インド旅行記7「階段井戸あれこれ」 | 日中韓文化地めぐりのブログ

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階段井戸の寺院

 

 

 さて、次は「マーター バヴァーニーの階段井戸」です。ダーダーハリから近いので、歩いて行きました。

 

 ただし、場所が分かりにくく、その辺のインド人に何度か確認。なぜか知らない人も多かったですが、とあるおっちゃんが「あの道を行け」と言ってくれましたね。

 
 
 

 

 

 小汚い住宅街の中を通り抜けていきます。写真にほとんど写ってませんが、女性が多くいました

 

 インド人女性は男性と比べて街中では少ないですが、こういう奥まった場所には結構いてましたね。

「マーター バヴァーニー ヴァーヴ(階段井戸)は向こう?」と聞けば、みんな笑顔で「そうよ、そうよ」と答えてくれましたニコニコ

 
 
 
 

 

 
 そして、到着です! 何やら派手に飾り立ててますね~目 そう、この階段井戸は実は、現在ヒンドゥー教の寺院として使用されてるんですね。
 
 でも下の扉が閉まってるな、と思ってたところ、「拝観するの?」との声が。それが・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 じゃ~ん、このおばちゃんです。どうやら管理人のようで。私にまかせなさ~いって感じですねw
 そして扉を開けてくれました(^∇^)。
 
 そのまま入ろうとすると「靴、脱がなあかんよ!と一言。ヘドロにズボッ!は先に水洗いを済ませてましたが、寺院の中も所々にゅるにゅるしてて気持ち悪かった・・・(^_^;)汗
 
 
 
 
 
 
 さて、おばちゃんについて下に降りていきます。さしずめ地下寺院といったところでしょうか。
 因みに階段井戸としてはアーメダバード最古で、11世紀の建造になるらしい。
 
 
 
 
 
 地下3層か4層くらいありました。色んな像が置かれてて、珍妙な雰囲気。
「何やら変な場所にやって来たな~」って感じでしたね。
 
 
 
 
 
 井戸の踊り場を改造し、柱にはタイルを張り付けてます。この奥に内陣があったと思いますが、撮影禁止。
 
 まあ、自分はおばちゃんの「これを撮りなさい」の指示に従って撮ってただけですけど。 おばちゃんの説明もほとんど理解できませんでした。
 
 
 
 
 
 
これを撮りなさい。
え、なになに? あ、井戸か~。
 
 
 
 
 
 
(上に上がって)あれを撮りなさい。
なにはてなマーク あ、池がある! インドでは池は重要ですからね~。
 
 
 
 
 
 
これも撮りなさい。
あ、これはココナッツですか。
 
 因みにこの階段井戸には1階が備わり、石の腰掛も設置されてましたね(上写真)。
 
 
 
 
 ・・・・・というわけで、ヘンテコな階段井戸寺院を堪能しました。入口の象さんがちょっと痛々しいですね(>_<)
 
 その後、とあるジャイナ教寺院を訪問し(後述)、近郊のアダーラジへビックリマーク さすがに遠いので、トゥクトゥクを利用。
 
 
 
 
 
地下宮殿と言うにふさわしい階段井戸
 
 
 
 
さて、アダーラジの階段井戸(1502年)に到着です
 
 アダーラジの階段井戸は、ルーダーバーイー ヴァーヴ(階段井戸)の名前でも呼ばれます。
 ルーダーはヒンドゥー王国の王妃の名前だそうですから、やはりこの井戸も、ダーダーハリと同じく女性による建立なのですね。
 
 ただ、そのヒンドゥー王国はイスラム勢力に滅ぼされ、最終的に井戸を完成させたのはイスラム勢力だとか。
 
 
 
 
 
 
 入口は南・東・西の3カ所あって、それがホール(上の写真)で合流し、北向きに降りていくという設計となってます。
 このホールは現在青空ですが、かつて上部にはドーム天井が架かっていたのでしょう。
 
 
 
 
 
 
 
 この井戸もダーダーハリと同じく、階段には無数の柱と梁が存在しますね。
 こちらの方が一回り大きく、装飾も手が込んでますので、まるで地下宮殿のようでした。
 
 
 
 
 
 ただまあ、建築的な魅力は、自分はダーダーハリの方に軍配を上げたいと思います。井戸幅が広い分、柱や梁から感じる力強さがやや弱いと言いますか。
 上を見上げる感覚も、深い層に2つ重ねの柱と梁が無いため、あまり迫力を感じません。
 
 
 
 
 
 
儀式目的に使用されたと思われる八角井戸を見上げます
 
 これもダーダーハリに類似しますが、やはり八角形がかなり大きく、光もよく届くので、空がぽっかりと切り取られている感じはしません。
 
 豪華は豪華なんですが、豪華なのが決して建築的魅力に直結するわけではないというのが、自分の意見であります。
 
 
 
 
 
 一方、この階段井戸で最も気に入ったのが、八角井戸の下部(写真)。
 この部分は八角形ではなく正方形となり、正面にはアーチ形の通路と窓が設置されてます。非常に澄んだ光が充満し、とても厳かな雰囲気でしたね。
 
 
 
 
少し離れた位置から
 
 静かです。非常に静かです。音ではありません、雰囲気が静かなんですね。心が癒される空間です。
 
 残念ながら手前に柵があり、この奥にある実用部分の井戸を見ることはできませんでした。
 
 
 
 
 
 
階段井戸あれこれ
 
 
 インドの階段井戸は、デリーのラージャーオーン キー バーオリーを含め、4つ見ただけですが、実に様々な井戸が存在しています。主要なものを拝借写真を上げながら、取り上げてみました。
 
 
 
 
 
 
 ラーニー キー ヴァーヴ(グジャラート州パータン、11世紀、世界遺産
 
 王妃の階段井戸の名前でも知られる、世界遺産の階段井戸。井戸と言うより、巨大な地下神殿でしょうか。
 上部の大半は失われてますが、逆に上から眺めたときの全体像が分かりやすくなっているようです。
 
 
 
 
 
 規模も壮大ですが、彫刻密度もすごいですねえ目 さすがに世界遺産の階段井戸だけはありますね。
 入院する前は立ち寄ろうと思ってました。残念。
 
 
 
 
 
 
 
 チャーンド バーオリー(ラージャスターン州アーバーネリー、9世紀以降~ムガル朝時代)
 
 階段池(クンダ)に分類される階段井戸で、最も壮大なもの。深さは地下30mに達するとか。
 写真正面の建物の奥に、井戸本体があるそうです。
 
 
 
 
違う角度の写真。目が点になります。
 
 
 
 
 
 
 
 アッシー カンバー バーオリー(マディヤ・プラデーシュ州グワーリヤル、16世紀)
 
 円形の階段井戸。階段は壁の内側にあるようです。写真では水が汚すぎますね(^▽^;)
 
 
 
 
 
 
アグラーセン キー バーオリー(デリー、14~15世紀)
 
 デリーで最も有名な階段井戸。地球の歩き方にも載ってました。ラージャーオーンの階段井戸に類似してますね。
 ラージャーオーンもそうですが、土圧に梁で対抗するのではなく、両側の擁壁をセットバック(上部に行くに従って後退)させて対応するタイプの井戸です。
 
 
 
 
 
 
 
 アディー カディー ヴァーヴ(グジャラート州ジュナガド、11世紀?)
 
 擁壁無し、単に掘り込まれただけの単純な階段井戸。しかし、大地の中を降りていく感覚があるようです。気になる階段井戸ですね。
 
 
 
 
 ナヴガン クーボー(グジャラート州ジュナガド、2~4世紀、11世紀改築)
 
 同じくジュナガドにある原初的な階段井戸で、その深さはなんと52mビックリマークという。
 もしかして、世界最深の古建築でしょうか?
 
 
 
 
 
 
 ワンカーネール階段井戸(グジャラート州ワンカーネール、20世紀初期)
 
 最後に、新しい時代の階段井戸を1つ。ワンカーネール王国のマハラジャは、印洋折衷の宮殿を建てたそうですが、階段井戸も洋風のお洒落な造りとなってます(^∇^)
 
 
 他にも面白そうな階段井戸はたくさんありますが、あまりにも長くなり過ぎたので、この辺で終わりましょう。
 
ありがとうございましたビックリマーク