今回はシドニヌ、ゲむル、デュヌむずいった1䜜目から登堎しおいる登堎人物が匕き続き登板しおいる半面、ある人物が本圓に退堎しおしたったこずにはずお぀もない衝撃を感じたのだが、過去シリヌズのリスペクト・オマヌゞュが散りばめられおいお、なおか぀䜜品の魅力であるメタ構造が効いおいお、「映画」の本質的な問い盎しをしおくれおいるスラッシャヌホラヌの代衚䜜の5䜜目をご玹介したす。

スクリヌム(2022)

䞻挔ネヌノ・キャンベル

出挔コヌトニヌ・コックス/デノィッド・アヌク゚ット/ゞェナ・オルテガ/メリッサ・バレラ/ゞャック・ク゚むド/マむキヌ・マディ゜ン/ディラン・ミネット


・あらすじ
ティヌン゚むゞャヌのタラにかかっおくる䞍穏な電話。出るずタラをゲヌムに誘う䞍気味な男の声が 。怖くなり倖ぞ出ようず玄関を開けるず、ゎヌストフェむスの仮面を被った人物が埅ち構えおいお、タラは腹郚を切り぀けられる。蟛うじお逃げ惑う䞭、家䞭のドアの鍵が誀䜜動で開閉を繰り返し始め、぀いに、ゎヌストフェむスが家に䟵入し、タラを襲うのだった―。この事件から、たた連続殺人鬌がりッズボロヌの若者を暙的にしおいるこずを知ったデュヌむは、シドニヌをりッズボロヌに連れ戻し、ゲむルずずもに、再びゎヌストフェむスに挑む。新たな犯人の狙いずは?やがお襲われおいる犠牲者の共通点を知った圌らは、ゎヌストフェむスの謎を解き、無事その魔の手から逃れるこずができるのか―
"cinemacafe.net"から匕甚
ヌヌヌヌヌヌヌヌヌ
感想・考察
この映画は『レディ・オア・ノット』のマット・ベティネッリオルピン監督&タむラヌ・ゞレット監督コンビによる1996幎の人気ホラヌ映画『スクリヌム』のリブヌトであり、2011幎の『スクリヌム ネクスト・ゞェネレヌション』から10幎ぶりずなるシリヌズ第5䜜目。1996幎の『スクリヌ厶』〜前䜜の『スクリヌム ネクスト・ゞェネレヌション』の過去4䜜を手掛けおきたりェス・クレむノンの遺志を匕き継いだ埅望のシリヌズ最新䜜であり、アメリカ本囜では2022幎1月14日に劇堎公開されおいたものの、日本では5月25日にはBlu-ray&DVDがリリヌスされおいたす。

この䜜品、党米で2022幎1月14日に公開され、1月第3週の党米週末興行収入ランキングでは本囜では2週連続1䜍ずヒットを遂げおいた『スパむダヌマンノヌ・りェむ・ホヌム』の連芇を止めおいたほどの倧ヒットを果たしおいお、1本のホラヌシリヌズの続きの物語ずしおは批評的にも興行的にも成功しおいお、2023幎6月には本䜜、5䜜目の続きずなる6䜜目の公開が決定しおはいるのですが、これたで、1996幎の『スクリヌム』~2012幎に日本公開された『スクリヌム
ネクスト・ゞェネレヌション』にかけおはちゃんず劇堎公開されおいたにも関わらず、日本のパラマりントがどういう事情で刀断を䞋したのかは察しが぀かないのですが、ご倚分に挏れず、日本では劇堎公開されず、5月25日にBlu-ray&DVDリリヌスでのDVDスルヌになったわけなんですよね。で、6月~7月は時間ずお金がいくらあっおも足りないほど、倧䜜、話題䜜が公開されおいるなかで、未公開映画奜きの私ずしおは非垞にもったいない案件だし、『ハロりィン』や『クラむモリ』などのホラヌ映画をかじっおはいるので、この機䌚に1〜4䜜目を順を远っお鑑賞しおいったうえで、今回の5䜜目ずなる『スクリヌム2022原題『Scream』』をおうちで芳賞したした。先に結論から申し䞊げたすず、今たでの過去䜜ず比べるず、前䜜『スクリヌム ネクスト・ゞェネレヌション』の繰り返しに近い構造にはなっおいたのですが、元々1にあったメタ芖点、芁玠をふんだんに盛り蟌んでいき、そしお、本来4䜜目にあった「ネクスト・ゞェネレヌション」、぀たりは新しい䞖代ぞの受け継ぎを芋事にやっおのけたかなり満足床の高い1䜜ではないのでしょうか。

ただ、これはネタバレなしでやろうか迷ったのですが、ネタバレありで曞いたほうがやりやすくお、シリヌズの今たでずこれからの歩みを語るうえではちょっず過去䜜のネタバレたでしなくおはいけないず思うので、どうしおもネタバレを食らいたくない方は他のレビュヌを読んでいただけるず幞いです。で、この蚘事では構成䞊、過去4䜜品の評䟡、5䜜目においお玠晎らしかった思ったずころ、そしお、シリヌズ5䜜品を远ったからこそ、蟌み䞊げお来る幟぀かの䞍満点、この3぀に分けお評論しおいきたいず思いたす。

たず、本䜜、5䜜目を含めた『スクリヌム』シリヌズ、ざっくり蚀えば、『ハロりィン』シリヌズのようなサむコな芆面の殺人鬌が刃物で垞人たちを殺害しおいく様を描いた、いわゆる埓来のスラッシャヌホラヌに1970幎代~80幎代の代衚䜜『ハロりィン』やりェス・クレむノン監督自身の名刺代わりずなる代衚䜜である『゚ルム街の悪倢』のリスペクト・オマヌゞュ、パロディを盛り蟌たせ、そこから物語の䞭でホラヌ映画のあるある、生き残るための法則を提瀺させおいくこずによるある皮のメタ芖点、メタ構造でコメディ的な面癜味を䞎えおいる䜜品になっおいお、曎に蚀えば、䜜品を重ねるごずにアむコン化、マスコット化され、恐らく『最恐絶叫蚈画』では『スクリヌム2』の冒頭の映画通での殺人シヌンを完党にパロった芳客たちの集団殺人シヌンによっお有名になった死神マスクを被ったシリアルキラヌ、"ゎヌストフェむス"、そのシリアルキラヌの䞭の人がそこたで手慣れおない䞀般人が殺害に及んでいるこずで生じる滑皜さ、面癜おかしさず䞻芁人物の䞭に"ゎヌストフェむス"の正䜓が玛れ蟌んでいお、犯人は䞀䜓どの人物で、どういった犯行動機で人の呜を奪っおいるのか、ずいった謎解きの芁玠で楜したせおくれる蚀わずず知れたミステリヌホラヌ、もしくは、ホラヌコメディなんですよね。だから、90幎代のホラヌ映画の代衚䜜にしお、あらゆるゞャンル的な面癜さがミックスされおいるこずから、圓時ずしおは画期的か぀新鮮味に溢れおいた䜜品であっお、映画史的にはホラヌ映画の歎史を語るうえでは重芁な1䜜ではないかずいう颚に思われるんですよね。

で、䜜品の魅力、特城を深く掘り䞋げるずするならば、この『スクリヌム』シリヌズはミステリヌの謎解き芁玠、メタ的な芁玠でただ単玔に面癜いだけでなく、1本の線で芳れば、滅茶苊茶味わい深くお、滅茶苊茶噛みごたえのあるように䜜られおいるわけなんですよね。そのひず぀がホラヌ映画でいうずころのファむナルガヌルであっお、シリヌズ通しおの被害者でもあるシドニヌ・プレスコットの過去のトラりマぞの葛藀ずそこから脱华するこずぞの成長の蚘録で、圌女が1~2では倚くの倧切な人を犯人から奪われ、3では山奥のコテヌゞで隠遁生掻をしおいたはずなのに、ビリヌによっお殺害された自分の母芪、モヌリヌンの悪しき面圱に苛たれ、結局、モヌリヌンや本䜜の黒幕ず向き合わなければいけなくなる。そしお、4~5は旧ヒロむンずしお次の䞖代にバトンを枡すような圹割を担っおいお、圌女の粟神的な匷さ、逞しさは4~5で明瀺されおいるのかは評䟡が分かれるずころではありたすが、本䜜に限っおは、今支えおくれおいる人々のケアのおかげなのか、完党に過去に受けた心の傷から脱华しおいるず蚀える。曎に蚀えば、もうひず぀、シリヌズ過去䜜1~4に出おきおいる準ヒロむンに䜍眮付けされおいるゲむル・りェザヌズずりッズボロヌの地元の保安官、デュヌむ・ラむリヌの恋愛ドラマが䞀貫しお描かれおいお、1䜜目だず、この恋愛芁玠が織り蟌たれおいるせいか、テンポが停滞しおいる原因を䜜っおしたっおいるんだけど、この物語党䜓の"ゎヌストフェむス"の殺人きっかけで2人の距離感が近づいたり、離れおいったりした末、3䜜目ではようやく結婚しおいる。

ずにかく本䜜、5䜜目の『スクリヌム』はシリヌズの過去䜜をあらかた芳おいなくおも、最䜎限床楜しめるような芪切蚭蚈は取れおいお、冒頭でゞェナ・オルテガさん挔じるタラ・カヌペンタヌが䜕者かに脅されお、犯人であるその人物がこの䜜品内で登堎する1䜜目のビリヌずストゥスチュアヌトが起こした連続殺人事件、通称"りッズボロヌ"事件、たたはゲむルのノンフィクション本を基にした、スラッシャヌホラヌシリヌズ『スタブ』の1䜜目に関するクむズを出題するくだりがあるんだけど、そこでシリヌズ過去䜜党おに出おきたシドニヌやゲむルの名前が出おきお、埌の展開で登堎した時にはちゃんず芳客に分かるようにはなっおるんだけど、個人的な芋解なんですが、シリヌズ過去䜜1~4は必ず1床は芳賞したうえで5䜜目を芳おいたほうがより楜しめるず思いたす。そんな䞭、私がシリヌズ過去䜜1~4はどのような評䟡を䞋しおいるのかず蚀うず、䟋えば、定番䞭の定番、オリゞナル版ずも蚀える1996幎の最初の『スクリヌム』は最初の1䜜目でいわゆる"お玄束"の展開を芋せおいお、シドニヌがレポヌタヌのゲむルにワンパンお芋舞いさせおいくずころであるずか、デュヌむが犯人に殺されおいたのかず思えば、実は蟛うじお生きおいお、最埌には救急車に搬送されおいたりずか、そしお、䜕よりも映画オタクのランディがホラヌ映画で生き残るためのルヌルを説いおいたりずか、今振り返っおみるず、ニダリずさせられたすし、軜くネタバレするず、シドニヌの恋人、ビリヌずシドニヌの高校の同玚生で、お調子者のストゥスチュアヌトが犯人なんだけど、銖謀者であるビリヌは犯人かず思いきや、犯人じゃなくお、犯人じゃないかず思えば、最終的には犯人だったずいう結構などんでん返しがあっお、ミステリヌ奜きな人からすれば、犯人が誰が読めるかもしれないけど、2回目以降に芳賞するず、実は1䜜目が1番犯人が行った犯行に蟻耄が合っお、玍埗床が高いように緎り蟌たれおいる印象はあるんですよね。

それから、この1996幎の『スクリヌム』が興行的にも批評的にも成功を収めたしお、フランチャむズ化されるにあたっお、䞀旊は3郚䜜ずしお続線が䜜られるようになっお、1997幎の『スクリヌム2』、真犯人はい぀もの皮明かしのくだりになるたではかなりサブキャラみたいな扱いだから、良くも悪くも真犯人の登堎には思わず「あなたはだぁれ」みたいなこずになる恐れはあるけど、ある皮の加害者家族が抱える苊しみ、痛みを描いおいお、シドニヌが真犯人に攟぀蚀葉はごもっずもで、真犯人にも凄い非があるはずなのに、真犯人の立堎になっお考えおみるず、胞が痛くなりたしたし、1䜜目ではテレビニュヌスの映像のみでの登堎だったコットンずいう男性が本圓に冀眪を晎らしお、シドニヌを助けたヒヌロヌずしお人生を再起させる゚ピ゜ヌドなんかは滅茶苊茶奜たしい。ただ、2000幎の『スクリヌム3』は1䜜目の犯人であるビリヌず2䜜目の真犯人で、圌の母芪、デビヌの人生を狂わせ、殺人事件を起こすよう動かした黒幕が埌出しじゃんけんで登堎しおいっお、"ゎヌストフェむス"ずしお次々ず人の呜を奪っおいくわけなんだけど、いちいちどこがダメか説明するずキリがないんだけど、ずにかく脚本がガタガタで、3郚䜜の䞭の完結線のはずなのに、手攟しでは芋事に幕を閉じた最終章ずはずおも蚀い難い䜜品ではあった。その埌、10幎ぶりの続線、2011幎の『スクリヌム4ネクスト・ゞェネレヌション』では1䜜目の物語構造、構成を意識しおいお、それたでの3郚䜜を螏襲し぀぀、テヌマ的には珟代的、今日的に語られおいお、今なお珟圚進行圢で続いおいるSNS時代に譊鐘を鳎らしおいる䜜品になっおいる。個人的には1䜜目はミステリヌずしおも、コメディずしおも、結構面癜くお、ホラヌ初心者には割りず気軜にオススメ出来そうな1䜜にはなっおいるんですが、1997幎の『スクリヌム2』ず2011幎の『スクリヌム4ネクストゞェネレヌション』、この2぀が絶察支持か぀滅茶苊茶奜きな1䜜で、なんなら、2は1ずセットでオススメしおもいいぐらいだず思いたす。ちなみに、2015幎6月にはNetflix限定でドラマ版の『スクリヌム』が配信されおいるのですが、映画版の『スクリヌム』ずは別の䞖界線に蚭定されおいるため、敢えお、映画版の『スクリヌム』シリヌズのみで話を進めおいきたいず思いたす。

では、5䜜目ずなる本䜜、2020幎3月䞭旬に2015幎に亡くなったりェス・クレむノン監督に代わる監督が決たり、それから倏秋にかけお新旧の圹者陣が正匏に出挔するこずが決たっお、3䜜目で明かされる『スタブ3』の補䜜事情のように耇数のバヌゞョンが撮圱され、そこから5䜜目をどのシナリオにするか、決定されおいったわけなんですが、ぶっちゃけ、前䜜同様、物語の構成そのものは1䜜目の『スクリヌム1996』のストヌリヌラむンをたんたなぞっおいる方向で話が進んでいお、あらゆる意味で前䜜の別パタヌンになっおいるため、犯人が誰なのかは割りず簡単には読めるようにはなっおいたす。ただ、前䜜の『スクリヌム4ネクスト・ゞェネレヌション』ず本䜜の『スクリヌム原題『Scream』』、新ヒロむンに圓たる䞻人公にしろ、犯人の犯行動機によっお浮き圫りになるテヌマにしろ、話党䜓の味わいにしろ、䌌お非なるものになっおいお、平たく蚀えば、りェス・クレむノン監督の最埌の監督䜜品ずなる前䜜だず、ホラヌずコメディのバランスが䞊手い取られおいお、これが良質なホラヌコメディなのに察しお、本䜜を芳る限りではほがほがホラヌ、スリラヌ路線に舵を振り切っおいる。もっず蚀えば、前䜜のクラむマックス、䞻人公のシドニヌが犯人を1床倒した時の捚お台詞で「オリゞナルを改悪しちゃダメよ。」ず蚀っおいるんだけど、改悪されたリメむク、リブヌト、或いは、その続線が芳客、ファン、支持者、信者が阿錻叫喚しおどのような有害性をもたらしおいお、いわば、その先をテヌマに組み蟌んでいる。そしお、前䜜の『スクリヌム4ネクスト・ゞェネレヌション』が旧ヒロむンが新ヒロむンに受け継がれおいなかったずするならば、本䜜こそが本圓の意味での"ネクスト・ゞェネレヌション"、本圓に旧ヒロむンであるシドニヌずゲむルが新ヒロむンであるサムサマンサずタラ、カヌペンタヌ姉効に継承させおいる玠晎らしい続線になっおいるず思いたした。

ここからはシリヌズを1䜜目から順番に芳たからこそ芋えおきた、5䜜目の玠晎らしかったずころを挙げおいきたいず思いたす。たずは冒頭のアバンタむトル、前䜜の『スクリヌム4ネクスト・ゞェネレヌション』だず、『スタブ6』、『スタブ7』、実際の犯人が起こしたずみられる女子高生ふたりを殺害した様子、物語の構成䞊、入れ子構造で捻りに捻っお芋せられおいたわけなんだけど、今回の冒頭のアバンタむトルでは『X』などに出挔しおいるゞェナ・オルテガさん挔じるタラ・カヌペンタヌが䜕者かによる非通知の電話をする様子が映し出されおいき、圌女が生たれ぀き喘息持ちであるずか、実母ず圌女がホラヌ映画奜きであるずか、スマヌトに説明されおいくんだけど、そこで犯人ずみられる人物が「奜きなホラヌ映画は」ずお決たりの質問をするず、タラは「『ババドック』が奜きだな。」ず蚀っおいお、犯人が「䞀䜓どんなホラヌなんだ」ず聞くず、タラは「耇雑な感情やテヌマが根底にあるの。怖がらせるだけのホラヌ映画じゃない。」ず答えるんですよね。その埌のやり取りではデノィッド・ロバヌト・ミッチェル監督の『むット・フォロヌズ』、ロバヌト・゚ガヌス監督の『りィッチ』が出おきお、今時の若い映画奜きにずっおは芪しみやすいホラヌ映画の名前が固有名詞ずしお出おきお楜しいんだけど、タラが奜むホラヌ映画には䞀貫性があっお、割りず寓話的なホラヌ、スリラヌが奜きであっお、スラッシャヌホラヌはあんたり意欲的には芳おないんじゃないか ずいうのが読み取れる。だからなのか、日本ではかなり銎染みがない蚀葉なんだけど、゚レベデッド・ホラヌアヌトホラヌずいうホラヌ映画の䞭の1皮のゞャンルを指す蚀葉が出おきおいお、䞭盀でランディの姪に圓たるミンディが犯人の動機を掚枬するくだりでもその蚀葉が匕き合いに出されおいるんですよね。で、ここで固有名詞で出おくるゞェニファヌ・ケント監督の『ババドック 暗闇の怪物』、埌の展開である意味機胜するようになっおいお、非垞に気が効いおいる。それで、そこからさっき曞いた通り、シリヌズ過去䜜を芳おいない人にずっおある皋床分かるように、犯人が出題する劇䞭の映画『スタブ』に関するクむズのくだりで芪切蚭蚈がされおいお、タラは事実䞊、クむズの3問目で䞍正解を出したこずをきっかけに、ようやく死神のマスクを着けた殺人鬌"ゎヌストフェむス"が襲いかかっおくる。これは予告線で䜿われおいたずころで、そこからタラが巊の脇腹を浅く切り裂かれた盎埌、圌女がスマホのアプリの機胜を䜿っお、留守䞭の家の防犯システムをタップしおいくわけなんだけど、その防犯システムのオン・オフ・オン・オフの繰り返しが緊迫感の持続を生み出しおいお、非垞に新鮮味に溢れおいお、ゟクゟクさせられるんですよね。そしお、この冒頭のアバンタむトル、今たではこの冒頭の䞀連のくだりは3䜜目のコットンもその䞀䟋に入るのですが、冒頭で襲われた人物は党員最初の犠牲者ずしお物語から退堎されおきたわけなんですが、"ゎヌストフェむス"が銬乗りでそういった人物を刺殺するずころでタむトルが挿入されるのは埋儀に継承されおいるんだけど、このタラは幞い、重傷で枈んでいお、今埌も物語に深く関わるようになっおいる。これこそが5䜜目の最倧の新芁玠なんじゃないかなず思うず、物凄く芋事なんじゃないかな ずいう颚に思いたしたね。

で、前䜜ず本䜜が䌌お非なるものであっお、本䜜の最倧の新芁玠ずしおもうひず぀あるのがシリヌズの1䜜目に出おきた登堎人物ず血瞁関係がある人物が䞻芁人物ずしお物語を動かしおいるずころに尜きるず思うんですよね。特に前䜜では新ヒロむンに圓たる人物、ゞル・ロバヌツがシドニヌ・プレスコットのいずこだったにも関わらず、自分が事件の被害者のいずこであるがゆえの苊しみから、"ゎヌストフェむス"になっお犯行に及び、自分がシドニヌに成り代わっお有名になろうずしおいた。別の意味で前の䞖代が次の䞖代に䞖代亀代する話だったわけなんだけど、本䜜ではシドニヌずの血瞁関係のある人物がそこたで圌女に手を出さないずでも蚀うべきなのか、今回の新ヒロむンに圓たる人物、メリッサ・バレラさん挔じるサム・カヌペンタヌはタラの実母ず1䜜目の犯人であるビリヌ・ルヌミスの間に出来た子䟛、぀たりはビリヌの隠し子であり、圌女が加害者の嚘ずしお生きなければならない葛藀ず苊悩に盎面しおいき、殺人鬌にはならないで、自分の存圚を自分で肯定しおいく物語、或いは、実質血の繋がっおない姉の圌女が効を守るために本圓の姉になる物語ずしお語り盎されおいるんですよね。これが倧正解で、そもそも根本的にはこの埌付けの蚭定、ビリヌがどのような経緯でタラの実母ず肉䜓関係を結んでしたい、その母芪がサムを生たなきゃいけなかったこずは描かなければいけないずいった今埌の課題は付きたずっおはくるんだけど、仮にビリヌが䞡芪が離婚した盎埌ずモヌリヌンを殺害した間の時系列で高校生の時のサムずタラの実母に出䌚っおいれば、かなり蟻耄を合わせるこずはだいぶ可胜だず思われる。蚀っおみれば、前䜜のゞル・ロバヌツが被害者のいずこであるこずを拒絶しおいた人物だずするならば、本䜜のサマンサ・カヌペンタヌは加害者殺人鬌の嚘であるこずから向き合おうずしおいる。前䜜のゞルずはある皮、察照的な人物が新ヒロむンになろうずしおいるのが非垞に物語の組み立おが芋事だなず思ったんですよね。で、序盀でサムがビリヌの隠し子だず血の繋がっおないずされる効のタラにカミングアりトするシヌン曰く、サムは13歳の時に母芪の屋根裏郚屋に眠っおいた高校生時代の実母が曞いた日蚘に圌女が今の父芪ず付き合っおいながら、ビリヌずも亀際しおいお、関係を持っおいたらしく、自分から効のタラの家族関係を築けられなかった原因になったきっかけになっおいるんだけど、圌女が自暎自棄になっおドラッグに手を染めたからなのか、或いは、実母の日蚘に曞かれた真実が因果関係にあるのか、抗粟神薬を飲たないず、1䜜目のクラむマックスの時のビリヌの幻芚が珟れおは悪魔の囁きのような声で圌女を粟神的に苊しめおいる。これは倚分、ビリヌ・ルヌミスを挔じおいるスキヌト・りヌルリッチさんの顔を最新のVFX技術で1䜜目の頃に若返りさせおいるず思われるんだけど、登堎シヌンは少なめなんだけど、ある皮の匷迫性障害から生たれた圌女を悪ぞず導く存圚なんだけど、クラむマックスでは圌女が自己のアむデンティティを獲埗しお粟神的な成長を埌抌しする存圚ぞず倉化しおいる。ここは実に味わい深いずころだずは思いたした。ただ、シドニヌは実質的に1~3をかけお、自分の出生ず母芪の幻芚に悩たされ、どう解攟しおいくのかを描いおいたのに察し、本䜜のサムは映画単䜓で自分の出生ず生みの父芪であるビリヌの幻芚に悩たされお、そこからどう血統、血筋の呪いから解攟しおいくかを描き切っおしたったせいで、6䜜目以降は圌女が成長する䜙地を䞎えられなくなっおしたったずいう匊害があるんじゃないかず思いたす。

加えお、これたでのシリヌズ過去䜜同様、『スクリヌム』シリヌズの魅力であるメタ芖点、メタ構造を党線に枡っお織り蟌んでいお、近幎におけるリメむク・リブヌト、続線の量産のみならず、その先を行くような系譜の䜜品を本䜜の物語内で批評しお芋せおいるんですよね。物語の䞭盀、ランディの姪に圓たるタラの同玚生、ミンディがサムの話を聞いお、犯人の動機が『スタブ』のリメむク版かLegacyquel ãšå‘Œã°ã‚Œã‚‹æž çµ„みで䜜り䞊げようずしおいるんじゃないかずいうのが語られおるんだけど、これは冒頭のアバンタむトルで埮劙に通じおいるずころなんですが、ミンディがその前眮きずしお前䜜でクリスティン・ベルさん挔じるクロ゚が出おいた劇䞭映画『スタブ7』の次に圓たる『スタブ8』の監督が『ナむブズ・アりト』や『スタヌ・りォヌズ/最埌のゞェダむ』のラむアン・ゞョン゜ン監督がメガホンを取っおいたこずになっおいお、字幕版で台詞が短瞮されおいる分、日本語吹き替え版によれば、監督の䜜家性で瀟䌚性を持ったアヌト系のホラヌにしたこずで、その映画のファンが子䟛の頃の思い出をブチ壊されたず阿錻叫喚の嵐を呌んでいたこずがそういう物語の䞖界での事実ずしお明かされるわけなんだけど、その監督が職人監督ずしお人気ホラヌ・シリヌズの続線で瀟䌚性を盛り蟌んでいるずいうのはディテヌル的に少し違和感を芚えおしたうんだけど、有名監督の自虐的な笑いを生んでいるのはしっかり的を埗た笑いどころで面癜いですね。ただその半面、ここで圌女が語っおいた人気シリヌズを愛する芳客、ファン、信者、支持者が抱える激烈な怒りや怚みずいうのがそのたんた、あからさたに本䜜におけるテヌマ、犯人が犯行に及んだ決定的な理由ず絶劙にリンクしおいるのが脚本の巧みさを感じさせおくれるんですよね。たた、その䞭で圌女が蚀う台詞を日本語吹き替え版ず字幕版を織り亀ぜながらで匕甚させおいただくず、「シリヌズ物で党くの新プロットは蚱されない。ファンが蚱さないから。『ブラック・クリスマス2019』、『チャむルド・プレむ2019』、『フラットラむナヌズ2018』、䞊手くいかなかった。だけど、普通の続線も぀たんないし、新しい角床が必芁なの。でも、新しすぎおもネットで倧炎䞊しちゃう。筋曞きは珟圚進行圢の蚭定じゃないず。新しい䞻人公は昔の登堎人物ず関わっお支えられる。リブヌトでも、続線でもなくお、新たなる『ハロりィン2018~』でも、『タヌミネヌタヌ』『ゞュラシック・パヌク』『ゎヌストバスタヌズ』『スタヌ・りォヌズ』 そう、必ず第1䜜目に回垰するのよ。」。この䞀連の台詞、その埌の展開からしお、この過去䜜から継続しおいる芁玠ず新芁玠が䞊手く絡められおいるのかは諞手を挙げお成功しおいるずは蚀えないような気はするのですが、過去䜜ず最近のドラマ版ずは繋がりがない䞖界線ずされるリブヌト版の『チャむルド・プレむ』のような批評家からも、䞀般芳客からも、批評的には成功を果たしおいなかったこずをディスっおいるのはクスッず笑えお、なおか぀日本では興行的にそれなりに売れおおも、珟実的には本囜からすれば、そういう扱いなのには孊べるずころではある。そしお、䜕だっお、1䜜目の『スクリヌム』、或いは、りェス・クレむノン監督に察するリスペクトに溢れおいお、非垞に誠実に䜜られおいるこずが明確に衚珟されおいる。

䞀方、『スクリヌム』シリヌズを支えおきた登堎人物5人、正確に蚀えば、そのうちの1人は前䜜から参戊したばかりなんだけど、このシリヌズを远っおいる人からすれば、たるで同窓䌚のような感芚であり、里垰りできるような䜓隓を堪胜するこずができる。特にこのシリヌズの顔である䞻人公のシドニヌ・プレスコット、シドニヌは3䜜目の『スクリヌム3』ず同じく、䞭盀以降での登堎にはなるわけなんだけど、予告線などでは意図的に芋せおいなかったんですが、4䜜目ず5䜜目の間に䜕があったずでも蚀うべきか、なんず3䜜目のロス垂譊に配属しおいたマヌク・キンケむド刑事ず結婚しおいお、今は子䟛を授かっお、幞せな暮らしをしおいるこずが明かされおいるんですよね。この物語䞊、珟状、パトリック・デンプシヌさんが挔じおいたキンケむド刑事はデュヌむの台詞でさり気なく出おくるだけで、サプラむズ的に登堎しおいるわけではなくお、シドニヌに至っおは隠し子である兄や事件の被害者を家族に持っおいたせいで蟛い思いをしおきたいずこに呜を狙われる心配はないから、完党にあらゆる問題から立ち盎ったず蚀っおもいい。芁するに、圌女の物語はもう終わったず蚀っおも過蚀ではないんですよね。なので、本䜜のシドニヌ・プレスコットは厳密には2床目なんだけど、新ヒロむンにバトンを枡す圹割に培しおいるわけなんですよね。で、察する、1䜜目では番組のレポヌタヌであり、本䜜だず、ニュヌペヌクのニュヌス番組の看板キャスタヌであるゲむル・りェザヌズ、ゲむルはシドニヌず違っお、本䜜から初めお新ヒロむンにバトンを枡す圹割が䞎えられおいお、シドニヌより先に登堎しおいる旧ヒロむンなんだけど、シドニヌずゲむル、どっちも誰かをワンパンチする展開は無いのはちょっず寂しいんだけど、特に終盀、シドニヌずゲむルが車でサムたちの足取りを远う道すがらでの䌚話シヌン、ここで圌女は「私があなたの母芪の話を本にしお曞いたから党おの始たり。党郚私のせい。」ず蚀っおお、"りッズボロヌ殺人事件"から25幎にしお、モヌリヌンの事件をノンフィクション本にしたこずに察しお自責の念を入れおいお、その解答ずしおシドニヌは「いいえ、違う。ビリヌのせいよ。」ず蚀うわけなんですよね。ここから察するに、諞悪の根源は3䜜目のロヌマンなんじゃないかず突っ蟌みたくはなるっちゃなるんだけど、確かに、そこでロヌマンからのバトンを枡したのがビリヌなのは蚀うたでもなくお、でも、ゲむルがあの事件を曞籍化させたこずでシドニヌを有名人ず化しおしたっお、4䜜目のゞルを殺人鬌にさせた原因に繋がっおくるから、簡単には「あなたのせいじゃないよ。」ず割り切れないずころはある。぀たり、圌女はこれたでの歎史を䜜ったこずに重倧な責任を感じおいるずいうのが倧きく出おいる。

そしお、この本䜜を語るうえでは1番欠かせない登堎人物になっおいるのか元保安官代理のデュヌむ・ラむリヌ、どうやらゲむルずデュヌむはあれから10幎埌、数幎前にニュヌペヌクに䜏んでいたけど、りッズボロヌを離れたこずに葛藀しおいたデュヌむはそのせいで別居しおしたい、デュヌむは"ゎヌストフェむス"の䞀連の事件で䜓がボロボロになっおいるせいで、保安官を退職し、トレヌラヌハりスでひずり暮らししおいるようなんですが、これたでシリヌズ過去䜜1~4、共通しお、あたりにも圹に立たないキャラずしお描かれおいお、過去に囚われおしたっおいるデュヌむがその根幹にある新たなる"ゎヌストフェむス"の事件で決着を぀けようずシドニヌずゲむルに町に戻らないよう譊告する蟺りなんかはデュヌむの歎史を物語る背䞭も盞たっお、物語的には非垞に厚みが䌝わっおくるし、特に䞭盀のりッズボロヌ病院での犯人ずの戊闘シヌン、ここでは3䜜目のクラむマックスにあった犯人のロヌマンが防匟チョッキを着甚しおいたこずで、頭を狙撃しお止めを刺したシヌンをオマヌゞュしおいるのですが、あの時の教蚓を忘れないように、デュヌむが犯人に止めを刺そうず思いきや、殺られおしたうずいう衝撃的な展開、あれはもうはっきり蚀っお、子䟛の頃に通っおた習い事の先生であるずか、よく行く近所のコンビニの店員ずか、友達ずは蚀えないけど、自分の日垞にはいる身近な存圚が突然いなくなったような挠然たる気持ちがあっお、2、3回芳賞しおいるのですが、ここは䞍思議ず涙腺が匷く刺激させられちゃっお、本圓に涙が出そうなくらいに感動させられたしたね。あずは前䜜の『スクリヌム4ネクスト・ゞェネレヌション』から匕き続き登堎しおいお、前䜜ず連続しおいる䞖界線であるこずを明瀺させおいる人物であるゞュディ・ヒックス保安官代理、本䜜においおのゞュディの扱いは文句を蚀いたいんだけど、圌女は䞊叞のデュヌむが退職しおから数幎経っおるだけあっおか、既に1人前に成熟しおいお、町を守る地元の保安官ずしおは芪近感のある立掟な女性になっおお、同窓䌚映画ずしおの圹割が本圓に凄く効いおいるし、䜕よりもシングルマザヌずしおは『ドント・ブリヌズ』などのディラン・ミネットさんが挔じる息子のりェス・ヒックスに察しおは肝っ玉母さんのようなどっしりずした䜇たいで愛情を持ち合わせおいる。ずは蚀っおも、圌女の郚䞋であるノィン゜ン保安官代理ず比べたら、比范的、無胜じゃない保安官ではあるんですが、サムが生たれ故郷のりッズボロヌで家族に迷惑をかけた以䞊、ちょっず感じ悪い䞀面も感じられる人物にはなっおいる。なので、サムの立堎からすれば、助けを求めたくおも、求めにくかった人物であり、ゞュディ含めこの組織党䜓、あんたり頌りにならない存圚だったんじゃないかなず思われたす。あず、これはちょっずうっかり初芋時の芳賞䞭では気づかなかったんだけど、䞭盀、サムら3人が2䜜目たでは生きおいたランディがか぀お暮らしおいお、圌の甥ず姪であるチャドずミンディのいるミヌクス家に入っお早々、ランディの効、マヌサ・ミヌクスさんが䞀同に振る舞うお菓子を甚意しお珟れるわけなんですが、なんず『スクリヌム3』の時の同じ俳優を起甚しお、マヌサを挔じられおいお、同窓䌚映画ずしおは圓たり前のこずではありたすが、ここはシリヌズを愛しおやたないファンのために最倧限の敬意を払っおいるず蚌明しおいるず蚀っおもいいんじゃないのでしょうか。

もちろん、本䜜の䞻芁人物である犯人ふたりが扮しおいる殺人鬌"ゎヌストフェむス"の犯行スタむルはスラッシャヌホラヌの肝を抌さえおいお、3䜜目の『スクリヌム3』では䜏宅街の䞭にある䞀軒家をガス爆発で爆砎するずいうゞャンル的に反則的な芋せ堎があったんだけど、そんな掟手な芋せ堎は無くお、ゞャンル映画でよくある定番的な芋せ堎なはずなのに、"ゎヌストフェむス"の容赊無いナむフでの攻撃が䞀定以䞊の面癜さを果たしおいるず思いたす。その䞭では"ゎヌストフェむス"は基本、ナむフの滅倚刺しが倚くお、冒頭の1床目のタラの襲撃ずか、ゞュディの殺害なんかはあたりにも犯人に同情の䜙地を䞎えおないような感じが取り入れられおいるのお芋事で、特に䞭盀にあるゞュディの自宅前で圌女を滅倚刺しにするシヌンは『殺人鬌から逃げる倜』䞊みに助けを求める声が呚囲に届かないのは本䜜でノむズになりかねない突っ蟌みどころにはなっおるず思いたすが、たるで"ゎヌストフェむス"がいずも簡単に人の呜を奪っおいく様は『必殺仕事人』のようで滅茶苊茶カッコよく映っおいる。あず、"ゎヌストフェむス"の殺害シヌンで緊迫感、緊匵感を持たせおヒダヒダさせおくれおいるはずなのに、前䜜よりもホラヌに振り切っおいるはずなのに、シリヌズ過去䜜から䞀貫しおいるコメディ芁玠が盛り蟌たれおいお、終盀、ストゥの家のリビングでテレビで劇䞭映画『スタブ』の終盀のシヌンを芳おいお、恐らく2ず4で描かれおいた『スタブ』ず同じ䜜品だず思いたすが、ミンディが劇䞭映画の物語の䞭のランディに笑いながら突っ蟌むのは4の入れ子構造を応甚したような笑いどころでこれたた巧みだし、そこで1䜜目のように劇䞭映画でランディが『ハロりィン』を芳ながら突っ蟌むシヌンず今起きおいる珟実でミンディがランディみたいにそのシヌンに突っ蟌みを入れる様子が絶劙にリンクしお、そこからの"ゎヌストフェむス"の襲撃は新旧、シリヌズを愛しおいるファンには堪らない爆笑必至の笑いどころだったず思いたす。


ただ、これたで『スクリヌム1996』~今回の『スクリヌム2022』を党郚芳おきた分、『スクリヌム』ずいう1本のホラヌ・シリヌズに愛着を持ったからこそ、「なんでこんな展開にしたの」ず䞍満点、疑問点、問題点が芋受けられる䜜品にはなっおいるず思いたす。たず、これは前䜜の『スクリヌム ネクストゞェネレヌション』ずは盎接繋がりがあっお、シリヌズ4䜜品を芳た蚘憶がうろ芚えな人からすれば、ちょっず味わいにくくはなるず思うけど、前䜜に匕き続き続投しおいるゞュディが母芪であり、保安官代理でもある立堎になっお登堎しおいるんだけど、前䜜の冒頭で描かれおいたアナ・パヌキンさんずクリスティン・ベルさんが出挔しおいた『スタブ7』は本䜜では台詞の䞭に出おきおはいるんだけど、肝心の犯人であるゞル・ロバヌツずその共犯者のチャヌリヌ・りォヌカヌが起こした連続殺人事件は10幎前のこずなだけあっお、盎接的に絡んで来るんじゃなくお、間接的に絡んでいるんですよね。これは珟実的に考えお、10幎前のゞルずチャヌリヌが起こした事件は完党に颚化し切っおいお、有名になりたいからずいう理由で眪を犯したこずが序盀の車内でのサムずリッチヌの䌚話シヌンでスマヌトで説明されおはいるんだけど、この物語の䞭では事実、史実が残されおいるずはいえ、4䜜目にあったチャヌリヌずによるシネマ郚の存圚は本䜜で誠実に継承させたほうが1本の線が続いおいるこずが匷調されおいお、少しはプラスに働いおいたんじゃないかなず思わなくもないんですよね。むしろ、ミンディがシネマ郚の郚長で、前䜜みたいにたたシネマ郚の郚長が犯人じゃないかず匂わせ皋床で芳客が予想できるように、ミスリヌド的に機胜させおいおもいいぐらいだず思いたした。

たた、前䜜の繋がりで蚀えば、保安官代理のゞュディ、䞭盀、ミンディが犯人の動機を掚枬するくだりでは元凶の"りッズボロヌ殺人事件"の関係者が次の犠牲者になるず掚枬しおいお、圌女の息子のりェスは「僕の母さんは」ず聞いたら、ミンディは「1䜜目に登堎しおないから平気。」ず答えおいる。裏を返せば、前䜜に関係がある人物でさえも犠牲者になる危険性は少なからずあっお、デュヌむ、ゲむル、シドニヌが今埌のシリヌズが語られ続けるにあたっお、"ゎヌストフェむス"を着けた誰かによっお死ぬ前兆ではあったこずを瀺しおはいたんだけど、圌女は前䜜で3䜜目から登堎したマヌク・キンケむド刑事みたいな圹割を果たしおいお、か぀前䜜では唯䞀の事件の生き残りずなる人物であったんだから、割りず無防備な状態で、"ゎヌストフェむス"ず栌闘しないたた、殺されるのはちょっず受け入れづらかったです。もちろん、10幎ぶりの続線で過去䜜から匕き続き登堎しおいる人物をバッサリ退堎させお、新ヒロむンであるサム・カヌペンタヌや2代目ランディのような映画オタクキャラのミンディずいった新䞖代が本䜜以降で物語を匕っ匵っおいくわけだから、必芁ず蚀えば、必芁だったかもしれたせんが、私を含め、前䜜でゞュディに思い入れがあった人ほど圌女の扱いが物凄く可哀想に感じられおならない。それに、ディラン・ミネットさん挔じる息子のりェス、せっかく前䜜から登堎しおいるゞュディの息子で、序盀ではミンディらがお芋舞いに行ったあずの䌚話シヌンでタラに奜意があったずされるこずが語られおいたのに、母芪から受け継がれおいた䜕かが語られおいないどころか、結局、りェスがタラに恋愛感情を寄せた事実がそのたた誰かに䌝えられずに葬られおしたうのはちょっずどうかなず思わなくもなかったりする。

あず、これたでの過去䜜に登堎しおきた登堎人物ず過去䜜の人物ずの血筋を持った人物、そしお、過去䜜の人物ずは無関係な人物 あらゆる人物を最小限に描き分けおいるのはいいんだけど、新しい登堎人物に関しおはミスリヌド的な芁玠を盛り蟌んだ結果、良くも悪くも䜜り手の意図だけが前に出おいるようなこずにはなっおいる。特にクラむマックスの手前、か぀おのストゥの家のリビングでひずりになったばかりのミンディずチャドを探しに行っお垰っおきたタラの同玚生のリノのやり取り、そこでは2䜜目ず3䜜目で意倖な人物が犯人だった割りには「あなたはだあれ」みたいな感じで登堎シヌンが少なかった人物だったこずを思い出させるかのごずく、リノが「私には犯人は務たらないんでしょ。意倖な"ひねり"があるかも。"専門家"の意芋はどう」ずいかにもな感じでミンディに揺さぶりをかけおくるんだけど、初芋で芳た時はリノが犯人じゃないかずちょっずだけ怪しんだんだけど、よくよく考えるず、家の地䞋宀でビヌルを取りに来たアンバヌず圌女を远っおきたミンディの䌚話でふたりのどちらかが犯人だず芳客に疑わせるシヌンだけで、充分だったように感じられたす。事皋巊様に、䟋え、リノが犯人なんじゃないかず芳客に思わせるシヌンがあっおもなくおも、クラむマックスの最初、リビングで圌女が死んだずみられるチャドを発芋しお䞀同に報告するシヌン、あそこで話を聞いた犯人が唐突に圌女を銃殺するシヌンはいくら蚈画的な連続殺人を珟圚進行圢で実行しおいるずはいえ、物語的には単に雑さが際立っおいお、もう少し犯人の正䜓が暎かれるくだりは焊らしおやったほうが自然だったんじゃないかなず思いたす。雑さず蚀えば、旧ヒロむンのシドニヌずゲむルがか぀おのストゥの家の前で犯人に刺されたずひず芝居を打っおいた真犯人ず察面しおからの察峙、真犯人がゲむルがこれたでの経隓䞊からか、芝居をしおるず芋抜かれたから先手を打っおきたのはいいんだけど、段取りが䞁寧じゃなくお、それでこそ、そのくだりでリノが1䜜目のランディのようにシドニヌずゲむルに助けを求めたほうが前䜜にはなかった1䜜目のオマヌゞュを提䟛するこずができたんじゃないかなず思うんですよ。

あずは本䜜、ぶっちゃけるず、マむキヌ・マディ゜ンさん挔じる同玚生のアンバヌずゞャック・ク゚むドさん挔じるサムの恋人、リッチヌが殺人鬌ゎヌストフェむスの正䜓であり、今回の事件の犯人の正䜓だずいうこずが明かされおいお、シリヌズ過去䜜を芳おいる人からすれば、かなり犯人が誰なのか読めるようにはなっおいお、過去䜜を芳おいない人が芳れば、終盀たでは誰が犯人か分からないようになっおいるんですが、この2人が犯人であるこずは割りず簡単に読めるようにはなっおいたす。で、サムの圌氏であるリッチヌはデュヌむが生き残るためのルヌルをサムずリッチヌに教えおいる䞭に「恋人を信甚するな」ずいったルヌルがあるこずずか、パ゜コンで『スタブ8』を批刀する動画を芳おいたりずか、そういった垃石があるから、犯人がリッチヌだず分かっおいたずしおも、面癜く芳れるんだけど、䞻犯栌のアンバヌは「あなたはだあれ」みたいな存圚感の無さは党然無いにせよ、冒頭の1床目のタラの襲撃の時点で結構怪しいんだけど、䜕床も同じシヌンを挙げお悪いけど、䞭盀でミンディが犯人の動機を掚枬するくだりでは最埌に圌女がサムが犯人だず疑いをかけおくる展開は劙にアンバヌだけが質問や意芋を蚀うのが少なくお、圌女の衚情で考察の幅を広げおくれるような僅かなカット、ショットが無いからか、いわゆる圌女の心理描写が芋せられおいないこず自䜓が犯人だず瀺すような䌏線、垃石ずいうよりも普通に手萜ちになっおるんじゃないかなず疑問に思わざるを埗ない。

で、これが最倧の問題点なんですが、この犯人のアンバヌずリッチヌの犯行動機、良く蚀えば、䟋えば、『タヌミネヌタヌ』シリヌズずか、『ゎヌストバスタヌズ』シリヌズであるずか、䞀郚の続線に䞍満を持っおいる支持者、信者、ファンがその映画を愛するがゆえに怒り、憎しみを内偎から芜生えるようになっおしたい、それが有害性、暎力性を匕き起こしおたう恐れがある。぀たり、倧きく蚀えば、映画ファンの歪んだ映画愛、䜜品愛を動機にするこずによっお、アンバヌずリッチヌは続線、リブヌト・リメむクを芳おきお激烈な怒りを抱えおきた芳客、ファンを象城化させたキャラにさせおいお、長幎のシリヌズ物の䜜品におけるリブヌト・リメむク、埅望の続線を䜜っおファンサヌビスするのはいいずしおも、それが䜜品を深く愛しおきた、長幎付き合っおきた映画奜き、映画ファンを傷぀けおないか、本圓に誠実に愛を蟌めお受け手に向けお䜜っおいるのかず深く考えさせられるようには䜜られおいる。もっず蚀えば、これっお最近で蚀えば、䟋えば、日本の配絊䌚瀟が挫画の実写化䜜品だったり、倖囜映画のリメむク䜜品をお金をかけお䜜っお、シネコンで倧きい芏暡で䞊映されおいく䞭で、元ネタが知りたいこずはあっおも、個々がそれぞれ抱えおいた期埅が裏目に出おいたり、䜜り手がおずなの事情でなんずか頑匵っおいおも、単玔に志が䜎くお、䞍誠実さが露呈しおいたりする。だからこそ、芳客をナメたたんたで映画を䜜らないようにするべきだずいう批評的、批刀的なメッセヌゞが炙り出されおいるような偎面もあるわけなんですよ。ただ、この動機そのものは裏を返せば、アンバヌずリッチヌの歪んだ映画愛、䜜品愛を連続殺人事件の犯行動機を結び付けたこずによっお、アンバヌずリッチヌが人呜を軜芖しお4人を殺害しおいるはずなのに、メタ芖点、メタ構造に物語内に萜ずし蟌み過ぎた結果、ある意味寓話的には機胜しおいるんだけど、珟実的には人気シリヌズにどハマリしたラむトな映画ファンのしょうもない動機であっお、あたりにも共感しづらい犯行動機に蚭定されおいるず考えられるんですよね。もちろん、この『スクリヌム』シリヌズの䞖界にいたアンバヌずリッチヌは珟実にある人気シリヌズに匷い䜜品愛を持っおいる映画ファンを代匁しおくれおいお、ひょっずしたら、自分ず重ね合わせお芳るこずができる芳客もいるず蚀えば、いるかもしれないんだけど、1䜜目のビリヌ・ルヌミス、2䜜目のビリヌの母芪、デビヌルヌミス、3䜜目のロヌマン・ブリッゞャヌ、そしお、4䜜目のシドニヌの埓姉効のゞル・ロバヌツず高校のシネマ郚郚長チャヌリヌ、これら過去䜜の犯人ず比范するず、シリヌズの䞭では矀を抜いおくだらなさ、幌皚さ、皚拙さ、身勝手さは遥かに䞊回っおいる犯行動機だず思いたした。しかも、クラむマックスで別居䞭の倫を殺されたゲむルが仇蚎ちする展開は滅茶苊茶アガれるんだけど、犯人の犯行動機に察する解答はリメむク・リブヌト、続線をアヌトホラヌのテむストにしおも、瀟䌚性を盛り蟌んだ䜜颚にしおもいいず肯定しおいるようで、人気シリヌズを愛しおきたファンぞの䜜品愛がちょっず吊定されおいるような気がしお、珟段階だず、どうしおも敎理が぀かない郚分ではあるかなず思いたした。

あず、これはわがたたず蚀えば、わがたたなんですが、䟋えば、デュヌむがランディのように生き残るためのルヌルをサムに教える展開、或いは、死んだず思われた真犯人のアンバヌが甊っお殺そうずする展開、"お玄束"の展開は甚意されおいるのに、犯人のひずりが正䜓を明かす時に蚀う「○○䞻人公の名前、驚いた」ずいう台詞がカットされおいお、ボむスチェンゞャヌで「最高の筋曞きだ。」ず蚀うのであれば、そこは十八番の展開ずしお必芁だったんじゃないかなず思うず、これはこれで物足りなさが感じられる。そしお、ラストカット、1䜜目同様、か぀おのストゥの家でりッズボロヌの地元譊察が珟堎怜蚌を行っおいお、ゲむルに䌌た番組レポヌタヌらマスコミが䞭継を繋いで報道しおいる。各々の様子が俯瞰したショットで映し出されおはいるんだけど、『ハロりィン KILLS』の回想シヌンの撮圱で䜜り蟌たれおいたセットず比べるず、芋劣りするずころがあっお、グリヌンバックの背景合成ず撮圱スタゞオの䞭で矎術監督たちが䜜り䞊げたセットで頑匵っお撮圱しおいるのが目に芋えちゃっお、良くも悪くもなんずか頑匵っおるずいうこずが䌝わっおくる。厳しく蚀えば、サヌビス満点なのは䌝わっお来るんだけど、1䜜目にあった1996幎の犯人殺害盎埌の様子ず比べたら、もうちょっずVFX技術で再珟床を高くできたんじゃないかなず感じちゃいたした。ただ、゚ンディングに入る盎前、1䜜目ず同じ文字フォントで「FOR WES」日本語蚳『りェスに捧ぐ』ず文字テロップが入っおお、前䜜から玄4幎埌にこの䞖を去ったりェス・クレむノン監督をマット・ベティネリオルピン監督ずタむラヌ・ギレット監督のコンビ、補䜜総指揮を務め、これたでシリヌズ過去䜜で脚本を担圓しおきたケノィン・りィリアム゜ンさんがオリゞナルである1䜜目には倧倉誠実に敬意を払っお䜜られおいるこずが充分に䌝わっおくる。いわば、補䜜陣はシドニヌずゲむルがサムずサラ姉効にバトンを枡すように、今埌は『スクリヌム』の物語を責任持っお描こうずしおいる意志が明確に出おいるこずが䌝わっおくるわけなんですよね。

ちなみに、次回の6䜜目、『Scream6仮題』なんですが、どうやらシドニヌを挔じおきたネヌノ・キャンベルさんは亀枉段階で補䜜陣が出したギャラの額に玍埗いかなかったようで、珟段階では本䜜の生き残りであるサム圹のメリッサ・バレラさん、タラ圹のゞェナ・オルテガさんの続投は決たっおるみたいなんですが、芳る前にネむノ・キャンベルさんが出挔しないずの報道を知ったのですが、本䜜を芳お考えるず、新ヒロむンであるサラの物語は続けられるから、結果的に新機軞で物語を進められるんじゃないかなず予枬しおいたす。個人的には3䜜目でしか登堎しおなくお、5䜜目ではデュヌむの台詞の䞭でさはか名前が出おこなかったパトリック・デンプシヌさんが挔じるマヌク・キンケむド刑事を本栌的に登堎させお、ニュヌペヌク垂譊の刑事ずしおサムずタラ姉効、たたはカヌペンタヌ家ず関わるようにしおおいたほうが新芏のファンだけでなく、埓来のファンがアガれる展開が構築できるんじゃないかな なんお思っおいたす。もちろん、珟状、次回䜜で登堎できないず思われるシドニヌ、ただ生き残っおいるゲむル、今挙げたマヌク・キンケむド刑事ずいった過去䜜の登堎人物に頌り過ぎお、新たな登堎人物の成長や葛藀、掻躍が垌薄になる危険性があるずは思いたすが、色んな過去の名䜜を芳おいるわけではないのですが、少なくずも3䜜目で語られおいなかったマヌク・キンケむド刑事の背景を具䜓的に明かし぀぀、ビリヌの幻芚からの苊しみから解攟されたサムず血の繋がらない姉に助けられたタラのその先の物語をどう展開しおいくか、その続線は滅茶苊茶芳おみたいなず心から思っおいたす。その意味では、䟋え、日本での劇堎公開が決たっおも、DVDストレヌトになっおも、来幎、2023幎でこの目で確かめおみたいです。

ずいうこずで、『スクリヌム』シリヌズの1䜜目を意識しおいるのは4䜜目の『スクリヌム4 ネクストゞェネレヌション』ず䌌お非なる内容にはなっおいお、前䜜ず比べるず、このシリヌズに順を远っお芳おきたからこその良し悪しの問題が出おしたっおいるのは明らかなんですが、4䜜目の新ヒロむンずされる人物がシドニヌの埓姉効のゞルだったずするならば、本䜜、5䜜目はビリヌの実の嚘であるサムサマンサを新ヒロむンずしお、ファむナルガヌルずしお、呪われた血統、血筋を持った加害者の嚘ずしお、物語の䞭心人物にしお語り盎しおいるのは非垞に玠晎らしい仕切り盎しで、新しい物語が始たったこずには期埅でしかないし、本䜜ではシドニヌ、ゲむル、デュヌむ、前䜜から登堎しおいたゞュディが匕き続き登堎しおいた分、『スクリヌム』シリヌズを順を远っお芳おいただいたほうがもっず楜しめるうえ、同窓䌚映画、或いは、ファンムヌビヌのような味わい深さが持ち合わされおはいるのですが、シドニヌずゲむルの物語から成る長幎歩んできた物語の歎史に加え、カヌペンタヌ姉効サムずタラの物語から成る新しい歎史の1ペヌゞ、そしお、『スクリヌム』シリヌズの本来の魅力であるメタ芖点、メタ構造が持っおいる「続線映画」「リブヌト、リメむク映画」を䜜り䞊げおいくうえで䜕が倧切なのか、映画ファン、映画奜きを傷぀けおいないのか そういったフランチャむズ化、シリヌズ化されおいる映画の本質的、根源的な問い盎しをしおいる奥深い䜜品だず思いたした。もちろん、シドニヌを挔じおきたネヌノ・キャンベルさんが出挔しないずの報道がある限り、本䜜、5䜜目の続きずなる次回の『Scream6仮題』は本圓に同窓䌚映画の芁玠は極めお最䜎限床には留められおいるから、ここから2や3を連想させる事実が明らかになっお、歎史が繰り返されるのか、或いは、それずは違う珟代的なメッセヌゞが盛り蟌たれおいるのか、どんな圢であれ、面癜い映画になるず信じおいたす。映画通で䞊映されおいる新䜜映画もいいけど、埋もれおしたわないようにずもっず認知されおいおほしいずいう意味を蟌めお、是非是非、色んなかたちで芳賞しおみおください。