39才の女性が「歩行困難があり、走れない。」という事で来院しました。
他に胸背部痛、ふらつき、下肢のしびれの症状もありました。
腱反射亢進、病的反射(-)、ロンベルグ徴候(+)、下肢の振動覚低下。
筋力テストを行うと上肢・下肢とも全体的に筋力低下がみとめられました
走れないほどの筋力低下や身体所見の異常は何らかの疾患が根底にあると考え、整形外科と神経内科を受診していただきました。
MRIによる診断は「手拳大の神経鞘腫(胸椎7-8レベル)による脊髄の圧迫」でした。
すぐに手術をして回復したとのことです。
気をつけなくてはいけないのは、鍼灸で胸背部痛・ふらつき・筋力低下がある程度改善したことです。
そうすると鍼灸の適応疾患と考えがちですが、疾患を改善するには至らないレベルでした。
治療直後には症状が改善するものの、経過を見ていくと増悪していくという状況でした。
また、下肢のしびれは全く改善しませんでした。
この患者さんは最初鍼灸で完全に良くなると思って来院したそうです。
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*五枢会治療セミナー
再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。
http://5su.muto-shinkyu.com/
以前通院していた方で、背部の兪穴ラインに7-8個くらい大きな水疱・痂皮が形成されている方がいらっしゃいました。
自宅でお灸をすえてもらっていたそうです。
その方は「お灸をする人が下手なのでしょうがない。」と言っていました。
しかし、結局その痂皮形成は「天疱瘡」由来であることが後に判明しました。
天疱瘡は自己免疫疾患で、皮膚をこするだけで水泡やびらんが出来ます。
したがって鍼灸治療を行うことにより、皮膚症状が出現する可能性があります。
今まで天疱瘡は2例見ています。
遭遇する可能性があると思いますのでお伝えしました。
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今回取り上げる注意を要する患者さんは糖尿病の方です。
糖尿病の方は皮膚が化膿し易いため、直接灸は避けた方が良いと思います。
私は灸点紙で施灸を行っています。
血糖降下剤(インスリンを含む)が処方されている場合は、低血糖に気をつける必要もあります。
実際鍼灸治療中に低血糖発作を起こしたケースを聞いています。
更に3大合併症である網膜症・腎症・神経障害のチェックをしているのかの確認も重要です。
高齢の糖尿病の方は食後の血糖が高くなる傾向が あります。
そして低血糖になっても、発汗、動悸、手のふるえなどの症状が出現しにくくなり、糖分をとるなどの対応をしないうちに重症の低血糖になることがあります。
重症の低血糖は転倒・骨折や、認知症、心血管疾患の発症につながるといわれています。
高齢の糖尿病の患者さんは要注意です。
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患者さんによって健康に対する意識はかなり異なります。
定期的に人間ドックや健康診断を受けている方がいらっしゃる一方、今まで1度も健康診断を受けて いないという人もいます。
その中には高血圧を放置している人も含まれます。
先日、一度も血圧をチェックしたことのない中年のガッチリした男性が来院したので血圧をチェックしたところ、収縮期圧が180㎜Hgでした。
鍼灸治療をせずに内科を受診していただき、降圧剤が処方されました。
血圧が落ち着いたところ(収縮期圧150-160㎜Hg)で治療を開始しました。
血圧がかなり高い場合、鍼灸治療で血圧が下がる場合もあります。
しかし場合によっては血圧が上昇し、脳卒中を起こすリスクもあります。
血圧はストレスで上昇すると言われ、待たされたり、恐怖心(鍼に対する)があったりすると上昇する可能性があります。
ストレスで多少血圧が上がっても問題ないレベルまで血圧を下げて鍼灸治療を行うことをお勧めします。
鍼灸治療をしていると、注意をしないと大変なことになる患者さんがいらっしゃいます。
今回の症例は81才の女性です。
訴える症状が非常に多く、心気症の傾向が強い方です。
したがって精神的なところから症状が出ているととらえがちです。
実際は2回癌(腎臓と肺)で手術をしています。
とても体のことを気にする方なので、自分で病院を受診して癌が見つかっています。
足のしびれを訴えていますが、腰部脊柱管狭窄症が原因と診断を受けています。
強く訴えていることの多くは特に問題がないのですが、あまり本人が気にしていないことに問題がありました。
不眠症のために睡眠導入剤を常用していました。
「最近物忘れが強い。」ということを言われて確認したことで判明しました。
この症例を通して以下の事の重要性を改めて認識しました。
1) 精神的要素が強い場合も器質的疾患がある事を念頭に置く。
2) 多くの症状を強く訴えている場合、患者さんの訴えの強さと症状の重要度は相関しないことに気をつける。
訴える症状が非常に多い方を治療されている先生に参考になれば幸いです。
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一般的に鍼灸治療を行う際にはどの経穴が効果的かを第1に考えると思います。
もちろんとても重要です。
しかし、それと同じくらい重要なこととして、治療効果が出ているのかどうかを知るためのテストを行うことも挙げられます。
鍼灸の治療効果を客観的にとらえることによって、症例の蓄積・患者さんへの説明力アップなどが可能となります。
患者さんの中には感覚が鋭く、鍼灸治療による変化を即座に感じ取る人がいる一方、非常に良く改善しているのにもかかわらず全く変化を感じない人もいます。
整形外科疾患で変化をとらえるためには理学テスト・可動域測定が有効です。
内科疾患で変化をとらえるためには脈診・腹診・背甲診が指標となります。
したがって鍼灸治療前に体の状態を良く見ておく必要があります。
また、1施術ごとに効 果を確かめることでその治療穴の効果がはっきり分かります。
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ギックリ腰の鍼灸治療では、結果を出すことが重要なことは言うまでもありませんが、次に挙げる失敗をしないことも重要です。
1) 腰を暖める
腰部を暖めることはとても気持ちが良いのですが、炎症部位を暖めると症状が悪化する可能性がありますので要注意です。
2) 腰を揉み込む
腰をゴリゴリと揉むことは炎症を悪化させる可能性があります。
3) 何度も姿勢を変える
治療で仰臥位、側臥位、伏臥位など何度も患者さんを動かすと、悪化する恐れがあります。
4) 痛みを出す姿勢を続ける
例えば伏臥位で腰痛が増悪する場合、その姿勢を続けて鍼灸治療しても改善しないどころか悪化することもあります。
伏臥位であれば腰の下に枕やタオルを入れるなどの工夫が必要です。
ギックリ腰―急性腰痛の中でも重症タイプの治療は結構難しいと思います。
難しい理由として以下のことが挙げられます。
1) 患者さんの期待値が高い
患者さんは1-2回で治ると思って来院することが多いです。
2) 痛みのために動作が制限されており、理学テストなどが行いにくい。
そのため病態が把握しにくい。
3) 急性腰痛では複数の病態が存在するため、病態にあった鍼灸治療を行う必要がある。
すなわちギックリ腰では制限のある状況で最大限の効果を出さなければならないという事になります。
複数の病態としては筋・筋膜性腰痛、椎間関節型腰痛、腰椎椎間板ヘルニアが挙げられます。
したがってギックリ腰の原因が上記の中のどの病態なのか、合併しているのか把握して治療する必要があります。
置鍼法を行っている鍼灸師の方はかなり多いと思います。
置鍼法を行うことの是非についてお伝えしたいと思います。
置鍼法を行うことのメリットとしては以下のことが挙げられます。
・手技鍼に比べて刺激が弱いので、鍼治療に慣れていない人にも行える。
・刺激量の調節をし易い。
・治療をした感覚(満足感)を出しやすい。
逆に置鍼法を行うことのデメリットとしては以下のことが挙 げられます。
・何ヶ所も置鍼をすると治療時間が延長し易い。
・何ヶ所も置鍼をすると刺激量が増加し易い。
・鍼の抜き忘れリスクが生じる。
置鍼法は取り入れやすい治療法である一方、置鍼法ばかりに頼ると、手技鍼が疎かになる恐れもあります。
私は現在置鍼する部位は1ヶ所のみにしています。
目的は鎮痛のことが多いです。
もし、患者さんが訴えている部位に置鍼をするという方法が習慣になっている場合は、一度別のやり方(手技鍼・遠隔取穴など)で治療されることをお勧めします。
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一般的に多くの治療院で取り扱う疾患は整形外科疾患がメインになっているようです。
腰痛・首の痛み・膝関節症などが多いと思います。
前々回のメルマガで手や足の疾患は整形外科疾患の中でも他院と差別化できると書きました。
更に整形外科以外の疾患を扱うことでも差別化できることは多いと思います。
一般的には消化器症状(食欲不振、便秘、下痢など)や婦人科(生理痛、冷え症、更年期障害など)に対応している鍼灸院は結構あるように思います。
したがって上記以外の症状・疾患が良いかと思います。
新しい疾患を習得し、差別化に取り組むことを目指す先生はこのまま読み進めて下さい。
7月28日(日)のセミナーでは皮膚科疾患とその他の疾患の鍼灸治療(円形脱毛症、しもやけ、口内炎、歯痛)を行います。
差別化するのに適した内容です。
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7月に鍼灸治療のセミナー3回行います。
<1>上肢の疾患の鍼灸治療
(テニス肘・腱鞘炎・ばね指など)
日時 2024年7月14日(日) 9:00~12:30
内容 上肢の疾患の鍼灸治療(テニス肘・腱鞘炎・ばね指など)
原因、病態、東洋医学的診断、鍼灸治療、実技デモ、実技、質疑応答
*手の可動性を診る方法をお伝えします。
*ヘバーデン結節の治療も追加で行います。
詳細は以下のページをご覧下さい。
https://5su.muto-shinkyu.com/category/2097416.html
<2> 足のトラブル解決3つの鍵<内反足、足関節、扁平足>と
外反母趾の鍼灸治療
日時 2024年7月21日(日) 9:00~12:30
内容
1)足のアライメント調整―内反足、足関節、扁平足
2)外反母趾の鍼灸治療
解剖、病態、鍼灸治療、実技、質疑応答
*足のアライメント調整と各疾患の鍼灸治療を行うことで治療効果が劇的に改善します。
詳細は以下のページです。
https://muto-shinkyu.biz/lp/20240721onedayfoot/
<3>皮膚科疾患とその他の疾患の鍼灸治療
日時 2024年7月28日(日) 9:00~12:30
内容 皮膚科疾患とその他の疾患の鍼灸治療
(円形脱毛症、しもやけ、口内炎、歯痛)
原因、病態、東洋医学的診断、鍼灸治療、実技デモ、実技、質疑応答
詳細は以下のページをご覧下さい。
https://5su.muto-shinkyu.com/category/2097421.html
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