Q.ふらつきを訴えている患者さんです。

初診時に足立ちや閉眼片足立ちに異常があったのですが、鍼灸治療により改善して来ていました。

ところが鍼灸の施術後強いふらつきが出現し、焦りました。

これはどういうことでしょうか?


A.この方は内耳性のめまいに加え、起立性調節障害も合併している可能性があります。

めまいの原因は内耳だけではなく、循環器や精神科によるものもあり、プライマリーケア医も診断が難しいと認めています。

もしはっきり原因が分からない場合は総合診療科を受診してもらうと良いと思います。
 

Q.患者さんが仰臥位になった時、膝窩がベッドについていません。特に痛みを訴えていない場合放置して良いでしょうか?


A.この状態は膝の屈曲拘縮です。

屈曲拘縮がある状態のまま立位でいると、大腿四頭筋やハムストリングスに持続的収縮が起こり、筋疲労や血流障害が起こります。

したがって痛みを訴えていなくても治療する必要があります。

膝の屈曲拘縮がある場合、膝窩滑液包に炎症があることが多いです。

この典型例がベーカー嚢腫です。

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Q.鍼灸治療中に患者さんの手のしびれが出現して焦りました。何が原因でしょうか?


A.うつぶせで手を上に挙げた状態になっていると、ライトテストを行っているのと同じ状態になり、小胸筋や斜角筋の緊張が出現します。

したがって胸郭出口症候群の症状を誘発させてしまったと考えられます。

もし今まで手のしびれが出現したことがないのなら、この患者さんは胸郭出口症候群を起こす一歩手前の段階にいらっしゃるのではないかと思います。

今後は患者さんがうつぶせになる時、手を下げた状態にして治療を行って下さい。

また、小胸筋や斜角筋の緊張を緩和する治療も加えてみて下さい。

 

Q.頭痛の治療をしたところ、かえって痛みを増悪させてしまいました。何が良くなかったのでしょうか?


A.片頭痛を始めとする血管性頭痛では、血管周囲の刺鍼―例えば天柱・風池(後頭動脈)・懸顱(浅側頭動脈)などの刺鍼で痛みを誘発することがあります。

したがって遠隔取穴で治療するか、これらの経穴には深刺しないようにして下さい。

緊張型頭痛では基本的に痛みが誘発することがありませんので、上記経穴に施術することが出来ます。

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Q.臀部の痛みを訴えて来院している患者さんです。整形外科を受診し、「坐骨神経痛」の診断をされています。

初診時SLRを検査したところ、全く問題がありませんでした。

また、腱反射・下肢の筋力低下など椎間板ヘルニアを疑う所見もありませんでした。

どのように診断と治療をしていったら良いでしょうか?


A.坐骨神経痛ではなく、股関節に問題がある可能性があります。

パトリックテスト・エリーテストが陽性であれば、問題は股関節です。

もし股関節も否定された場合はトリガーポイントによる関連痛も考えられます。

トリガーポイントによる関連痛の場合は圧痛・索状硬結・局所攣縮反応・関連痛の誘発などの所見が見られます。

Q.下痢の治療をしたら下痢は改善したのですが、今度は便秘になってしまいました。

その場合どうしたら良いですか?


A.梁丘や地機を取りましたか?

Q.両方とも取りました。

A.地機は脾虚証に効果的な経穴ですが、便秘することがあります。

便秘症の方には控えた方が良いと思います。

その場合には中脘、脾兪などを取穴します。

梁丘は下痢に効果的ですが、やり過ぎると便秘になる場合があります。

下痢が改善したらやめて下さい。

下痢に有効である臍周囲の経穴(水分、肓兪など)は便秘の方に向かう作用はあまりないと思います。

梁丘を中止しても便秘が改善しない場合は便秘の治療を行って下さい。

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Q.私は置鍼をすることが多いのですが、置鍼をしなくても症状が改善すると聞いて驚きました。

今まで必ず置鍼をしていましたので。


A.筋緊張を緩和するには置鍼をする必要はありません。

単刺または手技鍼で大丈夫です。

鎮痛を目的とする場合は置鍼した方が効果的です。

いずれにしても刺鍼したすべての鍼を置鍼する必要はありません。


置鍼が多いことの弊害としては、以下のことが挙げられます。

1)治療時間が長くなる。

2)鍼の抜き忘れをし易くなる。

3)治療効果より、施術をした満足感を提供する傾向になりがちになる。

できるだけ単刺または手技鍼の効果を確認しながら治療してみて下さい。

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Q.患者さんの意識を高めるためにはどうしたら良いでしょうか?運動やダイエットを勧めてもなかなか実践してもらえません。


A.鍼灸院に来院する患者さんの中には病気は薬・手術で治すもの、もしくは鍼灸師などの治療家が治すものと思っている人が結構いらっしゃいます。

自分の自然治癒力を高めるためには食事・嗜好品(タバコ・お酒など)・運動・考え方や感情(ネガティブな思考や感情)を修正する必要があることを認識していただかなくてはなりません。

患者さんの意識を変えるには教育が必要です。

1)健康になることによってどんな明るい未来があるのか。

2)このまま放置するとどういうリスクがあるのか。

3)何をどのようにすれば良いのか。


具体的に説明することで、やる気が高まって来ると思います。

施術中に話をする、メールマガジンやニュースレターなどで情報を発信する、小冊子などで啓蒙するなど色々方法はあります。

いずれにしてもコンスタントに教育しないと相手はなかなか変わらないと思います。
 

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Q.「体に熱がある―内熱」とは具体的にどのような状況でしょうか?


A.慢性の炎症・脱水・基礎代謝の亢進などが原因として考えられます。

慢性の炎症としては、慢性の感染(呼吸器など)・自己免疫疾患などが該当します。

脱水は、下痢・嘔吐・発汗亢進などで起こります。

東洋医学的には津液不足ととらえられます。

基礎代謝の亢進では甲状腺機能亢進が原因として考えられます。

治療は清熱を行います。

鍼治療が中心になります。

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Q.寝違えの中には頸椎椎間板ヘルニアのような器質的疾患が原因から来るものもあるとのことですが、鑑別ポイントは何でしょうか?


A.鑑別ポイントは3つあります。

1)運動鍼をやってもあまり良くならない。

2)寝違えなら2~3回の治療で良くなるのに対し、器質的疾患が原因のものは治療回数が多くなる。

3)頸椎のアライメント不整がある。


中高年で何度も寝違えを繰り返す場合は椎間板ヘルニア・変形性脊椎症などの器質的疾患がある可能性があります。

一度整形外科で診察を受けていただいても良いと思います。

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