膝の痛みで悩んでいる人は予想以上に多いです。
変形性膝関節症における40才以上の有病率は男性42.6%、女性62.4%です。

膝に痛みを訴える患者さんの中で治り易い人と治りにくい人がいます。
特に変形性膝関節症で治りにくい人としては、肥満傾向があったり、大腿四頭筋の萎縮が見られたりすることが多いです。
肥満をすぐに改善するのはかなり難しいので、大腿四頭筋の支持力を高める治療が主体となります。

また膝の痛みを訴える人は、股関節に問題がある事が多いです。
具体的にはパトリックテストやエリーテストなどに異常が見られ、股関節の可動域が小さくなっています。

膝に問題がある場合は股関節を、股関節に問題がある場合は膝をチェックするようにしています。
この様な関係は他の部位―例えば首と肩関節などでも見られます。
 

朝食は摂った方が良いのか、良くないのかはよく議論されるところです。
その問いに対して1つの研究発表が答を出しました。

名古屋大学の研究グループはマウスを使った実験を行いました。
マウスは最初の食事を午前8時に与える群と午後0時に与える群に分けられ、実験は2週間続けられました。
すると、朝食欠食マウスは脂肪組織の重量が増加し、体重も対照群より6%増えましたが筋肉量は6%減少していました。
したがってダイエットを目的に朝食を抜くことは、むしろ体重増加につながり、更に筋肉量が減少するサルコペニアにもつながることが示唆されました。

また、研究グループはマウスを解剖して肝臓や脂肪組織、筋肉の体内時計を生み出す遺伝子(時計遺伝子)のリズムを調べたところ、朝食欠食マウスでは各臓器の時計遺伝子のリズムがずれていることが分かったという事です。

これらの結果から、朝食欠食が各臓器の体内時計の異常をもたらして体重を増加させるだけでなく、筋肉量の減少をもたらすことが初めて明らかになったというkことです。

研究成果は3月11日付英科学誌の「British Journal of Nutrition」電子版に掲載されています。
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再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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猛暑が続き、熱中症で搬送される人が増えています。
最近熱中症には別のリスクがあるということが分かってきました。

金沢医科大学の佐々木洋主任教授らは、約260万人分の医療機関の診察データから、熱中症にかかった後に白内障を発症した人の割合を調査しました。
その結果、熱中症にかかった人はかかっていない人と比べて、5年後に白内障を発症する確率が約4倍高まることが明らかになりました。

佐々木洋主任教授によると、「体内の温度が上昇すると、目の中の温度も上がり、水晶体に影響を与える。」とのことです。

したがって熱中症になった場合は体温を下げることと同時に目も冷やす必要があるとのことです。
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「サッカーには認知症のリスクがある」という研究報告が出されています。
これはサッカープレイヤー・ファンにとってはショッキングな内容です。

イギリスのNottingham大学のShima Espahbodi氏らはサッカーにおけるヘディングの頻度と将来の認知機能障害のリスクとの関連を研究しています。
イギリスの元プロサッカー選手468名を調査したところ、認知機能障害の有病率は、ヘディングの頻度が1試合当たり0~5回の群では9.78%、6~15回の群では14.78%、16回以上の群では15.20%と頻度が高くなるほどリスクが上昇しました。
ヘディングの回数が多いほど将来認知症になるリスクが高まるという事です。

頭部に繰り返し衝撃が加わり発症するのが慢性外傷性脳症です。
慢性外傷性脳症では脳にタウ蛋白が蓄積することが研究で明らかになっています。
サッカー以外ではボクシング・レスリング・アメリカンフットボール・柔道などでも起こるとされています。
したがって過去にこれらのスポーツの経歴が長く、繰り返し頭部に衝撃を受けたことがある場合は、認知症のリスクを考える必要があります。

また慢性外傷性脳症では認知症以外にパーキンソニズム・構音障害・抑うつ・易怒性・衝動性・慢性頭痛・平衡障害などの症状が出現する場合もあります。
認知症に対して現在βアミロイドを取り除くレカネマブが話題となっています。
鍼灸治療でもMCI(軽度認知障害)に対して効果的という印象を持っています。
薬にしても、鍼灸にしても、軽症の時(脳の血流低下はあるが、脳の萎縮は見られない状態)に対策をすれば効果を発揮できるのではないかと思っております。
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過敏性腸症候群というと腸の機能失調、自律神経の失調ととらえられてきました。
しかし最近は腸内細菌の要素がかなり大きな役割を果たしていることが分かってきています。

腸内細菌は約1000種類で、腸内には約100兆個も生息していることが知られています。
善玉菌では乳酸菌・ビフィズス菌、悪玉菌としてはウェルシュ菌、中間に属する菌ではバクテロイデス・大腸菌などが挙げられます。

加齢により悪玉菌のウェルシュ菌が増加することが明らかになっています。
腸の調子を整えるためには善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことが重要です。

そのために一般的には食事に気をつけるという事をしますが、鍼灸でも影響を与えることが可能なのか今後の課題だと思います。
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急性腰痛の中でもひどい状態―痛みが強い、動きが悪い、体位変換不能等―の鍼灸治療は難しい部類に入ると思います。

そのような急性腰痛において重要な3つのポイントをお伝えします。
1)局所治療は極力避ける。
 特に暖めたり、強くマッサージをしたりすると悪化する可能性大です。
2)病態を説明する。
なぜか患者さんは急性腰痛が1回で治ると思っていることが多く、病態によって予後が違うことが分かっていません。
筋肉の問題なのか、椎間関節に問題があるのか、椎間板に問題があるのかなどを説明します。
模型や図があると良いです。

3)50%の改善で良しとする。
50~80%改善出来れば大丈夫です。
更に良くしようと思って局所治療を増やしたりすると、悪化の原因となることがあります。

急性腰痛は、「焦らず、あわてず、無理をしない」気持ちで臨んでみて下さい。

 

急性腰痛の中でもいわゆるギックリ腰と言われる状態は、全く起き上がることも歩くことも出来ないというひどいもの、自発痛があるもの、わずかな動作で痛むものなど様々です。

これらをすべて筋・筋膜性腰痛と診断するのは誤りです。
急性腰痛の中には椎間関節型腰痛・腰椎椎間板ヘルニアが含まれています。

急性腰痛で来院した患者さんは痛みのために理学テストや筋力テストを行えないことが多いです。
その中でどのように病態をとらえるのかがポイントとなります。

疼痛部位・痛み出現の条件・筋緊張・脊柱アライメントなどのチェックにより確認していきます。

病態が異なると、治療法・予後も異なります。
したがって病態をとらえることは重要です。

患者さんにとって「手のしびれ」は非常に怖い症状の様です。
「脳の病気ではないでしょうか?」という質問を良く受けます。
脳の病気によるしびれの特徴を話し、脳よりも整形外科疾患(胸郭出口症候群・手根管症候群など)の方が多いという話をすると安心する方が多いです。

整形外科疾患による手のしびれはエントラップメントによるものが多いと思います。
持続的筋緊張・骨と靭帯で囲まれた部位の間隙が狭くなるなどの理由により神経が圧迫されることが原因です。
鍼灸治療で症状が改善できるかどうかは可逆性か非可逆性かどうかによります。
骨棘や靭帯の肥厚などは改善するのが難しい(非可逆性)ですが、筋緊張や圧迫が起こっている部位での浮腫の改善(可逆性)は可能です。
改善の余地があるところを見つけていくのがポイントとなります。

手のこわばりというと関節リウマチを疑います。
しかしほとんどの例では手指の変形性関節症によるものが多いです。
変形性関節症の場合手指の関節に変形があっても手関節には問題がないのに対し、関節リウマチでは手指だけではなく、手関節の痛み・可動域制限がある事が多いです。

手指の変形性関節症による手のこわばりに対しては手指の関節の血流を改善する治療が有効です。
ヘバーデン結節・ブシャール結節では関節の動きだけではなく、関節の腫れも軽減可能です。
 

腱鞘炎の治療として良く行われているのが腱上の取穴もしくは腱の延長線にある筋肉へのアプローチかと思います。
この方法で良くなる場合もありますが、さほど効果がない場合もあります。

私が注目していることは腱が通っている関節の動きです。
関節の動きが改善することにより、腱の動きも良くなり、腱鞘炎が改善していきます。

したがってヘバーデン結節・ブシャール結節も同時に改善する場合もあります。
改善というのは関節の動きと関節の腫脹の事です。

また、バネ指は治らないと思っている鍼灸師・患者さんがいらっしゃいますが、動きが良くなり、バネ現象がなくなります。
ただ、1-2回で良くはなりません。
しかし、整形外科で腱鞘を切開するより鍼灸治療をした方が良いと思っています。