2020年、リサイタルのシリーズ「川島素晴 plays...」を始動しました。

肉体」「無音」「法螺貝」と、毎回異なる題材に限定したリサイタルという、前代未聞のシリーズとなっております。


その第4弾で扱うテーマは、

 

“100均一グッズ”

 

つまり、100円均一ショップで購入できる100円(税抜)の商品のみで演奏会を行う内容となります。

 



 

川島素晴 plays... vol.4 “100均グッズ”

2022年4月28日(木)19時開演(18時半開場)

杉並公会堂 小ホール(荻窪駅北口徒歩7分)アクセス

 

入場料 一般2000円 学生1000円

*チケットは以下のフォームでお申し込みください。
 お申し込みは4/28当日の午前中までにお願いします。

 会場での当日券の発行はできませんので必ず事前にお申し込み下さい。

 

 


 

<プログラム>(曲順は変更になる場合があります)

 

1)伊藤彰:3つの回想「カタバシス / ベル・クラスター / 異化」(2022/委嘱新作初演)→解説

 

 2.1)G. ブレクト:櫛の音楽(1st ver.)(1959-62)→解説

 

3)川島素晴:Marche Lunaire II(2020)→解説

 

 2.2)G. ブレクト:櫛の音楽(2nd ver.)(1959-62)→解説

 

4)J. ケージ:アルプが「皺くちゃの紙」や「破れた紙」のシリーズを制作するために

行った、紙をくしゃくしゃにする音や破る音はどうでしょうか。彼は水(海、湖、川などの流水)や森からインスピレーションを得ていたのです。(1985)*# →解説

 

5)梅本佑利:いんちき音楽(2021-22/委嘱作品初演)* →解説

 

 ーー休憩(梅本作品即売会)ーー

 

6)樋口鉄平/大野里花(共作):MERGES(2022/委嘱新作初演)→解説

 

 2.3)G. ブレクト:櫛の音楽(3rd ver.)(1959-62)→解説

 

7)川島素晴:インヴェンションVIII(2022/新作初演)→解説

 

 2.4)G. ブレクト:櫛の音楽(4th ver.)(1959-62)→解説

 

8)B. ファーニホウ:Bone Alphabet(1992)→解説

 

 2.5)G. ブレクト:櫛の音楽(5th ver.)(1959-62)→解説

 

9)川島素晴:And then I knew ’twas Virus(2021/東京初演)* →解説

 

 <演奏>100均グッズ、他:川島素晴  共演:*ささきしおり #伊藤彰

 


 

思い返せば、このリサイタルシリーズは2007年に開催したリサイタルが原点となっており、vol.1、vol.2 にはここでの演目が含まれていました。

そして今回の演目でも、今年来日予定のファーニホウの打楽器ソロ作品《Bone Alphabet》については、2007年のリサイタルでも「100均グッズのみによる演奏」という形で既に取り上げておりました。この作品は、とても複雑な記譜による超絶技巧打楽器ソロ作品として知られておりますが、使用する7つの楽器の全ての選択が演奏者に任されており、実際、様々な楽器で演奏されています。2007年のリサイタルは全体的に「通常の楽器を用いない」ことをテーマとしておりまして、これを演奏するに際し、敢えて100均グッズに限定、総額735円(当時は消費税が5%でした)の楽器で上演したのです。

 

 

このときの発想を拡張し、コンサート全体を100均グッズ(100円均一ショップにおける100円+消費税で購入できる商品)に限定して開催できないだろうか、と考えました。(最近は店頭に200円商品、300円商品なども並んでいますが、100円商品限定です。)

ファーニホウに加え、既存の海外作品から、まずは楽器不確定モノといえばケージ、そして日用品を用いたフルクサスネタでブレクト。この二人は、これまでのシリーズでほぼ毎回登場しており、今回もリスペクトをもって選曲しました。

 

そして今回は、委嘱新作が3曲あります。「100均グッズのみによる作品」というお題に、皆さんどのように応えるでしょうか。委嘱する側としても挑戦でしたが、結果的に三者三様、とても興味深いラインナップになりました。

伊藤彰さんは卓上ベルを楽器として選択、それに特化した音色探究が独特な世界を示しており、開演ベルを兼ねる内容として冒頭に上演します。

梅本佑利さんは独自デザインによりリパッケージした100均グッズを即売するところまでが作品という、作品ごとに聴き手を翻弄する近年の彼の取り組みとしても出色の卓抜なアイデアです。

樋口鉄平さんは、架空の作曲家を捏造するという、世界的にも前例のない創作姿勢を実践している俊英ですが、果たして今回の作品は・・・?

 

以上に加え、近作2曲と新作、全3曲の自作品を加えたプログラムとなりました。

「100均グッズ」というお題でありながら、他では考えられない音楽的なバラエティを実現しているものと自負しております。

しかも、ここでの演目は、聴いてみて興味を持てれば(楽器代が安いですので)誰でも挑戦できるという魅力もあります。

ぜひ、ご来場の上、皆さんも演奏に挑戦してみて下さい!

 



川島素晴(作曲家/100均グッズ奏者)
東京芸術大学、同大学院修了。1992年秋吉台国際作曲賞、1996年ダルムシュタット・クラーニヒシュタイン音楽賞、1997年芥川作曲賞、2009年中島健蔵音楽賞、2017年一柳慧コンテンポラリー賞を受賞。作曲活動の他、いずみシンフォニエッタ大阪プログラムアドバイザー等、現代音楽の企画・解説に数多く携わり、テレビ朝日「題名のない音楽会」に多数出演している他、同「タモリ倶楽部」「リア突WEST」、NHK Eテレ「沼にハマってきいてみた」、日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」等の番組に現代音楽等の解説者として登壇。2017年より作品個展シリーズ、2020年よりリサイタルシリーズを定期開催。アンサンブル東風での指揮活動等、様々な演奏活動も行う。日本作曲家協議会副会長。国立音楽大学及び大学院准教授、尚美学園大学講師。

 


 

シリーズ公演情報

<リサイタルシリーズ>

2020年3月24日(火) 川島素晴 plays... vol.1 “肉体”

2020年8月1日(土) 川島素晴 plays... vol.2 “無音”
2021年7月1日(木) 川島素晴 plays... vol.3 “法螺貝”
2022年4月28(木) 川島素晴 plays... vol.4 “100均グッズ”(本記事内容)
2023年3月 川島素晴 plays... vol.5 “自作陶器”

2024年3月 川島素晴 plays... vol.6 “スライドホイッスル”

 

<作品個展シリーズ>

2017年8月9日(水) 川島素晴 works vol.1 by 菊地秀夫

2018年8月9日(木) 川島素晴 works vol.2 by 神田佳子

2019年9月5日(木) 川島素晴 works vol.3 by 双子座三重奏団

2020年9月17日(木) 川島素晴 works vol.4 by 木ノ脇道元
2022年9月2日(金) 川島素晴 works vol.5 by ROSCO

2023年秋 川島素晴 works vol.6 by 中村仁美