京都に紅葉の名所は星の数ほどありますが、その中でも間違いなく代表格として挙げられるでしょう。

 

永観堂。

 

「もみじの永観堂」として古今和歌集にも詠われた、由緒正しき紅葉の名所です。

 

「永観堂」として有名ですが、実はこれは通称。

正式なお寺の名前は「禅林寺」と言います。

 

永観堂の名は、中興の祖とされる永観律師が由来とされています。

ただし、永観堂は「えいかんどう」、永観律師は「ようかんりっし」と読みます。

ややこしいですね。

 

多くの京都の寺院と同じように、戦国時代の幕開けとなった応仁の乱の戦火によって壊滅的な被害を受けましたが、後土御門天皇の勅命によって復興されました。

 

阿弥陀如来像は他にも何度か焼失の危機にあいましたが、そのたびに難を逃れて現在に伝わっているそうで、火除けの阿弥陀如来として信仰されています。

 

永観堂の入口。

深い色の紅葉が出迎えてくれます。

 

境内は広く、建物の中と庭園の両方をぐるりと回るようにコースが設定されています。

どちらもアップダウンがそこそこあり、中にはエレベータが設置されているところも。

 

建物内の中庭には小さな池があります。

水面に漂う落ち葉と、水鏡に映る紅葉のコラボが美しいです。

 

苔の陰影と紅葉の対比が鮮やかです。

 

多宝塔からの眺め。

境内一面が真っ赤に染まっているのがわかる絶景です。

残念ながら、コロナ禍が落ち着くまでは紅葉時期の立ち入りは禁止されてるようです。

混雑しますからしょうがないですね。

 

庭園にある放生池の眺め。

紅葉が水鏡に映えます。

現在ではこちらも混雑緩和のために撮影が制限されているそうです。

 

放生池の橋の先には小さな弁天社。

この橋は一年を通じて立入禁止なので、橋の手前でお参りしましょう。

 

麓から多宝塔を眺めます。

こちらも絶景ですね。

 

紅葉だけではなく、銀杏だって美しいのです。

 

放生池を一周したら出口です。

結構時間が経ってましたが、あっという間だった気がします。

 

見ごろの時期には夜間拝観も行われています。

 

夜の紅葉は妖しい雰囲気を醸し出します。

 

ライトアップされた紅葉のトンネル。

 

幻想的で不思議な空間を進みます。

 

夜間拝観は建物の中には入れません。

放生池を一周するコースになります。

 

紅葉じゅうたんならぬ、銀杏じゅうたん。

 

「秋はもみじの永観堂」

いにしえから愛されてきた看板に偽り無しです。

 

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京都府 京都市 永観堂

京都地下鉄蹴上駅を出て徒歩10~15分程度。

南禅寺の方へ向かえば看板も多く、人の流れに沿って行けば迷わないでしょう。

 

南禅寺→永観堂→哲学の道→銀閣寺と巡るコースは王道中の王道です。

のんびり巡りたいものですね。

 

ただし、重要な注意点が1つ。

京都を代表するような紅葉の名所であるため、混雑も尋常ではありません。

ディズニーやUSJの人気アトラクションに突っ込む覚悟で訪れましょう。

誇張でなく、入るまで1時間以上待ちとかもあり得ます。

入っても場所によっては混雑で進めない、なんてところもあります。

 

お役立ち情報としては、雨の日にはやや混雑が落ち着いている、ということでしょうか。

ただ、それも「普段よりはマシ」程度のものなので気を付けましょう。