏によると、ギランバレー症候群の発症時には通常、指やつま先の
刺痛感がみられ、数日で筋力低下が進行するという。
軽症のものから極めて重症のものまで幅が広く、治療は血漿交換や健康な
ドナーの抗体の注入などが行われる。


米ヒューストン・メソジスト病院(テキサス州)のEugene Lai氏はこの知見に
ついて、他の未知の因子が寄与している可能性もあると指摘し、さらに研究を
重ねる必要があると述べている。


Hocker氏は、今回の研究は既存のデータを見返した後ろ向き研究である
ため、前向きの研究を実施できればさらに望ましいと認めている。

この研究は、「Neurology: Clinical Practice」オンライン版に11月23日掲載
された。






http://healthdayjapan.com/2016/12/05/14386/



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[睡眠の質”が甲状腺刺激ホルモンの構造に影響]

(Qlife  2017年3月31日)


睡眠の質が甲状腺刺激ホルモン(TSH)の構造に影響を及ぼすことを、
兵庫医科大学内科学講座の角谷学助教、小山英則主任教授らの研究グループが
発表しました。

この発見で、睡眠障害と肥満や糖尿病などの生活習慣病をつなぐひとつの
道筋が明らかになり、新薬開発に結びつくことが期待されます。


甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、血液中の甲状腺ホルモン値に応じて脳下垂体
から分泌されるホルモン。
甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン値が低下すると分泌量が上昇し、反対に
甲状腺機能亢進症では減少します。

まれなケースとして、免疫グロブリンと結合した血清TSHが代謝を受けずに
高濃度で血中に滞留する「マクロTSH血症」という病気があります。

従来、マクロTSHはマクロTSH血症患者にしかないと思われていましたが、
今回の研究でマクロTSH血症ではない患者の血清にも多く含まれていることが
明らかになりました。


同大学では2010年から、睡眠や疲労、自律神経機能といった神経内分泌学的
機能が糖尿病やメタボリックシンドロームなどの発症にどのように関与して
いるかを明らかにするため、コホート研究を行っており、現在1,000人以上の
患者を追跡しています。

研究グループは、このうち甲状腺疾患がない314人の血清TSHを解析しました。



<睡眠障害のバイオマーカーに>
解析の結果、血清TSH値が正常範囲にもかかわらず、ほぼ全ての患者の血清に
マクロTSHが含まれていることがわかりました。

さらに別の解析法により、マクロTSHはほかのタンパク質と結合していない
遊離型のTSHと比べて、糖鎖構造が大きく異なることも判明しました。

また、マクロTSHの高値は、アクティグラフで評価した睡眠の効率や質の
悪化を表す指標と有意な関連を示すこともわかりました。
このことは、睡眠障害がTSH分子の糖鎖構造変化に影響し、血清でマクロ
TSHを形成する可能性を示しており、高次脳機能がTSHを調節する
メカニズムに影響している可能性も示唆しています。


マクロTSHが睡眠の質と深く関連していることがわかったことで、マクロTSH
値が今後、睡眠障害を判断するバイオマーカーになることも考えられます。

研究グループでは「血清TSH値の評価に甲状腺機能だけでなく、睡眠障害な
どの影響を考慮する必要があることも示しており、神経内分泌学的見地だけで
なく、内分泌臨床においても極めて重要な知見」としています。




(菊地 香織)






https://www.qlife.jp/square/healthcare/story61826.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[心不全患者はがんに注意 発症リスク4倍]

(産経新聞  2017年4月7日)


心不全の患者は、がんを発症するリスクが約4倍高くなることが診療データの
解析で判明したと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)のチームが
6日、日本高血圧学会誌電子版に発表した。

北風政史臨床研究部長は「心不全になったら、がんを疑うという意識を医師や
患者が持ち、がんの早期発見に努めることが大事」と話している。


チームは平成13~25年に同センター病院に心不全で入院した患者約5200人の
うち、がんを発症した人数と国内全体のがん罹患率のデータを統計処理して
解析。
その結果、国内の一般的ながん罹患率に比べて、心不全患者ががんにかかる
リスクは約4倍高かった。


チームは、心不全になるとさまざまな細胞が増殖しやすくなるため、がんの
発症や進行につながるとみている。

こうした研究結果は米国などで報告されているが日本では初めてという。





http://www.sankei.com/life/news/170407/lif1704070001-n1.html




 

 

 

 

 

 

 

 

 

[赤い発疹が特徴の乾癬 皮膚症状にとどまらないリスクとは?]

(QLife  2017年04月12日)
(東京大学医学部 皮膚科学教室 教授 佐藤伸一先生)


<日本では500人に1人が乾癬に罹患>
乾癬は、身体のいろいろな部分に、白いフケのようなものが付いた赤い発疹が
できる病気で、日本では500人に1人が罹患する患者数の多い疾患です。
発疹は、接触や掻きむしり、そして日焼けなどの刺激によってできやすくなり
ます。
東京大学医学系研究科皮膚科学教授の佐藤伸一先生によると、「顔や爪など
人目につくところにできた発疹は、飲食業や接客業で働く人には特に目に
つきやすく、患者さんのQOL(生活の質)を大きく下げる要因にもなる」との
こと。

治療は症状の重さによって、ステロイドやビタミンD3の塗り薬や、紫外線
療法、経口薬の内服、生物学的製剤と呼ばれる注射薬を使い分けて行い
ますが、毎日塗り薬を塗るのが難しいうえ、温泉など全身をさらす場所へ
行くことをためらったりするなど、患者さんの多くが悩みを抱えています。
「“皮膚症状の重さ”だけではなく、患者のQOLも含めて“症状”ととらえる
べき」と佐藤先生。

治療法のひとつである生物学的製剤は、乾癬の発症や悪化に関係する炎症性
サイトカインといわれるたんぱく質に作用する治療薬で、いわば“体の中から
乾癬になりにくい状態にする”というもの。
「皮膚症状が重症でなくても、QOLが大きく下がっている患者さんに対しても
使える薬です」(佐藤先生)



<乾癬患者は心筋梗塞のリスクが上昇>
乾癬患者は、風邪や妊娠がきっかけになるなどして乾癬の症状が悪化した
場合に、発疹が膿んだり熱が出たりする膿疱性乾癬になったり、全身の皮膚に
発疹が広がると乾癬性紅皮症と呼ばれる疾患を併発することも。

皮膚の病気と思われがちな乾癬ですが、乾癬患者の約10%は関節炎を合併し、
早期に治療をしなければ関節が破壊され、変形することもあるほか、さらには
心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化、脂肪肝、
高尿酸血症やメタボリックシンドロームを合併しやすいことが近年の研究から
わかってきました。


皮膚の発疹が主症状の乾癬で、なぜメタボリックシンドロームを併発するので
しょう。
佐藤先生によると、「乾癬での発疹から、炎症性サイトカインのTNF-αが
大量に産生されることが原因」とのこと。
産生された大量のTNF-αが血液中へ滲みだして、全身の臓器へ移行し、
さまざまな並存疾患を引き起こすと考えられています。
「乾癬患者における心筋梗塞の発症率は、健常人2.0%に対し、重症乾癬では
2.9%となるほか、死亡率も比較的高いことが分かっています」と佐藤先生。


発疹だからと軽視せず、早めに適切な治療を行うことが大切といえそうです。






https://www.qlife.jp/square/healthcare/story61939.html



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[疲れで発熱? 無理がきく人は要注意]

 (家庭の医学  2017年04月18日)


<原因不明の発熱・・・疲れ、ストレスの場合も?!)

<疲れによる発熱は薬が効かない?>
疲れの症状は人によってさまざま。
だるさや痛みだけではなく、疲れた体や弱った心が、発熱というサインを
出していることもあります。
かぜなどの原因が見つからないのに熱があるとき、疲れすぎを疑って
みましょう。

かぜをひいているわけではないのに、仕事がハードで休みがとれなかったり、
疲れがたまったりすると熱が出るという人がいます。
微熱の場合、つい軽くみることもあるでしょう。
多少熱っぽくても、無理を重ねてしまう人も少なくありません。
しかし、発熱は異常が発生しているという体からのサインです。
無視しつづけるのは禁物です。


本来、発熱はウイルスや細菌などが外部から侵入したときに起こります。
体温を上げることには、ウイルスや病原菌の増殖を防ぐために白血球の機能を
促進する、免疫機能を高めるなどの目的があります。

ウイルスや病原菌と戦うのは、白血球やマクロファージなどの免疫活性食細胞
ですが、これらが戦闘態勢に入ると体内の防御機構を活性化させ、脳の視床
下部にある体温調節中枢に「体温を上げて」という情報を伝える物質をつくり
ます。
情報を受け取った体温調節中枢は、自律神経や筋肉など各部に「体温を
上げろ」という指令を出します。
すると、皮膚の血管を収縮させて熱が逃げるのを防いだり、筋肉をふるえ
させて熱を生みだしたりといった反応が現れ、発熱するのです。


一方、疲れによる発熱は、過度な活動やストレスによって自律神経の働きが
乱れ、熱を上げてしまうことが原因と考えられます。
ウイルスや病原菌が原因の発熱とはメカニズムが異なるため、解熱剤を
飲んでも熱が下がらないこともあります。
こうした疲れやストレスによる発熱を「心因性発熱」と呼ぶこともあります。

かぜでもないのに発熱がみられたら、まず、原因を探りましょう。
体のどこか、たとえばリンパ節や腎臓その他に炎症や感染がないか、膠原病
などの自己免疫疾患でも発熱することがあるので、多くの可能性を検証
しましょう。

発熱を繰り返す人は、医療機関で調べてもらうことをおすすめします。
診断の結果、身体の異常がみられなければ、疲れやストレスによる心因性の
発熱と判断できるかもしれません。
その場合、無理をしがちな生活習慣や環境の問題がないか、振り返りが必要
でしょう。
なかなか改善しないようなら、心療内科や専門機関に相談してみてください。





(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳)




https://news.goo.ne.jp/article/kateinoigaku/life/kateinoigaku-20170413133209498.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[地域の坂の傾きが1.5度で中等度の糖尿病リスク18%減
                        医科歯科大など発表]

(時事通信社  2017年5月8日)


地域の坂の傾きが約1.5度上がると、住民が中等度の糖尿病になるリスクが
18%低下するとの調査結果を、東京医科歯科大などの研究チームが8日、
発表した。

同大の藤原武男教授(公衆衛生学)は「日常的に坂を歩くことで、運動と同じ
効果が得られている可能性がある」と分析している。


研究チームは2010年、愛知県武豊町など6市町46地域に住む65歳以上の
男女計8904人の調査を実施。
住んでいる地域の坂の傾斜と、糖尿病との関連を調べた。

各地域の坂の傾斜は約1~10度で、平均は約3度。
1カ月の血糖値の状態を表すHbA1cが7.5%以上である中等度の糖尿病だった
のは223人だった。
坂の傾きが1.48度上がると、中等度の糖尿病になる可能性は18%下がって
いた。

軽度も含めた糖尿病(HbA1cが6.5%以上)になるかどうかでは、違いが
みられなかった。


研究チームは「自治体が運動用の道を造る際、軽い坂のあるコースを設ける
などしてもいいのでは」と指摘している。 





http://news.livedoor.com/article/detail/13034455/




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[お酒で赤くなる人は骨折に注意?]

(家庭の医学  2017年8月15日)


<若いうちから骨貯金を>
お酒を飲むと赤くなる人は珍しくありません。
このような体質の人は、そうではない人に比べ、骨粗しょう症になりやすく、
大腿骨近位部(股関節に接する辺り)の骨折のリスクが高いことが、慶応義塾
大学医学部の研究チームが明らかにしました。


アルコールを摂取すると、アセトアルデヒドという有害物質が発生しますが、
この有害物質は「ALDH2」という酵素で分解されます。
しかし、お酒を飲むと赤くなりやすい人は、このALDH2の働きが遺伝的に
弱いまたは欠けていることがわかっています。

ALDH2の機能が失われると、アセトアルデヒドが体内に溜まりやすくなり
ます。
アセトアルデヒドの血中濃度が高まると、骨を作りだす骨芽細胞に機能障害が
生じてしまうのです。


今回の研究では、大腿骨近位部骨折を経験した92名と、骨折したこともなく
骨粗しょう症でもない48名の遺伝子を比較。
その結果、骨折した患者は、ALDH2の働きが遺伝的に弱いまたは欠けて
おり、骨折のリスクが2.48倍高くなることがわかりました。


また、ビタミンEの摂取によって骨折予防の効果が期待できるとも報告されて
います。
マウスの細胞を使用した実験段階ですが、ビタミンEの摂取で、骨芽細胞の
機能不全が避けられることがわかっており、さらなる研究が待たれます。


骨粗しょう症による大腿骨近位部骨折は増加しており、2014年で19万件も
発生しています。
高齢者の場合は、この骨折をきっかけに寝たきりになるケースも多く、
健康寿命にとって大きなリスク要因です。

持って生まれた遺伝子は変えられませんが、例えば節酒を心がけたり、骨を
丈夫にする生活習慣を続けたりすることで、骨粗しょう症による骨折をできる
だけ予防することができます。

しかし、骨粗しょう症の予防は短期的には難しく、若いうちから「骨貯金」を
しておくことがすすめられています。
バランスのよい食事、カルシウムやビタミンD(カルシウムの吸収を促す)が
豊富な食品の摂取のほか、定期的な運動も必要です。
ふだんから積極的に体を動かすようにしましょう。





(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳)




http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124621/



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[水虫で転倒しやすく? 歩き方に異変、高齢者注意]

(NIKKEI STYLE  2017年9月23日)


多くの人を悩ませる水虫。
たかが水虫と侮るなかれ。
爪の水虫にかかると、下肢機能が低下して転倒するリスクが高まるという。
毎日のケアで、完治・予防しよう。


水虫の原因になる白癬菌はカビの一種。
高温多湿の環境を好み、皮膚の角質に感染して水虫を引き起こす。
長時間靴を履いている働く世代で悩む人が多いが、高齢者にとっても人ごと
ではない。

文京学院大学の藤谷克己教授が一般成人と65歳以上の高齢者計159人を調査
したところ、白癬菌を散布しているのは、64歳以下の9パーセントに対し、
高齢者は55パーセントに達した。

白癬菌が足の裏や指に感染すると足白癬に、爪の中に入り込むと爪の水虫
「爪白癬」になる。
爪白癬はかゆみなどの症状がなく、気付かない人も多い。
進行すると、爪が白や黄色に変色し、厚くなったりボロボロになったりする。
放置すると爪が変形する。

問題は、水虫は命に関わらない疾患だと見過ごされがちなことだ。

実は水虫が高齢者の転倒リスクを高める恐れがあると分かっている。

早稲田大学スポーツ科学学術院の中村好男教授らが1万581人を対象に調査
したところ、足の指や爪に水虫などの問題を抱えている高齢者で、過去
1年間に転倒経験を持つ人の割合は、そうでない人よりも高かった。

水虫や爪白癬など「足に疾患があると、足の指が地面に付きにくくなり、
バランスを崩したり、すり足になったりして転倒する可能性がある」
(中村教授)。

足の爪は移動するときに重要な役割を果たす。「歩行時に足の指で地面を蹴る
とき、足の爪には大きな力がかかる」と中村教授。
ところが「爪白癬にかかると爪がもろくなるため、足先に力が入らずよろけて
しまい、転倒するリスクを招く」と藤谷教授は指摘する。

なかでも爪白癬になりやすい足の親指は、踏ん張るときに力がかかる場所だ。
水虫で爪が弱ると、踏ん張れなくなって転んでしまう。
さらに「水虫にかかった爪が剥がれることで、歩行困難に陥るケースもある」
(藤谷教授)という。

高齢者は特に注意が必要な水虫だが、「予防はシンプルで、完治も可能」と
藤谷教授。
一番有効なのは、1日1回足を洗って、原因の菌を取り去ることだ。

白癬菌は水虫の人の足から剥がれ落ちた垢に数多く潜み、スポーツジムや
介護施設など人が集まる場所でまき散らされる。
足に付いた菌を放置すると、約24時間かけて角質に侵入し、感染する。

せっけんを泡立てて指の間や爪の溝の周り、足裏をよく洗う。
水で流してから、乾いたタオルで拭きとる。
バスマットの共有は避ける。
足の指の間を拭くのも効果的だ。
ただし「消毒用アルコールでは菌は落ちない」(藤谷教授)。
せっけんの方が殺菌作用が大きいという。

足の爪は短く保つ。
同じ靴を履いたり、靴下を長時間履き続けたりすると、足が蒸れて白癬菌の
増殖を招くので、毎日履き替えよう。
サンダルの素足履きでかかとがかさつき、菌が入りやすくなって水虫に感染
する例もある。
クリームで保湿を心がけたい。

日ごろの足の使い方も重要だ。「歩き方を意識しないでいると、水虫は繰り
返す」(中村教授)。
歩行時はかかとと親指の付け根、小指の付け根の3点を意識して、かかとから
足の指へ重心を移動する習慣を身につけたい。


水虫は完治を目指せるだけに、皮膚科専門医による見極めが必要だ。
毎日足を洗うことに加えて、菌を持つ人が自覚してしっかり治療を受ける
ことが、他の人の水虫の予防にもつながる。



(ライター 高谷治美)




https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170923-00000008-nikkeisty-hlth