Q.遠隔取穴では主にどのような部位を治療穴として使いますか?
A.主に手・足・頭部の3ヶ所です。
愁訴が手や足にある時には頭部の経穴を使うことが多いです。
良く使う経穴としては、目窓・正営・百会・脳空・曲鬢・卒谷などがあげられます。
愁訴が頭部にある時には足の経穴を使うことが多いです。
愁訴が頭部にある場合、上衝と関連していることが多く、上衝を改善する目的で足の経穴を使います。
愁訴が体幹部にある時には手や足の経穴を使うことが多いです。
要穴、特に八総穴を使うことが多いです。
Q.遠隔取穴を使った治療ではどのように効果を確認するのですか?
A.患者さんの自覚症状の改善が1つあります。
もう1つは愁訴のある部分の筋緊張の変化です。
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*五枢会治療セミナー*
2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
興味がある先生・学生の方は下のホームページをご覧になって下さい。
http://5su.muto-shinkyu.com/
Q.自律神経失調症とはどのような病態を表すのでしょうか?
A. 自律神経失調症と言われている患者さんは大きく2つに分かれます。
1つは精神疾患(うつ病・神経症性障害など)に伴う自律神経失調症です。
もう1つは自律神経失調症としか言いようがないものです。
健康な状態では昼間は交感神経優位で、夜は副交感神経優位になります。
朝、めまいやふらつきで起きられない場合は、副交感神経優位になっている可能性があります。
東洋医学的には脾虚証になっていることが多いです。
夜、なかなか眠れない場合は、交感神経優位になっている可能性があります。
東洋医学的には肝の病証が考えられます。
温度調節がうまくいかないタイプの自律神経失調症もあります。
熱くなると調子が悪くなるタイプは上衝傾向、肝の病証があると考えられます。
寒くなると調子が悪くなるタイプは、寒証や痰飲があると考えられます。
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Q.遠隔取穴をする意義は何でしょうか?
局所治療でも特に問題ないのではないでしょうか?
A.局所治療・遠隔治療それぞれに長所と短所があります。
局所治療の長所
1.「辛いところを治療してもらった」という患者さんの満足感がある。
2. 頑固なコリを取るには不可欠である。
3. 習得しやすい。
局所治療の短所
1.炎症があると悪化する恐れがある。
2.効果の範囲が狭い。
3.局所治療を続けていると、刺激に慣れて効果が出にくくなる。
遠隔治療の長所
1. 施術で悪化することがない。
悪化した場合は理学テストや施術時の姿位に問題があると考えられます。
2. 効果の範囲が広い。
3. 刺激の慣れ現象が生じにくい。
遠隔治療の短所
1.「辛いところを治療してもらった」という患者さんの満足感が低下する傾向にある。
2. 頑固なコリは取り切れない。
3. 習得するためには少し勉強する必要がある。
以上から遠隔治療は失敗が少なく、広範囲に効果を出すことが出来る優れた治療と言えます。
局所治療ばかりしていると、治療点が多くなるばかりで、効果が十分ではないことがあります。
特に多症状の方は対応が出来なくなります。
例えばある部位の筋緊張が強い時、遠隔治療である程度筋緊張を緩和してから局所治療を行うと、軽い刺激で十分な効果を出すことが出来ます。
しかし遠隔治療では局所の器質的変化が強い病態には100%効果を発揮することが出来ません。
関節の変形・局所的な浮腫・硬結を伴う著しい筋緊張・陥凹を伴なう虚軟な部位には局所治療をした方が早く症状が軽減します。
Q.寝違いと思って治療していたら、頚椎症や頸椎椎間板ヘルニアだったということが結構あるとのことですが、どこで鑑別したら良いでしょうか?
A.寝違いは鍼灸治療を2~3回すれば症状がほとんどなくなるのに対し、頚椎症や椎間板ヘルニアでは、痛みが完全に取り切れなかったり、何度も痛みを繰り返したりすることも多いです。
また、寝違いでは運動鍼が奏功するのに対し、頚椎症ではあまり効果が期待できず、椎間板ヘルニアでは悪化することがあります。
最終的には整形外科でレントゲンやMRIを撮って診断を受けると確定します。
(頸椎の変形はレントゲンで判明しますが、椎間板ヘルニアはレントゲンでは診断不可です。)
Q.コロナの影響でうつ病になる人が増えていると言われています。
しかし、うつ病にならない人もいます。
この違いは何なのでしょうか?
A. 経済状況は大きな要素です。
コロナ関連で失業など経済的に大きな痛手を負った人は精神的打撃も大きいです。
もし同じ経済状況であっても違いが出る場合の重要な要素は身体ストレスと精神ストレスです。
Q.身体ストレスとは?
A.過労・寒冷・手術などが挙げられます。
Q.精神ストレスとは?
A.コロナに対する強い恐怖感で、性格傾向と思考パターンが関連しています。
Q.性格傾向と思考パターンは変えられますか?
A. 性格傾向は体質傾向の改善により、思考パターンは精神療法によって変えることが出来ます。
更に深く勉強したい方はこのまま読み進めて下さい。
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五枢会治療セミナー
ワンデイセミナーのお知らせ
コロナうつ・コロナ疲れの鍼灸治療
今回のセミナーは会場・オンライン両方で行います。
セミナー開催日時:
2021年4月11日(日) AM9:00~12:00
詳細は下記を参照ください。
https://5su.muto-shinkyu.com/category/2014712.html
Q.顔面部のピリピリした痛みを訴えている患者さんがいらっしゃいます。
鍼灸治療の適応と言えますか?
A.軽度の顔面部の痛みは非定型的顔面痛か軽度の三叉神経痛で適応となります。
顔面を触れたり咀嚼などで痛みが誘発される場合には、顔面部への刺鍼は避けて下さい。
治療効果が出ない、痛みが次第に増す、電撃用の痛みが出現するなどの状態であれば、非適応の三叉神経痛の可能性があります。
頭蓋内の血管が三叉神経を圧迫している場合には手術が適応となります。
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*五枢会治療セミナー
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Q.患者さんが服用している薬の副作用に注意を払うべきとのことですが、なぜですか?
A.患者さんの訴えが病気によるものなのか、薬の副作用によるものなのか見極める必要があります。
薬の副作用による症状は鍼灸治療で改善することもありますが、改善するのが困難な場合もあります。
更に改善するのが困難な場合、薬を飲み続けるのか検討する必要があります。
Q.良く出される薬の中で、どの薬が特に問題となるのでしょうか?
A.代表的なものとしては、抗うつ薬や抗コリン薬(頻尿に対して出されることが多い)による便秘、消炎鎮痛薬や抗菌薬による上腹部痛・食欲低下、抗アレルギー薬や睡眠薬による眠気などが挙げられます。
鍼灸治療で副作用が改善する場合はそのまま経過を観察します。
効果が出現しない場合や患者さんが薬の変更を希望している場合には、担当の医師や薬剤師と相談してもらい、投薬の中止や変更を行ってもらって下さい。
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2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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前回のメールマガジンでお伝えした健康な状態と介護状態の中間的位置であるフレイルは3つに分けることが出来ます。
1つ目は身体的フレイル、2つ目は精神的フレイル、3つ目は社会的フレイルです。
身体的フレイルは虚弱さ(筋力低下、歩行速度低下など)、精神的フレイルはうつ状態や認知機能低下、社会的フレイルは社会的活動(人との交流)の低下を評価します。
身体的フレイルと密接な関係があるのがサルコペニアです。
サルコペニアは筋肉量・筋力低下などが主な症状です。
フレイルとサルコペニアを同義ととらえがちですが、サルコペニアには精神的フレイルや社会的フレイルの概念はありません。
フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドロームについて更に知りたい方はこのまま読み進めて下さい。
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フレイルに対する鍼灸治療についてのセミナーを3月21日(日)と4月25日(日)に行います。
今回のセミナーでは①フレイルの定義と診断ポイント、②サルコペニア・ロコモティブシンドロームとの違い、③フレイルの東洋医学的診断、④フレイルの鍼灸治療について説明します。
詳細は以下のHPから確認して下さい。
https://5su.muto-shinkyu.com/category/2014712.html
患者さんが鍼灸治療に通う理由は様々ですが、主に3つが挙げられると思います。
1.痛みなどの苦痛を緩和したい
2.良い状態になったのでメンテナンスをしたい
3.介護・車イスにならないようにしたい
3の介護・車イスにならないようにしたいとは誰でも思っていることですが、特にリスクの高い状態がフレイルで、筋力の低下・歩行速度の低下・疲労感などの症状が認められます。
フレイルの状態は健康な状態と介護状態の中間的状態と位置付けられます。
この状態を放置していると、介護状態になる確率は高くなります。
一方、フレイルの状態から健康な状態に回復することも可能です。
いったん介護状態になってから健康な状態に回復することは難しいので、出来るだけフレイルの状態の時に治療することが望ましいです。
Q.患者さんの脈診をすると、不整脈があることが分かりました。まだ医療機関で見てもらっていないとのことです。
このまま鍼灸治療を続けても良いでしょうか?
A.不整脈には経過観察で良いものと、治療する必要があるものがあります。
命にかかわる危険な不整脈もありますので要注意です。
一度循環器内科を受診していただき、心電図などの検査をしてもらった方が良いと思います。
また、不整脈の種類によっては鍼灸治療で改善するものもあります。
少衝・陰郄などが治療穴として挙げられます。