治療穴は本や人に教わるものだと思っていますか?
もちろんそれも一つの方法です。
しかし本を調べても分からず、人に聞いても分からない時はどうしますか?
治療穴を見つける方法は1つだけではなく、複数あります。
1つ目は地道に体の反応を見ていく方法です。
該当経絡・筋肉・神経・血管・内臓体壁反射・腹証などが参考になります。
2つ目は筋力テスト(母指小指を用いる)による方法です。
3つ目は感覚力を高める方法です。
患者さんの身体に答えがあると思ってじっくり診ていくと、だんだん分かることもあります。
また、問診をしっかりとることで治療のヒントが出て来る場合もあります。
鍼灸治療後非常に効いたという時と、あまり効果が出なかった時があると思います。
その違いは何でしょうか?
まず患者さん側から考えます。
1つ目は鍼灸の適応症なのか、非適応症なのかが挙げられます。
2つ目として鍼灸治療に対する反応があります。
とても効果が出易い人1-3%、非常に効果が出にくい人1-3%、それ以外はまあまあ効果が出易い人となります。
治療者側の方も考えてみます。
診断が適切かどうか。
患者さんが訴えている症状と診断が一致しているでしょうか。
例えばある病証を治療しても、その病証と関連しない症状であれば改善しないという事が考えられます。
複数の病証を抱えている人が結構います。
刺激量が適切かどうか。
刺激量が足りないと効果が出ない場合があります。
活性化している経穴かどうか。
その時点でその症状にあっている経穴であるかどうかは重要です。
活性化している経穴を見つけられるかどうかで治療効果がかなり違ってきます。
前回のメールマガジンで書いたこと以外に、精神疾患―特にうつ病では正気が虚損している一方、首~背部の筋緊張は大変強い状態になっています。
したがって筋緊張緩和の治療を加えることもとても重要です。
うつ病になり易い人の特徴として、「真面目過ぎる」という事が挙げられています。
「○○しなければならない。」という思考が多いと思われます。
これは認知行動療法や交流分析を使うと改善することが出来ます。
前回のメールマガジンで書きましたように精神疾患が苦手な鍼灸師は多いです。
したがって精神疾患をマスターすると強みになります。
治療院の強みになるだけではなく、ご自分・家族・知人が精神疾患や自律神経失調症、不眠症になった時にとても役立つと思います。
精神疾患、特にうつ病になると、学校や仕事を休んだり、場合によっては辞めざるを得なくなったりすることもあります。
そのような人生が変わってしまうような状況を鍼灸治療で食い止めることが出来れば大変大きな価値があります。
多くの鍼灸師と話をしてみると、うつ病などの精神疾患が苦手という人は結構多いようです。
実は私も免許を取って間もない頃~5年位は苦手でした。
相手のネガティブさに引きずられてしまうような感じになり、治療後非常に疲れてしまっていました。
現在は特別疲れる感じはないです。
精神疾患の人は正気が虚損し、邪気が強くなっていますので、その調整をすることが大切です。
精神疾患の方を診るポイントは3つあります。
1)エネルギー調整をする事。
正気を補い、邪気を取り除くことが基本となります。
2) 身体症状からアプローチする。
不眠・食欲不振といった症状を改善することにより、精神状態も改善することが多いです。
3) 性格と精神疾患が関連していると考えられる場合は心理学的アプローチ(認知行動療法など)が必要な場合もあります。
前回のブログで、「症状の多い患者さんには辛い症状を1~3位まで挙げてもらい治療するが、結果が出にくい・時間がかかるものばかり入らないようにする。」と書きました。
ところで結果が出にくい・時間がかかるものとは何でしょうか?
難病・重症と言われている疾患は一般的に結果が出にくく、時間がかかることが多いです。
また整形外科疾患より内科疾患は一般的に結果が出にくく、時間がかかることが多いです。
しかし整形外科疾患すべてで結果が出易いという事はありません。
骨棘・変形など器質的変化が強い場合は結果が出にくいです。
前回のブログでご案内した1つの経穴で10以上の症状を改善する治療法<マルチポイント>は主に整形外科疾患に対応しています。
この治療法をマスターすると、治療成績が上がるだけではなく、治療時間を短縮することが出来ます。
患者さんの中にはとても症状が多い方がいらっしゃいます。
症状が良くなったと安心していたら、次から次へと別の症状を訴えてきたりします。
そのような場合、いったいどこから手をつけて良いのか分からなくなる場合もあるのではないでしょうか。
私の場合は辛い症状を1~3位まで挙げていただきます。
基本的にはこの順位で治療をしますが、結果が出にくい・時間がかかるものばかり入っている場合は、4位以下のものを入れる場合もあります。
しかし、このやり方には限界があります。あまり多くの症状に対応することが出来ません。
1つの治療穴で多くの症状を改善する治療法を取り入れる必要があります。
1つの経穴で2-3の症状を改善できる経穴を1つ星、4-5の症状を改善できる経穴 を2つ星、6-7の症状を改善できる経穴を3つ星、8-9の症状を改善できる経穴を4つ星、10以上の症状を改善できる経穴を5つ星の治療としています。
例えば三陰交は月経痛・月経不順・胎位異常・安産・のぼせ・足冷・扁平足に効果があるので4つ星になります。
私は日々の臨床の中で1つの経穴で10以上の症状を改善する治療法を開発しました。
この治療法をマスターすると、治療成績が上がるだけではなく、治療時間を短縮することが出来ます。
ある鍼灸師の話です。
鍼灸師の背部には背兪穴に10ヶ所位痂皮が形成されていました。
「スタッフに施灸をしてもらっているのだけれど、下手なのでかさぶたが出来ています。」と言っていました。
あまりにも治りが悪いので皮膚科を受診したところ、天疱瘡と診断されたとのことでした。
天疱瘡は自己免疫疾患で、表皮や粘膜の細胞間を接着させるデスモグレインというタンパクに対する自己抗体が病気を起こすことがわかっています。
天疱瘡は皮膚の表面に金属の先端を擦過したり、圧をかけるだけで水泡やびらんが生じます(ニコルスキー現象)。
したがって皮膚をこすったり、圧をかける施術は避けるべきです。
また、直接灸も避ける必要があります。
鍼治療に関しては天疱瘡が判明するまで行っていましたが、特に悪化は見られなかったようです。
いずれにしても皮膚への軽微な刺激で症状が誘発される疾患ですので要注意です。
紛らわしい症状の15番目は「足の痛み」です。
足の痛みは結構難しいです。
まず部位から考えていきます。
母趾で変形しているなら外反母趾、小趾で変形しているなら内反小趾が考えられます
第2趾の痛みと変形ではハンマートゥ、クロウトゥ、マレットトゥなどが挙げられます。
足底全体の痛みでは足底腱膜炎が挙げられます。
踵の痛みでは疼痛性踵パッドが挙げられます。
良く遭遇する疾患のみ挙げましたが、他にも種々の疾患があり、足の痛みは奥が深いと思います。
また足の痛みを診るうえで必ず行っているのは「内反足」、「扁平足」の有無です。
これらがあると足のトラブルを招きやすいので治す必要があります。
紛らわしい症状の14番目は「大腿前面の痛み」です。
大腿前面に痛みがある場合、3つほど原因が考えられます。
第1に膝が原因の事があると思います。
具体的には変形性膝関節症や関節リウマチです。
第2に大腿神経痛が考えられます。
これは大腿神経伸展テストを行うことで鑑別出来ると思います。
第3に股関節に問題がある事が考えられます。
股関節の理学テストを行うことで臨床的に診断可能です。
また、膝関節症と大腿神経痛が合併していたり、股関節症と膝関節症が合併していることも結構あります。
したがって膝が痛い、もしくは股関節が痛いという場合、両方のチェックが重要です。
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再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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明けましておめでとうございます。
今年も皆様の役に立つよう、メルマガを続けていきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
紛らわしい症状の13番目は「夜間の頻尿」です。
夜間の頻尿というと前立腺肥大症のような泌尿器疾患をまず第1に考えます。
しかし泌尿器疾患ではなくても夜間の頻尿は起こります。
1つ目は心不全。夜間に腎の血流量が高まって夜間の頻尿が出現します。
2つ目は糖尿病。多尿が原因の頻尿が起こります。
3つ目は脳の疾患。脳卒中やパーキンソン病で出現します。
夜間の頻尿というと「よくある症状」ととらえがちですが、このように様々なな疾患が隠されている場合もありますので要注意です。
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出版のお知らせ
「治せる!鍼灸治療」が12月12日に三和書籍から発売となりました。
今まで35年の臨床経験から「鍼灸治療における重要なポイント」・「これだけは言っておきたいこと」を書きました。
この本を読んでいただきたい方
学生・免許を取って間もない方だけではなく、臨床経験のある方にもおすすめです。
学生・免許を取って間もない方では今後鍼灸治療を行う上で参考になれば幸いです。
臨床経験のある方では「治療効果を高めたい」、「直後効果を出したい」、「再現性のある治療を習得したい」というご希望があれば、役に立つと思います。
内容は大きく3つに分かれます。
1. 臨床力を高めるにはどうしたら良いか?
2. 疾患別鍼灸治療
3. 鍼灸師の人としての在り方はどうしたら良いか?
各章の内容は以下のようになります。
第1章 治療効果が出る治療と出ない治療の違いは何か
第2章 直後効果・再現性のある治療とは
第3章 診断力を高める
第4章 治療力を高める
第5章 知識力を高める
第6章 症例
第7章 鍼灸師自身の健康管理
第8章 鍼灸師の人間力
第9章 実践すること
購入できる書店
*以下の店舗以外にアマゾンでも購入できます。
番号 書店名 地区
No.01 MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店B1 札幌市中央区南1条西一丁目8-2,高桑ビル,地下2階~4階
No.02 須原屋書店 埼玉県さいたま市浦和区仲町2丁目3-20
No.03 不二屋書店 東京都目黒区自由が丘駅前
No.04 丸善丸の内本店 東京都千代田区丸の内1丁目6-4、丸の内オアゾ,3階
No.05 紀伊國屋書店新宿本店 6F 東京都新宿区新宿3丁目17-7
No.06 ジュンク堂池袋本店6F 東京都豊島区南池袋2丁目15ー5
No.07 三省堂書店池袋本店 東京都豊島区南池袋西武デパート地下フロア
No.08 ジュンク堂書店吉祥寺店 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目11ー5、コビス吉祥寺
No.09 ジュンク堂書店立川高島屋店 東京都立川市曙町2丁目39-3
No.10 ジュンク堂藤沢店 神奈川県藤沢市藤沢559
No.11 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 静岡県静岡市葵区鷹匠1丁目1-1、新静岡セノバ5階
No.12 大垣書店イオンモールKYOTO店 京都府京都市南区西九条鳥居口町1
No.13 丸善&ジュンク堂書店梅田店 大阪市北区茶屋町7-20、チャスカ茶屋町、地下1階~7階
No.14 菊久屋書店倉敷店 岡山県倉敷市水江1
No.15 丸善広島店 広島県広島市中区胡町5-22、天満屋八丁堀ビル7階~8階
No.16 紀伊國屋書店福岡本店 福岡県福岡市博多区博多駅中央街2-1
No.17 ジュンク堂福岡店 福岡市中央区大名、1丁目15ー1
価格
3,300円(税込)
最後に
一人でも多くの鍼灸師の方に習得していただき、自信を持って効果的な施術をし、多くの患者に貢献していただきたいと思い、本書を執筆しました。
本書が、あなたにとって有意義になることを期待しています。