先日ユージェニー王女の第一子の名前が発表され、話題になりました。August(オーガスト)くんの成長が楽しみです。本来ならば王族も集まり、ゴットペアレンツも話題になるであろう洗礼式も、新型コロナウィルスの影響でどうなるのでしょう。


新型コロナウィルスが落ち着けば、来年か再来年の6月のトゥルーピング・ザ・カラー・セレモニーではバルコニーに姿を見せるかもしれません。


イギリス国民の予想が外れたAugustという名付け、私はモナコのカロリーヌ公女の夫エルンスト・アウグスト・フォン・ハノーファー(Ernst August V /エルンスト・アウグスト5世)が思い浮かびました。

ハノーファー王国の子孫で、ハノーファー家当主です。



長男の名前は父と同じエルンスト・アウグスト・フォン・ハノーファー(Prince Ernst August of Hanover)。


エルンスト・アウグスト王子の長男もヴェルフ・アウグスト(Prince Welf August)と名付けられました。
そして長女の名前はエリザベス(Princess Elisabeth of Hanover)
です。




エルンスト・アウグスト王子の長女もエリザベスという名でしたが、エリザベスといえばイギリスのエリザベス女王が有名ですね。


①Elizabeth II, Queen of the United Kingdom(94)
②Princess Elisabeth, Duchess of Brabant(19)

綴りは同じですがドイツ語圏、フランス語圏ではエリザベートと読むようです。オーストリア=ハンガリー帝国のエリザベート皇后の例もあります。

①Elizabeth II, Queen of the United Kingdom
今年の4月には95歳の誕生日、2022年2月には即位70周年を迎える予定です。スコットランド貴族ストラスモア=キングホーン伯爵家出身の母親、ヨーク公爵夫人エリザベス妃(後の王妃)にちなんで同名のエリザベスと名付けられました。


②Princess Elisabeth, Duchess of Brabant
エリザベート王女、ブラバント女公爵
ベルギー王室フィリップ国王とマティルド王妃の第一子。2013年に祖父アルベール2世が父フィリップ国王にを譲位した後、法定相続人が持つ称号であるブラバント公爵(女公爵)の称号が与えられました。

Elisabethという名前は、ベルギー国王アルベール1世の王妃で、レオポルド3世の母であるエリザベート王妃に由来するものだと思われます。アルベール1世は元々は王太子の家系ではなく、先王であった伯父の崩御と、父や兄の死により予想外に王位を継承しましたが、家庭的な人柄から国民の人気が高く、第一次世界大戦時に見せた毅然とした態度は今日でも国民の称賛を得ているようです。
エリザベート王女にとってエリザベート王妃は高祖母にあたります。





他にもヨーロッパの王室では親や祖先と同じ名前を付けることも多いので当然ともいえますが、他国の王族と名前が同じだったり、似ている方も多いのでご紹介します。
(過去に遡ればきりがないので、現在ご存命の王族を挙げます)





①Prince Gabriel of Belgium(17)
②Prince Gabriel, Duke of Dalarna(3)
③Prince Gabriel of Nassau(14)
④Gabriella de Monaco(6)


①Prince Gabriel of Belgium
ベルギーのフィリップ国王とマティルダ王妃の第二子で長男です。ベルギーでは1999年のフィリップ皇太子(当時)の結婚よりも前の1991年に憲法が改正されており、王位継承順位に男女区別が無くなっていた為、自身の誕生により姉のエリザベート王女と継承順位に影響を与えることはありませんでした。



②Prince Gabriel, Duke of Dalarna
スウェーデン王室カール=フィリップ王子とソフィア妃の次男です。アレクサンダー王子という兄がいますが、ソフィア妃が第三子を妊娠しており、弟が妹が誕生して兄になる予定です。
ガブリエルという名前はスウェーデン王室では使われたことがなく、両親の好みの名前だと考えられています。

2歳の誕生日(2019年) を過去に紹介しました。


③Prince Gabriel of Nassau
Gabriel Michael Louis Ronny de Nassau
ルクセンブルク大公国のルイ大公子とテシー・アンソニーの第一子として誕生しました。当時両親は未婚で、ガブリエルにPrinceの称号は与えられませんでした。
アンリ大公とマリア=テレサ大公妃にとっては初孫でした。Ronny(ロニー)はテシーの双子の兄弟の名前に由来するようです。詳しくはこちら 




④Gabriella de Monaco
Princess Gabriella, Countess of Carladès
①~③のガブリエル王子よく似た名前ガブリエラ公女です。モナコ公アルベール2世とシャルレーヌ公妃の第一子で、カルラデス女伯爵という称号を持ちます。モナコでは兄弟間の継承権について男性が優先される為、双子の弟ジャック公子に次いで、継承権は第二位です。





①Leonor, Princess of Asturias(15)
②Princess Leonore, Duchess of Gotland(7)
③Countess Leonore of Orange-Nassau(14)
④Princess Eléonore of Belgium(12)


①Leonor, Princess of Asturias
このブログでも何度か取り上げている将来のスペイン女王、レオノール王女です。妖精のような透明感がある美しさ✨
法定相続人に与えられるアストゥリアス公の称号を持っおり、王位に就いた場合、1833年から1868年まで統治したイサベル2世以来のスペイン女王になります。

スペインのレティシア王妃はもちろん、レオノール王女とソフィア王女のファッションにも注目です。





②Princess Leonore, Duchess of Gotland
カール=グスタフ国王の次女マデレーン王女の長女です。スウェーデン王室には過去にLeonoreという名の王妃が4人居たそうで、スウェーデン王室にとっては伝統的な名前のようです。


③Countess Leonore of Orange-Nassau
Leonore Marie Irene Enrica gravin van Oranje-Nassau
(オレンジ-ナッソーのレオノール伯爵令嬢)
ウィレム=アレクサンダー国王の弟、コンスタンティン王子の次女です。コンスタンティン王子とローレンティン妃の結婚当時からの取り決めにより、Princessの称号ではなくgravin van Oranje-Nassauという貴族の称号を持ちます。


オランダ王室のコンスタンティン王子一家
2001年5月11日の王立令により、コンスタンティン王子のすべての子供と男性系の子孫は、Count (Countess) of Orange-Nassau オレンジ-ナッソー伯爵(女伯爵)という称号とhonorific Jonkheer (Jonkvrouwe) van Amsbergという敬称が与えられることが決定されました。


④Princess Eléonore of Belgium
  エレオノール王女
①~③で紹介したレオノール王女と名前が良く似ています。ベルギー国王夫妻の第四子(次女) で、前国王アルベール2世とパオラ王妃にとっては12番目の孫で最年少です。


今回の記事でフィリップ国王とマティルダ王妃の4人の子供達のうち、3人を紹介しましたがもう一人はエマニュエル王子です(第三子)。




Princess Elisabeth 
Prince Gabriel
Prince Emmanuel
Princess Eléonore

フィリップ国王夫妻は4人の子供達に「El~」で始まる、または「~el」で終わるという共通点がある名前を付けたようです。フィリップ国王のは3人兄弟ですが、Philippe 、Princess Astrid、Prince Laurentとそのような共通点は見られず、王室の伝統ではなく夫妻のこだわりだと思われます。




①Albert II, Prince of Monaco(62)
②Albert II of Belgium(86)



①Albert II, Prince of Monaco
モナコ公アルベール2世
シャルレーヌ公妃との間に双子のガブリエル公女とジャック公子が居ますが、独身時代に認知した非嫡出子が2人居ます。




②Albert II of Belgium
ベルギー前国王アルベール2世
ベルギーの前国王です。2013年に高齢や健康上の理由で長男のフィリップ国王に譲位しました。パオラ王妃との間に2男1女を儲けましたが、18年間愛人関係にあった女性との間の隠し子疑惑が1999年に持ち上がりました。アルベール2世の退位により不訴追特権が無くなり、ベルギー貴族で芸術家の女性デルフィーヌ・ボエルが認知を求めて提訴。親子関係が証明され、2020年10月、約7年間に及んだ裁判が終了、デルフィーヌ王女はprincessの称号と他の王子、王女等と同等の待遇を得ました。しかし、非嫡出子であるため王位継承権は持ちません。
デルフィーヌ王女

モナコのアルベール2世とベルギーのアルベール2世、名前だけでなく、お二人とも婚外子を儲けるという共通点もありました…


②に続きます。





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以上です。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。