プチ遺産相続
2022年4月1日発売このページの下に掲載のアマゾンにて好評発売中!出版秘話、裏話、後日談ブログ↓プチ遺産相続2021年7月13日その日、我が家は、関東での2週間のコロナ隔離期間を終えて、ついに北海道入りを果たした。「日本へ帰ろう」そう決めたのが、2020年7月14日。ちょうど1年を掛けての激動の帰国劇だったが、遂に、その幕が下りたのだ。北海道に着いてからは、新生活の立ち上げ作業だけでバタバタと時間が過ぎた。でも、どうしても済ませなくてはならない大仕事が残っていた。それは、祖母への報告である。孫の諒が旅立った事を未だ祖母は知らない。電話や動画通信で、90歳を超える祖母へ、孫の死を報告するのは余りにも酷な話だ。ショックで何が起こってもおかしくないだろう。そのため、息子である私が直接会って、元気そうな姿を見せながら報告するのが一番だろうと判断した。『祖母が暮らす青森市の施設に行って報告をする』という大仕事が未だ残っていたのだ。2021年7月31日、我が家は、遺灰になった諒と共に、青森へと向かった。幸か不幸かコロナ禍の御蔭で、窓越しの面会となった。窓越しで距離の有る面会なので、朗らかに元気そうに報告が行えそうだった。その筈だった。でも、計画通りには行かなかった。報告を聞いて歪む母親の表情を見て、耐える事は出来なかった。90歳を超えて穏やかに余生を過ごせる筈の母に、孫の旅立ちを報告する親不孝な息子になってしまった事を、心の中で何度も詫びた。辛い報告を終えたあくる日は四十九日だった。やっと、ひとつの節目が終わった様な気がした。大仕事を終えた我が家は、北海道に戻りまた生活立ち上げの荷物整理に追われた。ふと見ると、銀行通帳が出て来る。諒が日本で暮らしていた当時に使っていたものだ。中には特別障害者手当か何かで貯まったお金が入っていた。80,403円名義人は諒だが、金額が小さいので、父親の私であれば、簡易的な手続きで解約と引き落としが可能だ。ところが、それは青森銀行窓口でのこと。北海道では手続きが出来ない。止む無く、次に帰青する機会までお蔵入りにすることとした。そして、9月に入り諒の弟、颯太郎が誕生日を迎えた頃、たまたま投資関係で、証券会社の営業が我が家に来ていた。『青森銀行なら、札幌に支店が有りますよ。』マジで?なんと青森の田舎の地方銀行が札幌に支店を出していたのだ。しかも、私が通う北海道大学病院から徒歩圏。通院のついでに行けてしまう距離だったのだ。結局、青森に帰らなくても解約の手続きを終える事が出来た。『諒が残してくれた遺産』80,403円也早速、家族で財産分与することとなった。『はい、颯太郎には1万円。 諒君からだよ。』あっ、『誕生日プレゼントも兼ねてる。』このコロナ禍において、いつ次に青森に帰れるのか分からない状況だったが、帰らずとも手続きが出来た事で、颯太郎の誕生日プレゼントにもなったのだ。諒は、『財産分与という社会勉強』を弟達にさせて、誕生日プレゼントまで送ってくれたのだ。脱帽。相変わらず凄い兄貴だ。『颯太郎、大切に使えよ。』1万円を受け取った弟の颯太郎は、あまり嬉しそうな表情を浮かべない。アメリカ育ちの颯太郎は、自分で現金を使って買い物をした経験が殆どないため、お金の価値についてはあまり認識が無いのだ。数年後、日本での生活が慣れた頃に颯太郎は、諒君からの最後の誕生日プレゼントを有難く感じるに違いない。★★★まもなく予約開始。諒君が世界に羽ばたくぞ!←これもクリックしたら沢山の人に読んでもらえるらしい。頼むぞ、息子達!にほんブログ村Home | Takehiko Hayakawa2022年4月1日 出版. サンジェルマン出版. Amazonにて好評発売中!. お陰様でAmazon売れ筋ランキング. 2部門でベストセラー1位を獲得takehiko-hayakawa.jimdosite.com書籍の購入は下のサイトから。↓