【Kぽ倶楽部】 昔のロックを聴いていても、頭の中で流れてるのはPSYさんの「That That」だったりするんですが、カバー系ではこのビデオ…ホント好きですね♪
[KPOP IN PUBLIC] [One take] PSY _ THAT THAT (prod.& feat. SUGA of BTS) | Dance Cover by EST CREW
いつも、ありがとうさんどす(^-^)ノ
今夜は邦画の感想どす。
先日、劇場で映画を観ました時、黒澤明監督の『生きる』(1952年)がビル・ナイさん主演でリメイクされて、日本でも3月31日から公開されると知りました。
3月31日 公開
原題:Living 2022年製作/103分/G/イギリス
黒澤明監督の名作映画「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本によりイギリスでリメイクしたヒューマンドラマ。
そういえば黒澤明の『生きる』…有名な名作映画だけど、私はまだ観たことがない…。
しかし一昨年の7月に『七人の侍』(1954年)を観て、その面白さにビックリして、それから黒澤明の作品、『隠し砦の三悪人』(1958年)、『野良犬』(1949年)、『一番美しく』(1944年)を観てきましたね。
そのどれもが好きになったので、私はやっぱり黒澤明の映画にはハズレがないのだと思った。
『一番美しく』は他の映画の面白さとはまた違ったけど。
『生きる』…は、でも、何となく物語は知ってます。
昔、新聞で評を読んだような記憶が…。
でも、観ないでわかった気になるつもりはないし、とにかくいいきっかけなので、『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018年)を観た次の日、2月28日、火曜日に観ました…
解説 市役所の市民課長・渡辺は30年間無欠勤、事なかれ主義の模範的役人。ある日、渡辺は自分が胃癌で余命幾ばくもないと知る。絶望に陥った渡辺は、歓楽街をさまよい飲み慣れない酒を飲む。自分の人生とは一体何だったのか……。渡辺は人間が本当に生きるということの意味を考え始め、そして、初めて真剣に役所の申請書類に目を通す。そこで彼の目に留まったのが市民から出されていた下水溜まりの埋め立てと小公園建設に関する陳情書だった。この作品は非人間的な官僚主義を痛烈に批判するとともに、人間が生きることについての哲学をも示した名作である。 (映画.com)
有名な映画だから私があらすじを書いても仕方がないんですが、感想を書かせてもらいます。
※ 内容に触れますので、何も知りたくない方はご注意ください。
まず、想像していたのとはまた違ったんですが…金子信雄さんが出てるの
じゃあどこで出てるのか探さなきゃ、と思った。
いきなりナレーションで始まるのがドキュメンタリーっぽくって困りましたけど、観てたら、この映画はそれでいいんだと思いました。
ナレーションがないと初めて観た時、先が読めなさ過ぎるかもしれない。
1952年に公開された映画ですが、当時の人たちの話し方が今とはちょっと違う。
なんか長谷川町子さんの『サザエさん』(1946年~1974年)を読んでる時の気分になったけど、時代的にも重なるのかな。
市役所の市民課長である渡辺勘治は事勿れ主義がすっかり身に付いた人だが、それは市役所がもともとそういった職場だったからだろうか。
逆に言えば仕事に熱心でないことがここでの正しさであり、熱心な人は辞めていくのかもしれない。
だから市民も市役所とはそういったところなのだろうと諦めていくものかもしれない。
渡辺勘治は胃の調子が思わしくなく医師の診察を受けるが、自分が胃がんであり、余命いくばくもないと悟る。
ショックを受けた渡辺は役所を休み、呑めぬ酒を呑むのだった。
飲み屋さんで渡辺が知り合う作家の先生がどうにもうさんくさい人で薬物中毒かな
アドルムという薬を飲まないと寝れないとか…やばいな~、危ないな~。
作家を演じた伊藤雄之助さん…観たあとで調べると『とむらい師たち』(1968年)の、あの「先生」でしたか
作家に誘われ、死の恐怖をひと時でもまぎらわせるため、パチンコから始まってあっちこっち行っては夜の繁華街で楽しくしていた人々のテンションを嫌なムードで下げまくる迷惑な渡辺。
細かいことですが、作家が「今夜は私がおごります」と言ってますが、渡辺は新しい帽子も買ってますし…作家との夜遊びはひと晩のことですか…じゃあ、かなりの散財やったと思いまっけど、作家が全部出したんやろか
渡辺の性格からいっておごられっぱなしということはないと思うんですが、作家の先生って裕福なのだろうか。
なんしか、なんぼお金を使うても、楽しいない時は楽しいない。
1952年の映画ですが、戦後7年ですか、その頃の大人の夜遊びがかなり詳しく描かれてますね。
この映画、主人公が自分の死期を知り、愕然とする悲劇的な物語なんですが、しかし、それまで遊び慣れしてはらへんかった事勿れ主義だけが取り柄の真面目おじさんが、急に夜遊びしてるのが、なんか悲しいコメディに思えました。
遊ばんでもええのに…と思いましたけど、渡辺の心境としてはもう何をしても死ぬことを忘れ、気分を変えたかったんでしょう。
が、やはり渡辺は死の恐怖と人生の無常から逃れられなかった。
私なんかも考えないようにしているクチですが、この映画、やはり、メメント・モリ…memento moriですよね。
しかし、それを突き詰めると本当に人生の意味なんか皆無だし、人が生きる意味さえ否定されるのではないですか。
言いたくないけど、人間、どれほど凄い偉業を達成しても宇宙の歴史、百億年ののち、それらが何一つ遺されていないのが真実かもしれないし、いや、宇宙が百億年後に存在しているかどうかもわからないし、宇宙が消え、人類の歴史が終了するのが明日の今頃かもしれないのに、人間は戦争したり、誰が得した、自分が損した、どっちが上、あっちが下、あれやこれや、競い合ったり、いがみ合ったり、一喜一憂して自惚れてバカみたい。
自分が死んだあとのことをどう気にすればいいのだろうか。
自分の死を悲しんだ人が死に、いつかは誰も覚えているはずがないのに…。
だから人間は立派なことをやって教科書に載って、人々に覚えていてほしいのかな。
でも、それだって千年のちにはその教科書だって塵になってますよ。
人はそのことを考えないようにしてる。
―― すんません、書きたくないことを書いてしまった。
私ゃもともと悲観主義者でね…。
渡辺は確実に死ぬ。
しかも思っていたよりもずっと早く。
人間にとってこれほどの不幸、悲劇があろうか。
病に苦しむ人になんと声をかければいいのか。
どう、元気づければいいのか。
思えば、私も時間を無駄にしてきたが、しかしまだ生きていることがホントにありがたいし、こうして今、こんなことを書いていられることが嬉しいのだ。
この無駄が、私にとっての幸運なのです。
誰かが死んでほしいなど、思ってはいけない。
自分も死ぬことになるから…。
生きれてありがたいと思う、ホントに。
内容的にシリアスな作品だと予想していましたし、実際、物語は切実で重いものですが、しかし中盤、けっこうコミカルな空気になることも少なくない…てか、私には面白かった。
市役所に勤めていた小田切とよという「小娘」がいまして、この女の子と再会した渡辺は。ほぼほぼ彼女に付きまとうことになるんどすな。
この子の元気と、何かやっていたいという人生哲学ってか純粋な衝動に救いを求めて…。
で、一緒にいたいから高い靴下を買ったり、女子が好きなスイーツを奢ったり、はい、今で言うパパ活ですね。
それを真面目一筋のおじさまが率先的に行ってるわけで、しかも小田切とよはピュア、且つ、図々しい側面があり、そりゃもう、渡辺の息子や息子の妻も勘違いしても仕方がないっていう。
ま~、笑いましたけど(^_^;)
渡辺の息子・光男の奥さんが二階から渡辺と小田切とよの様子を見てる表情がまたええんですわ、面白がってる悪い顔で。
しかし、渡辺が小田切とよの新しい職場にまで押しかけてデートに誘ってくるので小田切とよもイヤになってくる…。
で、最後ってことでお店で話してたんですが、真面目に話せば話すほど渡辺が誤解を受けるような言葉で小田切とよに詰め寄ってくるので怖くなった小田切とよが「うわあ!!」とか奇声をあげる始末…。
渡辺はだいたい語尾が不明瞭。
「わしはその、ここはひとつ」とか「わしはただ」とか、「察してね」みたいなあやふやな話し方をする人なんですよ。
そこも(仕事柄もあって)自己主張のない性格なんだけど、必死な渡辺の言葉を悪く誤解すると、どうせえっちゅうのんって感じなんですよね。
「わしはわしは」言われてもさ~
が、小田切とよがふいに口にした言葉により、渡辺は「生まれ変わる」。
小田切とよを演じた小田切みきさん、印象的な演技でした…。
物語は後半…こうなるのか、って感じでしたが、憤りや感動がいっぺんに押し寄せてくるような展開で…私はひどく腹が立ってきました。
こういう人たちが一番イヤやなあ。
私は観ながら、かなりパンクなノリでした。
ホッケーマスクをかぶった男があの場に乱入して、無差別にやっちゃってくれたら楽しいのに
1952年の映画ですが、当時からお役所仕事、行政のお仕事に人々が不満を抱いていた状況があったのでしょう。
しかし、この映画をお役所で働く職員の方々が観られてたら、やはり反論もおありだっただろうし、ご不快に感じられたのかもしれない。
私自身がこの記事で、お役所、行政のお仕事への批判をやったりするのも本意ではありませんし、したりしません。
だって、この映画と違って人々のため、熱心に働かれている方々がおられたらどうするの。
でも、2017年に発覚した「生活保護なめんな」ジャンパー事件を知った時にはさすがに衝撃的でしたし、あの事件はあとあと私の考えに影響を与えることになったと思います。
「怖い」と思いました。
人が暮らしているあらゆる局面でですが、強い立場の人たちにも臆せず意見し、弱い立場の人たちを助ける、なんでこの原理が徹底できないのかと思いますが、しかし実際、そんな人を見かけることも多くはない気がする。
生きている間、この国に暮らす人びとがそうあれば、この国はどれほど素晴らしい誇るべき国となるか。
もちろん、こう書くのはまず私自身への戒めだけれど…。
私なりに憂いてるんですよ。
憂国ってヤツです。
お役所は弱者に寄り添えるお仕事です。
そうあってほしいと思うし、そうあるなら、感謝と感動です。
市民課長・渡辺勘治の最後の仕事を知っていく中で、私は目頭が熱くなりました。
あの弱々しい、自分の残された人生に狼狽えていたおじさんが、ああまで強く生きられ(暴力団と対しても不気味な笑顔を見せて)、人知れず正しさを遺されたのだと…。
もちろん、穿った見方をすれば、彼の自己満足にもなりかねないでしょうなあ。
フッと思って「善いこと」を慌ててやっても、そこに自分への甘さがあれば、「善いこと」をやった悦びに己がひたるだけになるのかもしれない。
ある一面で「善いこと」であっても、別の一面では然程でもないといったようなことが、より現実には多いのかもしれません。
しかし、渡辺勘治の生涯には、それをやるための蓄積があったし、彼の引っ込み思案なところが思慮深さにつながったような気がして仕方がない。
私は『七人の侍』のブレない島田勘兵衛が好きなので、事勿れ主義で小心で覚束ない渡辺勘治を志村喬さんが演じられることに驚いたし、ダサいな~と思ったんですが、でも、渡辺勘治は島田勘兵衛よりもずっと私たちに身近な人物なんだから…私は結局、渡辺勘治が好きになったんでしょうね…。
映画のラストは最初、私は虚しさを感じましたが、でも、今はもっと肯定的な結末に思えてきました。
あの公園で遊んだ子どもたちがいるんだから。
この映画の中の市役所はそう変わらなかったかもしれないけど、この映画が現実の社会に与えた影響は計り知れないと思う。
だって、この映画はきっと日本人の人生観を変えたに違いないもの。
お役所仕事がアカンとか、そういうん違って、もっと基本的に、人はその生涯で何ができるのかって基本的な人生哲学を考えさせたでしょ。
この映画を今、観て、そう思えて仕方がない。
金子信雄さん…どこに出てたのかな~と思って観たあとで調べたら、息子かーい
いや、これ、そんなん…わからへんでしょ
誰これ、ホンマ
って、よう見てたらネコさんなのかなあ(;´∀`)
渡邊勘治が息子・光男が子どもだった頃を回想するシーン、良かったなあ。
あそこも泣きました。
読んでもらえてるかわからないけど、特に10代の若い方々 ―― 周囲に手本になるような立派な大人がおらなんだら、この映画を観なはれな。
ええですか、1952年、昔の日本ではこんな映画が公開されてたんやねえ…。
観る前は真面目すぎて困るような映画かもと変な予想をしてたんですが、いやいやいや、ぜんぜんぜんぜん
素直に面白い映画でした。
そして、こうまで切実に、生きるってことを実感させてくれる映画はやはり傑作なのだと思い知りましたし、明スゴイですよ、完全に( >﹏< *)
英国が舞台のリメイク版もヒットしてほしいものですね。
で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)…観てきましたよ。
他にも書きたい映画があって時間的に大変なんだけど…次の記事で書かせてもらいますよ。
あの映画も「生きる」映画かなあ。
今日もおおきに…ありがとうさんです☆⌒(*^-゜)v
Ikiru
生之慾(中国)
流芳頌(香港)
이키루(韓国)
1952年製作/143分/日本
劇場公開日:1952年10月9日
配給:東宝
監督・脚本:黒澤明
脚本:橋本忍、小国英雄
製作:本木荘二郎
撮影:中井朝一
照明:森茂
美術:松山崇
録音:矢野口文雄
編集:岩下廣一
音楽:早坂文雄
渡邊勘治 - 志村喬
木村(市民課員) - 日守新一(松竹)
坂井(市民課員) - 田中春男
野口(市民課員) - 千秋実
小田切とよ - 小田切みき
小原(市民課員) - 左卜全
齋藤(市民課主任) - 山田巳之助
大野(市民課係長) - 藤原釜足
渡邊喜一 - 小堀誠
渡邊光男 - 金子信雄
市役所助役 - 中村伸郎
患者 - 渡辺篤
医師の助手 - 木村功
医師 - 清水将夫
小説家 - 伊藤雄之助
渡邊たつ(喜一の妻) - 浦辺粂子
陳情の主婦 - 三好栄子
陳情の主婦 - 本間文子
スタンド・バーのマダム - 丹阿弥谷津子
陳情の主婦 - 菅井きん
林(家政婦) - 南美江
渡邊一枝 - 関京子
市会議員 - 阿部九州男
新聞記者 - 永井智雄
ヤクザの親分 - 宮口精二
ヤクザの子分 - 加東大介
土木部長 - 林幹
新聞記者 - 村上冬樹
新聞記者 - 青野平義
公園課長 - 小川虎之助
野球場の男 - 深見泰三
土木課職員 - 河崎堅男
公園課職員 - 勝本圭一郎
総務課職員 - 瀬良明
焼香する警官 - 千葉一郎
飲み屋の親父 - 谷晃
下水課職員 - 長濱藤夫
総務課長 - 小島洋々
キャバレーの女 - 登山晴子
キャバレーの女 - 安雙三枝
ジャズバー・ピアニスト - 市村俊幸(特別出演)
ジャズバー・ダンサー - 倉本春枝(特別出演)
ヌード・ダンサー - ラサ・サヤ(特別出演)
※以下ノンクレジット出演者
やくざの子分 - 堺左千夫、広瀬正一、宇野晃司
陳情の主婦 - 一万慈多鶴恵、上遠野澄代、出雲八重子[3]
市役所幹部 - 光秋次郎
総務部長 - 牧壮吉
衛生課受付職員 - 鈴木治夫
環境衛生係職員 - 長島武雄
予防課受付職員 - 今井和雄
防疫係受付職員 - 加藤茂雄
虫疫係受付所職員 - 安芸津広
道路課受付職員 - 川越一平
都市計画部受付職員 - 津田光男
区画整理課受付職員 - 榊田敬二
消防署職員 - 熊谷二良
教育課児童福祉係職員 - 片桐常雄
病院待合所の患者鈴木 - 夏木順平
病院の看護婦 - 吉澤京子
ジャズバーの客 - 小泉博
映画館の客 - 向井淳一郎
女学生 - 青山京子
ナレーター - 本木荘二郎