品行方正とは
今朝、家の近くの
あまり人も車も通らない、大股5歩くらいで渡れてしまう、短い横断歩道に一人の女の人がいた。
その人が何をしてたかというと、もちろん、当然のごとく、信号を待っていた。
赤から青になるのをじっと待っていた。
車も、人も、子供も、誰もいないのにわざわざじっと待っていた。
決められた、交通ルールをきちんと守っていた。
行けばいいのに
と、無意識に私はつぶやいていた
全然せっかちではないけど
私なら、100%渡っていた。
もちろん、何の罪悪感も逡巡もなく。
朝だし、時間ないし、見通しいいし、誰も見てないし
でも、彼女は律儀に止まっていた。
彼女はショートカットで、ズボンにシャツを着ていた。
パンツではなくて、あえてズボンという感じのズボンには、きちんとシャツが中に入れられていたし
シャツはなんと第一ボタンまで留められていたし
そのうえ、ボタンダウンシャツのボタンまできちっと留まっていた。
彼女はきっと、これからも
ボタンを3つはずして、胸元を覗かせる
なんてことは一生しないんだと思う
服なんてのは、趣味嗜好の話だけれど
その人にとっては
ずっと信号は守るものだし、ボタンは留めるもの
山に登る理由?
そこに山があるから。
みたいな
そういうもの。ということなのだろう
普通に暮らしてれば、何にしても
やる人はやる。
やらない人はやらない。
例えば、時には魔が差す、ということもあるかもしれない
でも
そちら側に足を踏み入れるというのは、紙一重のようでいて
その紙の厚さが人によって
トレーシングペーパーだったり
段ボール紙だったり。
そういう事なんだろう、と思う。
それが常識だったり、道徳だったり、法律だったり
品行という事なんだろう
と思った。
つづく
NEW078②
いらいらする
ゆらゆらじゃない
いらいらする
世の中を台風のように
通り過ぎたい
いらいらする
たらたらじゃない
いらいらする
買い物のレジに五十人くらい
並んて”いるくらいにいらいらする
こんなにイライラするのなら
世の中に存在していないくらいに
世の中を傷つけないように
何処かに隠れていたい
ゆらゆらする
いらいらじゃない
スーパーに人っ子一人いない
通路をゆらゆらする
たらたらする
いらいらじゃない
時計の秒針を二時間見つめるくらいに
部屋て”たらたらする
思い通りになろうがならまいが
ゆらゆらしたい
たらたらしたい
キンモクセイの香りのように
世のなかに存在していることを
そっと証明したい
ギラギラはいつしか
グラグラしていて
折れそうになる
いらいら
ゆらゆら
たらたら
ぎらぎら
ぐらぐら
そんな音たちを口ずさみながら
僕はふらふら
中央郵便局を越えて
栄町をさまよった。
続く
