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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

海上保安官が捜査権のない犯罪についてした捜査に基づく公訴提起とその効力

 

 

横領詐欺被告事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和38年(う)第2181号

【判決日付】      昭和39年6月19日

【判示事項】      海上保安官が捜査権のない犯罪についてした捜査に基づく公訴提起とその効力

【判決要旨】      海上保安官に捜査権のない犯罪について、海上保安官が捜査したものとしても、右捜査に基づき検察官が公訴を提起したときはその公訴提起の手続は無効であるとはいえない。

【参照条文】      海上保安庁法

             海上保安庁法14-4

             海上保安庁法31

             海上保安庁組織規程(昭和27年運輸省令74号)11

             海上保安庁犯罪捜査規範2

             刑事訴訟法191-1

             刑事訴訟法247

             刑事訴訟法338

             検察庁法

【掲載誌】        高等裁判所刑事判例集17巻4号400頁

             高等裁判所刑事裁判速報集1199号

             東京高等裁判所判決時報刑事15巻6号129頁

             判例時報377号74頁

 

海上保安庁法

第二条 海上保安庁は、法令の海上における励行、海難救助、海洋汚染等の防止、海上における船舶の航行の秩序の維持、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕、海上における船舶交通に関する規制、水路、航路標識に関する事務その他海上の安全の確保に関する事務並びにこれらに附帯する事項に関する事務を行うことにより、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする。

② 従来運輸大臣官房、運輸省海運総局の長官官房、海運局、船舶局及び船員局、海難審判所の理事官、灯台局、水路部並びにその他の行政機関の所掌に属する事務で前項の事務に該当するものは、海上保安庁の所掌に移るものとする。

 

第十四条 海上保安庁に海上保安官及び海上保安官補を置く。

② 海上保安官及び海上保安官補の階級は、政令でこれを定める。

③ 海上保安官は、上官の命を受け、第二条第一項に規定する事務を掌る。

④ 海上保安官補は、海上保安官の職務を助ける。

 

第三十一条 海上保安官及び海上保安官補は、海上における犯罪について、海上保安庁長官の定めるところにより、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察職員として職務を行う。

② 海上保安官及び海上保安官補は、第二十八条の二第一項に規定する場合において、同項の離島における犯罪について、海上保安庁長官が警察庁長官に協議して定めるところにより、刑事訴訟法の規定による司法警察職員として職務を行う。

 

刑事訴訟法

第百九十一条 検察官は、必要と認めるときは、自ら犯罪を捜査することができる。

② 検察事務官は、検察官の指揮を受け、捜査をしなければならない。

 

第二百四十七条 公訴は、検察官がこれを行う。

 

第三百三十八条 左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。

一 被告人に対して裁判権を有しないとき。

二 第三百四十条の規定に違反して公訴が提起されたとき。

三 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。

四 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。

 

検察庁法

第六条 検察官は、いかなる犯罪についても捜査をすることができる。

② 検察官と他の法令により捜査の職権を有する者との関係は、刑事訴訟法の定めるところによる。

 

 

 

商法違反(特別背任)罪における背任目的の主従と同罪の成否

 

 

              商法違反(特別背任)被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/昭和32年(あ)第2459号

【判決日付】      昭和35年8月12日

【判示事項】      1、商法違反(特別背任)罪における背任目的の主従と同罪の成否

             2、商法違反(特別背任)罪における背任目的の変更と訴因変更手続の要否

【判決要旨】     1、主として第三者に不法に融資して自己の利益を図る目的がある以上、たとえ従として右融資により本人のため事故金を回収してその補填を図る目的があったとしても、なお商法第486条第1項違反(特別背任)罪の成立を免れない。

             2、商法第486条第1項違反(特別背任)罪につき、「第三者の利益を図る目的をもって」という訴因を、判決で「自己の利益を図る目的をもって」と変更して認定するには、訴因変更の手続を必要としない。

【参照条文】      商法486-1

             刑事訴訟法312

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集14巻10号1360頁

 

会社法

(取締役等の特別背任罪)

第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 発起人

二 設立時取締役又は設立時監査役

三 取締役、会計参与、監査役又は執行役

四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者

五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者

六 支配人

七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人

八 検査役

2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。

一 清算株式会社の清算人

二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者

三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者

四 清算人代理

五 監督委員

六 調査委員

(代表社債権者等の特別背任罪)

第九百六十一条 代表社債権者又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。以下同じ。)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は社債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、社債権者に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(未遂罪)

第九百六十二条 前二条の罪の未遂は、罰する。

 

刑事訴訟法

第三百十二条 裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。

② 裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる。

③ 第一項の請求は、書面を提出してしなければならない。

④ 検察官は、第一項の請求と同時に、被告人に送達するものとして、前項の書面(以下「訴因変更等請求書面」という。)の謄本を裁判所に提出しなければならない。

⑤ 裁判所は、前項の規定による訴因変更等請求書面の謄本の提出があつたときは、遅滞なくこれを被告人に送達しなければならない。

⑥ 第三項の規定にかかわらず、被告人が在廷する公判廷においては、第一項の請求は、口頭ですることができる。この場合においては、第四項の規定は、適用しない。

⑦ 裁判所は、訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあると認めるときは、被告人又は弁護人の請求により、決定で、被告人に十分な防御の準備をさせるため必要な期間公判手続を停止しなければならない。

 

不動産賃貸業を営む納税者が同族会社である不動産管理会社から過少な賃貸料しか受け取らないことが、同人の所得税の負担を不当に減少させる結果になるとして、所得税法一五七条(同族会社等の行為又は計算の否認)の規定が適用された事例

 

 

              所得税更正処分取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成5年(行ツ)第74号

【判決日付】      平成6年6月21日

【判示事項】       不動産賃貸業を営む納税者が同族会社である不動産管理会社から過少な賃貸料しか受け取らないことが、同人の所得税の負担を不当に減少させる結果になるとして、所得税法一五七条(同族会社等の行為又は計算の否認)の規定が適用された事例

【判決要旨】      省略

【参照条文】      所得税法157

【掲載誌】        訟務月報41巻6号1539頁

             税務訴訟資料201号525頁

 

所得税法

(同族会社等の行為又は計算の否認等)

第百五十七条 税務署長は、次に掲げる法人の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者(その法人の株主等である非居住者と当該特殊の関係のある居住者を含む。第四項において同じ。)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号若しくは第三号から第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。

一 法人税法第二条第十号(定義)に規定する同族会社

二 イからハまでのいずれにも該当する法人

イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること。

ロ その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任その他のその事業所に係る事業の主宰者又は当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。

ハ ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその法人の発行済株式又は出資(その法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。

2 前項の場合において、法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。

3 第一項の規定は、同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、法人税法第百三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認)若しくは相続税法第六十四条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定の適用があつた場合における第一項の居住者の所得税に係る更正又は決定について準用する。

4 税務署長は、合併(法人課税信託に係る信託の併合を含む。)、分割(法人課税信託に係る信託の分割を含む。)、現物出資若しくは法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配又は同条第十二号の十六に規定する株式交換等若しくは株式移転(以下この項において「合併等」という。)をした法人又は合併等により資産及び負債の移転を受けた法人(当該合併等により交付された株式又は出資を発行した法人を含む。以下この項において同じ。)の行為又は計算で、これを容認した場合には当該合併等をした法人若しくは当該合併等により資産及び負債の移転を受けた法人の株主等である居住者又はこれと第一項に規定する特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に関する更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号若しくは第三号から第五号まで、第百二十二条第一項第一号から第三号まで又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号若しくは第七号に掲げる金額を計算することができる。

 

『金融 新版』

 

有斐閣

金融の基本から最新の動向までを網羅

内田 浩史 (神戸大学教授)/著

 

 

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コメント

数式は読み飛ばした。

定義や記述は正確。

 

アメリカ合衆国、EUの金融について、まとめた本があると良いと思います。

 

 

目次      

第Ⅰ部 貨幣と金融取引

 第1章 貨幣と決済

 第2章 金融とそのメリット

 第3章 取引費用とリスク

 第4章 情報の非対称性と返済のリスク

第Ⅱ部 取引費用に対処する金融の仕組み

 第5章 金融の仕組み(1):流動化,証券設計,情報生産

 第6章 金融の仕組み(2):担保,保証

 第7章 金融の仕組み(3):分散化

第Ⅲ部 金融機関と金融市場

 第8章 金融機関(1):金融仲介機関

 第9章 金融市場

 第10章 金融機関(2):金融仲介機関以外の金融機関

第Ⅳ部 金融のマクロ的側面

 第11章 資金循環と金融システム

 第12章 金融政策と経済の実物面・金融面

 第13章 金融システムの問題と金融危機

 第14章 金融制度と公的介入・プルーデンス政策

終章 これからの金融:ソーシャル・ファイナンス

第7部 実務への影響

 

第1章 株主総会実務への影響

 株主総会実務に与える影響としては、当面、取締役の報酬等の規律の見直しに伴う対応や、事業報告における開示事項の拡充への対応が主要なトピックになると思われます。株主提案権の濫用的行使の制限については、近時の動向からすれば、適用場面は限定的でしょう。

 株主総会実務との関係でも、取締役の報酬等の規律の見直しに伴い、報酬関連事項の事業報告への記載事項が拡充され、株主総会当日における取締役の説明義務が重くなるものと考えられます。コーポレートガバナンス・コードにおいても業績連動性や自社株報酬を適切に設定することが求められており(補充原則4-2①)、投資家の関心も高い事項であることから、株主に対してより丁寧な説明が求められるようになるものと考えられます。

 また、少し先になりますが、株主総会資料の電子提供制度は、株主総会資料の提供方法を大きく変更するものとなります。

電子提供措置は、前述のように株主総会の日の3週間前の日、または招集通知の発送日のいずれかの早い日から提供を行う必要があります(改正法325条の3第1項)。 開始時期については、遅くとも上記の期日までに行う必要があると定められているのみで、これより早く提供を行うことについては特に定めがないので、 始期はいくら早めてもいいということになります。

現在の株主総会実務において、株主総会の日3週間前、もしくは招集通知の発送日までに参考資料等が完成していないということは考えにくく、 日程的に今よりタイトになることはあまり想定されていません。

 

電子提供措置は株主との建設的対話にその趣旨が置かれているところ、かかる趣旨を全うすべく、 株主総会における参考資料等の中身のさらなる充実がより求められることになることが予想されます。

電子化により提供情報の量について制約が弱まることになると考えられ、株主との今まで以上の対話が求められることになります。

 

ただし、書面交付制度が存在していることから、書面の準備はなお必要になってくるものと思われ、 どの程度の書面交付の準備が必要かは今後の株主総会実務の動向を注視していくことが求められます。

 

なお、今回の電子提供制度は、上場会社について一律に適用されます。

上場会社は振替株式を利用する必要がありますが、今回振替株式制度利用の要件として、 定款に電子提供措置を定めて電子提供措置を採用している会社の株式であることが必要とされました (会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律9条により社債、株式等の振替に関する法律の一部が改正されます)。

 

特別決議を得て、定款変更を行う必要はなく、改正会社法の施行に伴い、電子提供措置を採用する旨の定款変更決議がなされたものとみなされることになります。

 

したがって、上場会社においては電子提供措置をとる必要があります。なお、電子提供措置を採用する旨の定款の変更について、 改正法の施行日から6か月以内にこれを行う必要があります。

現在でも、自社ウェブサイト等において、株主総会資料を任意に掲載している例は少なくありませんので、株主総会実務が大きく変わるということではありませんが、投資家からは、株主総会資料の内容の充実化と早期提供が強く要請されており、電子提供制度の開始とともに、情報開示の範囲がより広くなっていくことも予想されます。制度開始に向けて、インフラ面の整備を行うと同時に、株主に対する情報開示の在り方についての実質的な検討も必要となるでしょう。

 

東証上場会社の98.4%(市場第一部においては99.9%)は社外取締役を置いている(法務省「会社法の一部を改正する法律の概要」より)。

たとえば野村ホールディングスの2012年の定時株主総会では個人株主が100個の株主提案を行なっている。参考:野村ホールディングス株式会社「第108回 定時株主総会招集ご通知」

 

1 土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報が旧奈良県情報公開条例(平成8年奈良県条例第28号。平成13年奈良県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号所定の非開示情報に当たらないとされた事例

2 土地開発公社が土地を買収した際に個人に対して支払った建物、工作物、動産、植栽等に係る補償金の額に関する情報が旧奈良県情報公開条例(平成8年奈良県条例第28号。平成13年奈良県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号所定の非開示情報に当たるとされた事例

 

 

最3小判平成17年10月11日裁判集民事218号1頁 判タ1195号104頁 判時1913号45頁 

【判決要旨】 1 土地開発公社が個人から買収した土地の買収価格に関する情報は、公有地の拡大の推進に関する法律(平成16年法律第66号による改正前のもの)7条の適用により、同価格が地価公示法(平成11年法律第160号による改正前のもの)6条の規定による公示価格を規準として算定されたなど判示の事実関係の下においては、旧奈良県情報公開条例(平成8年奈良県条例第28号。平成13年奈良県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号イの「公表することを目的として実施機関が作成し、または取得した情報」に当たり、同号所定の非開示情報に当たらない。

2 土地開発公社が土地を買収した際に個人に対して支払った建物、工作物、動産、植栽等に係る補償金の額に関する情報は、建物の内部の構造、使用資材、施工態様、損耗の状況等の詳細および上記個人がどのような工作物、動産、植栽等を有するかが一般人に明らかになっているものではないなど判示の事情の下においては、旧奈良県情報公開条例(平成8年奈良県条例第28号。平成13年奈良県条例第38号による全部改正前のもの)10条2号所定の非開示情報に当たる。

【参照条文】 奈良県情報公開条例(平8奈良県条例28号。平13奈良県条例38号全部改正前)10

       公有地の拡大の推進に関する法律(平16法66号改正前)7

       地価公示法(平11法160号改正前)2-1 、6

       地価公示法2-2(標準地の価格の判定等) 

 

公有地の拡大の推進に関する法律

(土地の買取価格)

第七条 地方公共団体等は、届出等に係る土地を買い取る場合には、地価公示法(昭和四十四年法律第四十九号)第六条の規定による公示価格を規準として算定した価格(当該土地が同法第二条第一項の公示区域以外の区域内に所在するときは、近傍類地の取引価格等を考慮して算定した当該土地の相当な価格)をもつてその価格としなければならない。

 

地価公示法

(標準地の価格の判定等)

第二条 土地鑑定委員会は、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第二項に規定する都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第十二条第一項の規定により指定された規制区域を除く。以下「公示区域」という。)内の標準地について、毎年一回、国土交通省令で定めるところにより、二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行つて、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとする。

2 前項の「正常な価格」とは、土地について、自由な取引が行なわれるとした場合におけるその取引(農地、採草放牧地又は森林の取引(農地、採草放牧地及び森林以外のものとするための取引を除く。)を除く。)において通常成立すると認められる価格(当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格)をいう。

 

(標準地の価格等の公示)

第六条 土地鑑定委員会は、第二条第一項の規定により標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したときは、すみやかに、次に掲げる事項を官報で公示しなければならない。

一 標準地の所在の郡、市、区、町村及び字並びに地番

二 標準地の単位面積当たりの価格及び価格判定の基準日

三 標準地の地積及び形状

四 標準地及びその周辺の土地の利用の現況

五 その他国土交通省令で定める事項

 

真正な代表者でない者の一審における訴訟追行につき二審で追認があつたものとされた事例

 

 

売掛代金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和32年(オ)第720号

【判決日付】      昭和34年8月27日

【判示事項】      真正な代表者でない者の一審における訴訟追行につき二審で追認があつたものとされた事例

【判決要旨】      一審では真正な代表者によつて代表されなかつた場合でも、二審で真正な代表者の委任した訴訟代理人が本案について弁論をしたときは、一審での代表権の欠缺は補正される。

【参照条文】      民事訴訟法54

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集13巻10号1293頁

 

民事訴訟法

(訴訟能力等を欠く場合の措置等)

第三十四条 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠くときは、裁判所は、期間を定めて、その補正を命じなければならない。この場合において、遅滞のため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、一時訴訟行為をさせることができる。

2 訴訟能力、法定代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権を欠く者がした訴訟行為は、これらを有するに至った当事者又は法定代理人の追認により、行為の時にさかのぼってその効力を生ずる。

3 前二項の規定は、選定当事者が訴訟行為をする場合について準用する。

 

飯田橋事件・共同加害の目的が認められないとして兇器準備集合罪の成立を否定した原判決に事実誤認の疑いがあるとされた事例

 

 

              兇器準備集合、公務執行妨害被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和49年(あ)第1200号

【判決日付】      昭和52年5月6日

【判示事項】      一、共同加害の目的が認められないとして兇器準備集合罪の成立を否定した原判決に事実誤認の疑いがあるとされた事例

             二、無許可集団示威運動と昭和25年東京都条例第44号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例4条の趣旨

【判決要旨】      一、角材の柄付きプラカード等を所持して集団示威運動を行っていた学生集団の先頭部分の学生のうち、所携の右プラカード等を振り上げて警察官をめがけて殴りかかつている状況を相互に目撃し得る場所に接近して位置し、しかもみずから警察官に対し暴行に及んだ者あるいは暴行に及ぼうとしていた者についてまで、右行為は各自の個人的な意思発動による偶発的行為であるとして、兇器準備集合罪にいう共同加害目的の存在を否定した原判決は、判示の事情のもとにおいては、事実を誤認した疑いがあり、破棄を免れない。

             二、昭和25年東京都条例第44号集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例4条は、同条にいう所要の措置が違反行為の態様、公共の秩序に対する侵害の程度等に応じて必要な限度を超えてはならないことを規定したものであつて、無許可の集団示威運動に対し、これを直ちに実力で阻止し解散させなければならないほど明白かつ切迫した事態にない限り阻止することも許されないとする趣旨ではない。

【参照条文】      刑法208の2-1

             刑事訴訟法411

             刑法95-1

             昭和25年東京都条例第44号4

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集31巻3号544頁

 

刑法

(公務執行妨害及び職務強要)

第九十五条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

2 公務員に、ある処分をさせ、若しくはさせないため、又はその職を辞させるために、暴行又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

 

(凶器準備集合及び結集)

第二百八条の二 二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、三年以下の懲役に処する。

 

刑事訴訟法

第四百十一条 上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

二 刑の量定が甚しく不当であること。

三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

五 判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

 

法人税法三六条(過大な役員退職給与の損金不算入)及び同施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定の趣旨(原審判決引用)

 

 

法人税更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分取消請求控訴事件

【事件番号】      名古屋高等裁判所判決/平成2年(行コ)第12号

【判決日付】      平成4年6月18日

【判示事項】      (1) 法人税法三六条(過大な役員退職給与の損金不算入)及び同施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定の趣旨(原審判決引用)

             (2) 役員退職給与の適正額の判定に当たり、同業種・類似規模法人(比較法人)の平均功績倍率を基準とすることの合理性(原審判決引用)

             (3) 法人税法施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定にいう「同種の事業を営む法人」の意義(原審判決引用)

             (4) 比較法人の抽出における類似規模基準(原審判決引用)

             (5) 役員退職給与の適正額算定の比較法人の調査対象地域を、判定法人の本店所在地を管轄する税務署及びその近隣官署内に限定することの合理性(原審判決引用)

             (6) 適正な退職給与の額の算定に当たって、比較法人の功績倍率の平均値によることの合理性(原審判決引用)

             (7) 退職役員の最終報酬月額は著しく低額であるから、適正な退職給与の額の算定方式としては平均功績倍率法ではなく、一年当たり平均額法によるべきであるとの控訴人会社の主張が、著しく低額とはいえないとして排斥された事例(原審判決引用)

             (8) 法人税法三六条(過大な役員退職給与の損金不算入)、同施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定内容はいずれも抽象的であって、具体的な課税基準を定めていないことから、同法条に基づく本件更正は憲法八四条の租税法律主義に違反する旨の控訴人会社の主張が、単に抽象的であるとか、細部まできめられていないというだけでただちに租税法律主義に反するものということはできないとして、排斥された事例

             (9) 法人税法三六条(過大な役員退職給与の損金不算入)、同法施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定は退職給与額の相当性判断の基準について首肯できる程度に具体的、客観的に定めているということができるから、同法条に基づく課税をもって憲法八四条に反するということはできないとされた事例

             (10) 会社の営業部門の一部が当該会社から分離独立して別の会社(分離会社)となった場合で、しかも分離前の会社(当初会社)の役員が分離後も引続き両会社の役員を兼任しているような場合においては、分離会社の退職役員に対して支給される退職給与額の相当性を功績倍率方式に従って審査・判定するに当たり、当該退職役員の当初会社における役員在職期間をも通算して考慮すべきであるとの控訴人会社の主張が、分離会社はその設立とともに、法律上当初会社とは全く別個の法人となることは当然のことであり、右主張はこの事理を無視するものであるとして排斥された事例

【判決要旨】      (1) 法人税法三六条(過大な役員退職給与の損金不算入)及び同施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の規定の趣旨は、法人の役員に対する退職給与が法人の利益処分たる性質を有している場合があることから、業務従事期間、退職事情、比較法人の退職給与支給状況等に照らして一般に相当と認められる金額に限り必要経費として損金算入を認め、右金額を超える部分は利益処分として損金算入を認めないとすることによって、個々の退職給与の実体に即した適正な課税を行おうとするものであると解される。

             (2) 役員の最終報酬月額は、退職間際に当該役員の報酬が大幅に引き下げられたなどの特段の事情のない限り、役員在職中における法人に対する功績の程度を最もよく反映しているものであり、功績倍率は、最終報酬月額と在職期間以外の退職給与金額算定に影響を及ぼす一切の事情を総合評価した係数であると考えられるのであるから、平均功績倍率方式は、そのような最終報酬月額と功績倍率を用いて法人税法施行令七二条の所定の各要素を考慮し、判定法人の退職給与と比較法人の退職給与支給事例との適切な比較検討を行うことができるものであるということができ、比較法人の退職給与支給事例の抽出が合理的に行われている限り、法令の規定の趣旨に合致するものであるというべきである。

             (3) 法人税法施行令七二条の規定にいう「同種の事業を営む法人」とは業種業態が全く同一であることを要するものではなく、判定法人との間で退職給与の額の水準が同程度であると考えられる範囲内のものであれば足りるというべきである。

             (4) 比較法人の抽出基準が売上金額、所得金額、総資産価額及び資本金額において控訴人会社と類似の法人を抽出するように定められていることは、右各条項がいずれも事業規模を示す指標であることに照らすと、法人税法施行令七二条(過大な役員退職給与の額)の趣旨に沿うものであり、合理的であるというべきである。

             (5) 一般的に役員退職給与の適正額の判定法人の対象となるべき法人を選択するに当たっては、判定法人の所在地と近接した経済事情の類似する地域に存する法人を調査することが最も適当であるというべきであるから、課税庁が調査対象地域をまず控訴人会社の本店所在地を管轄する税務署及び近隣税務署管内に限定したことは合理的であり、それによって比較法人を得ることができた以上、控訴人会社主張のようにあえて他の国税局の管轄地域まで調査対象地域を広げる必要はないというべきである。

             (6) 適正な退職給与の額の算定にあたって、控訴人会社主張のように最高の功績倍率値をもって比準する方式によると、比較法人の中にたまたま不相当に過大な退職給与を支給しているものがあったときには明らかに不合理な結論となるし、抽出された比較法人の功績倍率の平均値を算出することによって、比較法人間に通常存在する諸要素の差異その個々の特殊性が捨象され、より平準化された数値が得られるのであるから、平均値を用いることは、法令の規定の趣旨に沿うものであり、合理的であるというべきである。

             (7) 省略

             (8) 租税法律主義の原則は、国民の経済生活における法的安定性と予測可能性を保障するために、租税にかかわる法律の規定ができるだけ的確かつ細部にわたって定められていることを要求するものではあるけれども、他面租税は、複雑多様な経済事象に対応して的確に課税の目的を果たすこと等の要請にも応じなければならないから、租税法規が租税法律主義の原則に背馳するか否かの判断・解釈はこれら異なる二つの要請をふまえて総合的にされなければならない。したがって、当該租税法規が単に抽象的であるとか、細部まできめられていないというだけでただちに租税法律主義に反するものということはできず、右のような判断の原則に則り当該法規の目的とするところを合理的に解釈し、その法規が課税の根拠・要件を規定したものとして一般的に是認できるものであれば、当該租税法規は租税法律主義に反しないものというべきである。

             (9)・(10) 省略

【掲載誌】        税務訴訟資料189号727頁

 

法人税法

(過大な使用人給与の損金不算入)

第三十六条 内国法人がその役員と政令で定める特殊の関係のある使用人に対して支給する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

 

法人税法施行令

(特殊関係使用人の範囲)

第七十二条 法第三十六条(過大な使用人給与の損金不算入)に規定する政令で定める特殊の関係のある使用人は、次に掲げる者とする。

一 役員の親族

二 役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者

三 前二号に掲げる者以外の者で役員から生計の支援を受けているもの

四 前二号に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族

 

第7章 代表者の住所の登記事項証明書等への記載

登記事項である株式会社の代表者の住所が登記簿謄本等に記載されることについて、プライバシー保護の観点から従前より議論もあったところですが、今回の改正に付随して、登記事項証明書については代表者からドメスティックバイオレンスの被害者等であることに基づく申出がなされた場合に、住所を表示しない措置を可能とすること、またインターネットで提供される登記情報においては代表者住所を記載しないものとすることが決定されました。これらの事項は、システム改修期間を見込んで改正法公布から3年6ヶ月を超えない時期に、法務省令等の改正により実施される予定です。