NHK「ワイルドライフ~キツネ家族ツンドラの大地を生き抜く」あらすじ
◇NHK-BSプレミアム「ワイルドライフ」「カナダハドソン湾 キツネ家族ツンドラの大地を生き抜く」11/10(月)午前8:00~9:00の再放送を観た。これまで6/2(月)・9/30(月)20:00~21:00などで放送。語り: 小林千恵アナ◇ カナダ北東部ハドソン湾岸の広大なツンドラ地帯。年間の平均気温は氷点下5度、1年の半分以上が雪と氷に覆われ、極限られた生き物しか暮らせない極限の地だ。ハドソン湾沿岸チャーチル近郊のポンドインレット。北極圏を700kmも北上したバフィン島北部に位置し、人口1,300人(イヌイットが95%)の町。一年に亘って取材を敢行し極寒の地で繰り広げる、壮絶で感動的な命のドラマ。◇■ 北極ギツネ(学名Vulpes lagopus、ネコ目イヌ科キツネ属、北極原産)ここで、小さな身体で天敵と戦いながら懸命に子育てをしている。8匹の子どもを養うキツネ夫婦を中心に、1年に亘って密着取材を敢行し、知られざる子育てを間近に捉えた。地球温暖化が北極ギツネの生態にも影響、赤ギツネ(学名Vulpes vulpes、ネコ目イヌ科キツネ属、北米~北ユーラリアに広く生息)が北上して来て、新たな天敵になっている。天敵から狙われたり乏しい食料事情で命を落としたりする。(8匹⇒) 生き残った子供たち2匹は、逞(たくま)しく成長し、やがて極北の荒野へと旅立って行く。 ◇■ 北極グマ(白クマ、アイスベアとも呼ばれる。学名Ursus maritimus、ネコ目クマ科クマ属)体重600kg・体長2.5mに達する地上最大の肉食動物、氷の王者・北極グマは、今や絶滅危惧種に入った。北極グマは世にも奇妙な状態にある。長く苦しい時期を乗り切るために、歩いたりケンカをしてみたり、一見すると普通に活動しているにも拘わらず、実は身体は奇妙な「冬眠状態」。代謝を抑え冬の間に蓄えた脂肪を少しずつ消費しながら過ごすことで、氷のない7~11月の4か月間、殆ど何も食べずに飢餓を乗り切る。この北極グマだけの能力を最大限に活かしているのが、出産を控えたメス。氷が張った後も3月まで陸に留まり、巣穴で出産を行う。絶食期間は実に8か月にも及ぶ。番組では、この冬出産する母親や前年に出産した母親などに寄り添いながら、北極グマが氷や食糧のない時期をいかに乗り越えるかを具(つぶさ)に見つめる。飢餓との過酷な闘いの中に、氷の王者の真の強さが見えて来る。 近年、地球温暖化による影響が懸念されている。 極北カナダでは10月になると、それまで陸上の内陸部で生活していた北極グマがチャーチルの近郊に続々と集って来る。900~1,200頭を数えおり世界でもこれほど一箇所に集中する場所はない。何故、北極グマがこの場所に集るのだろうか? 北極グマの好物はアザラシ(海豹、学名Phocidae Gray, 1821。ネコ目アザラシ科xxxxアザラシ属)で北極海周辺に生息している。この場所は大量の淡水が海に流れ込むため、湾の中で最も早く結氷が始まる。ハドソン湾はチャーチル周辺が最も早く結氷を始め北極海へと続く氷のルートができる。氷の上のアザラシに食料の9割を頼って生きる北極グマたちは、この海岸線に集い、氷が張って狩りに出られる日を今か今かと待っているのだ。 ところが、近年の地球温暖化の影響で、ハドソン湾の結氷する時期に異変が起きている。例年に比べると 2~3週間、結氷が遅くなり、その氷が溶けるのも早くなっていると言われている。結果、北極グマたちは長く餌のない海岸に足止めされ、氷が溶けるのに合わせて早く北極海を去らなければならない。夏の間ほとんど食べ物を口にしないこの地域の北極グマにとって冬の間にアザラシを十分捕食できないことは死活問題である。その証拠に冬の間十分の栄養が蓄えられないため例年に比べて 15 %の出生率の低下と 15 年前に比べて ▲80~90kg の体重減少になって現れている。地球温暖化によるハドソン湾の気温の上昇は、動物界最強の北極グマをも確実に追い詰めている。◇