FL350E(Super)を購入して三か月。
サイズと力に不満は無いのだが中国製だけあって色々とラフな造りが気になってきた。
今まで手持ちの旋盤は絶版となってしまった国産のサカイのML-210。
使い勝手も良く気に入っている。
サカイの旋盤は良く考えられており、改良したのはデジタルスケールを付けて送りハンドルを少し大きいタイプに作り替えたくらい。
ただ、振りが小さく力ももう少し欲しいところ。
非力なところは目をつぶるとしても、振りが小さいのは致命的に感じていた。
サカイの旋盤の完成度は90点位の高得点。
設計や各部の造りは丁寧さが伺える。
ただ、近年の傾向として「ものづくり」を楽しむ人が激減しているのだろう。
ML-210は廃盤になって久しい。
例えばラジコン飛行機の趣味で言えば、元来の楽しみ方は自分でバルサを削ってパーツを作り、
それらを組み立てて絹や紙を貼り、ドープやウレタンなどで仕上げて飛ばすものであった。
それが安価な中華製の発泡機と高性能モーターの出現でインスタントに飛ばすだけの趣味に変わりつつある。
話が逸れたが、中華旋盤はまだ使って間もないが60点ほどの出来だろうか。
全体的に設計のツメが甘く、各パーツも設計どおりの造りになっていない印象。
しかし、個人が趣味の範囲で入手できる旋盤は中国製一択になるのが現状である。
輸入してそのまま吊るしで売っていると思われる業者もあるが、
ある程度手入れをして販売している業者としては寿貿易が最も信頼できると思われた。
門前仲町のショールームで現物確認をして、
本国でC-3と呼ばれるFL350E(Super)とX-1と呼ばれるFM80E小型フライス盤を一緒に購入した。
担当者の対応も好印象であった。




カスタマイズした点を旋盤から書こうと思う。
結論から言うと
「これは使い易くするための旋盤の素材か?」
という程に改良点が挙げられた。
寿貿易(メカニクス札幌工場)で出荷前に確認と調整は行っているものの、コストとの兼ね合いで各パーツの品質までは変えられていない。
もっとも、それ以上の要求は上位機種を選べば良いのだが、
個人の趣味ではそこまで手が出ないのが現状だと思う。
以下に順に記していこう。
但し自分自身は旋盤作業を職業としているプロの身でもなく、間違った見解も見受けられると思われるが、
アマチュア愛好家の感想として受け取っていただきたい。
- チップトレイの大型化
ML-210のチップトレイは十分な大きさだが、それに比べてFL350Eは小さ過ぎ。

結局のところ付属のトレイは一度も梱包を解かずに粗大ごみで処分してしまった。
楽天で340mmx800mmのバーベキュープレートを購入し取っ手をカットして使うことにした。
もう一回り大きくても良さそうだが、とりあえずこのサイズで使ってみようと思う。

※ 8/29更新
440mmx780mmのプレートに交換しました。
- 縦・横送りのデジタル表示(DRO)
縦送りの表示はML-210でもやったが、今回は横方向にもスケールを取り付けた。
スケールは中国から適当な長さを取り寄せ、切粉が噛まないように隙間テープで摺動部を保護。
ユニット開口部に枠を取り付け、このモヘアシールの毛足を半分程にカットして貼り付けた。

縦方向スケールは見た目や切粉の影響の少ないベッド背面に取り付けた。
往復台後面にスケールユニットを自作プレートで取り付け、本体のベッドにスケールをスペーサーで高さを合わせて固定。
横方向はアルミのアングル材を切り出してスケールを往復台に固定し、ユニットをクロススライド側に取り付けた。
スケールの端が背面側に常時突き出る形になったので切粉飛散防止のリアスプラッシュガードも撤去して粗大ごみへ。
デジタル表示部は主軸台背面に曲げたフラットバーで取り付けた。








- トップスライド・横送りダイヤルの製作
ML-210も同じ1目盛り0.025mm表示で4目盛り毎に長い目盛り表示になっている。
つまり、4目盛りで0.1mmと直感的に分かり易く、この表示に慣れてしまっている。(1周で1mm)

一方、中華旋盤はと言うと1目盛り0.025mm、1周1mmには変わりないのだが、何故か5目盛り毎に長い目盛りになっており、
更に10目盛り毎に10、20、30と表示されている。

5目盛り毎の送り量は0.125、0.25、0.325、0.5、0.525と言う感じで全くもってピンと来ない。
この目盛りと送りの関係は個人の慣れなのかもしれないが、いくらDRO表示にしてもやはりダイヤルでの読みは欠かせない。
思い切って自分好みのダイヤルを真鍮で再製作することにした。
ついでにスラストベアリングも組み込んでやろう。
大まかな寸法はオリジナルを参考に倣えば良いが、問題は正確な分割目盛り。
割出盤を持っているわけでもないので、自己流で考えた。
削り出してチャックに噛ませた状態そのままで40分割にすれば良いので、
汎用の80Tの歯車(Amazonで444円)を主軸に取り付けて一つ飛びに固定すると40分割が可能。
真鍮棒でストッパーを作り、マグネットベースで固定した。

目盛りは剣先バイトを使い、4目盛り毎に長い目盛りで刻みを付けた。
尚、正確に1歯飛びに回転させなければならないので作業時はモーターやギアのフリクションから解放させてフリーにして任意の角度で固定する必要がある。
なので作業中はHIGH / LOWの切り替えレバーとタンブラーの位置はニュートラル。
横送りは1個のベアリング、トップスライドは2個のベアリングで送り・戻し共にスムーズに回るように組み込んだ。
尚、このベアリング組込みはYouTubeのを参考にした。
https://youtu.be/-9o0GsKqx-M
4目盛り毎に0.1mmなので、01、02、03と表示できるようアングルの端材で刻印ガイドを適当に作ってやると、
傾きのないキレイな打刻ができた。
この刻印ガイドは座右の書である、故・久島諦造氏の名著 『ミニ旋盤を使いこなす本』 を参考にさせてもらった。
当然ながらダイヤルとデジタルをゼロセットにして01に回すとデジタルも0.10mmと表示され、使い勝手が一挙に向上した。







続く