鍼灸治療において、効果的な治療穴を自由自在に使えるようになることは大変な強みとなります。
百会・陽陵泉・湧泉に続き、今回は三陰交を取り上げます。

三陰交というと生理痛に使う人は多いと思います。
生理痛だけではなく、胎位異常・安産・扁平足・足冷など治療効果が幅広い経穴です。

三陰交は子宮頸部の緊張を緩和する作用があると考えられ、そのため生理痛や出産時の子宮頸部の硬さを緩和するのに用いられます。
出産前に三陰交の施灸を受けた人では助産師さんが驚くほど安産になっているケースも多く、殿位分娩でも結構楽だったと言われたこともあります。

扁平足を治す理由があるのかと疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
扁平足は外反母趾・足底腱膜炎などの原因の1つとなるためです。
後脛骨筋へのアプローチとして三陰交を用います。

更年期障害では、冷えが強いタイプでは三陰交の施灸、のぼせが強いタイプでは鍼を行っています。
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*五枢会治療セミナー
再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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鍼灸治療において、効果的な治療穴を自家薬籠中の物とできるようになることは大変な強みとなります。
百会・陽陵泉に続き、今回は湧泉を取り上げます。

湧泉は脳の不調に効果的です。
不眠症・うつ病・うつ状態・神経性障害・パーキンソン病などには必ず用いています。
コロナ全盛の時(2020~2022年)、「体がだるい」とか「何となく気分がすぐれない」という訴えが結構ありました。
このような、うつ病まではいかないけれども多少うつっぽいときには効果を発揮します。

過労が続き、このままいくと過労死になるのでは?という方にも湧泉の施灸をして、何とかひどい状態にならずに済みました。

旅行(特に海外)では、慣れない事が続いたり、思わぬハプニングが起こるため、忘れ物をしたり、色々失敗をしたりする人が多いようです。
この様な時にも湧泉の施灸は効果的です。
不眠症に対して失眠の施灸をしている鍼灸師は多いようですが、私はめったに不眠に対して失眠を使いません。
なぜなら毎日失眠に施灸をしていると、効かなくなるからです。
不眠に対しては湧泉を用いています。

その他、足冷・足底腱膜炎など応用が広い経穴です。
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鍼灸治療において、効果的な治療穴をどれだけ駆使できるかは大変重要です。
前回の百会穴に続き効果的な治療穴として陽陵泉があります。

陽陵泉は食欲が亢進していたり、胃酸の分泌が多すぎる時に効果的です。
副交感神経優位の時にも使います。
胸脇苦満を改善する効果もあります。

解剖学的には長腓骨筋上にあり、内反足や捻挫を繰り返す人にも効果的です。
更に腰方形筋の緊張を緩和する効果もあります。
この様に陽陵泉だけでも複数の効果をもたらすことが出来ます。
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鍼灸治療において、効果的な治療穴をどれだけ駆使できるかは大変重要と考えています。
私は以下のような条件を示すものを効果的な治療穴ととらえています。
1)    効果が明白である。
2)    再現性がある。
3) 複数の効果をもたらす

そのような条件を示す経穴として百会が挙げられます。
百会は交感神経優位状態を改善する効果があります。
不眠・動悸などに有効です。
また脊椎アライメントを改善するのにも有効です。
更に鎮痛作用もあり、鍼を痛がる人には先に百会に置鍼をして治療をすると痛がらなくなります。
百会穴は頭頂導出静脈により頭蓋内と連絡していることから治療効果が優れていることが考えられます。
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78才女性。
身長157cm、体重70㎏
BMIは28.4、肥満1度である。
主訴 腰痛、股関節痛

社交的なタイプ。
訴える症状が多い。
本人曰く、「私は肝っ玉母さんに見られるけど、実は繊細なのです。」とのこと。
身体も敏感で、井穴への刺鍼をすると「とげが刺さったように痛むので止めて下さい。」と言われました。
腰腿点へ02番で刺鍼しても痛いので中止となりました。

効果的な部位への刺鍼が出来ないため治療効果が出ないことを危惧していましたが、鍼灸への反応は大変良く、効果が劇的に出ました。
したがって一般の患者さんに対する治療より簡単な治療で効果が出ることが判明しました。
この様に体格が良い方は軽微な刺激で症状が改善しにくい場合が多いのですが、意外な症例でした。
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60代女性、13年前にパーキンソン病を発症し、1年半前から通院中です。
主訴は腰痛で、著明な側弯があります。
前傾姿勢が強く、杖歩行にて来院しています。
ピサ兆候(上半身が斜めに傾斜すること)も見られます。
パーキンソン病発症前は非常に元気で、スポーツクラブに行って活発に動いていたとのことです。

ある時電話がかかってきて、「自転車に乗って転倒したので今日は治療をお休みにして下さい。」という事でした。
パーキンソン病の本を読んでいた時に、「パーキンソン病の患者さんは意外と自転車に乗れる」と書いてあったことを思い出しました。
まさか自転車に乗っていたとは思いもよりませんでした。
自転車に乗らないように指導しましたが、この患者さんは3回程自転車で転倒し、乗るのを止めたそうです。

その後パーキンソン病の患者さんに自転車に乗っているのかどうかを確認することにしたところ、何人も乗っていることが判明しました。
身体の傾斜が強い方や著明なフローズンゲイト(すくみ足)がある方には乗らないように言っています。
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39才の女性が「歩行困難があり、走れない。」という事で来院しました。
他に胸背部痛、ふらつき、下肢のしびれの症状もありました。
腱反射亢進、病的反射(-)、ロンベルグ徴候(+)、下肢の振動覚低下。
筋力テストを行うと上肢・下肢とも全体的に筋力低下がみとめられました

走れないほどの筋力低下や身体所見の異常は何らかの疾患が根底にあると考え、整形外科と神経内科を受診していただきました。
MRIによる診断は「手拳大の神経鞘腫(胸椎7-8レベル)による脊髄の圧迫」でした。
すぐに手術をして回復したとのことです。

気をつけなくてはいけないのは、鍼灸で胸背部痛・ふらつき・筋力低下がある程度改善したことです。
そうすると鍼灸の適応疾患と考えがちですが、疾患を改善するには至らないレベルでした。
治療直後には症状が改善するものの、経過を見ていくと増悪していくという状況でした。
また、下肢のしびれは全く改善しませんでした。

この患者さんは最初鍼灸で完全に良くなると思って来院したそうです。
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以前通院していた方で、背部の兪穴ラインに7-8個くらい大きな水疱・痂皮が形成されている方がいらっしゃいました。
自宅でお灸をすえてもらっていたそうです。
その方は「お灸をする人が下手なのでしょうがない。」と言っていました。

しかし、結局その痂皮形成は「天疱瘡」由来であることが後に判明しました。

天疱瘡は自己免疫疾患で、皮膚をこするだけで水泡やびらんが出来ます。
したがって鍼灸治療を行うことにより、皮膚症状が出現する可能性があります。
今まで天疱瘡は2例見ています。
遭遇する可能性があると思いますのでお伝えしました。
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今回取り上げる注意を要する患者さんは糖尿病の方です。
糖尿病の方は皮膚が化膿し易いため、直接灸は避けた方が良いと思います。
私は灸点紙で施灸を行っています。

血糖降下剤(インスリンを含む)が処方されている場合は、低血糖に気をつける必要もあります。
実際鍼灸治療中に低血糖発作を起こしたケースを聞いています。

更に3大合併症である網膜症・腎症・神経障害のチェックをしているのかの確認も重要です。

高齢の糖尿病の方は食後の血糖が高くなる傾向があります。
そして低血糖になっても、発汗、動悸、手のふるえなどの症状が出現しにくくなり、糖分をとるなどの対応をしないうちに重症の低血糖になることがあります。
重症の低血糖は転倒・骨折や、認知症、心血管疾患の発症につながるといわれています。
高齢の糖尿病の患者さんは要注意です。
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患者さんによって健康に対する意識はかなり異なります。
定期的に人間ドックや健康診断を受けている方がいらっしゃる一方、今まで1度も健康診断を受けていないという人もいます。
その中には高血圧を放置している人も含まれます。

先日、一度も血圧をチェックしたことのない中年のガッチリした男性が来院したので血圧をチェックしたところ、収縮期圧が180㎜Hgでした。
鍼灸治療をせずに内科を受診していただき、降圧剤が処方されました。
血圧が落ち着いたところ(収縮期圧150-160㎜Hg)で治療を開始しました。

血圧がかなり高い場合、鍼灸治療で血圧が下がる場合もあります。
しかし場合によっては血圧が上昇し、脳卒中を起こすリスクもあります。
血圧はストレスで上昇すると言われ、待たされたり、恐怖心(鍼に対する)があったりすると上昇する可能性があります。
ストレスで多少血圧が上がっても問題ないレベルまで血圧を下げて鍼灸治療を行うことをお勧めします。