疲れで発熱「心因性発熱」 無理がきく人は要注意 | アクティブエイジング アンチエイジング

[疲れで発熱? 無理がきく人は要注意]

 (家庭の医学  2017年04月18日)


<原因不明の発熱・・・疲れ、ストレスの場合も?!)

<疲れによる発熱は薬が効かない?>
疲れの症状は人によってさまざま。
だるさや痛みだけではなく、疲れた体や弱った心が、発熱というサインを
出していることもあります。
かぜなどの原因が見つからないのに熱があるとき、疲れすぎを疑って
みましょう。

かぜをひいているわけではないのに、仕事がハードで休みがとれなかったり、
疲れがたまったりすると熱が出るという人がいます。
微熱の場合、つい軽くみることもあるでしょう。
多少熱っぽくても、無理を重ねてしまう人も少なくありません。
しかし、発熱は異常が発生しているという体からのサインです。
無視しつづけるのは禁物です。


本来、発熱はウイルスや細菌などが外部から侵入したときに起こります。
体温を上げることには、ウイルスや病原菌の増殖を防ぐために白血球の機能を
促進する、免疫機能を高めるなどの目的があります。

ウイルスや病原菌と戦うのは、白血球やマクロファージなどの免疫活性食細胞
ですが、これらが戦闘態勢に入ると体内の防御機構を活性化させ、脳の視床
下部にある体温調節中枢に「体温を上げて」という情報を伝える物質をつくり
ます。
情報を受け取った体温調節中枢は、自律神経や筋肉など各部に「体温を
上げろ」という指令を出します。
すると、皮膚の血管を収縮させて熱が逃げるのを防いだり、筋肉をふるえ
させて熱を生みだしたりといった反応が現れ、発熱するのです。


一方、疲れによる発熱は、過度な活動やストレスによって自律神経の働きが
乱れ、熱を上げてしまうことが原因と考えられます。
ウイルスや病原菌が原因の発熱とはメカニズムが異なるため、解熱剤を
飲んでも熱が下がらないこともあります。
こうした疲れやストレスによる発熱を「心因性発熱」と呼ぶこともあります。

かぜでもないのに発熱がみられたら、まず、原因を探りましょう。
体のどこか、たとえばリンパ節や腎臓その他に炎症や感染がないか、膠原病
などの自己免疫疾患でも発熱することがあるので、多くの可能性を検証
しましょう。

発熱を繰り返す人は、医療機関で調べてもらうことをおすすめします。
診断の結果、身体の異常がみられなければ、疲れやストレスによる心因性の
発熱と判断できるかもしれません。
その場合、無理をしがちな生活習慣や環境の問題がないか、振り返りが必要
でしょう。
なかなか改善しないようなら、心療内科や専門機関に相談してみてください。





(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳)




https://news.goo.ne.jp/article/kateinoigaku/life/kateinoigaku-20170413133209498.html