朝ドラ再放送の「澪つくし」にみる「銚子の風土」 | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

今、NHKBS2で平日朝7時15分から朝ドラで沢口靖子主演の「澪つくし」が始まっています。これがなかなか面白い。

 

(NHK HP澪つくしより)

 

 

今に至る銚子は、紀州(和歌山)の人たちが移住して成立した町。

 

房総半島の大半は、6600万年前よりも新しい古第三紀の柔らかい地層でできていますが、銚子だけ恐竜がいた時代(1億年以上前)の古くて硬い地層でできた土地のため、海に侵食されず、半島として突き出ているところがポイント(千葉のトリセツ26ー27頁)。

 

 

このおかげで、黒潮を妨げ、北からの親潮とぶつかって良好な漁場を生んだといいます。

 

更に海に突き出ているために海洋性気候ならではの年間気温差の少ない安定した気候を形成。

 

このおかげで、醤油生産に最適な立地として醤油のルーツたる紀州の人たちが工場を銚子に建設したといいます(「ヒゲタの歩み」より)。

 

(澪つくし「入兆」のモデルとなったヒゲタしょうゆの歴史)

 

この突き出た半島に、黒潮に乗ってやってきた紀州の人たちが、醤油と漁業を銚子にもたらしたというわけです(ただしヒゲタは地元資本)。

 

安房(あわ)の国も阿波(あわ)の国(徳島)から黒潮に乗って移住してきたという説もあるとおり、房総は黒潮に乗って西で育った文化がたどり着いた地域でもあります。

 

朝ドラでは、ぬれ煎餅でも有名な銚子電鉄に乗って、外川の漁師町に遊びに行く沢口靖子演じる主人公「かをる」。銚子半島の南にある外川は、紀州の漁師が移住して誕生した漁村。化学肥料が発明されるまで、外川の漁師が獲ってきたイワシは肥料として干鰯(ほしか)と呼ばれ、高く売れたといいます。

 

ヤマサ醤油の創業家濱口家も、外川の漁民に勧められて醤油の発祥地、紀州から銚子にやってきたともいいます。

 

 

かをる自身は、醤油会社「入兆」のオーナー坂東久兵衛の妾、加賀まりこ演じる古川るりの子。坂東久兵衛は、紀州に本家があり、工場のある出張先の銚子に妾を囲って生まれたのが「かをる」です。

 

これも銚子の歴史をそのままなぞった脚本で、さすがのジェームズ三木さん。朝ドラバージョンの「ロミオとジュリエット」として企画された「澪つくし」。

 

今後の展開が楽しみです。